気になるニュース
【02/03/17 (日) 】

<イスラエル>米特使と首相が再会談 停戦巡り交渉続く
<イスラエル>男が銃を乱射し10人けが パレスチナ人過激派か
<サウジ皇太子>米副大統領と会談、イラク攻撃に反対
<パレスチナ>傷跡残るラマラ市内 住民、怒りを露わ
イスラエル、3者会談開催予定の発表を撤回
<パレスチナ停戦>衝突収拾霧の中 占領崩さぬイスラエル
イスラマバードの教会に爆弾、5人死亡 日本人1人負傷
ポルトガル総選挙の投票始まる
日本側、北朝鮮当局者に有本さんの消息確認を要求
産学共同研究、連携強化へ 企業の権利明確化 文科省
米国務省幹部が日本の地方を行脚へ 直接投資訴え 
<イスラエル>米特使と首相が再会談 停戦巡り交渉続く 

3/16、停戦動向の中、イスラエル軍に殺された親戚の葬儀で泣く
パレスチナ女性
 【エルサレム井上卓弥】米国のジニ特使は16日夜、アラファト・パレスチナ自治政府議長らとの会談に続いて、シャロン・イスラエル首相と同国南部の自宅で再会談した。ジニ特使はシャロン首相、パレスチナ側代表と、自らを米代表で加えた3者会談を開いて停戦に持ち込みたい意向で、交渉を続けている。

 イスラエル首相府は16日夜、3者会談が17日中にも行われると発表したが、パレスチナ側が反発しており、開催は微妙だ。イスラエル側がパレスチナ側代表団にアラファト議長が加わることを拒否していることが背景にあるとみられる。

 また、17日朝のイスラエル放送によると、パレスチナ側は特使に、停戦の条件としてイスラエル軍の自治区内からの完全撤退を改めて要求。イスラエル軍がヨルダン川西岸の自治区ベツレヘムやラマラ近郊になお部隊を駐留させていることも、3者会談開催に難色を示している理由とされる。(毎日新聞)
<イスラエル>男が銃を乱射し10人けが パレスチナ人過激派か

 イスラエルのテルアビブ北東にある町クファ・サバで17日昼、パレスチナ人過激派とみられる男が通行人に銃を乱射、少なくともイスラエル人10人が負傷、うち1人は重体となった。男はイスラエル警察に射殺された。ジニ米特使が現地入りした14日以後、市民を狙ったテロは初めてで、停戦交渉への影響が懸念される。(毎日新聞)
<サウジ皇太子>米副大統領と会談、イラク攻撃に反対

 【エルサレム小倉孝保】中東歴訪中のチェイニー米副大統領は16日、サウジアラビア西部ジッダでアブドラ皇太子と会談した。皇太子は、米国が計画するイラク攻撃に際して国内基地の使用を拒否したとされ、攻撃自体にも反対の意向を示した模様だ。

 皇太子は米CNNテレビに、イラク攻撃について「米国と中東の利益にはならない」と語っており、チェイニー副大統領はサウジ、ヨルダン、イエメン、オマーンなど大半のアラブ諸国から「イラク攻撃反対」との回答を突き付けられた。

 米国がフセイン政権崩壊させるには、前線基地としてサウジやトルコの軍事基地の使用が不可欠とされる。だが、アブドラ皇太子は、91年の湾岸戦争以来続く米軍駐留やアフガニスタンへの攻撃を受け、同国内で反米感情が高まっていることに加え、フセイン政権が崩壊すれば周辺地域が不安定化することを考慮したとみられる。

 一方、サウジ国営通信によると、会談では泥沼化しているイスラエル・パレスチナ衝突についても話し合われ、皇太子は自身が示した包括的中東和平案をアラブ全体として提案することに強い意思を表明したという。(毎日新聞)
<パレスチナ>傷跡残るラマラ市内 住民、怒りを露わ

 イスラエル軍が市内ほぼ全域を支配していたヨルダン川西岸ラマラに16日、入った。3日間にわたって侵攻した多数の戦車が撤退した直後の町には戦車に踏みつぶされた車があちこちに放置され、壁がえぐりとられた民家も目立った。イスラエル軍に一時、自宅を占拠された家族は「人間扱いされなかった」と怒りを露わにした。(毎日新聞)
イスラエル、3者会談開催予定の発表を撤回


