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【02/03/12 (火) 】

イスラエルが戦車展開、西岸重要都市ラマッラ全域制圧
イスラエル軍がパレスチナに広範に侵攻、29人死亡
イスラエル軍武装ヘリ、ガザ地区の鋳造工場を攻撃
アラファト議長、イスラエル軍の行為は「ナチスのような人種差別」
秘書ムルアカ氏の外交旅券は「偽造」 コンゴ政府回答
宮崎の旭化成工場で火災、延焼中 放射性物質も
人道支援事業で国後島に贈った「希望丸」現在たなざらし
硬膜移植による女性のヤコブ病死、国の調査で把握できず
郵貯のネットサービス拡充、自宅のパソコンで決済も
IP電話のフュージョン、「県内市外」3分10円に
鈴木氏の「打ち切り」発言波紋 「とんでもない」と首相
辻元氏の「うそつき」発言に「侮辱」と鈴木氏が処分要求
加藤氏は「進退の判断できぬなら失格」 堀内総務会長
ジンバブエ大統領選は「公正と言えず」 日本の監視団長
ミャンマー軍政が「政府転覆計画」公表 綱紀粛正狙いか
イスラエル軍がパレスチナに広範に侵攻、29人死亡

2002/3/11
ベツレヘム市西岸の難民キャンプ Deheishe で、イスラエル軍
が14歳から40歳までのパレスチナ人に手錠をかけて拘束する。
 [ラマラ(ヨルダン川西岸) 12日 ロイター] イスラエル軍がヨルダン川西岸のラマラなど広範に侵攻し、パレスチナ人29人が死亡した。
 目撃者は、イスラエル軍の戦車150両がラマラや付近の難民キャンプに侵攻した、と証言している。
 侵攻についてパレスチナ側は、ヨルダン川西岸とガザ地区全域を再占領しようとしていると批判。停戦調停のため今週末に予定されているジニ米特使の訪問を妨害する行為であるとして、反発姿勢を強めている。
 また、各地でイスラエル軍とパレスチナ人の衝突が相次ぎ、ガザでは少なくともパレスチナ人25人が死亡。ラマラ近郊ではパレスチナ人4人が死亡した。
 犠牲者はイスラエル側にも出ており、ヨルダン川西岸では銃撃によりイスラエル人1人が死亡、1人が負傷した。
 
 (ロイター)
イスラエルが戦車展開、西岸重要都市ラマッラ全域制圧

 【エルサレム12日=当間敏雄】イスラエル軍は11日深夜から12日未明にかけ、ヨルダン川西岸のパレスチナ自治区ラマッラに戦車などで侵攻し、周辺部の難民キャンプを含むほぼ全域に部隊を展開、軍事制圧した。同市は西岸の政治、経済の中枢でガザ市とともに自治政府の首都機能を持つ重要都市。市全域の制圧は、一昨年秋の衝突発生以来初めてで、パレスチナ側は「再占領だ」と反発している。

 イスラエルはアラファト自治政府議長のラマッラ軟禁措置を11日解除、自治区内での移動の自由を認めるなど、14日にも再開されるジニ米特使の停戦調停へ向けて“柔軟姿勢”をアピールする一方で、自治区での軍事攻勢を拡大、パレスチナ側への締付けを強めている。調停前に「対テロ戦争」で最大限の成果をあげる戦略と見られる。

 軍は12日朝までに、市中心部の広場周辺を除くほぼ全域に戦車・歩兵部隊を配備、アラファト議長の滞在する議長府から50メートルの地点にまで戦車を進めた。侵攻による戦闘で警官らパレスチナ人少なくとも5人が死亡、議長府も銃撃を受けて警護隊員1人が重傷を負った。

 ラマッラ近郊のアルアマリ難民キャンプでは、1月末にエルサレム市内で自爆テロを起こした女性の両親の家が軍に破壊された。また、市西方のユダヤ人入植地では、車から銃撃があり、イスラエル人1人が死亡した。

 同軍はラマッラ侵攻に先立ち11日深夜、ガザ市に隣接する自治区最大の難民キャンプ、ジャバリヤ(人口10万人)に侵攻、戦闘でパレスチナ警官ら17人が死亡、80人以上が負傷した。このほかガザでは12日、海軍艦船がパレスチナ海上警察本部に砲撃を加えるなどして、少なくとも7人が死亡した。(読売新聞)
イスラエル軍武装ヘリ、ガザ地区の鋳造工場を攻撃


