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【 02/03/29 (金) 】

イスラエル軍がラマラ自治府に全面攻撃
「神殿の丘」に警官隊突入
<イスラエル>新た危機の段階に アラファト議長は「敵」と首相
16歳少女が自爆、3人死亡
<イスラエル>アラファト議長孤立させる閣議決定 軍事作戦宣言
議長府一部占拠、アラファト氏を「隔離」
砲撃でアラファト議長府炎上
イスラエル、パレスチナに対する包括的戦争を宣言=パレスチナ当局者
<イスラエル軍>ラマラに戦車20台で再侵攻 大規模報復懸念も

郵便貯金の金利を0.01%下げ 総務省、4月1日から
沖縄振興特措法成立 「金融特区」創設など
イスラエル軍がラマラ自治府に全面攻撃

 イスラエル軍は29日朝、ヨルダン川西岸のパレスチナ自治区ラマラに侵攻し、アラファト自治政府議長が滞在中の議長府施設に戦車などで全面攻撃を加え、施設内に突入した。

 イスラエル放送によると、激しい戦闘でパレスチナ側は6人が死亡、20人以上が負傷。軍も将校1人が死亡し、4人が負傷した。議長本人は無事。

 27日夜のイスラエル中部ネタニヤでの自爆テロへの報復作戦。イスラエルのシャロン首相は29日、記者会見し、アラファト議長を「敵」とみなし「孤立化させる」ことを閣議決定したと発表した。さらにパレスチナ側のテロに対する大規模な軍事作戦の開始を宣言した。

 イスラエルが全面攻撃に踏み切ったことで、ジニ米中東特使が今月中旬以来続けてきた停戦調停は完全崩壊の瀬戸際に追い込まれた。議長は絶体絶命の窮地に陥った。28日のアラブ首脳会議で包括和平案が採択されたばかりの中東和平は、一転して極めて重大な危機に見舞われている。

 イスラエル軍の攻撃に先立つ28日夜、アラファト議長はイスラエルとの即時停戦に応じる用意を表明。ジニ特使にこの意向を伝えたという。だがイスラエル側は「声明には飽き飽きだ。言葉ではなく行動で判断する」(ギシン首相報道官)と議長を批判した。

 全面攻撃を受け、アラファト議長はカタールの衛星テレビ、アルジャジーラとの電話インタビューで、「パレスチナ人は誰一人としてこの侵略には屈しない」と徹底抗戦を強調。米国に緊急介入を要請していることを明らかにした。

 シャロン首相は会見で、予備役兵2万人を招集すると発表。「議長孤立化」の説明は避けたが、外部との接触を完全に絶つ方針とみられる。「孤立化」は「現時点での措置」としており、今後事態の展開次第では、イスラエルが議長の追放を図る可能性もある。首相は自治区再占領の決定はないと語った。

 軍は同日午前、ラマラに外出禁止令を敷いた。議長府施設周辺には数十台の戦車などが展開。ブルドーザーで周囲の壁を破壊し、戦車の砲撃で施設の一部が炎上した。軍部隊は施設内の建物2棟を占拠した。(共同)

「神殿の丘」に警官隊突入

 【エルサレム29日時事】エルサレム旧市街にあるイスラム教、ユダヤ教双方の宗教聖地「ハラム・アッシャリフ」(ユダヤ側名称「神殿の丘」)に29日、イスラエル警官隊が突入し、群衆を散開させた。パレスチナ人の若者たちが下方にあるユダヤ教聖地「嘆きの壁」に向けて投石したのを受けたもので、この事件でパレスチナ人5人が負傷、警官1人が負傷した。 (時事通信)
<イスラエル>新た危機の段階に アラファト議長は「敵」と首相

 シャロン・イスラエル首相が29日、アラファト・パレスチナ自治政府議長を「敵」と宣言し、議長周辺の軍事包囲を強めたことで、新たな危機的段階に突入した。首相は「テロ基盤の粉砕」を新作戦の目標と掲げているが、アラファト議長の追放、排除をにらんでいるとも見える。取り返しのつかない事態に陥りそうだ。(毎日新聞)
16歳少女が自爆、3人死亡

イスラエル放送によると、エルサレム南西部のユダヤ人地区にあるスーパーマーケットで29日午後、自爆テロがあり、イスラエル人の男女計2人が死亡、20人が負傷した。犯人も死亡した。

