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【02/03/22 (金) 】

<中東情勢>パレスチナ過激派が自爆テロ 3日連続
インドネシア大統領、28日に金正日総書記と会談
外国人受け入れを制度化するドイツ初の移民法が成立
北朝鮮、行方不明者調査を継続 赤十字会が発表
米承認抹消後の販売めぐり製薬会社に報告命令 肝炎問題
薬害ヤコブ病訴訟の和解確認書に「おわび」掲載へ
スパイ事件、最初の接触は97年夏 ロシア人から電話
政労使、ワークシェアリング導入へ指針
小泉首相、4月訪中を検討 海南島でフォーラム
辻本氏の元政策秘書「月5万円で名義貸す」
BSE「農水省に失政」、族議員批判も 調査委報告案
<中東情勢>パレスチナ過激派が自爆テロ 3日連続

 【エルサレム井上卓弥】ヨルダン川西岸のパレスチナ自治区ジェニン北部のイスラエル軍検問所付近で22日午後、自爆テロとみられる爆発が発生、少なくともイスラエル兵1人が負傷した。イスラエル北部、エルサレム繁華街での事件に続き、パレスチナ人過激派による自爆テロは3日連続の発生となった。

 これに先立ち、米国のジニ特使は22日午前、西岸ラマラでアラファト・パレスチナ自治政府議長と会談した。特使は議長のテロ抑止への努力不足に強い不満を表す一方、停戦協議を継続させる方針を示し、イスラエル・パレスチナ双方の最高治安当局者協議は同日夕に再開された。(毎日新聞)
インドネシア大統領、28日に金正日総書記と会談

 インドネシア外務省筋によると22日、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)を訪問するメガワティ大統領が28日午後、金正日総書記との首脳会談に臨むことが明らかになった。メガワティ氏はこの場で、金総書記に韓国との南北会談再開などを促すとみられる。30日には韓国を訪問し、金大中大統領に訪朝結果を伝える。

 同筋によると、訪朝は昨年10月に中国・上海で開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)非公式首脳会合の場で、韓国の金大統領から提案された。インドネシアと北朝鮮が、60年代の非同盟諸国運動以来の友好関係を保っていることを見込まれてのことだ。


 インドネシア大統領の北朝鮮訪問は、メガワティ氏の父、故スカルノ大統領が64年に訪朝して以来。メガワティ氏は65年、故金日成主席がインドネシアを訪問した際、同行した金正日氏に会ったことがある。

外国人受け入れを制度化するドイツ初の移民法が成立

 ドイツ連邦参議院(上院)は22日、外国人受け入れを制度化する同国初の移民法案を可決した。しかし野党は採決を無効として連邦憲法裁判所で争う構えをみせており、施行までには曲折が予想される。

 同法案を下院はすでに可決。ドイツ社会の少子高齢化が進む中で、外国から専門技術者や専門家を受け入れ、人手不足を補うのが狙いだ。一定条件を満たす人には定住を認める。移民を認めなかった従来の政策を転換するものだが、秋の総選挙を前に国内労働市場保護を優先し、移民制限を盛り込むなど、政府が昨年まとめた当初案より後退した。


 連邦参議院は16州の代表で構成し、保守野党が多い。社会民主党(SPD)と国レベルでは野党のキリスト教民主・社会同盟(CDU)が連立するブランデンブルク州が賛成し、過半数を得たが、州内の反対意見が無視されたとCDUは同州の賛成の無効を主張した。

北朝鮮、行方不明者調査を継続 赤十字会が発表

 ラヂオプレス(RP)が22日伝えた朝鮮中央放送などによると、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の赤十字会スポークスマンは同日、有本恵子さんの拉致疑惑を否定した上で、「しかし、わが国は行方不明者調査事業を継続することにした」との談話を発表した。在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)への家宅捜索と関連して、昨年12月に中止を宣言していた調査を再開する意向も明らかにした。

 RPによると、北朝鮮側が有本さんの拉致疑惑に言及したのは初めて。北朝鮮側が日本人「行方不明者」の調査再開を明言したことは、日朝国交正常化交渉の再開を日本側に呼びかけるシグナルともとれる。ただ、日本人拉致については改めて否定しており、不審船や拉致疑惑で日朝間がぎくしゃくする中、あえて柔軟な姿勢をみせたにすぎないとの見方がある。

