日々雑感
2002年3月
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最新映像
ラマラに進軍するイスラエル軍の戦車


02/03/31 (日)
気になるニュース
 東京の弟夫婦が墓参りに帰郷した。その父母の墓は人里離れた山にある。墓といってもまだ塔婆しかない寂しい墓地である。墓を建てようにも兄弟一族みな貧乏なので、今のところは塔婆だけで我慢するしかない。例によって今年も私は墓参しない。何やら宗派の対立で醜い抗争を続けている寺に幻滅しているからだ。これでは両親の霊も浮かばれない。墓を建てるどころか、いずれ引き払うつもりでいる。こんな私もむろん墓は要らない。死んだらその辺に埋めてもらいたいものだ。忘れられていい。「五木の子守唄」のように・・・

おどんが打死(うっちん)だちゅうて誰が泣いてくりょか。裏の松山、蝉が鳴く。
蝉じゃござんせぬ妹でござる。妹泣くなよ気にかかる。
おどんが打死ちゅうだば道端埋けろ。通る人ごち花あぎゅう。
花は何の花つんつん椿。水は天からもらい水。
02/03/30 (土)
気になるニュース
 中東情勢が俄かに緊迫してきた。数日前から、今年の中東情勢を「気になるニュース」から抜粋、まとめていたところだった。「じねん」TOPの左上「Theater」から入り、「中東2002一覧」というタイトルをクリックすると閲覧できる。未完成だが何とか少しずつ更新していきたい。とりあえずここ数日は中東情勢を追っていきたい。

 桜が開花したようである。公園の桜も咲いたというので見に行こうと思ったが、足の痛みで断念する。酒を飲んだ翌日には足の痛みも軽減することから、どうやら血流が悪いようだ。自転車には痛みなく乗れるので、堤防沿いの桜並木を見に行こうと思っている。人ごみの多い公園よりはゆっくり桜が鑑賞できる。ワインも持っていこう。父が生存中の頃には職人たちと花見をしたことを思い出した。鼻息の荒い連中ばかりで、酒が入ると必ず喧嘩が起きたものだった。最初は気分よく飲んでいて、見知らぬ花見客に声をかけては一緒に飲んでいる。ところが酩酊するにつれ「おまえは誰だ?なんで人の酒を飲んでいるんだ?」となる。まったくもって漫画である。一升瓶を叩き割る音、怒号、かくして花見は喧嘩の場と化してしまう。先陣を切って喧嘩を吹っかける職人Oの存在は、みんなの恐怖の的でもあった。そのOが数年前に亡くなった。昔の面影は全く消え失せ、孤独のうちに年老いて死んでいった。桜が咲く頃になると決まって思い出す喧嘩桜・・・桜が風に散って舞うように、人間流転の散り際を考えている。
02/03/29 (金)
気になるニュース
 今日は朝から雨模様のため仕上げを延期する。雨漏りもさることながら、やはり湿気は大敵となる。コンプレッサーも水抜きしなければならない。湿気があると空気中の水分が圧縮されて、タンクの底に水か溜まるのだ。あと一息で作業を終える段階まで調整して、明日仕上げることにした。ちょうど今日は来月の建築の仕事のことで監督から電話が入り、10日から着工してもらいたいとの伝達を受けている。さっそく材料を注文し、準備にかかる。気がかりなのは持病の足の痛みで、今から下半身を鍛えながらマッサージをしておこうと思っている。去年は現場で立っていられないくらい辛い思いをした。無理をすると必ず足の激痛に見舞われるので、自分の体を騙すように無理なく動かさねばならない。かつての急斜面での作業が足を痛める結果となったようだ。農家の屋根の仕事をしていたのだが、雪が積もるので一般の屋根より勾配が急なのだ。作業中は足首が極端に曲がり、足首に体全体の重力がかかってしまう。こうした無理な姿勢のまま、当時は無我夢中で仕事をこなしてきた。それが今になって後遺症が出てきたというわけだ。いわば職業病というやつである。人間の体も使いすぎれば故障が出るようである。
 闘病中の母が担当医に言われたという言葉を思い出した。病気と闘っては駄目、長い闘病であれば病気を騙し騙し、仲良く付き合っていくしかないと・・・矛盾した話のようだが、まずは自分が病人であることを認識せよということだろう。早く治りたいと焦;れば焦るほど、その焦りがかえって心の負担となって悩むことになる。それより自分が病気であるという事実を受け入れ、余裕をもって病気と取り組んだほうが心の負担も軽くなる。人間にとって生老病死は避けることの出来ないものであり、嫌がってもどうすることも出来ない、避けようにも避けられない生きものの自然法則である。その母が末期癌の末、自宅療養を許されて自宅に帰ってきたおり、記念にと母をビワの木の下で撮った写真がある。痩せ衰えた母が写っているその写真を見るたび、母が小さく小さく見えて仕方がない。消えてしまいそうに小さくなっていく母のイメージと裏腹に、母を包むかのようなビワの木は毎年大きくなっていく。巡る季節のたびに少しずつ大きくなっていくビワの木に、私は母の小さくなっていくイメージを重ねている。母の命はそのままに、ビワの木に吸い取られて大きくなっていくような気になるのである。毎年ビワの実を食べながら、母の恵みを感じている。私にとってビワの実は母の味だ。愛すべき人の忘れ得ぬ思い出は決して消えることがないように、忘れ得ぬ人の命も決して死ぬことはないのだと・・・

【視聴予定】
■22:00〜22:45 NHK教育 地球時間「進化・生命の奇跡[終]生き物たちの輪」
■25:20〜28:20 テレビ朝日系列 朝まで生テレビ「激論言論・表現の自由が消える日!?」
02/03/28 (木)
気になるニュース
 いつものことながら、仕上げの段階が最も緊張する。神経が張り詰めているため、日常の些細なことまで気になってしまう。完璧な仕事をしようとすればするほど、納得のいかない仕上がりに悩みが悪循環する。今日もピンホールが気になって、それを修復するのに神経がピリピリしている。針の穴ほどのミスが心では大きな負担となってしまう。修復のつもりが、さらなるトラブルを生み、それが延々と繰り返される。地球の重力が無ければ問題はあっさり解決するのだ。仕事中にNTTの職員がやってきたが、作業の手を止めるわけにいかず「後にしてくれ」と言ったまま仕事を続けていた。ちょっとした油断がトラブルに繋がるので目が離せないのだ。今日中に完成させる予定だったが、神経が昂ぶっているため、仕上げは明日に延ばすことにした。別に急ぐことはない。焦りは禁物だ。手間がかかる割には利益の薄い仕事だが、まずは自分の未熟を克服することだけに専念していきたい。

 25日夜に発生したアフガン北部バグラン州ナフリン近郊の大地震では、2000人を越える犠牲者が出るだろうと言われている。アメリカ軍によるテロ報復戦争で荒廃したアフガンに、地震はあたかも追い打ちをかけるような悲劇の惨状を呈している。『パンと植木鉢』や『サイクリスト』で知られるモフセン・マフマルドフ監督は、日本作家・辺見庸氏との対話で次のように語っている。
 「過去20年間、爆弾でなく本を降らせていたらどんなに違っていたことでしょう。地雷ではなく小麦を植えていたら、アフガニスタンは今日のような姿にはならなかったでしょう。ソ連、タリバン、そしてアメリカと、ずっと戦争が続き、子どもたちは爆撃や地雷で恐怖と飢えにさらされてきました。そして、最近の攻撃は人々を救うためでなく、復讐のために行われたのです。なぜアメリカは貿易センタービルが崩れ落ちる前に、アフガニスタンを思い出さなかったのでしょう」
 アメリカはアフガニスタンを報復戦争の戦場としてタリバンを追い詰め、誇らしく勝利宣言をしているが、そのために多くの報復に値しない民間人が犠牲になったことをどう思っているのか?自国で失われた命数千人の報復のために立ち上がったアメリカは、それよりもっと多くの人命を失い700万人もの難民を出したアフガンを、その時、なぜアメリカは思い出さなかったのか?と・・・静かな口調でマフマルドフ監督は語るのである。アメリカの人命とアフガンの民の命にどれほどの格差があるというのだろうか。

【視聴予定】
22:00-22:45 NHK教育 21世紀農業の新しい風・第31回日本農業賞 ▽先駆者たちの意欲的な取り組み
02/03/27 (水)
気になるニュース
 昨日の日誌で書いた「琴似町」は、今は町ではなく「琴似」となっている、とのメールをいただいた。のちに職人たちを引き連れて旅行したおり、その琴似に寄ってみたがすっかり様変わりしていた。私は当時、石黒アパートという古びたアパートに住んでいたのだが、そこはビルが建っていてかつての風景は跡形もなかった。よくガード下の飲み屋街で飲んだものだが、むろんそこも消滅していた。寂しいものだ。出来ることならもう一度、あの頃に戻って奔放にさすらってみたい。ちょっと危くて生々しい人間臭さが懐かしい。私を札幌で拾ってくれた親方は、夜になるとギターを抱いてススキノを流していた。つまり流しのギター弾きだった。奥さんはガード下の飲み屋のママだった。危ない連中の吹き溜まりで、17歳の若造だった私が暮していた。今頃みんな、何処でどうしているやら・・・まるで消息がつかめない。親方も生きているかどうか、黒皮の椅子に腰を降ろし猟銃を磨いていた光景を思い出す。奥さんも普通の主婦では治まっていないだろう。ススキノあたりで居酒屋を切り盛りしているかも知れない。いま会っても互いに分からないはずだ。それでいいのかも知れない。ただ、せめてもう一度・・・あの頃の人情風情に漂ってみたいものだ。