 犯人はヨルダン川西岸ベツレヘム近郊の難民キャンプに住む16歳のパレスチナ人少女で、パレスチナ解放機構(PLO)主流派ファタハの武装組織「アルアクサの殉教者旅団」のメンバーという。

 一方、エルサレム旧市街のイスラム教聖地では同日午後、礼拝を終えたイスラム教徒のパレスチナ人らがイスラエル警官に投石、制圧しようとした警官隊と衝突した。負傷者は伝えられていない。(共同)

<イスラエル>アラファト議長孤立させる閣議決定 軍事作戦宣言

 【エルサレム海保真人】イスラエルのシャロン首相は29日、記者会見し、パレスチナ自治政府のアラファト議長が「テロと連帯しており、敵だ」と宣言、当面の間、議長を孤立させることを閣議決定したと発表した。同首相が議長を「敵」と表現するのは初めて。首相はパレスチナ側のテロ行為に対する大規模な軍事作戦の開始を宣言した。 

 会見に先立ち、イスラエル軍は同日未明、議長が滞在するパレスチナ自治区ヨルダン川西岸のラマラに戦車などで再侵攻。議長府関連施設に攻撃を加え、施設内に突入したが、この衝突で少なくともパレスチナ人5人とイスラエル兵1人が死亡した。議長府の一部が出火したが、消し止められた。議長にけがはなかった。

 また、イスラエルはラマラ一帯に外出禁止令を敷いた。外出禁止令は極めて異例で、事態の深刻さを示している。28日に閉幕したアラブ首脳会議で包括和平案が採択されたばかりの中東和平は、重大な危機に見舞われている。

 侵攻は27日夜に同国中部ネタニヤで発生、22人が死亡した自爆テロをきっかけにした報復作戦。シャロン首相は、記者会見で、侵攻作戦のため予備役2万人の緊急招集を決めたことも明らかにした。

 同席したベンエリエゼル国防相は「議長に危害を加えることはしない」と言明し、自治区を再占領する計画もないと語ったが、議長を隔離した上で、自治区から追放することも視野に入れている模様だ。

 一方、パレスチナ側は侵攻を「テロ」と非難したうえ、「パレスチナへの全面戦争の宣言」(エラカト地方行政相)と激しく反発した。アラファト議長は米国と国連に緊急の介入を要請。議長はカタールの衛星テレビ局とのインタビューで「パレスチナ人は決して屈しない。独立国家樹立のための闘争を放棄することはない」と全面対決する姿勢を表明した。(毎日新聞)
議長府一部占拠、アラファト氏を「隔離」

 【エルサレム29日=当間敏雄】ヨルダン川西岸パレスチナ自治区の中心都市ラマッラに侵攻したイスラエル軍は29日、アラファト自治政府議長の執務する議長府を包囲、戦車などを敷地内に突入させ一部施設を占拠した。戦車の砲撃で施設の一部が炎上したという。

 シャロン・イスラエル首相は同日朝の記者会見で議長を、イスラエルに対するテロ連合を組織した「敵」と呼び、「議長を隔離する」閣議決定を下した、と明らかにするとともに「テロ組織を末端まで破壊するため行動する」と大規模軍事作戦の発動を宣言した。

 イスラエル放送などによると、侵攻部隊は、パレスチナ治安部隊と銃撃戦となり、少なくともパレスチナ人5人が死亡、20人以上が負傷した。イスラエル兵1人も死亡した。議長本人は無傷と伝えられる。

 作戦は、単なる過激派掃討の域を超え、アラファト議長個人や自治政府を徹底的に追い詰める様相を強めている。議長は「パレスチナを勝利へと導く」と宣言し、パレスチナ住民に徹底抗戦を呼びかけた。自治政府のエレカト地方行政相は「イスラエルは全面戦争を宣言した」と非難した。

 イスラエルは、今月中旬にジニ米特使がパレスチナ側との停戦調停を開始して以来、軍事作戦を自制してきたが、27日、イスラエル中部でイスラム原理主義組織による自爆テロが発生、イスラエル人21人の死者を出す事態となり、これを受けて軍事作戦を再始動させたものだ。ジニ特使の停戦調停は頓挫した。28日には、ベイルートで開かれていたアラブ首脳会議がアブドラ・サウジアラビア皇太子の包括和平案をアラブの統一案として採択したばかりだった。