 [エルサレム 16日 ロイター] 停戦へ向けイスラエル、パレスチナ自治政府、米当局者による3者会談を開催すると発表していたイスラエルだが、パレスチナがこれを否定したため、発表を取り消した。
 イスラエル首相府によると、米国のジニ特使と会談したイスラエルのシャロン首相が17日に3者会談を行うことで合意。 
 しかしパレスチナ側はイスラエル軍が占領している自治区から完全撤退しない限り、会談には応じないとの立場を表明したため、イスラエルは発表の撤回を余儀なくされた。
 国際社会からの圧力を背景に、イスラエル軍は侵攻していたラマラとヨルダン川西岸2都市から撤退したが、依然として4都市の包囲を続けている。(ロイター)
<パレスチナ停戦>衝突収拾霧の中 占領崩さぬイスラエル

 イスラエル・パレスチナの果てのないテロと軍事攻撃の連鎖。一昨年9月の衝突発生以来、パレスチナ側の死者は1000人を超え、軍事力で圧倒的に優位に立つイスラエル側でも350人が犠牲になった。唯一の仲介役、米国が大統領特使を現地に派遣し、数日後に停戦が実現するとの観測もある。だが、「一時的に停戦となっても、流血は再び繰り返される」との悲観的な見方が大勢だ。薄氷の停戦交渉を乗り越えても、本格的な衝突収拾の道筋は濃い霧の中にある。

◇自治政府はテロ“黙認”

 「大半の治安当局施設をイスラエル軍に破壊され、テロと戦かおうにも、できる状態にない」

 アラファト・パレスチナ自治政府議長はイスラエル側から、自爆テロや銃撃を頻発させるパレスチナ過激派の取り締まり強化を迫られ、15日夜、ジニ米特使にそう訴えたという。

 先月末以来のパレスチナ側の攻勢で、イスラエル人の犠牲者は急増。イスラム原理主義組織「ハマス」などの拠点摘発には、自治政府の協力が不可欠だが、過激派を取り締まるはずのパレスチナ治安当局の一部幹部は「自爆テロは自衛手段だ」とまで言い切る。イスラエルはアラファト議長に本気で取り締まる気はないとして、軍事攻撃で圧力をかけてきた。

 一方、治安対策を最優先に掲げるシャロン・イスラエル首相にも、占領政策を終わらせる気は毛頭なく、互いの不信感だけが増幅しているのが実態だ。

 ジニ特使は、アラファト議長との会談の後、停戦実現に向け、楽観的な見方を示した。双方の治安当局者協議の再開にめどが立ったのに加え、これまでシャロン首相が応じてこなかった「政治委員会」の発足に同意したからだとみられる。

 同委員会では領土返還、聖地エルサレムの帰属などの問題が議題にのぼる可能性はなく、和平交渉再開の方策などが論じられる予定だ。パレスチナ人政治評論家、ガッサン・ハティーブ氏は「問題は、前中東軍司令官で、治安問題が専門のジニ特使は何の政治的具体策も持ち合わせておらず、主導権もないことだ」と疑問の声を上げる。

 チェイニー米副大統領は対イラク攻撃をにらみ、ヨルダン、エジプト、サウジアラビアなど中東諸国を歴訪中だ。双方とも実は、「今回の特使派遣をチェイニー副大統領の各国訪問に合わせ、一時的な平穏を保つのが目的」とさめた目で見ている。

 和平派であるイスラエル有力紙ハーレツのアキバ・エルダー論説委員は「米国がやろうとしていることは単なる対症療法だ。歯の治療に例えれば、表面に薬を塗布するだけで、根っこを治そうとしない。表面は『暴力』であり、根っこの問題は『イスラエルの占領』なのだ」と手厳しい。 【エルサレム海保真人】

◇腰引ける米国 中間選挙控え、ユダヤ票無視できず

 「シャロン首相の決断に感謝する」。ヨルダン川西岸などからのイスラエル軍部分撤退を受け、ブッシュ米大統領は15日、こう述べた。だが、パレスチナ自治区への侵攻そのものを問題視するアラブ・パレスチナ側には完全撤退が当然だ。その心情にまで考えが及ばない大統領の言葉は、米国の姿勢を反映したものともいえる。

