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【02/03/04 (月) 】

死者は約540人に インドの暴動
<インド暴動>地方での虐殺の実態が明らかに
インド暴動死者485人、軍増派
<イスラエル軍>パレスチナ難民キャンプに再侵攻
<パレスチナ>ガザ地区へイスラエル軍侵攻 自爆テロへの報復
自爆テロ報復に報復、イスラエル兵襲撃され11人死亡
旧ミドリ十字の血液製剤による肝炎感染の疑い1万人以上
現職知事逮捕は円藤容疑者で5人目
業際研から800万円収賄容疑、徳島県知事ら聴取へ
桟橋受注3社も鈴木氏へ献金、6年で3300万円
死者は約540人に インドの暴動

アーメダバード西方の町で剣を振り回し、
奇声を上げるヒンドゥー教徒たち
 インド西部グジャラート州で続いていたヒンズー教徒らの暴動は4日までに、都市部ではほぼ沈静化したものの、周辺部で散発的に襲撃などの発生が伝えられ、現地からの報道によると、これまでの死者は先月27日の列車放火事件の死者58人を含め、約540人に上った。
 同州当局は、州内に軍が展開し暴動はおおむね制圧されたとの見解を示していたが、4日朝には同州北部の町で、イスラム教徒の家屋に放火しようとしたヒンズー教徒の群衆に警察が発砲、2人が死亡するなど緊張が続いている。警察当局はこれまでに2800以上を逮捕した。

 州内の一部では外出禁止令が解除されたが、イスラム教徒は襲撃を恐れて家に閉じこもり、学校が閉鎖状態となっている町も多い。

 3日にはウッタルプラデシュ州で警官が暴徒に刺され死亡するなど、暴動はグジャラート州以外にも広がり、一部の都市で外出禁止令が発令された。

 アドバニ内相は3日、グジャラート州の中心都市アーメダバード入りし状況を視察した。政府与党「インド人民党」(BJP)に属するモディ州首相が列車放火事件当初、ヒンズー教徒側に同情的な発言をし暴動抑止が遅れたなどと批判されているほか、インド北部アヨドヤのヒンズー教寺院建設問題でヒンズー教過激派の活動を容認しイスラム教徒との緊張を招いたと非難されるなど、政府は苦しい対応を迫られている。(共同)
アーメダバード西方の町の焼け跡
同上

<インド暴動>地方での虐殺の実態が明らかに

 【アーメダバード(インド西部)薄木秀夫】ヒンズー、イスラム両教徒による宗教暴動は、グジャラート州の最大都市アーメダバードに関しては陸軍部隊の増員などで一応、沈静化の方向に向かっている。しかし、週明けの4日になって、地方の小さな村でのイスラム教徒虐殺の実態が明らかになってきた。

 列車放火事件に対するヒンズー教徒の報復は、都市部では主にイスラム教徒が経営する商店やモスク(イスラム礼拝堂)などが対象となった。一方、地方ではイスラム教徒の住居への襲撃が相次ぎ、一家全員死亡などの悲劇が起きている。

 イスラム教関係者らによると、アーメダバードから約100キロ離れたサダールプル村では2日、イスラム教徒の住宅25戸が襲撃を受け、子供を含む約30人が死亡した。この村には両教徒が混住しているが、村人の話では、襲撃したのは外部から来たヒンズー教徒だったという。

 列車放火事件を含めて今回の暴動での死者は、4日までに540人にのぼり、アーメダバードだけで約250人が死亡している。州当局は「今後、地方の村で起きた襲撃事件が明らかになるにつれ死者数はさらに増えそうだ」と説明している。(毎日新聞)
インド暴動死者485人、軍増派

 【イスラマバード3日=佐藤浅伸】ヒンズー教徒の乗った列車がイスラム教徒に放火された事件をきっかけにしたインド西部グジャラート州の暴動は3日、州政府の集計で死者が485人に達した。中央政府は同日、軍を増派、治安回復に全力を注いでいる。

 軍は中心都市アーマダバードなど同州の4都市に計約3000人の兵士を配置、都市部では沈静化の兆しが出ている。しかし、2日夜、パラムプル村で4人が焼き殺されるなど、地方への暴動拡大阻止が急務となっており、中央政府は軍の広域展開を始めた。現地で陣頭指揮を取るフェルナンデス国防相は3日、「地方の治安維持に1個旅団を投入した」と述べた。