 今日のどしゃぶりで作業が少し遅れた。湿気で乾燥しない分、予定がずれる。また材料屋が違う材料を持ってきた。さすがに今日は頭にきて怒鳴り散らしてしまった。終わった頃に材料持ってきてどうするんだ。こちとら作業の遅れが死活問題につながるんだ。あれほど言っておいたのに、また違う材料持ってきやがって、謝って済むもんじゃねえだろ・・・ああ、やりきれない。これでまた血圧が上がった。この前は別の材料屋で啖呵きったばかりだった。これではいずれ材料も売ってもらえなくなるかも知れない。昔よりは穏やかになったと自分では思うのだが、我慢している分だけ吐き出す言葉も荒くなってしまう。老舗の大きな店ほど融通が利かなく、つい苦情がエスカレートする。この不景気な時勢に、小分けはしないの一点張り、殿様商売してんじゃねえぞ、となる。材料単価も客を値踏みして差をつけている。大手の買い占めに追従して、在庫がないなどとほざいたこともあった。オイルショックの時もそうだった。倉庫見せろと迫って、取り引き停止の報復を受けたことが懐かしい。ここでは書けない裏話もいろいろある。拝金主義に踊り踊らされる人間のエゴ模様に、ただ良い仕事をしたいだけの一途がぶつかる。私は今もって経済の基盤はモノ作りにあると思っている。それは確信に近いものとなっている。カネをカネで売り買いするようなマネーゲームを私はのっけから信用しない。心のこもった仕事だけが唯一経済を活性化させる原動力なのだと、そうあってほしい願望が、今では祈りになった。

【視聴予定】
■19:30-20:00 NHK総合 クローズアップ現代 増える弁護士・身近になるか
■22:00-22:45 NHK教育 ETV2002 日本の宿題社長が生まれる町市が創業支援▽裸一貫から社長に
02/03/26 (火)
気になるニュース
 ここ数年来、殆ど風邪をひいたことはないのに、今年は珍しく風邪をひいた。幸いにもインフルエンザでも花粉症でもなく、単なる風邪で、クシャミをするぐらいで済んでいる。急に冷え込んだ一昨日、工場内で寒さを我慢して作業を続けたのが災いしたようである。仕事は順調で、三台並べて作業をしている。思えば去年の夏から初めて手がけた仕事であった。建築ならお手のものだが、金属はまるで勝手が違う。未熟ながら深夜まで悪戦苦闘し、気が付けば朝日が射し込むということもあった。完璧とは到底言いがたいが、今では監督のチェックもクリアして引き渡している。来月からは久しぶりに古巣の建築の仕事が待っている。不況のあおりで仕事そのものが少なくなった今、働くことの充実感をあらためて味わっている。忙しいのが当たり前だった過去を振り返れば、あの頃はこれほどの充実感もなかったように思える。むしろ嫌々ながらやってきたようなところがある。父が生存中の若い頃は尚更であった。会社の後継者としての重圧感が息苦しく、17歳にして単独北海道に旅立ったものだ。琴似町二条二丁目・・・この住所は今も決して忘れない。忘れられない青春の記憶・・・そこで私はウラの世界を垣間見、体感した。ワクワクドキドキしながら生きるということ、明日なんか知らない、筋書きの全くない人生に足を踏み出すときの緊張感と解放感・・・もう帰ることのない青春の思い出だ。雨が降っている。冷たい夜の雨が・・・こんな雨の日に父は息を引き取ったのだった。みんな夢のようだ。この世が儚い夢ならそれでもいい、夢なら夢らしい夢を見たいだけだ。

【視聴予定】
■19:30-20:00 NHK教育 ゆうゆう 入院せずに抗がん剤治療▽乳がんと生きる
■22:00-22:45 NHK教育 ETV2002 「日本の宿題クビは切らない」社長の改革▽雇用死守と企業再建
02/03/25 (月)
気になるニュース
 精密機械のベース三台、今日から作業にかかる。本来は来月分の仕事なのだが、来月から待ったの効かない仕事に入るため、前もって機械を先にやることになった。監督がいろいろ気を利かしてくれるので助かる。材料も足りなくなりそうなので前もって予約注文しておく。いつもながら思うことだが、仕事は作業に入る前の準備段階でほぼ決まる。かつてはよく出張したものだが、現場についてから道具を忘れたり、材料が足りなくなって困ったことが多々あった。そうなると、遠方とあって忘れ物を取りに行くことも出来ない。材料や人件費を差し引いてどれだけ利益が出るか、見積もりの段階で決定しなければならないことも重要だ。私はいつもその辺で躊躇し、頭を悩ましてしまう。今度の精密機械の場合、利益は殆ど出ない。この底なし不景気にあっては仕事があるだけ良しとしなければならない。つらいところだ。ただ元請け会社の将来性に一抹の期待をかけている。賭けていると言ったほうが適切か、後先のない博打のようなものかも知れない。それでもそこの社長が私の仕事を認めてくれる限り、冷や飯を食ってでも誠意ある仕事だけはしていきたいと思っている。日本企業がアジアに進出している最大の理由は人件費にあり、中国の場合は日本人従業員一人分に対して20人分の人件費だと言われている。この著しい格差がある限り、日本企業はこれからもアジア進出で生き残りを計るはずだ。つまり日本国内での空洞化は避けられないことになる。私が今手がけている機械はアジア方面に輸出されているが、やはり人件費がネックとなって元請けは数年前に大規模なリストラをしている。このまま不景気が続くようであれば、次に打つべき策はアジアへの企業移転しか考えられない。それに伴い、会社独自の技術的なノウハウもアジアへと流れていくことになる。空洞化はそうした技術流失という点でも深刻になる。これでは日本の若い人が育つわけがない。私とて長年積み重ねてきた体験からの職人技があり、今のような仕事そのものが少ない時代には活かすすべはなく、まして若者に伝承しようもない。何か抜本的な打開策を考えないことには生活もままならなくなる。
 今夜のクローズアップ現代で製造請負(EMS)なるテーマをやっていたが、これまでメーカーがやっていた設計から製造に至るまでの過程を、すっぽり中抜きして請け負うという斬新なアイデアに注目した。メーカーは研究開発したものを製造請負会社に委託し、それを製造請負会社が具体的な形にして製品化するというのだ。製品化されたものは再びメーカーに戻され、それをメーカー側が販売ルートに乗せる。そのために請負会社は大手メーカーなどの工場を次々と買収しているのだそうだ。工場買収は海外に及び、製品化最大のメリットはやはりアジアなどの人件費の安さであることは変わりがない。製品化過程の中抜きでメーカーの負担も軽くなり、一石二鳥のようにも思えるが、そのメリットを人件費の安さという経済効率に求めていく限り抜本的なものとは言えなくなる。つまり日本国内の空洞化は益々広がっていくのではないか、という懸念は拭えないのだ。
 私のような単純な人間は、それこそカネを使わない物々交換にしたほうが良いのではないか、とすら思っている。足りないものを互いに分かち合うといった鳥取県の地域自給の試みを思い出した。(2/14の日誌参照

【視聴予定】
■20:00-20:45 NHK総合 地球・ふしぎ大自然ベストセレクション 「マンボウが跳んだ・東太平洋・大追跡」世界初映像ほか
■22:00-22:45 NHK教育 ETV2002 「金庫が消えた町・信金破たんの波紋」 資金繰りに奔走する商店主たちの冬ほか
■02:15-03:05 NHK総合 世界に挑む中国企業・ウィークエンドスペシャル 「トップ経営者の躍進戦略」  
02/03/24 (日)
気になるニュース
 日曜日の今日は一転して朝から晴天の小春日和だ。とはいってもまだ肌寒く、縁側の窓を開けると冷気が流れ込む。猫族たちは反対に喜んで庭に飛び出していった。さっきまでストーブの傍で丸くなっていたのに元気なものだ。キャットフードに猫缶の肉、それにデザートのヨーグルトを瞬く間に平らげている。私はといえば、昨日の残りご飯を食べただけである。もはやかつてのような暴飲暴食を続けていては命が危ういことにも気付いている。最近では雑穀主体の自然食を少々、それでも週に一回ぐらいの痛飲が体調を崩しているのを実感している。別に長生きをしようとは思わないが、長編小説を一気に読めるぐらいの集中力だけは失いたくない。そのための健康維持でもあるのだが、ここのところ本を手に取ることもなくなった。活字を追うのでさえ辛くなっている。時折テレビのニュースですら雑音に聞こえてスイッチを切ったりしている。静かな日曜の昼下がり、子猫たちがまた私の傍に寄ってきた。