 サウジアラビア系の在米民間シンクタンクのアルアハメド代表は「パレスチナ問題は、中東地域で最後に取り組むべき課題」と指摘する。「独裁が目に余るフセイン大統領の打倒を優先すべきだ。そうすれば中東情勢は改善される。その後に難問山積のパレスチナ問題と取り組むのが賢明だ」と言う。

 パレスチナでの暴力の連鎖を食い止めても、その先に和平への筋道は見えないという現実が、対イラク攻撃反対が大勢とされるアラブ人の間にさえ、こうした「新思考」を生むのだろう。それほどパレスチナ和平交渉は、完全に方向性を失っている。

 その大きな原因が、アラブ側に「イスラエル偏愛」と非難されるブッシュ政権の静観姿勢だ。昨年1月の就任以来、ブッシュ大統領は、アラファト議長に会おうともしない。自爆テロは非難しても、イスラエル軍の攻撃を批判するのは、極めてまれだ。

 ジニ特使派遣を前に、米国はパレスチナ国家容認を含む決議案を自ら初めて、国連安保理に提出するなど、従来になく前向きな姿勢を見せたため、中東政策の転換点とする見方もある。だが、11月の中間選挙を控えた米議会の思惑が、米国内の「イスラエル寄り」の空気に拍車をかける。結束力が強いユダヤ票を無視して当選は困難だ。14日には約230人の有志議員が連名で大統領に書簡を送り、アラファト議長を警護する「フォース17」など3組織を「テロ組織」に指定するよう求めた。どこまで米国がパレスチナ紛争解決に本腰を入れるのかは依然、不透明だ。 【ワシントン布施広】

  ■今月の主なイスラエル・パレスチナ衝突■

2日 エルサレムで自爆テロ、イスラエル人9人が死亡

3日 ヨルダン川西岸のイスラエル軍検問所をパレスチナ人の武装集団が銃撃、イスラエル兵10人が死亡

5日 テルアビブのレストランでパレスチナ人が銃乱射、イスラエル人が少なくとも3人死亡

8日 イスラエル軍がヨルダン川西岸、ガザなどを広域攻撃。パレスチナ人35人、イスラエル人5人が死亡。パ  レスチナ人犠牲者数は過去最悪

9日 エルサレムの首相公邸近くの喫茶店で自爆テロ、パレスチナ人の犯人を含め少なくとも11人死亡

11日 イスラエル軍がヨルダン川西岸の難民キャンプに侵攻、銃撃戦でパレスチナ人21人が死亡

12日 イスラエル軍がヨルダン川西岸ラマラなどに戦車100両で、衝突発生以来、最大規模の侵攻、アラファト議長府に砲撃

14日 ガザでイスラエル軍の最強戦車が爆弾で破壊され、イスラエル兵3人が死亡(毎日新聞)
イスラマバードの教会に爆弾、5人死亡 日本人1人負傷

 パキスタンの首都イスラマバードで17日午前10時50分(日本時間午後2時50分)ごろ、礼拝中のキリスト教会に手投げ弾が投げ込まれ、米国大使館員の妻子を含む5人が死亡、40人がけがをした。外国公館や大使館が集中する地区にある「パキスタン国際教会」で、外交官やその家族らが多く集まっていた。犯行声明は出ていないが、外国人を標的にした爆弾テロとみられる。

 死亡したのは米国人2人のほか、パキスタン人2人、アフガニスタン人1人。イスラマバードの日本大使館によると、教会にいた同大使館の村林弘文1等書記官の妻オーロラさん(37)が足などに負傷、病院で手当てを受けている。負傷者にはスリランカ大使夫妻のほか米国人、ドイツ、オランダなどの外交関係者が含まれている模様だ。

 警察当局によると、礼拝堂には150人近い人々がいた。手投げ弾6発が投げ込まれ、うち3発が爆発した。礼拝に出ていたパキスタン人男性によると「突然、ボールのような塊が室内に飛び込んできて爆発した」という。爆発と同時に2人組が現場をオートバイで逃げたとの目撃情報もあるが確認されていない。


 教会は中国大使館に隣接。米国大使館からも500メートル余りの距離にある。大使館や国連、政府機関が集中するイスラマバードは、昨年9月の米同時多発テロ事件以降、市内各所に銃を持った兵士らが常駐し、厳重な警戒態勢を敷いている。この日も教会周辺を警備担当者が巡回していたが、手りゅう弾を投げた犯人には気づかなかったという。(23:09)
ポルトガル総選挙の投票始まる