 [ガザ 11日 ロイター] パレスチナ自治政府警察当局者は、イスラエル軍の武装ヘリコプター1機がガザ地区の鋳造工場に対しミサイル3発で攻撃を加え、これを破壊したと述べた。
 この攻撃により、飛来した破片で通行人1人が軽傷を負い、近隣の建物にも被害が出た。
 イスラエル陸軍は声明を発表し、「テロとの戦いの一環として、軍需品を製造しているガザ市内の鋳造工場を攻撃した」と述べた。
 これに対してパレスチナ警察は、この鋳造工場は家庭用品を製造しているとして、イスラエル側の主張を否定した。

(ロイター)
アラファト議長、イスラエル軍の行為は「ナチスのような人種差別」


 [エルサレム 11日 ロイター] パレスチナ自治政府のアラファト議長は、ヨルダン川西岸の難民キャンプにおけるイスラエル軍の侵攻は「ナチスのような新たな人種差別だ」と述べた。
 アブダビ・テレビとのインタビューのなかで述べたもので、イスラエル軍はこの議長の発言内容を「ばかばかしく不愉快」として否定している。
 同議長は、イスラエル軍が3日間にわたりヨルダン川西岸の都市トルカレムの難民キャンプに侵攻し、数百人のパレスチナ人を拘束および尋問した際に、被拘束者の腕に数字を書き入れたことを指摘し「あれは、ナチスがユダヤ人に対して行った行為ではないのか」などと述べた。(ロイター)
秘書ムルアカ氏の外交旅券は「偽造」 コンゴ政府回答

 外務省は12日、鈴木宗男代議士のコンゴ(旧ザイール)人秘書、ジョン・ムウェテ・ムルアカ氏が所持しているとみられる「外交旅券」について、コンゴ政府から「偽造文書であることが判明した」との回答があった、と発表した。偽造旅券だとすれば、日本滞在や就労も法律上問題となる可能性があることから、外務、法務両省で対応を協議している。

 鈴木氏の事務所は同日、「事実とすれば遺憾。信じられない思いで調査中だ」とするコメントを出した。

 外務省の説明によると、同省が旅券番号を照会したのに対し、コンゴ政府の外務・国際協力省が8日付の公文書で「外交旅券は偽造文書である」と回答した。外務省は「公文書を疑う理由はなく、外務省としても偽造だという認識だ」としている。ただ、偽造と認定した根拠について、改めてコンゴ政府に照会しているという。

 また、外務省が4日、ムルアカ氏の「外交旅券」のコピーを確認したところ、発給場所はキンシャサ、発給者の印は在京コンゴ大使館、と食い違っていたという。発行は00年1月だった。

 ムルアカ氏はこの旅券を使って昨年8月、永住権を申請。同10月に取得している。

 外務省が4日に発表した調査報告書では、ムルアカ氏の旅券について(1)99年2月の時点では公用旅券を所持(2)現在所持する旅券は、番号のアルファベットから外交旅券であるものと推測される――としていた。


 99年に所持していた公用旅券については、コンゴ政府は8日付の回答で「94年11月に発行された正規のものだが、ザイールからコンゴへの国名変更に伴い、98年12月以降は有効ではない」としている。(23:07)

宮崎の旭化成工場で火災、延焼中 放射性物質も

 12日午後5時半ごろ、宮崎県延岡市長浜町4丁目の旭化成レオナ工場で電気火災が起きていると119番通報があった。延岡市消防本部によると、午後6時現在、延焼中で、糸と仕上げ油が燃えており、黒煙が上がり、小規模な爆発が起こっている。人的被害の報告はないが、工場内に放射性物質があることから、付近の住民に避難するよう広報している。有毒ガス発生については不明としている。


 レオナはエンジニアリングプラスチックの一種で、自動車の内装などに使われる。(19:54)

人道支援事業で国後島に贈った「希望丸」現在たなざらし

 北方四島への人道支援事業として自民党の鈴木宗男代議士も推進して98年に国後島に贈られたはしけ船「希望丸」(82トン)が、建造された北海道根室市の造船所でたなざらしになっている。修理のために「里帰り」したが、日ロどちらが費用負担するかが決まらないためだ。船体は傷みが激しく、船内からは備品の一部がなくなっていた。