 春の天気は変わりやすく、午後からまた天気が崩れだした。我が家に集ってくる野良猫に、今日さらに新参の三毛猫が加わった。オスかメスかは分からぬが、我が家の子猫たちより若そうだ。尻尾が短いところから、飼い猫が人間に捨てられたものと思われる。こいつは最初から馴れ馴れしく家に入り込み、餌をねだってくる。このおねだり猫をミケと呼ぶことにした。しばらくして入れ替わりにいつものオス猫「シロ」が現れ、餌を食べたあげく今日は珍しく廊下に居座っている。よく見れば前足に焼け焦げた痕がある。また人間に虐められたのだろうか・・・餌を前にしても相変わらず威嚇するように唸り声をあげる。そんなシロが廊下からじっと私を見詰めている。私が味方か敵か、決めかねているようにも見える。それらの仕草が我が家の子猫チロにそっくりなのだ。血は争えないなどと勝手に思ったりしている。

 野良猫もいいが、ここに至って私も空腹を覚えてきた。あれからヨーグルトぐらいしか口にしていない。コンビニから弁当でも買ってこようとも思うが、ちと面倒でもあり、即席ラーメンで済ますことにする。タバコを買いにいくたび、自販機の前で迷う。タバコ2個買いたいところを1個にして残りでコーヒー缶でも買おうか、とか、生活費を浮かすために小銭は貯金しておこうか、とか・・・貧乏は否応なく金銭感覚を実感させてくれる。その自販機の傍の道路関連の事務所が閉鎖されている。つい数日前には事務所の看板を外していたから、おそらく倒産したのではないかと憶測している。ここ数年で、我が家近辺の店が四件も店じまいした。私がいま最も心配しているのが、底なし不況そのものより、人間の心の荒廃のことだ。絶望は病気だ。貧乏だから絶望なのではなく、貧乏を苦にした時点で絶望という病気が発症するのだ。自戒せよ、と自分を戒める。

【視聴予定】
■14:00-15:10 NHK教育 フォーラム・スローフードを知っていますか ▽イタリアで始まった地域食材の再発見運動辰巳琢郎ほか
■17:30-18:24 TBS系列 報道特集 監禁事件で深まる謎▽介護?塀の中の高齢者
■21:00-22:24 日本テレビ系列 知ってるつもり!? 「救世主伝説イエス・キリスト生涯34年謎と悲しみ」祝福いやし教え奇跡愛3年死の十字架
■23:57-24:27 宇宙船地球号 未来型巨大飛行船の復活…環境に優しく
02/03/23 (土)
気になるニュース
 今日は朝から雨の降りそうな、どんより曇った天気だ。こんな日は何故か外に出る気がしない。心なしか体調もすぐれないようだ。こういった曇り日の時は大気中のマイナス・イオンが増加、曇り日に気分がすぐれないというのも科学的に説明がつく。逆に晴の日はプラス・イオンが増加、噴水など放射線状に水蒸気が舞う状態では最も増加率が高くなるという。つまり噴水付近では気分が良くなるというのも科学的に立証できるというわけだ。地上はマイナス・イオンを帯びており、晴れた日にはプラス・イオンが地上に降り注ぎ、地球の負電荷を弱めているのだそうだ。その地球そのものを乾電池に見立て、やがて人類は地球そのものから電気を得るようになると予言したのは天才科学者ニコラ・テスラだった。そうなれば電力会社は成り立たなくなるはず。荒唐無稽と思われやすいテスラの発想も、案外的を得ているかも知れない。そもそも電気とは何か?といった本質的な疑問にはまだ解答が出ていない。出せないのではないか。応用ばかりが先行して本質を見失っているようだ。

 一昨日21日には旧ミドリ十字の血液製剤、米で禁止後も国内で販売といったニュースが流れた。人の命を何だと思っているのか・・・肝炎感染が確実視されているのにも関わらずフィブリノゲンを販売していたという事実は、これは刑事犯罪としか言いようがない。肝炎に有効な新薬がアメリカで開発されたと言うが、これを日本で認可されるには少なくとも5年はかかるだろうとのこと、すでに肝疾患から肝ガンに移行している感染者にとっては間に合わない人々も出てくる。検査の折、妹が亭主のC型感染について医師に相談したらしい。答えは「何の心配もない」であったという。肝炎感染の注意事項でさえ教えられることはなく、担当医師の「心配ない」を鵜呑みにして安心しきっている妹夫婦であった。それで済むのか・・・そんな子供だましで済ませようとする医療機関に激しい憤りを感じている。
02/03/22 (金)
気になるニュース
 今日の正午、ようやくメンテナンスが終了した。メンテナンス終了後、どうもHPの表示速度が遅くなったようだ。FTPの設定も一部変更されており、メンテナンスの目的が無料サーバの移動だったことがほぼ推測される。無料で利用させてもらっている私としては仕方のないことだと思うが、今後別のサーバに鞍替えすることも考えている。

 正午までに建築の仕事を終え、工事金をもらってきた。これで少しは楽になる。お茶を飲みながら家主と世間話をする。私と同世代の息子のこと、だらしがなく今もって結婚していないと嘆いている。話を聞きながら、まるで自分のことを言われているような錯覚に陥る。つい数年前リストラされ今はアルバイトをしているらしい。大変な世の中になったものだと言う家主に、私も思わず相槌を打ち大きく頷く。この先どうなるんだろう?どうにでもなれと居直って、どうにかなっていくだろう先行きを俯瞰してみる。どこか醒めたところで俯瞰していないと、自分を見失ってしまうような気がする。来月からは大手の仕事に入る。何とか会社を持ちこたえていきたい。
02/03/21 (木)
気になるニュース
 建築の仕事に入った。今日は午後から強風になる予報なので気になっていたが、案の定午後から天気が崩れだした。天気の崩れそうなときは私はいつも西の山を見る。その山が見えない時には雨が降ることが多い。今日の山もそうだった。空が俄かに暗くなり、うっすらと黄色がかったような霞みがかかっていた。これはおそらく中国大陸からの黄砂だと思われた。突風で何度かシートが飛ばされる。家主にことわって、今日は午後から退散させてもらうことにした。出来ないこともなかったが、こんな悪天候のもとでは仕事をする気にもなれない。雨にでも降られれば仕上げが台無しになる。ニュースによると、霞みの原因はやはり黄砂ということだった。明日には仕上げたいと思っているが、どうやら明日も午後から天気が崩れるとの予報だ。しかし午前中は晴れ間も覗くらしいので、午前中までに仕上げればいいことになる。何とかなるだろう。

 今夜「ドラマ・碧空(あおぞら)のタンゴ・東京下町、ある職人一家の終戦」(井上ひさし原作 久世光彦演出)を観た。泣き笑いしながら、すっかりドラマにのめり込んだ。戦時中の東京空襲のことは母からずいぶん聞かされていた。そのことがドラマとオーバーラップしていたのかも知れない。戦争によって愛する人を失い、引き裂かれる恋、それでも逞しく生きながら、どこか可笑しい人間模様に涙が止まらない。4月10日には有事法制関連4法案が提出されるとのことだが、いつもながら思うことは、戦争になったことを想定するのではなく戦争にならないための法案をつくることのほうが先決だろう。その大きな役割として外務省があげられるが、このところの外務省の不祥事では絶望するばかりだ。恋人でも家族でも、愛する人を失わせる全てものに対して人類は抵抗すべきではないか。権力者たちが「戦争になったらどうするか?」と具体的な話を持ち出すことの危険は言うまでもないことだろう。彼らは「そうなったら」国民に武器を持たせることも厭わないはずだ。好き嫌いの激しい我が小泉総理の性格が、こと有事については危険このうえない指導力とならないことを切に祈りたい気持ちだ。 
02/03/20 (水)
気になるニュース
 昨日のフジテレビ系列のニュース特集によれば、今から15年程前、ミドリ十字は各支店長宛ての内部文書で「肝炎発生報告は東北の8例以外出ていない」との口裏あわせを指示していたという。(1987/4/20付けミドリ十字の極秘社内通達) 被害者に対して営業本部長が賠償金各100万円を支払い「この件については一切口外しない」という警約をさせていた、との証言もある。これはミドリ十字が社会問題化することを恐れての処置だったと思われる。これについて旧ミドリ十字の三菱ウェルファーマ社は「肝炎に罹患した患者さんに対し、法律上の責任があるとして補償金を支払ったことはない」としている。当時の血液製剤フェブリノゲンに添付されている使用上の注意書きには「結成肝炎等の肝障害があらわれることがあるので観察を十分に行うこと。本剤の使用により15-20%の急性肝炎の発症があるとの報告があり、使用の決定に際しては患者のリスク負担と投与によって受ける治療上の利益等を秤量する必要がある」と明記されている。製薬会社はこの表記を免罪符として、製薬会社には責任がないのだと主張する。しかし、実際には注意書きにあるような急性肝炎のみならず、肝炎の慢性化、肝硬変から肝ガンへの移行といったことは製薬会社も分かっていたことから、リスクを正しく表現していないことになる。まして15-20%の急性肝炎発症と明記しながら、一方では肝炎感染の報告を捏造するための口裏工作を指示していたとなれば、そのことの方が大問題であろう。さらに当時の某産婦人科医師が15年前の血液製剤フェブリノゲンを保管していたのだが、その全てからC型肝炎ウィルスが発見されたという。
 今月4日には三菱ウェルファーマが「患者約28万3500人のうち、推定約1万600人が肝炎に感染した疑いがある」との報告を厚生労働省に提出しているが、仮に先の産婦人科医師が保管したフェブリノゲンのように、全てのフェブリノゲンがC型肝炎ウィルスに汚染されていたとするなら、感染したとされる1万600人という数字はあまりに少ないのではないか?私は今月8日の日誌でも「今年の厚生省と製薬会社の調査による感染者1万余名はそれに加算されることになる。まだまだ甘いようだ。二次三次それ以降の感染者を想定すれば500万は軽く突破しているように思えてならない」と書いている。書いた当初は憶測もあり自信がなかったが、今度の15年前の保管血液製剤フェブリノゲンの全てからC型肝炎ウィルスが発見されたという事実からも、今は自信をもって感染者500万人突破を予告しておきたい。
【関連】
「旧ミドリ十字の血液製剤による肝炎感染の疑い1万人以上
厚生労働省が非加熱製剤によるC型肝炎感染の調査を発表