 シャロン首相は会見で予備役2万人の緊急招集を発表、今回の作戦が長期にわたることを示唆。会見に同席したベンエリエザー国防相は、「議長に危害は加えない」と言明した。

 エルサレム市内のスーパーマーケットでは同日午後、自爆テロが発生、犯人を含め少なくとも2人が死亡。パレスチナ解放機構(PLO)主流派ファタハ系の「アルアクサ殉教者旅団」が犯行声明を出した。また、エルサレム旧市街の聖地「神殿の丘」(イスラム呼称=ハラムアッシャリフ)では、金曜礼拝後のイスラム教徒がユダヤ教聖地「嘆きの壁」に投石したため、警官隊が突入し一時、騒乱となった。(読売新聞)
砲撃でアラファト議長府炎上

 【エルサレム支局29日】ロイター通信によると、ヨルダン川西岸ラマッラに侵攻したイスラエル軍戦車は29日、アラファト・パレスチナ自治政府議長が執務する議長府に砲撃、火災が発生した。自治政府のアベド・ラボ情報相は、電話で同通信に対し、「イスラエル軍戦車が議長府を砲撃し、建物が炎上した。私たちは建物の中にいる」と語った。(読売新聞)
イスラエル、パレスチナに対する包括的戦争を宣言=パレスチナ当局者

 [エルサレム 29日 ロイター] パレスチナ自治政府の高官は、イスラエルのシャロン首相が、パレスチナに対して包括的戦争を宣言したことを明らかにした。
パレスチナ自治政府のエレカト交渉代表が、ロイター通信に明らかにしたもの。
同代表は、イスラエル軍によるアラファト議長事務所の包囲攻撃を止めさせるよう、世界各国に訴えた。
同代表は、「国家テロを行っているイスラエル政府は、包括的な戦争を宣言した。シャロン(イスラエル首相)は、パレスチナ自治政府と和平プロセスを崩壊させるつもりだ」と述べた。(ロイター)
<イスラエル軍>ラマラに戦車20台で再侵攻 大規模報復懸念も

 イスラエル北部ネタニヤで起きた自爆テロを受け、イスラエル軍は29日未明、ヨルダン川西岸のパレスチナ自治区ラマラに戦車約20台で再侵攻した。ブルドーザーでアラファト議長が執務する議長府のフェンスを破壊した。同軍筋は「作戦は長期で大規模なものとなる」と明言、大規模な報復攻撃が懸念されている。(毎日新聞)
郵便貯金の金利を0.01%下げ 総務省、4月1日から

 総務省は4月1日から、郵便貯金の通常貯金利率を0.02%から0.01%に引き下げると29日発表した。通常貯金利率の引き下げは10カ月ぶりで、過去最低水準を更新した。東京三菱など一部の都市銀行や地方銀行が普通預金の金利の0.001%への引き下げを表明するなど、決済性預金金利に引き下げの動きが出てきたことに対応した措置。


 預入残高が10万円以上の「通常貯蓄貯金10」、同30万円以上の「通常貯蓄貯金30」はそれぞれ0.01%引き下げ0.02%になる。(20:16)

沖縄振興特措法成立 「金融特区」創設など

 公共事業と基地産業に依存しがちだった沖縄経済の自立的な発展を促す「沖縄振興特別措置法(振興新法)」が29日、参院本会議で全会一致で可決、成立した。本土復帰直後から沖縄経済をけん引してきた「沖縄振興開発特措法(旧沖振法)」に代わる10年間の時限立法。金融業者の法人税を軽減する全国で初めての「金融特区」(金融業務特別地区)創設や、最先端の新大学院大学構想などが目玉だ。

 振興新法は、税制などで1国2制度的な優遇措置を盛り込んで「脱公共事業」を促す一方、米軍普天間飛行場の移設受け入れ先の名護市が強く要望した金融特区を実現するなど基地負担に対する「アメ」の側面もある。旧沖振法は3月末で期限切れになる。


 新法成立後、尾身幸次沖縄担当相は「自立経済の実現という新しい旗を掲げ、21世紀の沖縄の発展を実現できる。(新法は)有効な釣り具だが、それで魚をとるのは沖縄県民。頑張っていただきたい」と語った。(20:23)