 国後島は岸壁が未整備で船が直接接岸できず、沖合の船からはしけ船を使って人や物資を運んでいる。

 希望丸は、ロシア側が運航して2月14日、同市内の造船所に陸揚げされた。船体の横に穴があき、エンジン整備も不十分で後進できない状態だったという。ビザなし交流の日本人参加者は、ロシア人の荒っぽい使い方を目の当たりにしている。造船所は「25年から30年使った船に見える。放置していたら沈没の恐れがある」と話す。船内からはカーテンや消火ホース、換気扇の一部がなくなっていた。

 保管料だけで30万円。造船所は「依頼主(支援委員会)が支払うと思うから引き受けた」。しかし、市民や関係者からは「贈った船の修理まで日本側が負担すべきなのか」「(費用を)ロシア側に請求するかどうか外務省が判断すべきだ」との声ももれる。

 支援委員会の高野保夫事務局長は「費用の積算を急いで、5月のビザなし交流に間に合わせたい」と外務省と協議している。


(17:56)
硬膜移植による女性のヤコブ病死、国の調査で把握できず

 国立の医療機関で硬膜の移植手術を受けた大阪府守口市内の女性が、難病のクロイツフェルト・ヤコブ病を発症後、95年4月に死亡していたことが、薬害ヤコブ病大津訴訟原告弁護団の調べで分かった。厚生労働省は硬膜移植歴のあるヤコブ病患者の実態調査を続けているが、この女性は把握できていなかった。女性は移植手術を受けた医療機関とは別の病院でヤコブ病と診断されたが、硬膜の使用も知らされず、「発症の原因は不明」とされていた。原告弁護団は「こうした患者はまだまだいる。和解成立には、国による十分な実態調査の確約が欠かせない」と訴えている。


郵貯のネットサービス拡充、自宅のパソコンで決済も

 郵政事業庁は、自宅のパソコンで郵便貯金口座間の送金や郵貯口座での決済ができる「インターネットホームサービス」を25日から全国で始める。郵貯口座のネット利用はこれまで、ネット接続できる固定電話(NTT東西のLモードなど)や携帯電話のネット接続(NTTドコモのiモードなど)を通じて口座間送金と残高照会ができたが、今後はパソコンでネットショッピングの決済も可能になる。

 利用者は郵便局で登録を済ませ、パスワードや暗証番号を使ってネット上で決済する。民間企業が提供するネット上のショッピングモールのうち、証券、保険、旅行会社など27社から始め、順次増やす。


 100万円までの現金を自分の郵貯口座から引き落とし、指定した場所に届ける「居宅送金サービス」もネット上で可能になる。(22:54)

IP電話のフュージョン、「県内市外」3分10円に

 インターネット技術を用いたIP電話で、全国一律3分20円の市外電話サービスを提供するフュージョン・コミュニケーションズ(本社・東京)は4月1日から、同一都道府県内の市外通話(県内市外)に限り半額の3分10円に値下げする。NTT東西など大手通信会社の「県内市外」は距離に応じて3分20円以上かかるが、フュージョンはその半額以下となる。

 マイライン(電話会社選択サービス)による「市内」「県内市外」「県外」「国際」の4通話区分のうち、「県外」でフュージョンに登録していることが条件。同一都道府県内でも通話距離が60キロを超えた場合、東京通信ネットワーク(TTNet)を除く大手(平日昼間3分40円)の4分の1で済む計算になる。

 今後、「県内市外」区分で大手が追随値下げに踏み切る可能性もある。ただ、マイラインの無料登録期間は昨年10月で終了し、登録済みの会社を変更するには1件800円かかるため、「影響はさほど大きくない」(新電電関係者)との見方もある。


 フュージョンは昨年4月に全国でIP電話を開始、今年1月末現在、「県外」区分で約70万回線(シェア1.8%)を獲得している。(21:14)

鈴木氏の「打ち切り」発言波紋 「とんでもない」と首相

 自民党の鈴木宗男氏が外務省文書のなかで、北方領土返還交渉を「無益」だとし、「打ち切り」にまで言及した問題は12日になって、政府・自民党内に波紋を広げた。

 小泉首相は参院予算委員会で、「驚くべきとんでもない話だ。信じられない。日本の政治家がしたとは信じたくない」と批判。山崎拓幹事長も記者会見で「真実であれば国益を害する発言だ」として、党政治倫理審査会の審査対象とする考えを示した。

 党役員連絡会でも「北方領土について党の方針を確認すべきだ」との意見が出され、政務調査会でまとめることになった。高村正彦元外相は同日の派閥総会で、「領土、主権という問題は経済的利益から離れた問題だ」と指摘したうえで、「相手に間違ってメッセージを与えてはならない」と述べた。