【視聴予定】
■21:15-22:00 NHK総合 テロを撮ったカメラマンたち 「9・11倒壊現場の決定的瞬間」 写真家がとらえた恐怖と警告
■22:00-22:45 NHK教育 ETV2002 「師弟・受け継がれる心(03)15歳で社長になった起業青年の心の師」
■24:15-25:00 NHK総合 読む 有事法制の考え
02/03/19 (火)
気になるニュース
 昨夜は信頼していた知人から予想外の非難を浴びて気落ちしていた。父の代からの職人で、一番弟子でもあった。非難するのも良いが、勝手な憶測だけで言われると迷惑になる。どうやら酒が入っていたらしい。同じ社長業なら、私の立場も分かりそうなものだが、一方的に非難されては困るのだ。多少遠方とあって滅多に会うこともない先輩に、昨夜は次から次へと非難を浴びせられていた。これまで仕事関係でも互いに支援しあったこともない、ただ私は懐かしさのあまり安否を気遣う電話を入れただけなのだ。元気ですか?そちらの景気はどうですか?体の調子は・・・それらの気遣いが無視され非難が返ってくるに及んでショックを受けていた。言う奴には言わせておこう、とも思う。弁解するまでもない。私が日々何を考え、何をしているか・・・私自身がそれをよく知っている。噂を信じて人を非難する前に、少なくとも自分で事の真相に想いを巡らすことぐらいはしてほしいものだ。そんなこんなで昨夜は日記を書く気にもならず、居酒屋でひたすら苦い酒を飲んでいた。
02/03/17 (日)
気になるニュース
 久しぶりに建築の仕事が舞い込んでいる。たった一日くらいで終わるような仕事だが、しばらく使っていなかった道具の手入れや材料の在庫の確認などで手間取っている。どんな仕事でも顧客の依頼があれば誠意を示すだけだ。天気が崩れない限り、明後日20日には現場で仕事にかかっているだろう。依頼主は以前父の会社で働いていた元従業員だ。すでに高齢にさしかかっており、最初は会っても誰だか名前も思い出せなかった。その依頼主であるところの老人は、父の元で働いていた頃から一度も笑顔を見せたことがない。不思議な人だと当時から思っていたが、ある日彼はポツリと呟いた。「戦時中には憲兵をしていた」と言うのだった。それで彼が笑わなかった理由が分かり、勝手に納得したものだった。どんなことをしていたのか?詳しいことは分からない。ただ、それらの人生体験が笑顔を消し去ったことだけは推測できる。喜怒哀楽の激しい私などは、そんな人物に接するといったい何を考えているのか分からぬ不気味さに苛立ってしまう。今は老人となった彼だが、あの当時と同じく笑顔は全く見られない。彼がもっと気さくな性格であれば、酒でも酌み交わしながら戦争当時の話を聞きだせようが、人を寄せ付けない雰囲気を前にしては取り付く暇もない。憲兵隊といえば、以前に何度か書いた某大手建設会社の圧力で自殺した社長もまたそうだった。この社長は笑顔すら見せていたが、高笑いしている様子を見たことがなければ聞いたことも一度もなかった。こちらは憲兵でも幹部クラスであったらしく、戦後においては罪の意識に苛まれ、これまで誰も恐れてしなかった大手建設会社の内部告発をしたのだった。正義感の強い社長だった。聞くところによれば、その息子は、勝新太郎の事務所で俳優を目指し、何度かテレビにも出ていたらしい。今はどうしているか分からない。思えばいろんな人がいるものである。私の父なども戦争体験はあまり語りたがらない傾向があった。一兵卒で馬の係りをしていたというが、一度だけ戦争中の記念写真を見たことがあった。その写真には前列付近で軍刀を前にした軍服姿の若き日の父が写っていた。兵卒が本当だとしても、それ以降に昇格したのではないか?と疑っている。その写真も火災で燃え、当の父もすでにこの世に無い。
02/03/16 (土)
気になるニュース
 誰が読んでいるのか?分からぬ、顔の見えないところで毎日せっせと日誌を書いていると、時々言え知れぬ孤独感に包まれることがある。石を投げても虚空の闇に吸い込まれていくような・・・せめて湖面に波紋が広がる様子が見えてくればやりがいもあるというものである。標識のない闇の中を疾走するレースカー・・・道すら見えてこない。ブレーキを踏もうにも危険地帯の標識すら見えない。インターネットとはそんな前人未踏の未来に向かって走る仮想空間のようでもある。メンテナンス期間の空洞で少し疲れを自覚している。ある組織からの脱会を意思表示したときに言われた言葉を思い出す。勿体無いと・・・その組織の有り様に疑問を抱いてしまったら去るしかないではないか。正しいと思ってやってきたことが、正しいと思わされてきたことに気付くとき、利用され騙されてきた自分の不甲斐なさにも気付くのだ。そのことがあってからだ。私が全ての属性から解放されたいと思うようになったのは・・・何も信じられない、から何も信じないへ・・・それでいて何かを信じなければ生きていけない自己矛盾を抱えながら・・・つかみどころのない良心とやらに執心するようになった。去年の夏、電動工具で腕に深手を負った瞬間に、私はとっさに死を間近に感じたものだった。傷口を押さえても止まらない血に、それこそ血まみれになって死んでいかねばならない自分の最後を覚悟した。それがどうだ・・・今もこうして生き長らえた自分が日誌でブツブツ何やら愚痴っている。とりとめのない想いが連綿と続く日常性・・・生きていて良かったのかどうか・・・その評価すら見失いそうな・・・今日という深夜・・・こういうときもあるさ。子猫が私に寄り添って眠っている。
02/03/15 (金)
気になるニュース
 今日は朝から加入HPサイトのトラブルで、HP(ホームページ)の更新も不可能になっている。よって、今書いている日誌がインターネットで読めるのも遅くなるかも知れない。回復不能なトラブルであれば、この「じねん」もアウトになる。昨日まで難なく動いていたから、おそらくは早い時期に回復するのではないかと思っている。(18:50、現在)

 こういうのを早合点というのだろう。何のことはない記憶を辿ってみれば、15日から21日までメンテナンスのためサーバが停止することになっていたのだ。というわけで来週の木曜日まで、この日誌は私だけのものとなる。ま、所詮日誌というものは個人趣味的な傾向が多分にあって、他人に読まれることを前提としたこの「日々雑感」などは不自然なのかも知れない。

 サカリのついた野良猫どもが騒いでいる。我が家の猫族も例外ではない。特にオスの子猫ペロには始末が終えなくなってきた。その点メスの子猫チロは大人しいが、これからオス猫どもに最も狙われやすくなる。うるさくて眠れないが、これも予想していたことであった。春は猫族たちの本能が蠢く季節でもある。我が家と工場と、隣接する倒産した会社の倉庫あわせて600坪の敷地が、野良猫たちの縄張り争いの戦場と化している。
02/03/14 (木)
気になるニュース
 日々暖かくなってきているようだ。子猫たちも外に出ることが多くなり、それだけ車に轢かれないかと心配もつのってくる。最近では他の野良猫も集まってくるようになり、いずれお隣さんから苦情も出ることだろう。前に紹介した父親と思われるオス猫などは毎日餌をねだるようになり、こいつは餌を前にしても唸り声で威嚇してくる。餌は貰っても魂は売らねえぞ、と言わんばかりである。よほど人間に酷い目にあったのだろう。面構えからして凄みがある。
 今日は仕事も仕上げ、心持ちダラケている。暖かいせいもあるのだろう。何か気分的に締まらない。生きものは刺激の全く無いところでは死んでしまうそうだ。人間でも完全な無音状態では発狂してしまうらしい。今日みたいな小春日和はどうも苦手だ。時々、ダンベルを持ち上げて筋肉に刺激を与えたりしているが、どうも物足りない。明日あたり夜の街を徘徊してみるか・・・オレも野良猫みたいだな。

 ちとアイデアが出かかったので「Theater」なるコーナーを実験的に新設してみた。TOPページ左からリンクできるようにした。地図も入れるようにしたかったが、試行錯誤の過程で何とかまとめてみたい。少しずつ動画のための素材を作っているが、それを効果的に工夫するところで足踏みしている。自分は何を表現したいのか?何を訴え、主張したいのか?問題意識の欠落を自覚するようになった今、あらためて自問自答を繰り返している。