 ポルトガル議会(一院制、定数230)の総選挙の投票が17日朝から始まった。投票は同日午後7時(日本時間18日午前4時)に締め切られ、即日開票される。同日夜半には大勢が判明する見込み。


 直前の世論調査では、2大政党のうち野党の社会民主党(中道右派)が与党の社会党(中道左派)をリードしている。ただ、議席の過半数を確保できるかどうかは微妙。右派の民衆党との連立に動く可能性もある。(19:23)
日本側、北朝鮮当局者に有本さんの消息確認を要求

 日朝関係筋は17日、日本と朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の外交当局者が16、17の両日、中国国内でひそかに接触したことを明らかにした。日本側は、よど号ハイジャック事件メンバーの元妻が83年に北朝鮮に拉致されたと証言した神戸市出身の有本恵子さん(当時23)の消息について、その確認などを北朝鮮側に求めたという。

 日朝の国交正常化交渉は00年11月以来中断しているが、当局者間の接触は水面下で継続的に行われてきている。今回の接触の出席者は不明だが、事務レベルでのやりとりが交わされた模様だ。

 北朝鮮の朝鮮赤十字会は昨年12月、日本側が求めてきた「行方不明者」に対する調査の中止を発表しており、同筋によると、日本側は今回明らかになった有本さんに関する証言などをあげて、改めてその消息確認を求める姿勢を伝えた。北朝鮮側の反応は明らかではない。


産学共同研究、連携強化へ 企業の権利明確化 文科省

 文部科学省は新年度から、国立大学と企業との間で結ぶ共同研究契約の条件を改め、特許権などについて企業に有利な内容にすることを決めた。現在の共同研究契約は、知的財産権の定義が不明確だったり、守秘義務が徹底されていなかったり、企業が二の足を踏む要因となっていた。同省は新しい契約方式で産学連携が加速するとみている。

 国立大学が企業との共同研究や受託研究をするときに使われる契約書モデルを、新年度から次のように変更する。

 研究で得られた特許などを企業が優先的に利用する場合、現在は大学が「許諾することができる」となっている。新モデルでは「許諾する」ことを基本とし、企業に有利な条件にする。

 特許権だけでなく技術情報のノウハウを含めて知的財産権の定義を明確にする。さらに、研究上知り得た秘密の「守秘義務」を新たに規定する。研究過程で企業が提供したノウハウなどが大学から漏れることへの不安に配慮した。

 企業負担の研究費については、分割払いを認め、余った場合には企業の求めに応じて返還することも明記する。


 米国では、産学共同研究の成果を企業が活用しやすい契約内容になっており、日本企業も米国の大学と連携する傾向にある。経団連は昨年10月、国内での連携推進を求める提言の中で「明確な契約が不可欠」としていた。(07:01)

米国務省幹部が日本の地方を行脚へ 直接投資訴え

 米国務省のグリーンウッド・アジア太平洋経済協力会議(APEC)首席担当官が18日から、日本の主要地方都市を訪れ、外国からの直接投資の必要性を訴える。日本貿易振興会(JETRO)が主催するセミナーに参加し、外資導入のメリットを説明する。

 セミナーは18日に神戸市、20日に福岡市、22日に名古屋市で開かれる。東京以外で開くのは、不況による雇用の悪化がより深刻で、外資の役割も大きいという判断があるためだという。

 グリーンウッド氏は、訪日前に記者会見をし「直接投資は、企業の再構築や企業の収益力の回復に大きな役割を果たす。雇用も増える」「外資による買収は、倒産より好ましい選択だ」と話した。

 「ハゲタカファンド」といった名前に象徴されるように日本人の一部に外資系企業への悪いイメージがあるが、「感情的には、自然なことだ。(ニューヨークの)ロックフェラーセンターが日本企業に買収されたときの米国での報道ぶりも思い出されるが、今は日本からの直接投資を悪くいう米国人はいない」と述べた。

 日本における外国からの直接投資は00年度で3兆1300億円だが、日本の対外直接投資は欧米を中心に5兆3700億円。かつてに比べれば外国からの直接投資は大きく伸びているものの、まだ対外投資に比べると少ない。