 鈴木氏は発言について「断固否定する」としているが、文書に記された協議に出席した西田恒夫経済協力局長(当時欧亜局参事官)は参院委員会で「加えるものも減らすものもない」と答弁した。(22:10)

辻元氏の「うそつき」発言に「侮辱」と鈴木氏が処分要求

 自民党の鈴木宗男代議士は、11日の衆院予算委員会の証人喚問での質問で、辻元清美代議士(社民)から「どうしてうそをつくのか」などと侮辱されたとして12日、衆院の綿貫民輔議長あてに辻元氏に対する処分要求書を提出した。

 辻元氏はケニアのソンドゥ・ミリウ水力発電事業に関連した質問で、「だれが信じられるか。あなたは疑惑の総合商社だ」などと発言。これに対し、鈴木氏は「私は誠実に答えている。うそつきだという発言は撤回してほしい」などと反発していた。


 鈴木氏の処分要求書提出は、「議院の委員会において、侮辱を被った議員は、議院に訴えて処分を求めることができる」とした国会法120条に基づく。(22:09)

加藤氏は「進退の判断できぬなら失格」 堀内総務会長

 自民党の堀内光雄総務会長は12日の記者会見で、前事務所代表が所得税法違反容疑で逮捕された加藤紘一元幹事長の進退問題について「ご自身で内容の軽重を考えて判断すべきだ。そういう判断をできないのは政治家ではない」と述べた。

 加藤氏については、同党の麻生太郎政調会長も11日に離党を求める発言をしており、党三役のうち2人が加藤氏批判を強めている。


 堀内氏は、証人喚問を受けた鈴木宗男代議士についても「政治家は出処進退は、自分で決めるものだ」と述べた。(18:56)

ジンバブエ大統領選は「公正と言えず」 日本の監視団長

 ジンバブエ大統領選に派遣された日本の選挙監視団(5人)の瀬崎克己団長は12日、同選挙の投票過程について「公正とは言い難い」との見解を現地の日本記者団に示した。監視団としての正式見解を近く、ジンバブエ政府に伝える。

 大統領選は予定外の3日目の投票を一部地域で11日に実施した。しかし、投票再開が大幅に遅れ、同日午後7時の打ち切りになっても列の解消しない投票所があった。これらの多くで、警備の警官が列にいた有権者を追い返したとされる。瀬崎団長の見解は、日本監視団が監視活動をしたハラレ周辺の13投票所で、投票の意思がありながらできなかった有権者がいたことを重く見た。


ミャンマー軍政が「政府転覆計画」公表 綱紀粛正狙いか

 ミャンマー(ビルマ)の軍事政権は12日、ヤンゴンで記者会見し、ネ・ウィン元大統領の娘婿ら親族による政府転覆計画の内容を公表、これにかかわった疑いでソー・ウィン警察長官ら高官4人を解任したと発表した。軍政が、高官解任や理由まで公表するのは極めて異例。綱紀粛正に対する姿勢を国内外に示す狙いとみられる。

 発表によると、7日に逮捕された元大統領の女婿エイ・ゾー・ウィン氏と3人の孫は、政権の意思決定機関、国家平和発展評議会(SPDC)の最高幹部のタン・シュエ議長、マウン・エイ副議長、キン・ニュン第1書記の自宅を襲撃して身柄を拘束し、元大統領の影響力のもとで「かいらい政権」を作らせようとしたという。

 軍政は、元大統領自身の関与については「調査中」としたが、名前を利用されたとの見方が強い。また、エイ氏の妻で、元大統領が最も信頼を寄せる実娘のサンダ・ウィンさんが「計画を知っていた」との見方を示唆。家宅捜索には踏み切っていないが、自宅で監視下に置いている。

 軍政によると、警察長官ら4人は、女婿らが接近を図った、と証言をしたことから関与を疑われて解任された。4人は現在、軍政の監視下にあるという。


 軍政は、00年10月に始まった同国の民主化指導者アウン・サン・スー・チーさんとの話し合いで、いまだ成果を示せずにいる。一方で、民政移管は避けられないとも認識、民主化後の「生き残り」をかけ、国民や国際社会の信頼獲得を強く意識し始めた。そのためにも利権や麻薬にからむ軍内部の腐敗一掃は急務だ。この点では、民主化路線で対立するキン・ニュン氏とマウン・エイ氏も意見が一致。指導部の結束で、今回の摘発が可能になったと見られる。(22:20)