【視聴予定】
■19:30-20:00 NHK総合 クローズアップ現代 ”大統領の決断”パキスタン
■19:57-20:54 フジテレビ系列 アンビリバボー あの感動を覚えてますか…天国のたかし君が孤独で死を考えた最愛の母に奇跡のメッセージ
■21:15-22:00 NHK総合 にんげんドキュメント 「90歳のエンジニア」生涯現役・スーパー技術者▽不屈の新製品開発物語

02/03/13 (水)
気になるニュース
 中東情勢が俄かにキナ臭くなっている。連日のように自爆テロとそれに対する報復紛争が続いている。これはもう戦争と言っていいんじゃないか。私はこれまで数年に及び、イスラエルとバレスチナによる血生臭い中東情勢を書いてきたが、これら連綿と続いてきた血の報復戦争を振り返ってみても和平の道筋は遠いように思える。何よりイスラエルのシャロン政権がてんで和平を望んでいないことは、その問答無用の武力行使によっても分かる。このところイスラエル軍による一般のパレスチナ人への無差別拘束が行われているが、ここ数年間を顧みてもこんなことは初めてのことではなかったか。このことはイスラエルの攻撃対象がパレスチナの過激派のみならず、国としてのパレスチナ国民の全てを報復対象にしているとしか思えない。つまり、これはイスラエルがすでに戦争を意識しているということになる。正確に言えば、パレスチナは国家として認可されていないわけだから、あくまでもアラファト率いるPLOがとりあえずのパレスチナ暫定自治政府ということになろうか。しかしながら、すでにアラファト議長の指導力は弱体化しており、後継者含めてPLOの存続は難しいだろう。牽引力としてのアラファトのPLO存続が危ぶまれている一方、過激なハマスなど抵抗勢力がパレスチナの愛国心を煽って勢力を拡大してきている。ちなみにハマスとは「熱狂」を意味するそうだ。それと連動してレバノン南部のヒズボラも黙ってはいまい。さらにヒズボラの後ろ盾イランの存在も見逃せない。
 シーア派から派生したヒズボラだが、同じくパキスタンのイスラム教徒シーア派との関連性にも注目したい。先月27日のインド西部グジャラート州における列車放火事件は、やがてインドのヒンドゥ教徒によるイスラム教徒への報復紛争へと拡大、その結果犠牲者600人を越す大規模宗教抗争となってしまった。インドにはシーア派と語音が似ているシーク教【注1】があるが、似ているのは語音だけではないようだ。イスラム教の影響を受け古来ヒンドゥ教を改革して誕生したとされるシーク教は、その聖地アムリッツァの位置関係からも微妙な立場にある。アムリッツァにはパキスタンを狙うミサイル基地があり、紛争の絶えないカシミールは南へ数キロ先にある。このカシミールでパキスタンのイスラム教徒とインドのヒンドゥ教徒が紛争を繰り返しているわけである。インドにはほかインド中部ウタルプラデシュ州にヒンドゥ教徒の聖地、そこから東部に隣接するビハール州に仏教徒の聖地ブッダガヤがある。ヒンドゥ教徒聖地があるウタルプラデシュ州アヨドヤではヒンドゥ教徒とイスラム教徒が対立、仏教徒聖地があるビハール州パトナでは仏教徒とヒンドゥ教徒が対立、インドは宗教の坩堝にして巷の神々の戦場でもあるかのようだ。実際には人間信徒の排他的傾向が争いの種子となっているわけだが、こうした対立構造が欧米大国にとっては戦略上このうえないターゲットとなっていることは明白だろう。願わくば、欧米諸国の餌食にならぬよう祈るばかりだ。

【注1】シークまたはシク教(Sikhism)インド、パンジャブ地方を中心にイスラム教の影響をうけて興隆した宗教。一五世紀末にナーナク(N_nak1469-1538)が開いたもので、ヒンズー教の改革をはかり、偶像崇拝・カースト制などの否定、唯一の創造神の熱狂的な崇拝を特徴とし、五戒を厳守する。

【視聴予定】
■19:30-20:00 NHK総合 クローズアップ現代 ペイオフ解禁・金融相に聞く
■20:00-20:45 NHK総合 ためしてガッテン 「続・コレステロールの新事実」簡単・血液の危険度計算法▽糖尿病との関係
■21:15-22:00 NHK総合 その時歴史が動いた 日本外交の栄光と挫折外務大臣を支えた妻▽三国同盟▽ヒトラーとの密約
02/03/12 (火)
気になるニュース
 「オレ、嬉しい・・・ほんとに嬉しい」何度も握手を求めてくる従弟に、多少呆気にとられながら『何か奴を嬉しがらせること言ったかな?』と内心首を傾げていた昨夜・・・互いに酔っ払っていた。いつも気分の晴れない様子の従弟を思っての酒盛りだった。酔いに任せて、いつしか私は従弟の立場で話をしていた。ふと、従弟が「どうしてオレの考えていることが分かるの?」と、不思議そうに私の顔を覗く。嬉しいを連発する従弟に、こっちまで嬉しくなったものだ。親戚の中で最も純粋な従弟のこと、心もストレートに伝わって気持ちがいい。久しぶりに気持ちよく酔えた。今週の生活費つかんで「うまいもん食べに行くぞ」と言ったところまで覚えているが、どうやらそのまま寝入ってしまったらしい。夜明けと共に玄関の戸の開く音がして、従弟が仕事にいく気配を感じていた。心の中で『頑張れよ』と呟く。

 二日酔いの朝、喉の渇きに水を摂取、アボガド二個を食す。起き掛けにマヨネーズを踏んづけ、布団と着衣にマヨネーズがベットリ付着する。昨夜従弟に卵焼きを食べさせた時に使ったマヨネーズだ。卵四個の特大厚焼き玉子で、私も従弟と一緒に食べようとしていた。しかし・・・気が付いてみれば、従弟が一人でペロリ食べてしまっていた。よほど腹が空いていたのだろう。ふと、アボガドにマヨネーズを付けて食べることを思いついた。

 妹の通帳残高カウントダウン慣例も、朝に夕に繰り返されるとウンザリする。何度も言うな、一度言ったら分かる・・・自分の存在価値がカネの物差しで推し測られているような気持ちだ。心の視点が欠落した物差しほど冷酷なものはあるまい。人間を値踏みするような世相に夢など育つわけがない。夢のない未来は絶望を意味する。貧しくとも夢だけは見ていたいものだ。少なくとも私はそう思う。

【視聴予定】
■19:10-19:25 NHK教育 健康 「エイズ・最新治療」 
■19:30-20:00 NHK総合 クローズアップ現代 ”金庫番”の犯罪▽その手口◇
■22:00-23:00 NHK総合 NHKニュース10 ▽対テロ戦争はこう行われる・元特殊部隊将校が語る▽建設業からヘルパーへ
■21:54-23:10 テレビ朝日系列 ニュースステーション ▽”私が19年前有本恵子さんを誘拐した”よど号元妻が衝撃証言…
02/03/11 (月)
気になるニュース
 今日の午前中、やっと次の仕事が入る。子猫チロが私から離れない。工場で仕事の準備をしている傍までやってくる。私が名を呼ぶたびにチロが鳴いて返事する様子に妹が笑っている。妹も挑戦するが無視される。小さな生きものとて人の心の有り様は分かるのである。テレビではどこの局も鈴木宗男議員証人喚問の中継オンパレードだ。多少食傷気味の感あり。私なりに感心もあるが、中でも宗男議員にピッタリ寄り添っている佐藤優・元主任分析官の存在に注目している。特に彼の世界各国の諜報機関との関連性は見逃せない。モサドまで浮上してきている。宗男議員の威圧的体質は今日の証人喚問でも逆上というかたちで垣間見せてくれた。いずれ私なりに検証分析した彼の全人像をまとめてみたい。玄関に沈丁花の香りが漂っている。春がやってきたんだ。梅の花も見たい。ほら、きれいでしょう?誇らしげな春の花が人間たちに囁きかけている。殺伐とした人間社会にあって、自然はどこまでもありのままであり続けている。