 同スポークスマンは「日本で最近、有本恵子なる女性が83年に拉致されたという『証言』なるものが出て、大騒ぎが繰り広げられているが、わが方(北朝鮮)は彼女を誘惑したり拉致したりしたことはない」と言明。一方で「行方不明者」調査については「日本赤十字社と、相互の関心事となる問題に関して都合のよい時期に会談を行う用意がある」と語った。

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 北朝鮮赤十字会の発表に対し、川口外相は22日、「日本政府が再開を強く求めてきたことに応じた、ひとつの前向きな動きと認識する」とのコメントを発表した。一方で、有本恵子さんの拉致疑惑を否定したことには「受け入れられるところではない」と反発。日朝赤十字会談の再開については「早期に開催する方向で調整したい」との考えを示した。

米承認抹消後の販売めぐり製薬会社に報告命令 肝炎問題

 旧ミドリ十字(現三菱ウェルファーマ)の血液製剤「フィブリノゲン」によるC型肝炎感染問題で、厚生労働省は22日、同製剤と同じ成分の製剤の製造承認が米国で77年に取り消されたのに、国内ではその後も約10年間販売されていたことに関連して、ウ社に薬事法に基づく報告命令を出した。さらに、米国へ同省担当者を派遣するとともに、当時の同省担当者から事情を聴くなどして、経緯などを早急に調べる方針。

 報告命令は、(1)旧ミドリ十字が、米食品医薬品局(FDA)によるフィブリノゲン製剤の承認取り消しを把握した時期と、その経緯、把握後の安全対策(2)同社の「フィブリノゲン」と米国で承認が取り消された製剤に、原料血しょうの入手先や製造方法に違いがあったか(3)旧厚生省の承認取得後の「フィブリノゲン」の肝炎対策の実施状況−−などについての報告を求めている。期限は4月5日。虚偽報告をした場合には罰金を科せられることになる。


 同省はさらに、FDAに近く担当者を派遣し、承認を取り消した理由などを確認する。旧厚生省の当時の担当者らに対しては、77年の米国での承認取り消しの事実や、国立予防衛生研究所(現在の国立感染症研究所)の元血液製剤部長が79年に出した著書に承認取り消しが紹介されていたことを認識していたかどうか、などをアンケートで尋ねる。その後、必要な人から直接事情を聴くことにしている。

薬害ヤコブ病訴訟の和解確認書に「おわび」掲載へ

 移植された脳硬膜が原因で難病クロイツフェルト・ヤコブ病に感染したとして、患者と家族が国と企業に損害賠償を求めた薬害ヤコブ病訴訟で、原告と被告の国は22日、協議を行い、和解にあたり調印する確認書の骨格に合意した。確認書には、原告が求めていた「謝罪」の言葉でなく、「おわび」が盛り込まれる見通しとなった。25日、確認書に調印し、東京、大津両地裁で和解が成立する。


 原告と被告が調印する確認書では、「厚労相と企業が、裁判所の所見で指摘された責任を自覚し、反省しておわびする」との趣旨が盛り込まれるとみられる。原告は、旧厚生省が73年に安全確認を怠り輸入承認したために被害が発生した、として「謝罪」を求めていたが、国側は抵抗。結局、法的責任の存否を超えて救済すべきだ、との裁判所所見に沿い、患者と家族の苦労に対して「おわび」することになった。

スパイ事件、最初の接触は97年夏 ロシア人から電話

 在日ロシア連邦通商代表部の元部員が、航空自衛隊OBの会社社長に防衛秘密にあたる情報の提供を要求したとして書類送検された日米秘密保護法違反事件で、2人の最初の接触は97年夏だったことが分かった。元部員から会社社長に「会いたい」と電話をかけてきたという。公安部は、元部員は自衛隊関係者の情報を収集し、防衛庁などと取引がある会社を経営しているこの社長に目を付けたとみている。

 書類送検されたのは、A・V・シェルコノゴフ元部員(43)。公安部によると、元部員は97年3月に入国後、社長に連絡し、飲食店や喫茶店で会った。費用はほぼ毎回、元部員が支払った。接触は十数回に及び、元部員は次第に秘密性の高い情報を要求するようになった。社長の業務に関連するメンテナンス技術や装備の性能に関するものが多かったという。

