イスラエル軍が完全自治区から撤退
イスラエル、停戦案履行条件に議長の海外移動容認
<中東情勢>アラファト議長と会談も 米副大統領が停戦条件に
「オサマは元気」CNNでビンラディン氏の異父弟
「アナコンダ作戦」は完了 米兵は現地残留
張るだけでOK パッチ型の鎮痛薬、発売スタート
プリオン、注射で筋肉にも蓄積 マウスで米グループ
元通産事務次官、NKK元会長の松尾金蔵氏死去
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イスラエル軍が完全自治区から撤退
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3/19-ダマスカスにおいてシリアの学生たちがイスラエル軍の
撤退を求めて大規模なデモ行進をする |
【エルサレム19日=当間敏雄】イスラエル軍は18日深夜、ヨルダン川西岸ベツレヘムなどパレスチナ自治政府が治安権を持つ「完全自治区」内に残留していた軍部隊の撤退を開始した。
ジニ米特使の仲介でエルサレムで行われたイスラエルと自治政府との治安協議での合意を受けたもので、19日未明までには撤退を完了する見通しだ。チェイニー米副大統領のイスラエル訪問に合わせた動きであり、停戦実現の可能性が高まった。
撤退が完了すれば、ジニ特使の停戦履行計画に沿って、イスラエルとパレスチナ側の双方が、停戦宣言を行う道が開ける。ジニ特使は18日に双方が行った治安協議について、テネット米中央情報局(CIA)長官の停戦案の履行に関して話し合ったと説明して、「真剣で建設的だった」と評価した。
イスラエル軍は先月末以来、難民キャンプや西岸主要都市を次々と制圧するなど、これまでにない規模で過激派掃討の作戦を展開した。
ジニ特使の調停再開に合わせて15日、完全自治区のうち、西岸のラマッラ、カルキリヤ、トゥルカレムから撤退したが、ベツレヘムやガザなどの完全自治区内に部隊が残っていた。パレスチナ側は、軍が完全に撤退しなければ停戦には応じられないとしてきた。
ただ、イスラエルは停戦の条件として、パレスチナ過激派のテロ停止を自治政府に要求しており、この点に関するアラファト自治政府議長の確約が、持続的な停戦が実現するか否かのカギとなる。
停戦調停が活発化する一方で、自治区ガザから18日夕、イスラム原理主義組織ハマスのロケット弾「カッサム2号」2発がイスラエル領に撃ち込まれるなど依然、緊迫した情勢が続いている。ガザでは同日、制止要請を無視したパレスチナ人1人が兵士に撃たれて死亡、西岸ジェニン近郊では爆発物や自動小銃を持ったパレスチナ人2人が軍に拘束された。(読売新聞) |
イスラエル、停戦案履行条件に議長の海外移動容認
【エルサレム19日=当間敏雄】イスラエルを訪れたチェイニー米副大統領は19日、シャロン・イスラエル首相と2回目の会談を行った。会談後の共同会見で、シャロン首相は、テネット米中央情報局(CIA)長官が示した停戦案をパレスチナ側が履行すれば、アラファト・パレスチナ自治政府議長の海外への移動を認めると表明。今月末にベイルートで開催されるアラブ首脳会議への議長の出席が可能になると語った。
首相は、議長に海外移動を許すための条件は、閣議決定されたものだ、と説明。同時に、議長が首脳会議に出席して扇動的な言動を見せたり、議長の会議出席中にイスラエルで重大テロが発生したりした場合、自治区への帰還の是非を閣議で検討することになると語った。
米副大統領はテネット停戦案が履行されれば副大統領自身が、アラファト議長と会談する用意があると語った。ブッシュ米政権は、議長のテロ対策を不満として、大統領を含むトップレベルでの会談を避け、今回イスラエルを公式訪問した副大統領も、議長との会談を予定に入れず、パレスチナ側が「イスラエル偏重」と批判していた。(読売新聞) |
<中東情勢>アラファト議長と会談も 米副大統領が停戦条件に
【エルサレム井上卓弥】イスラエル訪問中のチェイニー米副大統領は19日、シャロン・イスラエル首相との再会談後に共同会見し、イスラエルとパレスチナの停戦が実現すれば、近くアラファト・パレスチナ自治政府議長と会談する意向を初めて表明した。また、停戦に向け、議長が過激派取り締まりに一層、努力するよう求めた。一方、18日夜開始されたヨルダン川西岸ベツレヘムやガザの一部などからのイスラエル軍撤退が19日早朝までに完了するなど、停戦への準備が進んでいる。