【視聴予定】
■19:10-19:25 NHK教育 健康 「増え続けるエイズ」
■21:54-23:10 テレビ朝日系列 ニュースステーション 注目の鈴木宗男議員証人喚問”外務省との異常な関係””数々の疑惑”はどこまで解明されるか?その後の政局はこうなる
■23:05-23:50 NHK総合 夢伝説 「J・ディーン」24歳事故死の真実▽青春
02/03/10 (日)
気になるニュース
 昨日の日誌では「食べものが命を育み、しいては自然や心と向き合うことにもなる」というようなことを書いたが、その食べものを通じて悩みを聞いている「弘前イスキア」というカトリック教会がある。今日のNHK教育テレビ番組「こころの時代」でのテーマだが、実にユニークで自然の理にもかなった方法である。主宰の佐藤初女さんは言う。「どんな悩みを抱えた人でも、食事を共にすることで心を開いて話をするようになる。それは不思議なくらいだ」と・・・初女さんは食材もまた命として、いたわるように丁寧に調理をする。祈りを込めてオニギリを握り、訪れる人を決して拒むことなく、寝食を共にしながら悩みも共有する。自殺を考えるまで追い詰められた人も、帰る時には生きる希望に燃えて去っていくのだと目を細めて語る。それは単に食べものが空腹を満たしただけではなく、絶望した心をも希望で満たしたかのようでもある。私はかねてから自然の神聖さについて考えてきたが、食べものが自然の恵みであるように、それは同時に神の恵みでもあると思い至っている。それならば食べるという行為そのものは、神の恩恵を体内に受け入れるということにもなる。これは実にリアルである。自然を汚すことは神を汚すことであり、汚染された自然からは当然汚れた食べものしか産まれない。本当に安全な食べものは自然そのままの食材であり、経済効率のために人間が介在した食べものが安全であるはずがない。添加物しかり、農薬しかり、かくして自然を蔑ろにしたツケは、巡り巡って人間の命を危険にさらすことにもなってくる。さらに彼女のユニークさは、教会の主宰者でありながら、けっして説教をたれないという点にも見受けられる。ただ相手の悩みを黙って聞き、食事を共にするだけなのだ。そうすると、悩みを解決する糸口は、悩みを抱えた当の相談者自身が見つけるのだと言う。彼女の愛情のこもった食べものが、そのまま相談者の体内に摂取されて、あたかも心まで温めてくれるようだ。彼女は食材そのものが命であって、決してモノではないのだと強調する。食事という行為を通じて人はそれら食材の命と融合し、共に生きるという共生関係が出来てくる。最近ではリストラに悩む人々もやってくるようになったと言う。この底なし不況下での自殺者も日増しに増えてきている。そんな中で佐藤女史の主宰する「弘前イスキア」は唯一の心の家と言えるかも知れない。本来の家のあり方がここに集約されている。

【視聴予定】
■14:00-15:00 NHK総合 こころの時代 心をわかちあう・佐藤初女▽苦悩いやす家▽食にこめた祈り
■17:30-18:24 TBS系列 報道特集 鈴木議員が警察に圧力?▽有明海1年の混乱
■21:00-21:54 日本テレビ系列 知ってるつもり!? 「女王クレオパトラの警告・文明は必ず滅ぶ海底秘宝語る四大文明滅亡の謎」
■23:30-24:00 テレビ朝日系列 宇宙船地球号 ”カヤネズミ物語”小さな命に迫る危機

02/03/09 (土)
気になるニュース
 今日は仕事も暇なのでデジカメで梅の花でも撮ってこようとMTBを走らせた。しかし、100メートルぐらい走ったところで下半身の鈍痛を感じ、しばらく痛みを堪えて走っていたが、坂道走行が困難と知ってUターンして帰ってきた。もっと遠出をしたかったが、結局梅の花の撮影は断念、足の回復を待つことにする。:遺伝的にも私は高血圧であり、ために心筋梗塞の発作も何度か起きている。持病の目眩もおそらくは高血圧のせいだろうと内心思っている。子どもの頃からチアノーゼ現象が起きやすく、血流が滞りやすい体質だった。血管も普通の人より細く、注射するときには看護婦も困るほどだ。両親共々そうだったから、これも遺伝ということになる。血管が詰まって高脂血症になりやすい体質でもある。これらを予防するための食事をいろいろ調べてみた。アボガドは脂肪が多いとされているが、アボガドの脂肪分は不飽和脂肪酸といわれ、悪玉コレステロールの減少を促すという。高脂血症には最適な食べものである。さっそくインターネットで注文、1個100円未満で買える。最近ルチンが豊富なことで話題になっているのがソバモヤシで、ルチンはコレステロールを改善してくれるのだという。ソバモヤシとはソバの実を発芽させたもので、これがソバの100倍のルチンを含んでいるらしい。いずれにせよ予防するに越したことはない。毎日摂取する食べものが人間の体をつくっていると言っても過言ではない。ここのところ主食玄米に雑穀混ぜてを食べつづけているが、添加物の入っている食品が分かるくらい味に敏感になった。自然そのままの食べものを摂取するということは、自然を体内に取り入れることでもあろう。人間は自然からの恵みなしでは決して生きていけない。その自然を破壊するということは、人間の命をも壊していくことになる。自然に生かされている自分を日々自覚しながら、自分の心に向き合うことは自然に向き合うことにもなっていくのだろう。
02/03/08 (金)
気になるニュース
 今日の午後、完成した製品を社長自ら引き取りに来た。これで引渡しは無事終わった。社長の話では、来週にも一回り大きなものを二つほど持ってくるという。仕事を終えた解放感よりも、次の仕事が入るまでの暇を持て余しそうだ。一昨日は夫婦喧嘩をした従弟が一晩泊まっていった。何を話するでもなく、疲れきった従弟は寝入り、そして昨日の早朝仕事に出ていった。

 厚生労働省が非加熱製剤によるC型肝炎感染の調査を発表したが、これは先頃発表された旧ミドリ十字の血液製剤による肝炎感染の調査と関連して考えるべきかもしれない。旧ミドリ十字の場合は過少報告の修正ということで、8500人がほぼ倍の1万600人に修正された。修正にしては多過ぎる数であり、調査の当初から関係者は安易に考えていたような節がある。これらの調査結果が更に修正されることを仮定するとき、厚生省や製薬会社含めた全ての医療機関の取り組み方そのものに不信感を持たざるを得なくなる。なぜ徹底した調査が、それももっと敏速に行われないのか?人の命がかかっているのだ。今回の厚生省による調査にしても血友病以外の患者が対象となっているが、1000人以上に非加熱製剤が投与されたということは、その患者たちはC型肝炎のみならずエイズにも感染する恐れがあったということではないのか?肝炎感染者推定およそ200万人と言われている中で、今年の厚生省と製薬会社の調査による感染者1万余名はそれに加算されることになる。まだまだ甘いようだ。二次三次それ以降の感染者を想定すれば500万は軽く突破しているように思えてならない。我々国民はこうした厚生省や医療機関をどこまで信じきれるのか?私は先月18日の日誌でも肝炎感染について書いているが、そこで分かったことはこの後に及んで誰も責任を取ろうとしないばかりか、彼らは互いに責任回避さえしているという呆れた事実だ。以下、先月18日の日誌から引用抜粋する。
 (多くの肝炎感染者を出した責任について)厚生省は「専門家たる医師が何ら対応しなかったせいだ」とし、医師会は「厚生省の指示がなければ対応できるわけがない」と反論、互いに責任のなすり合いを続けている。その何処にも感染者の苦痛を感じる姿勢はみられない。

【視聴予定】
■NHK教育23:00-24:10 金曜フォーラム 「忍び寄る性感染症・予防と治療」
02/03/07 (木)
気になるニュース
 バングラデシュの井戸からヒ素が検出されて問題化しているようだ。「アジア砒素ネットワーク」川原一之氏の調査では、バングラデシュの村々の半分の井戸から高濃度のヒ素が検出されているという。その原因として、これまでの2倍の収穫率を誇る品種改良された「イリ米」への農薬投与のせいではないかと考えられている。それらの農薬や化学肥料が大量の水と共に元々地中に含まれていたヒ素を溶かし、それが地下水に流れているのではないかと言うのだ。猛毒ヒ素のために手足を切断するといった悲劇も起こっており、飲み水を井戸に頼っている現状では今後さらに被害者が続出することは確実だ。先の川原一之氏らは比較的浅い古井戸からはヒ素が検出されないことに注目、大腸菌などの雑菌を取り除くための濾過設備を提唱しながら、少しずつ村に定着させようと活動を続けている。しかし、その古井戸とて農薬や化学肥料を使いつづけていく限りにおいては、いずれはヒ素に汚染されていくことになる。それを解決するにはバングラデシュの国をあげての指導と対策が必要なのは言うまでもない。日本でも1955年には西日本一帯で「森永ヒ素ミルク中毒事件」が起き、1万2000人の乳児が中毒にかかって138人の乳児が死亡している。森永乳業徳島工場から出荷した「MFドライミルク」を飲んだ乳児が、発疹、貧血、発熱、皮膚の黒色化、腹部膨張といったヒ素中毒に陥った事件であった。
 ここで私は四年前の日誌にインドからの警告なるテレビ番組からの引用文を書いていたことを思い出した。日本で禁止された有害農薬がインドに流れているというショッキングな事実である。何がショッキングなのかは当時の日誌を読めば分かるだろう。(当時は被害者の写真もリンクしていたが今はリンク切れしている。探して見つかったら再度リンクしたい) こうした日本からの農薬がバングラデシュでも使われているのではないか?という懸念が拭えない。日本ではすでに禁止されているから安全だ、ということでは問題は解決しない。これら日本で禁止された時点での在庫処分は、それをインドやバングラデシュで使われることには何ら法律上問題はないとしながらも、そのことで他の国の人々の命が脅かされるのであれば日本としても即刻対応すべきであろう。経済効率のためには食べものですら偽って販売してしまう今の日本の現状を考えると絶望感のほうが先に立ってしまう。
ひそ【砒素】
窒素族元素の一つ。元素記号 As 原子番号三三。原子量七四・九二一六。金属光沢のある灰色のもろい結晶と黄色粉末の二種がある。天然には硫砒鉄鉱や鶏冠石など、硫化物として産出。化合物は毒性が強い。農薬・医薬などに用いられる。
【関連】アジア砒素ネットワーク(AAN)