 一方、パキスタンのムシャラフ大統領は2日、インド政府に対してイスラム教徒の保護と暴動を扇動した者への厳罰を要求。グジャラート州政府が3日、国営パキスタン・テレビの放映を停止するなど印パ関係にもさらなる影を落としつつある。

 バジパイ首相は、ヒンズー、イスラム両教徒の対立激化を阻止するため、支持母体でもある世界ヒンズー評議会(VHP)の代表と会い、破壊したモスク(イスラム教礼拝所)跡地でのヒンズー教寺院建設を断念するよう説得しているが、協議は難航。逆にイスラム教団体がVHPの非合法化を要求するなど、首相の苦境が一段と鮮明になってきた。(読売新聞)
<イスラエル軍>パレスチナ難民キャンプに再侵攻

 2日にいったん撤収していたイスラエル軍は4日未明、パレスチナ武装集団による自爆テロや兵士銃撃事件への報復として、ヨルダン川西岸のパレスチナ自治区ジェニンにあるジェニン難民キャンプに再び侵攻した。銃撃戦でパレスチナ解放機構(PLO)主流派ファタハの軍事部門「アルアクサ殉教者団」の地元幹部が死亡した。(毎日新聞)
<パレスチナ>ガザ地区へイスラエル軍侵攻 自爆テロへの報復

 4日未明、パレスチナ・ガザ地区のラファ難民キャンプにイスラエル軍が戦車などで侵攻、砲撃でパレスチナ人3人が死亡した。エルサレムで2日起こった自爆テロへの報復とみられる。また、イスラエル軍検問所でパレスチナ人武装集団が3日、イスラエル兵を銃撃した事件は、兵士2人が新たに死亡し、死者は10人になった。(毎日新聞)
自爆テロ報復に報復、イスラエル兵襲撃され11人死亡

 【エルサレム3日=当間敏雄】エルサレム中心部で2日夜(日本時間3日未明)、パレスチナ過激派の自爆テロがあり、1歳半の女児ら子供5人を含む9人が死亡、57人が負傷し、犯人も即死した。イスラエル軍は3日未明、ヨルダン川西岸ベツレヘムのパレスチナ自治政府施設に武装ヘリからミサイルを撃ち込んで報復した。その数時間後、西岸ラマッラ近郊の軍検問所が襲撃され、兵士10人が死亡、ガザでも軍陣地付近で爆弾が爆発し、兵士1人が死亡した。暴力の連鎖により、パレスチナ情勢は、再び全面衝突の懸念をはらんだ危機に陥った。

 エルサレムに近い西岸のユダヤ人入植地マアレアドミム近郊では2日夜、非番だったイスラエル警官の射殺体が見つかった。

 エルサレム自爆テロ、検問所襲撃、警官射殺について、パレスチナ解放機構(PLO)主流派ファタハ系列の武装組織「アルアクサ殉教者旅団」が犯行を認めた。軍が先月末から西岸のパレスチナ難民キャンプ2か所で過激派の掃討作戦を実施、パレスチナ人20人以上を殺害したことへの報復という。軍は3日朝までに両キャンプから撤退した。

 カタールの衛星テレビ「アル・ジャジーラ」は、自爆犯がベツレヘム近郊デヘイシャ難民キャンプの19歳の青年だったと伝えた。

 自爆テロ現場は超正統派ユダヤ教徒の居住区ベイトイスラエルで、ユダヤ教の安息日が2日の日没で終わり多数の教徒らが外出を始める時間帯の惨劇だった。犯人は、乳児をベビーカーに乗せた母親のグループの近くで身につけた爆弾を起爆させた。強力な爆弾で、付近に駐車していた車数台がオレンジ色の炎を上げて炎上した。

 パレスチナ自治政府は同夜、声明を発表、民間人を狙った事件を非難する一方で、イスラエルの「侵略政策」に情勢激化の責任があると批判した。

 イスラエル政府報道官は「パレスチナ自治政府と指導者アラファトは、イスラエル国民の気力をくじこうとしているが奏功しない」と強調し、テロ続発の責任はアラファト自治政府議長にあると糾弾した。(読売新聞)
旧ミドリ十字の血液製剤による肝炎感染の疑い1万人以上