会見でチェイニー副大統領はパレスチナ側に対し、自爆テロを頻発させているパレスチナ過激派の摘発と武器押収を盛り込んだ米国提示の停戦案(テネット案)の完全履行を強く求めた。その上で「アラファト議長と近い将来、中東地域で会談する用意がある」と述べ、早ければ来週にも中東を再訪する可能性を示した。
また、シャロン首相は「イスラエルの治安確保が第一だが、痛みを伴う譲歩を受け入れる用意がある」と述べた。首相はさらに「アラファト議長がテネット案を履行すれば、外国への移動を認める」と語り、停戦履行確認と引き換えに、27日にベイルートで開幕するアラブ連盟首脳会議への議長の出席を認める考えを初めて示した。
一方、シャロン首相は米国のイラクへの対応策について「テロリズムに対する作戦について、イスラエルは米国を支持する」と述べ、理解を示した。
◇停戦前に圧力
【エルサレム海保真人】チェイニー米副大統領とシャロン・イスラエル首相は19日の共同会見で、アラファト・パレスチナ自治政府議長に対し、やや柔軟な姿勢を示す一方で、「テロ撲滅」という要求を改めて突き付けた。間近とされる停戦をにらみ、米、イスラエルは結束し、パレスチナ側に改めて強い圧力をかけたと言えそうだ。
チェイニー副大統領はこれまで拒絶してきたアラファト議長との会談について、一転して「近い将来、会う用意がある」と発言、停戦が実現すれば来週にも中東を再訪し実現する見通しを示した。会談拒絶をめぐってパレスチナ側から予想以上の反発があったため、停戦目前にこぎつけたジニ米特使の仲介作業に悪影響を及ぼすのを考慮したものとみられる。
パレスチナ自治政府のルデイネ議長顧問は、副大統領発言について「前向きな姿勢だと受け止めている。会談は米・パレスチナの関係を正しい軌道に乗せるだろう」と歓迎した。
だが、一方でチェイニー副大統領は、焦点の停戦問題に関し「テネット案(米停戦実行案)はアラファト議長に対し暴力とテロを止める100%の努力を求めている」と、議長を名指しして注文をつけた。
また、シャロン首相もテネット案の履行を条件に、近く開催されるアラブ連盟首脳会議へのアラファト議長出席を認める発言を行ったが、合わせてテロ発生や議長が会議で暴力を扇動する演説をした場合、帰還を認めない強硬姿勢を示した。これに対し、パレスチナ側は「挑発的で、米の和平努力を助けるものでない」(ルデイネ議長顧問)と新たな反発を示している。
◆ことば◆テネット案
昨年6月、テネット米中央情報局(CIA)長官が、イスラエルとパレスチナ自治政府双方に、停戦のため示した案。イスラエル側には、今回の衝突が始まった一昨年9月の位置まで軍を撤退させることや、パレスチナ自治区の封鎖解除などを求め、パレスチナ側には過激派逮捕などを求めている。(毎日新聞)
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「オサマは元気」CNNでビンラディン氏の異父弟
米同時多発テロ事件の容疑者オサマ・ビンラディン氏の異父弟であるシェイク・アフマド氏は18日、米CNNテレビのインタビューに対し、ビンラディン氏が生存し、腎臓病にもかかっていないことを明らかにした。
CNNによると、アフマド氏は、ビンラディン氏と母親は同じだが、父親の異なる弟で、3週間前に母親に「オサマは元気だ」とする電話連絡があったとしている。ただ、電話の主は明らかにしなかった。
アフマド氏は、ビンラディン氏について「よく知っている。数年間一緒に暮らした。彼がいかに神を恐れていたか」などと述べる一方、ビンラディン氏が同時テロにかかわったとは思わないと強調した。
アフマド氏はかつて、スーダン滞在中のビンラディン氏を数回訪問。昨年、アフガニスタンでも同氏に会ったという。ビンラディン氏については「素朴で、非常に慈悲深く、優しい心を持っている」などと述べた。インタビューはサウジアラビア西部のジッダにあるアフマド氏の友人宅で行われた。(時事)
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「アナコンダ作戦」は完了 米兵は現地残留