【視聴予定】
■NHK総合19:30-20:00 クローズアップ現代 ▽外国債・資産運用に誤算か◇
■NHK教育22:00-22:45 ETV2002 「どうする借金大国」395兆円の国債残高▽金利への影響と格付け
02/03/06 (水)
気になるニュース
 やっと仕事を終えた。最終的にはチェックと手直しの繰り返し、針の穴程度のミスも見逃せない。埃も大敵だ。やっと仕上がったと思えば雫が一滴、屋根からの雨漏りでやり直し・・・研ぎ澄まされた神経が逆なでされる。どだいこんなオンボロ工場で精密機械を扱うこと自体がおかしいのだ。かといってブースを導入すれば少なくとも300万はかかる。以前業者に見積もってもらったら400〜500万かかると言われた。ちょうど10円の仕事に10万円の装備をするようなものだ。とてもじゃないがやってられない。そんな悪戦苦闘の末に仕上げた今度の仕事のこと、自己納得の度合い80%というところか・・・まだまだ未熟だが、数を重ねれば技術の度合いも上がるだろう。去年の会計もほぼまとまった。こんなとき思い出すのが、母が最後まで書いていた帳簿だ。末期癌の末、眼もかすんでいた母が書いた帳簿は、それこそ字が歪み、ところどころ計算のミスが見受けられる。最後の最後まで会社のために尽くしてきた母を想うと涙が止まらない。零細とはいえ、会社の至るところに先代の父や母の労苦が染み込んでいる。深夜、誰もいない事務所に佇んでいると、ぼんやりと父と母の姿が浮かんでくるようだ。確かに、かつて父と母がそこに居たのだ。職人たちのざわめきも聞こえる・・・さあ、行くぞ!ヘルメットをかぶった父が先陣を切って現場に向かう。母がそれを見守る・・・全ては夢だったのか・・・歩道橋の引渡しのとき、父はポツリと呟いたものだ。「ほら、見ろよ。あの子どもたちの嬉しそうな顔を・・・オレはあの子どもらの喜ぶ顔を見たいために働いてきたんだ」、あの時の父のやさしい眼差しを私は忘れていない。忘れない。おじちゃん、いつここを渡れるの?、もう少しで渡れるよ・・・父と小学生の語らいは今も続いている。父が手がけた歩道橋は子どもたちの夢の未来への架け橋だったのかも知れない。

【視聴予定】
NHK総合19:30-20:00 クローズアップ現代 命か法か・救命士たちの選択◇
NHK教育22:00-22:45 ETV2002 「日本を支えた黒いダイヤ」[後] 最後の炭鉱閉山▽経済再生のカギ
NHK総合23:50-24:00 読む 診療報酬の課題
02/03/05 (火)
気になるニュース
 最後の仕上げの段階で製品を転倒させてしまった。あと少しで仕上がるといった安堵感、その油断が招いたトラブルである。四隅の角が床にぶっかった衝撃で欠損している。それを修復しなければならない。その作業中に、今度は持病の足の激痛が始まる。久しぶりの再発である。無理をする時に限って再発する。さっそく足をテーピングして再び作業にかかる。今日は残業になりそうだ。予想外のトラブルに一時は気落ちしたが、気を取り直して仕事にかかる。心の迷いはすぐ仕事に現れる。慌てない、焦らない、ただ淡々と仕事を進めていくだけだ。

 ずっとC型肝炎について考えてきたが、タイミングがいいと言うか昨日は「旧ミドリ十字の血液製剤による肝炎感染の疑い1万人以上」といったニュースが流れている。感染の発端となった血液凝固因子製剤「フィブリノゲン」の投与を受けた患者推定約28万余、うち約1万600人が肝炎に感染した疑いがあるのだという。医療機関へのアンケートの結果というが、本当のところはこんなもんでは済まないだろう。一桁違うんじゃないのか・・・二次三次感染を想定すれば桁違いなほどの感染者がいるはずだ。アンケートもいいが、感染が分かった時点でそれらの医療機関は患者に感染の事実を知らせたのだろうか?MRSAにしてから多くの病院が、患者に感染の事実を知らせない全くもって秘密のままであることを考え合わせると、甚だ信用できるものではない。もっとも、調査に当たった三菱ウェルファーマ(旧ミドリ十字)は「感染した疑い」と言っているのだから、おそらく「疑いゆえに感染したとは言っていない」云々の弁解も用意されているだろう。とにかく感染の疑いがあるなら、患者の早急な再検査が必要になる。肝炎ウィルスの進行はそのまま患者の命を蝕むことになるのだから・・・インドで中東で、毎日のように紛争で命を落としている被害者も悲惨だが、日本における肝炎感染者推定およそ200万人という状況はその途方もない被害者の多さからも、紛争国よりもっと悲惨なことになってしまう。紛争国で一瞬にして殺されるのと、感染してからジワジワ命を蝕まれていく緩慢な死との違いはどれほどのことがあろうか。これから責任問題を含めて、肝炎感染は国をあげて取り組むべき大問題でもある。とにかくテレビのコマーシャルを使ってでも大々的に国民に呼びかけるべきだ。あなたは輸血をしたことはありませんか?注射を打ったことは、入院の経験はありませんか?ひょっとするとあなたも肝炎感染者かもしれないのです。お近くの病院で、またはかかり付けの病院で検査を受けてみましょう・・・厚生省の対応の遅れは、感染者の命取りになるだけに実に深刻なことである。

【視聴予定】
NHK教育22:00-22:45 ETV2002 「日本を支えた黒いダイヤ」[前] 黒船来航と石炭盛衰史復興の秘密
日本テレビ系列22:54-23:25 出来事 潜入…謎の”錬金術”
NHK総合(翌日)00:15- 01:05 水と森が生んだ奇跡
02/03/04 (月)
気になるニュース
 午前中、製品一台を納品する。少しばかり安堵、残りは今週中に仕上げる二台だけ。その後も引き続き仕事が入ってくる。来月には某大手の久々の現場仕事が待っている。毎年定期的にやっている仕事なのだが、ここでの監督が旧知でいろいろ助けてくれている。「今は暇だが、これから少しずつ忙しくなるから継続していたほうがいい」との助言を信じてやっているわけだが、車輌部門をなくし会社の存続さえ危ぶまれている今、将来の展望が全く見えてこないというのが本音だ。それまで生きているかどうか?と言うと悪い冗談のようだが、実際のところ冗談ではないのである。

 妹との世間話の過程で、その妹の亭主がC型肝炎であったことを知って驚いた。C型肝炎については日誌でも何度か取り上げてきたが、さらに驚いたことにはC型肝炎についての知識が殆どないことであった。仮にウィルスが進行しているとすれば肝硬変から肝臓ガンに至ることは間違いない。確実にといっていい。その覚悟の程を妹に問えば「そうなの」と聞き流しながら書きものをしている。危機感がまるでない。無知とは恐ろしいものである。私は先月の日誌でもC型肝炎を扱ったテレビ番組「見棄てられた理由(わけ)」の要約をしているが、その番組の後半でC型肝炎の特効薬がアメリカで開発されたことを知った。録画していたので再生してみたが、どうやら誤まって消してしまったようである。妹の亭主のことが心配だ。ところで、予防接種による針の使い回しが感染の原因と知った厚生省は、その後、針の使い捨てを医療機関に通達している。ところがそれで解決されたかのようにみえた後、さらに感染者が続出して厚生省を慌てさせる。実は、針を交換しても同じ筒を使うことによっても感染することが判明したのである。感染したことすら知らない人々によっても、今後爆発的に感染者が増えることが予想される。

