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【02/03/10 (日) 】

報復自爆テロでイスラエル人13人死亡、議長府攻撃全壊
どうする?宗男氏の金 自民議員50人へ計1億5千万円
300人の頭がい骨地図を撤去 カンボジア虐殺博物館
米空爆で民間人23人死亡、半数が女性・子供 アフガン


報復自爆テロでイスラエル人13人死亡、議長府攻撃全壊

 イスラエルで9日夜、パレスチナ過激派によるエルサレムの喫茶店での自爆テロと北部ネタニヤでの銃乱射があり、イスラエル人計13人が死亡、100人以上が負傷した。犯人のパレスチナ人計3人も死亡。8日にはイスラエル軍によるパレスチナ自治区への攻撃で40人以上のパレスチナ人が死んでおり、テロはその報復。イスラエル軍は10日未明、さらに報復としてガザのアラファト議長府ビルをミサイル攻撃で全壊させた。

 連続テロは、ユダヤ教の安息日が開けて、人々が街頭に繰り出す土曜(9日)の夜を狙った。イスラエル軍による激しい自治区侵攻の後の同日夜のテロは2日に続いて2週連続。侵攻とテロの応酬が繰り返されている。

 エルサレムの自爆テロは午後10時ごろ、首相公邸から数十メートルの距離にある喫茶店の入り口付近で起こり、自爆者1人と客11人が死んだ。土曜の夜に若者が集まる有名な喫茶店で混雑していた。イスラム過激派ハマスが犯行声明を出した。

 ネタニヤでの銃乱射はその2時間前で、安息日のお祝いを終えてホテルから出てくる人々に向けてパレスチナ人2人が手投げ弾を投げ、銃を乱射した。20代の男性と9カ月の乳児が死亡、50人以上が負傷。犯人は警官に射殺された。アラファト議長が率いるファタハの武装集団「アルアクサー殉教者軍団」が犯行声明を出した。

 イスラエル軍は10日未明から、ガザ市中心部にある議長府と近くのパレスチナ警察本部ビルに30発以上のミサイルを撃ち込んだ。議長は昨年12月初め以来、ヨルダン川西岸ラマラに軟禁状態にあるが、全壊したガザ議長府は94年の自治開始以来、議長が主に執務をしてきた場所だった。


 シャロン首相は10日朝から閣議を開き、事態悪化への対応を協議した。軍が続けている自治区や難民キャンプへの大規模な侵攻作戦の継続が承認されるとの見方は強い。(19:19)
どうする?宗男氏の金 自民議員50人へ計1億5千万円

 自民党の鈴木宗男代議士が代表を務める政党支部が、総選挙のあった00年に当時の同党若手国会議員ら50人に対し、総額約1億5000万円を寄付していたことが収支報告書からわかった。受け取った議員たちは、「返すことも検討する」「返却は偽善だ」。鈴木氏の証人喚問を前に、もらった側の対応も揺れている。

 報告書によると、鈴木氏が代表の自民党北海道第13選挙区支部は00年、当時の国会議員少なくとも50人の政党支部などに献金した。総額は約1億5100万円だった。

 1人100万円から750万円の幅で平均は約300万円。100万円が23人で最も多く、衆院選直前の6月に渡されたケースが目立つ。

 当選回数では、1回から3回までの若手議員が計40人。派閥別にみると、鈴木氏が所属する橋本派が30人と最も多いが、ほかにも河野グループを除くすべての派閥議員に渡している。50人のうち4人は、6月末の総選挙で落選している。

 200万円を受け取った森岡正宏氏(衆院、橋本派)は鈴木氏の疑惑について「役所にあまりに圧力をかけるのはいけないと思うが、役所も鈴木さんを利用したので『どっちもどっち』だ」とみる。

 「悪いところばかりが強調されるが、鈴木さんは行動力や先を見る目はある。功を言わずに罪のほうだけで血祭りにするのはいかがか」といい、「政と官のつきあいのルールがしっかりしていなかったのでこうなった」と指摘した。

 献金を受けた経緯については「鈴木さんは『若い政治家を育てるのも私の務めだ』とおっしゃった。これからという政治家に気を使ってくれたのでありがたくいただいた」と説明。「今言われていることが本当なら鈴木さんに行き過ぎもあるが、こうなったからといって返すのは失礼だ。政治家になりたての人間を応援してくれるという行為は貴重だ」と返却しない姿勢を見せた。

 森山裕氏(参院、橋本派)は「鈴木さんは非常に情熱ある言い方をする『スポーツ系』の人。言い方によって圧力になるが、力を入れないと意見が反映されないこともあり、そこが難しい」。

 返却については「支部の一代表である私の判断だけでは決められない。だが、これだけ社会問題となっており、支部の人たちとよく話をしたい」と態度を保留した。

 一方、岸宏一氏(参院、加藤派)は献金を受けたことについて「悪いことをしていたと知っていたわけではなく、悪い金をもらっているという認識もなかった」と言い、「疑惑が出てきたからと言って献金を返すことは姑息(こそく)で偽善だ。それなら最初からもらわなければいい」と語った。


 また、この年の献金をめぐっては、武部勤農水相ら北海道選出の3代議士がそれぞれ、鈴木氏側から受けた100万円を返却することを決めている。(10:33)

300人の頭がい骨地図を撤去 カンボジア虐殺博物館

 70年代のポル・ポト派による拷問や虐殺の記録を集めたプノンペンのツールスレン虐殺博物館で10日、犠牲者の頭がい骨で作ったカンボジア地図が取り外された。

 虐殺の跡地などから発掘された約300人の頭がい骨による地図は、ポル・ポト派の残虐さを象徴する展示物として80年に設置された。しかし、傷みが激しく、死者の供養にもならないとして撤去が検討されていた。


米空爆で民間人23人死亡、半数が女性・子供 アフガン

 アフガニスタンからの報道によると、同国東部パクティカ州バルマル地区のイスラム霊廟で7日、米軍機による空爆で民間人23人が死亡した。このうち半数以上が女性や子どもだったと見られる。

 アフガン・イスラム通信(AIP)によると、犠牲者は、テロ組織アルカイダとの関係を疑われて米軍に逮捕されたアフガン人の家族や友人。釈放を祈願していたという。