米統合参謀本部のロサ作戦副部長は18日の記者会見で、アフガン東部で展開していたアナコンダ(大蛇)作戦の完了を宣言するとともに、東部のシャヒコット渓谷で17日に車両3台を攻撃、アルカイダかタリバーンとみられる兵士16人が死亡、1人が負傷したことを明らかにした。また、南部のカンダハル西方で残党勢力31人の身柄を拘束したとも述べた。
同副部長によると、米軍ヘリが車両に停止するよう威嚇射撃したが、警告を振り切ったため、ヘリと地上軍で車両を攻撃した。この地域から逃走する途中だったとみられる。
これとは別に、カンダハル近郊の施設を捜索した際、アルカイダかタリバーンの残党31人を拘束するとともに、武器などを押収した。
同副部長は、アナコンダ作戦は完了したが米兵は地元に残り、洞くつなどの捜索を続けるとし、アフガン全体での作戦も当然継続すると述べた。
アナコンダ作戦では、これまでに約30の洞くつを捜索済みと表明。会見に同席した国防総省のクラーク報道官はアルカイダの残党が逃げた可能性はあるが、大半が逃走したとの証拠はないと述べた。(
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張るだけでOK パッチ型の鎮痛薬、発売スタート
モルヒネなどのように注射剤や錠剤と違い、胸や腕に張ると効果の出るパッチ型のがん患者向け鎮痛薬の発売が19日に始まった。昨秋、厚生労働省が承認し、保険適用も受けた。薬を飲み込む力が弱くなったケースや、在宅ホスピス患者への使用などを想定している。
商品名は「デュロテップパッチ」。ヤンセンファーマと協和発酵が共同開発した。厚労省の説明によると、成分に含まれている麻薬系の鎮痛薬フェンタニルが皮膚から血管に浸透し、3日間鎮痛効果が持続する。フェンタニルは、モルヒネに比べて便秘、眠気、吐き気などの副作用が少ないという。
パッチ型の鎮痛薬は、飲む薬が多くて1種類でも減らしたい場合や、下血で座薬が入れられない場合などにメリットがある。患者は張ったまま自由に動けるためQOL(生活の質)が上がるとされ、米国では10年ほど前から使われていた。ただ、突発的な痛みが出た時はモルヒネを追加的に飲んだり、注射したりすることが必要だ。(18:44)
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プリオン、注射で筋肉にも蓄積 マウスで米グループ
牛海綿状脳症(BSE)などの病原体となるプリオンをマウスに注射したら、筋肉にもプリオンが蓄積されたとの実験結果を、米カリフォルニア大サンフランシスコ校のグループが19日発行の米科学アカデミー紀要に発表した。牛肉の安全性をただちに揺るがすものではないが、ナゾの多い病原体の研究として注目される。
発表したのは、プリオン発見の業績で97年にノーベル医学・生理学賞を受けた同大のスタンリー・プルジナー教授ら。
感染型プリオンが体内に入ると、もともと動物がもっていた正常型のプリオンが次々に感染型に変わっていく。主に脳やせき髄にたまる。
論文によると、グループは病原体プリオンに感染したマウスの脳を細かく砕いて溶液に入れ、別のマウスの筋肉に注射した。
約4カ月後、このマウスの感染型プリオンの体内分布を調べたら、後ろ脚の筋肉に、脳の1千分の1程度の量が蓄えられていることを示すデータが出た。ほかの部位の筋肉や肝臓からは、ほとんど見つからなかった。
プルジナー教授らは、どの部位にたまっていくかがわかれば、感染型プリオンが引き起こすクロイツフェルト・ヤコブ病などの早期診断法につながるという。また、牛など食用の動物では実験しておらず、マウスだけの結果だとしている。
欧州連合(EU)や国際獣疫事務局(OIE)は、骨のついていない牛肉は「食べて安全」と評価。これに沿って、日本を含む各国は安全対策をとっている。(18:38)
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元通産事務次官、NKK元会長の松尾金蔵氏死去
松尾 金蔵氏(まつお・きんぞう=元通産事務次官、元NKK会長)は19日、心不全で死去、90歳。通夜は21日午後5時、葬儀は松尾家とNKKの合同葬として22日午後2時から東京都港区南青山2の33の20の青山葬儀所で。葬儀委員長は半明正之社長。喪主は長女葦江(あしえ)氏。
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