 インドの宗教抗争による死者がついに500人を越えたようだ。子どもを含めた家族全員が殺されるといった大虐殺の地獄が展開されているらしい。なんということだ。憎悪に満ちた報復がさらに報復を呼び、際限のない人間同士の殺戮が繰り返される。この悪循環を断ち切るにはどうすればいいのか?とりあえず、今インドで起こっている悲劇を逐一「気になるニュース」で報告していきたい。
02/03/03 (日)
気になるニュース
 ついにインドでの宗教抗争の死者が400人を越えたという。今回の直接の原因はイスラム教徒の仕業と思われる先月27日の列車放火事件に端を発している。これをヒンドゥ教徒が圧倒的多数を占めるインド人たちは、イスラム教を主とするパキスタン人の仕業として報復をしているわけである。1947年のインド独立によってパキスタンは、イスラム教徒居住区域の変則性ゆえに東西に分割されたわけだ。いつもながら宗教抗争は人間の根幹たる信仰に根ざしているだけに、他宗への排他的憎悪は極端にして残虐な様相を示すものである。インドネシアの東ティモール周辺地区でのイスラム教徒とキリスト教徒の対立しかり、妊婦の腹を裂いて胎児を引き出す、首を刎ねるといった背筋の寒くなるような事件が起きている。いったい宗教とは何なのだろう?まさか神や仏がそれを望んでいるわけではあるまい。むしろ殆どの宗教においては殺人を強く戒めているはずなのだ。「汝の敵を愛せ」とのイエスの教えに至っては、人間憎悪の本質を打ち砕く言葉ですらある。
 かくいう私も、日常的には頻繁に沸き起こる憎悪の念に悩まされている。つい数日前にも、怒り狂った自分が相手をぶちのめしている夢を見ている。目が覚めた後で『ああ、夢で良かった』と思う半面、自分がこうした悪夢を見るのは潜在意識に憎悪の念があるからではないか?との想いに囚われた。まさしく、私が夢の中でぶちのめした相手は日頃から嫌っていた人物であった。次から次へと沸き起こる憎悪を持て余しながら、外見だけは普通にふるまおうとする自分の偽善にもウンザリしている。そんなときは、宗教書を紐解いて心を落ち着かせるようにはしているが、特定の宗教宗派に執着することは避けている。巷の宗教団体や組織を見る限り、先達の尊い教えも現代社会に適合しようとするあまり捻じ曲げられているような気がする。とても人間のエゴが介在する宗教を信じる気持ちにはなれない。実際のところ自分で自分が分からない、何が真理なのか?世界紛争地域での情報を集めながら、あっけない命のありようを自分に当て嵌め、いつかは必ず死んでいくだろう厳粛な時のことを考えて打ち震えている。それでいて、希望を、光を、全ての中の全てなる存在を、希求せざるを得ないのは自分が人間だからなのか?それも分からない。分からないことだらけながら、分からないことは分からないままでいい、人間智慧の限界をも知るべきだと思っている。ここから先は神の領域だと、ひたすら自分の運命を享受しながら真摯に祈る、そんな信仰生活を求めている自分に気付くだけだ。

 腹を減らした野良猫一匹、今夜もこの寒空にやってきた。一握りのキャットフードを与え、そっと離れて見守る。おい、そんなに怯えなくてもいいんだ。堂々と食べろよ。オレはおまえたちの味方だ。つまりオレも野良猫だってことよ。人間社会では貧乏人は人間扱いされないんだ。欲ボケした奴らがこの国をめちゃくちゃにしやがって、食い逃げしたままだ。そのトバッチリが今のオレ貧乏なんだ。だからオレもおまえらと同じ野良だ。明日のことも分からりゃしない。どうなるか分からん世の中で、どうにでもなれと居直って、どうにかなっていくだろう気ままな人生だ。おまえら野良猫と同じに、捨てられた命の悲哀を実感してるってわけよ。
02/03/02 (土)
気になるニュース
 印パの紛争対立が非常に危険な事態に突入している。昨日の気になるニュース「大規模宗教抗争、死者180人以上に」の写真二枚にはスリナガル付近での戦闘死者が写っているが、スリナガルにはミサイル基地があり、射程250キロのプリトヴィ・ミサイルがパキスタンに向けられている。仮にここからミサイルが発射されるとすれば、ちょうど東南約250キロ離れたパキスタンのサルゴダ空軍基地あたりが真っ先にやられるだろう。何故ならサルゴダには中国製M11ミサイルがあるからだ。このミサイルM11は射程が280キロあり、インドのスリナガルと同じ程度の性能を持っている。つまり、インドのスリナガルと、パキスタンのサルゴダという国境を挟んで対立する両ミサイル基地は、最初から互いのミサイル基地を叩くことを前提に造られたということになる。スリナガルとサルゴダを結ぶ距離が、両ミサイル射程距離250キロと一致することからもそれが分かる。1949年停戦ラインを挟んで、パキスタン側アザド・カシミールとインド側ジャム・カシミールの対立紛争が核戦争に至る可能性は限りなく大きい。カシミールでの印パ両ミサイルは全て核弾頭搭載可能で、むしろ核弾頭は常時搭載済みの一触即発の緊迫した状態にあると考えていい。
 スリナガルで思い起こされるのが、1951年のカシミール停戦ラインでのスリナガル政府による制憲議会選挙で、その三年後に同議会はインドへの帰属を決定している。これはスリナガル政府の一方的な決議で、パキスタンは猛反発しているわけだ。まともに住民投票をすればカシミールはパキスタンの領土になってしまうからで、インドのこうした反則ワザは確信犯といえる。そこにきて中国とインドの国境紛争を経て火種がカシミールに飛び火、インドは旧ソ連の支援を受けると、パキスタンは中国とアメリカを味方につけての中印パ三つ巴の戦いが展開する。よってカシミールは友好国となったパキスタンと中国を結ぶ唯一のルートとなり、インドとしてもカシミールを絶対に手離すわけにはいかなくなってきた。インドのミサイル基地はスリナガルだけではなく、その南約300キロ地点にはもう一つのミサイル基地アムリッツァがある。そこから北東およそ250キロ地点には前述のサルゴダ空軍基地があり、インドはスリナガルとアムリッツァの二つのミサイル基地でパキスタンのサルゴダのミサイルを封じようとしている。
 列車放火事件が起きたインドのクジャラート州では、その報復として州都アーメダバードにおいてヒンドゥー教徒がイスラム教徒を襲い、インド国軍1000人が投入される騒ぎになっている。暴動を起こしている両教徒の規模も約1000人というから、国軍と両教徒合わせておよそ2000人が入り乱れての衝突ということになる。そのクジャラート州に隣接するマドヤプラデシュ州にはインド1個師団、同じくラジャスタン州には3個師団があり、今後の展開次第ではさらにそれら二つの師団が投入されることも考えられよう。およそ2000人と予想されるクジャラート州の騒動も、これまでの経過からすると増えることはあれ沈静化することはないのではないか。何より、これらの大規模な暴動によってカシミール地方がさらに緊迫した状況に追い込まれることになる。2000キロ隔てられたインドのカシミールとクジャラート州での両紛争は、それこそいつ核ミサイルが飛び交ってもおかしくはない事態に直面しているということでもある。
【参照】カシミール紛争地図インドとロスチャイルド家の関係(日誌02/01/02)
02/03/01 (金)
気になるニュース
 仕事のためのHP作りを通じて、フレームを多用した「りんく三昧」というHPを思いついた。自分で使って便利なものを作ってみたい、という発想である。遊び心で更新していくつもりなので、気軽に使っていただけたらと思う。最も気を使ったのがフレーム枠のスペースで、真ん中に表示されるページ枠の適当な大きさを決めるのに苦労した。そこに入る他のHPがフレームを使っている場合、フレームの重複で混乱しないよう配置したつもりである。フレームの配置作業は面倒で、ややもすれば無限ループに陥り易い。しかし、上手に利用すればこれほど便利なものはないことにも気付かされた。「じねん」TOPページは御存知のようにポップアップ広告が頻繁に飛び出すので煩わしく、やはりフレームを使用する場合は広告のないHPスペースを使いたい。というわけで「りんく三昧」は広告のないページに配置した。今後の予定として世界紛争地図や系図などで試してみたいと思っている。データと地図、それに映像資料をそれぞれ一画面に適当に配置するつもりだ。ちょうどコックピットのような情報司令室のイメージである。これらに、JavaScriptを使ってさらに多様な機能を追加することも考えている。

 今日から三月、少しずつ気温が上がってきているようだ。そろそろデジカメを持って野山に飛び出そうと計画している。今の季節には新芽のクローズアップぐらいしか撮れないだろうが、野草たちが春の準備をしている様は神秘的ですらある。『人間と物質』の著者エルンスト・レールスはその著書の中で語る。

「植物の生において自制(自己否定)の原理がもっとも顕著に現れるのは、緑の葉が花に高められるときである。葉から花へと進みゆくとき、植物は生命力の決定的減退を受ける。葉と比較すると、花は死にゆく器官である。しかしこの死は『死して生まれる』と呼ぶに相応しい種類のものである。ここでは、単なる植物という形態をとっていた生命が、霊魂という高次の顕現が生起するために、引き退いていくのが見られる。人間においてはこの同じ原理が、代謝系から神経系へと進む道で、有機体の内部に意識が出現する前提条件と認められるあの、変態ないし系統過程の原因となっている。(中略)種子において植物は、小さな取るに足らぬ、少量の有機物質以外は何も残っていないように見える程度にまで、植物としてのあらゆる外面的風采を放棄してしまう。にもかかわらず、この小さな目立たぬものが一本の新しい植物全体を生み出す力をうちに秘めているのだ」

 人間の足元に生い茂る雑草にも、その取るに足らぬ小さな生命にも神の意志があるのだと、レールスは言いたかったのかも知れない。生と死を分けて考えるのではなく、生物が死んでいく過程ての精神性はさらに鮮明となり、そうした外見上の腐食という死によってでさえ命の種子は継続されていく・・・この不思議こそ神の顕在の証であり、神秘なのだと、私は勝手に解釈している。春は全ての命が冬の眠りから目覚める季節、人間の生と死も植物たちの季節に繰り返す営みのようなものかも知れない。そういう意味では人の死も決して無意味なのではなく、むしろ死んでこそ次の命を育む種子を宿すことになるのではないか。
【関連ページ】2001/11/4日誌、物理学教授グスターフ・テオドール・フェヒナーの言葉