 製薬会社三菱ウェルファーマ(大阪市)は4日、80年以降に血液凝固因子製剤「フィブリノゲン」の投与を受けたと推定される患者約28万3500人のうち、推定約1万600人が肝炎に感染した疑いがある、と厚生労働省に報告した。


 この報告は、88年に当時のミドリ十字(後に合併を重ねて現在は三菱ウェルファーマ)が肝炎感染数を過少報告していたことが昨年3月発覚し、薬事法に基づき厚労省から命じられて同5月に提出した報告書の推定感染者数約8500人を修正した。同報告書のために実施した医療機関へのアンケートで、回答期限を過ぎた後に37の医療機関から回答があったため、という。(21:19)

現職知事逮捕は円藤容疑者で5人目

 現職知事が収賄容疑で逮捕されたのは、76年に木村守江・福島県知事が県の大規模開発にからんで福島地検などに逮捕されて以来、5人目だ。木村氏は79年、公選知事として初めて有罪が確定。93年には一連のゼネコン汚職で、竹内藤男・茨城県知事、本間俊太郎・宮城県知事が東京地検特捜部に逮捕された。本間氏は有罪が確定したが、竹内氏は係争中。黒木博・宮崎県知事は79年、県発注工事にからみ逮捕されたが、88年の控訴審で逆転無罪が確定した。


業際研から800万円収賄容疑、徳島県知事ら聴取へ

 公共工事の口利き汚職事件で逮捕されたコンサルタント会社「業際都市開発研究所」の取締役・尾崎光郎容疑者(56)から、徳島県の円藤寿穂(えんどう・としお)知事(58)が現金計800万円を受け取った疑いが強まったとして、東京地検特捜部は、近く円藤知事とその側近から収賄容疑で事情聴取する方針を固めた模様だ。当時、後援会幹部だった側近の聴取を知事に先行して行うとみられる。

 関係者によると、尾崎取締役は「県発注工事の受注や下請け参入を目指して97年に500万円を知事本人に、00年に300万円を知事側近に渡した」という趣旨の供述をしているとされ、特捜部は円藤知事本人から説明を求めることを決断したとみられる。

 円藤知事はこれまで、「職務に関連して金銭を受け取ったことはない」と疑惑を否定している。

 これらの資金は、いずれも地元の中堅建設会社「市場西村建設」(同県市場町)が業際研に託した現金が原資になっており、贈賄側は尾崎取締役と市場西村の幹部とみられる。

 97年9月にあった知事選直前の6月には、尾崎取締役は円藤知事に直接、500万円を手渡したとされる。市場西村が県発注の道路工事の受注を依頼した謝礼だったとみられる。

 また、00年には、尾崎取締役は市場西村から、県立文学書道館建設工事の下請けに参入したいと工作を頼まれ、1000万円を受領。うち300万円を同年8月、円藤知事の側近に渡したという。


 円藤知事は、運輸省(現・国土交通省)官僚出身。93年に退官して知事に初当選し現在3期目。(21:16)

桟橋受注3社も鈴木氏へ献金、6年で3300万円

 自民党の鈴木宗男代議士の関与が外務省報告書で指摘された国後島の桟橋改修工事を受注した地元の3業者が、鈴木氏側に過去6年間で総額3300万円余りの政治献金をしていたことがわかった。

 桟橋改修工事(98年)を落札した共同企業体は、島田建設(網走市)と真壁建設(根室市)、浜谷建設(釧路市)の3社。

 鈴木氏側の政治資金収支報告書などによると6年間で献金額が2400万円と飛び抜けて多い真壁建設の山下洋司社長は、83年に鈴木氏が総選挙に初めて立候補した際に後援会をつくった中心メンバー。その時から献金をしているという。

 「実績のない1期目から応援しており、権力を頼りにしていたのではない。金のことは考えずに政治活動に力を注いでもらおうということだ。献金の見返りなど、期待していない」

 桟橋改修を受注した98年の献金が400万円で、前年より50万円多いことについては「会社の業績がいい年には献金額も増やす。代議士側からの要求ではなく、自分で増やしている」と話した。

 落札については「国後島周辺の独特の海の状況を熟知しているのは我々、道東の業者。道北や道南と違うから最低価格を出せた」と語った。


 計530万円を献金した島田建設の大橋俊彦副社長は「鈴木代議士から案件を紹介されることはないし、あり得ない。受注工事と献金の関係はない」と話した。浜谷建設は「いっさいのコメントを差し控えたい」としている。(15:00)