 送検容疑となった99年10月の要請を社長が断った後は、違法性のある要求はなかった。元部員が帰国すると別のロシア情報機関のメンバーが接触を続けたという。


 公安当局によると、パーティーなどでの出会いをきっかけに接近を図るケースもあるが、今回のように直接電話で「会いたい」と持ちかけるケースも少なくないという。

政労使、ワークシェアリング導入へ指針

 1人当たりの労働時間を減らして仕事を分かち合う「ワークシェアリング」を議論する政労使検討会議の合意案が22日、明らかになった。ワークシェアリングに取り組む5原則を示した上で(1)様々な働き方を促す「多様就業型ワークシェアリング」(2)当面の雇用調整策としての「緊急対応型ワークシェアリング」に分け、労使や政府の取り組みを明記している。政労使のトップが参加し、導入に向けた指針や定義を示すのは初めてで、個別企業の労使交渉も進めやすくなりそうだ。

 合意案は、日本でのワークシェアリングについて「雇用の維持・創出を目的に労働時間を短縮するもの」と定義し、雇用と賃金と労働時間のバランスを見直す労使間の協議と位置づけている。

 「多様就業型」について、働き方やライフスタイルの見直し▽柔軟な雇用形態による経営効率の向上▽女性や高齢者が能力を発揮でき、社会の支え手が増える、などの効果を強調。実施にあたっては、仕事の中身を明確にした雇用や、同じ仕事なら時間当たりの賃金が等しくなるような制度、サービス残業などを防ぐ労働時間の管理の徹底など、個人がさまざまな働き方をできるよう、労使が環境整備に積極的に取り組むよう求めている。

 一方、「緊急対応型」は「雇用維持のための新たな選択肢のひとつ」と位置づけ、「今後2〜3年程度」と実施期間のめども盛り込んでいる。また、(1)実施、終了の際の基準(2)対象となる職種や職場(3)労働時間の短縮幅と方法など、個別労使間で十分協議するべき項目を列挙している。

 合意案は、パート労働を含めた従業員の公正で透明な処遇ルールや、社会保障改革も視野に入れており、急速に変化する日本の経済社会に応じた雇用システムの再構築を促すものとなっている。ただ、焦点だった政府の財政支援は「引き続き検討」との表現にとどまっている。労使間の意見の隔たりが大きいことに加え、02年度の当初予算が審議中で、財源のめどが立たないことなどが重なったためと見られる。


 合意案は最終調整を経て、29日に予定されている坂口力厚労相、奥田碩・日経連会長、笹森清・連合会長の三者会談で正式合意する見通しだ。

小泉首相、4月訪中を検討 海南島でフォーラム

 複数の日中関係筋によると、中国の朱鎔基首相が小泉純一郎首相に対し、4月12〜13日に中国海南島のリゾート地博鰲(ボー・アオ)で開かれる「博鰲アジアフォーラム」第1回年次総会への出席を要請する親書を送っていることがわかった。日本側も前向きに検討しており、首相出席を前提にした日程調整などに入っている。

 中国からは今年、李鵬・全国人民代表大会常務委員長、次期首相候補の温家宝副首相、江沢民国家主席の側近である曽慶紅・中国共産党組織部長らが相次いで日本を訪れる予定。日本側には、小泉首相の訪中によって、中国の積極的な対日外交姿勢とのバランスをとる考えもあるとみられる。博鰲では朱首相自身の演説が予定されており、小泉首相が参加すれば日中首脳会談も開かれそうだ。

 同フォーラムは、世界経済フォーラム(ダボス会議)のアジア版を目指す狙いで昨年設立された民間組織で、アジアでの今後の経済協力などを議論する。近隣諸国への影響力を強めたい中国政府も当初から強くかかわり、外交舞台に活用しようとしている。発足したてのフォーラムの認知度を高めるためにも、日本からの現職首相の出席を中国側が強く望んだ模様だ。

 今年は日中国交正常化30周年にあたり、4月から交流行事が本格化する。歴史教科書、靖国神社問題や農産物貿易摩擦などでぎくしゃくした昨年の日中関係は、小泉首相の10月の訪中を契機に改善に向かった。今回の総会に小泉首相が自ら出席すれば、日中間の協力関係の深まりを内外に象徴的に示すことになる。


 総会にはアジア太平洋地域各国の政府、企業、学界からの参加が見込まれている。タイのタクシン首相が出席するほか、フィリピンのラモス元大統領、オーストラリアのホーク元首相らも参加する。
辻本氏の元政策秘書「月5万円で名義貸す」

 社民党の辻元清美政審会長が、別の議員の私設秘書だった女性を自分の政策秘書として登録していた問題で、この女性が「月5万円で辻元氏側に政策秘書として名前を貸すことになった」などと周囲に話していたことが、関係者の話で分かった。辻元氏は20日の記者会見で、政策秘書給与として国から女性あてに支払われていた金額の大半が、実は本人に渡っていなかったのではないか、との疑惑を否定している。

 女性はもともと、95年7月の参院選で当選し、社民党・護憲連合に所属していた照屋寛徳氏の私設秘書で、常時参院議員会館の事務所で働いていた。しかし97年4月に辻元氏の政策秘書として登録された。

 関係者によると、その際に女性は「辻元さんの秘書として名前を貸すことになった」と知人に話し、「月5万円の名義料」をもらうとも明かしていたという。しかし女性は照屋氏には辻元氏の秘書として登録されたことは報告せず、事務所で勤務を続けた。

 「兼職」問題が表面化した後、照屋氏が女性に問い合わせたところ、「内証で辻元氏の秘書として登録し、お手伝いをしていた」と謝罪したという。照屋氏は「女性は朝から夕方まで勤務していたが、私が選挙区に戻っているときまで拘束していたわけではない。その間に辻元氏の仕事をしたということはあり得る。ただ辻元氏からも女性からも一切知らされてなかった」と話している。

 また女性は96年12月から2カ月間、会派の違う民主党の家西悟代議士の政策秘書として登録されていたが、照屋氏はそれも知らなかったという。

 辻元氏は会見で、照屋氏の事務所で働いていることを知った上で政策秘書にしたと語り、照屋氏にその旨を伝えていなかったことも明らかにした。一方で、秘書給与はすべて女性の口座に振り込まれ、女性本人が管理していたとして「詐取疑惑」を否定している。


 女性が現在勤務している参院議員の事務所は「本人は体調を崩して休んでいる」と話している。

BSE「農水省に失政」、族議員批判も 調査委報告案

 牛海綿状脳症(BSE、いわゆる狂牛病)問題に関する政府の責任や組織のありかたを話し合う農水、厚労両相の諮問機関、BSE調査検討委員会(委員長・高橋正郎女子栄養大大学院客員教授)は22日、報告書案を公表した。農水省の不適切な対応を「重大な失政」と批判する一方、同省の危機意識の欠如や政策決定の不透明さ、生産者偏重・消費者保護軽視の農水族議員の圧力など「政と官」の関係にも踏み込んだ批判を展開。食品安全確保のための新法と新組織の設立を提言している。最終報告書は4月2日に両大臣に提出する。

 報告書案は22日に農水省で開かれた委員会に提出された。

 英国でBSE汚染が広がった90年から、01年9月に国内で発生するまでの農水・厚労両省の対応を検証。発生の原因と責任を明らかにし、再発防止のための新組織のありかたを提言する構成になっている。報告書案をもとに25日も引き続き議論し、成案をまとめる。

 政府の責任については、農水省が96年、世界保健機関(WHO)がBSEの感染源とされる肉骨粉を法律で禁止すべきだと勧告したのを知りながら、行政指導ですませるなど、適切な対応をしなかった点を「重大な失政」とした。

 背景として、「日本の法律や制度が食糧難時代の生産者優先・消費者保護軽視の体質を色濃く残し、農場から食卓までのフードチェーン思考が欠如している」と指摘。「政治家や関係者が牛肉の消費が回復しないことに対し、不満に近い発言を繰り返した」ことも、その表れだとしている。

 また、「常に生産者優先の政策を要求し、農業予算獲得を支援、BSE問題のあらゆる局面で農水省の政策に陰に陽に影響を及ぼしている」圧力団体として、農水族議員を挙げた。「農水省は産業振興官庁として生産者偏重の体質を農水族議員と共有してきた」と批判。消費者保護優先の政策への転換が先進国の常識だと主張している。

 本来はチェックしあう立場のはずの農水省と厚労省が、縦割り行政と縄張り争いの結果、互いに「内政不干渉」になった、とも指摘。96年のWHOの肉骨粉禁止勧告や、01年の欧州連合(EU)のBSE危険度評価に対応しなかった農水省に、厚労省が意見を言わなかった点を「チェック機能の不在」だとした。

 全頭検査開始時の農水・厚労両相のコメントが「安全宣言」と報道され、2頭目発生の際に不信が高まったのは「マスコミの伝え方に課題を残したが、行政も国民にどう伝わるか注意を払う必要があった」とした。


 食の安全や消費者保護のための法律や行政組織の未整備に問題があったとして、食品の安全性確保のための新法と新組織の設立を提言している。