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【02/03/28 (木) 】

<アラブ連邦首脳会議>日程終え閉幕 和平案の影響力小さく
イスラエル中部のホテルで自爆テロ、19人死亡
教会テロ事件で30人逮捕 一部はタリバーンか
ビンラディン氏からEメール? 英のアラビア語紙
フーリガン対策で「サイボーグ機動隊」
裏金問題で、香川県警本部長ら2111人に処分
久遠寺宿坊の前別当を脱税で告発 3億円の所得隠す
日銀と中国人民銀行がスワップ協定結ぶ
サイバーテロ対策チームが1日に始動 内閣官房15人
住民訴訟の被告が個人から自治体に 地方自治法改正成立
<アラブ連邦首脳会議>日程終え閉幕 和平案の影響力小さく

 【ベイルート小倉孝保】アラブ連盟(本部・カイロ、22カ国・機構)の定例首脳会議は2日間の日程を終え28日、ベイルートで閉幕した。閉幕を前にアブドラ・サウジアラビア皇太子の包括的中東和平案を採択した。しかし、会議にアラファト・パレスチナ自治政府議長ら多数の首脳が欠席したうえ、会議開催中のイスラエルでの自爆テロにより和平案の影響力は極めて小さくなりそうだ。

 アブドラ皇太子が首脳会議で示した和平案では、イスラエルに対し、アラブの領土から撤退、東エルサレムを首都とするパレスチナ国家樹立とパレスチナ難民問題の解決を求める代わりに、アラブ側はイスラエルの安全を保障しイスラエルと正常な関係を締結するとなっている。

 首脳会議は、この案をたたき台に協議を進めた。カタールの衛星テレビ「アルジャジーラ」が報じた最終声明案では、イスラエルに対し、67年の第三次中東戦争によってイスラエルが占領したアラブの土地から撤退▽国連決議194に従ってパレスチナ難民の正しい解決▽エルサレムを首都とするパレスチナ国家の建設容認――を求める一方、アラブ諸国はイスラエルとの正常な関係を締結する、となっている。

 また、国際社会に対し、この提案を実行するために行動を求めている。

 パレスチナ難民がアラブ諸国の国内法に反し住宅建設することを拒否する権利を保障する、という項目も最終声明に盛り込まれるという。これは、レバノン政府が難民の国内の定住を拒否することを目的に首脳会議に求めたといわれる。

 一方、イラク問題では、イラクがクウェートへの侵略の意図がないという保障が最終声明に盛り込まれた。

 また、もう一つの焦点は米国が計画しているイラク攻撃への対応だが、首脳会議は「アラブへのいかなる攻撃についても反対する」との表現で、反対の意思表示をする案が浮上している。(毎日新聞)
イスラエル中部のホテルで自爆テロ、19人死亡

 【エルサレム28日=当間敏雄】イスラエル中部ネタニヤの中心部にあるホテルで27日午後7時15分(日本時間28日午前2時15分)ごろ、自爆テロがあり、少なくとも19人のイスラエル人が死亡、130人以上が負傷した。犯人も死亡した。負傷者のうち26人は重体で、死者はさらに増える可能性が高い。

 一昨年秋の武力衝突発生以来、最大規模のテロ事件で、イスラム原理主義組織ハマスが犯行声明を出した。

 テロはベイルートでは同日、アラブ首脳会議が開幕、サウジアラビアのアブドラ皇太子が対イスラエル包括和平案を正式提案した数時間後に発生。イスラエルに和平の決断を促したアブドラ提案を失速させかねないもので、ジニ米特使による停戦調停にとっても大きな打撃となるのは必至だ。イスラエルではユダヤ教の「過ぎ越しの祭り」が同日の日没から始まり、犯人は宗教行事の特別の食事が行われていた「パーク・ホテル」の宴会場に侵入、自爆した。約250人の客がいたといい、宴会場は大破した。

 イスラエル政府報道官はアラファト・パレスチナ自治政府議長に責任があると非難。ギシン首相顧問も「パレスチナ側がテロの道を選択したのなら、我々は政策を全面的に再検討する必要がある」と、今月中旬にジニ特使が調停を開始して以来、控えていた軍事報復を再開する構えを示唆した。ベンエリエザー国防相は事件後、直ちに軍幹部と対応の協議に入った。

 ハマスの精神的指導者ヤシン師は「攻撃は、敵がいかなる措置を取ろうとパレスチナ人民が自衛と失地回復のため戦い続けるというアラブ首脳会議に向けたメッセージだ」と語った。自爆犯はネタニヤから約10キロのヨルダン川西岸パレスチナ自治区トゥルカレム出身のハマス軍事部門カッサム隊メンバーだという。(読売新聞)
教会テロ事件で30人逮捕 一部はタリバーンか

 パキスタンからの報道によれば、同国警察は28日、イスラマバードのプロテスタント教会で今月17日に手榴弾(しゅりゅうだん)が投げ込まれ5人が死亡したテロ事件の容疑者として約30人のイスラム過激派グループを逮捕したと発表した。

 AFP電によれば逮捕された30人のうち4人はアフガニスタンのタリバーンである可能性が強いと警察高官は見ているという。警察は過激派グループ全員をパンジャブ州州都ラホール西方のファイサラバードで逮捕したが、その際、警官隊との銃撃戦で過激派の1人と警官1人が死亡した。

 警察は逮捕者全員の身元、国籍などの確認はまだできていないという。

 捜査当局は、犯人グループは米国のアフガン空爆やムシャラフ大統領の親米路線に反発するイスラム過激派の可能性が強いと見ていた。ロイター電によれば、パキスタン警察は27日、教会テロ事件で発見された遺体のうち1遺体はいまだ身元確認ができておらず、損傷のひどさなどから、この男の自爆テロの可能性が強いと発表していた。

 教会テロ事件では米国大使館の外交官の妻子ら5人が死んだほか日本大使館員の妻ら約40人も負傷した。


ビンラディン氏からEメール? 英のアラビア語紙

 AFP通信によると、ロンドンで発行されているアラビア語紙アルクッズ・アルアラビは28日付で、オサマ・ビンラディン氏からサウジアラビアのアブドラ皇太子が提案した中東和平案を非難する電子メールを同紙が受け取ったと報じた。

 メールの冒頭には「アブドラ皇太子和平案に関するオサマ・ビンラディンの声明」と書かれており、アブドラ和平案を「サウジの衣をまとった米−シオニストの出来損ない」などとこき下ろしている。

 同紙は、送信者のメールアドレスや、どのようにして真偽を確認したかを明らかにしていない。


フーリガン対策で「サイボーグ機動隊」

 警察の機動隊員の装備が一新されることになった。5月に開幕するサッカーのワールドカップでの「初対決」が想定されるフーリガンを意識した。

 コンセプトは「軽量化」。暴れ回る彼らを追いかけやすいよう、盾をジュラルミン製から透明な強化プラスチック製に変えるなどし、全体で今より約1.3キロ軽い約10.6キロになった。

 プロテクターも出動服の上から着ける型になり、見た目はまるで米国映画に登場するサイボーグ警察官のよう。新しい盾よろしく、「死角なし」となりますか。

裏金問題で、香川県警本部長ら2111人に処分

 香川県警や県、県教委が県庁生協などに裏金約8億円をプールしていた問題で、国家公安委員会は28日、植松信一県警本部長(48)と大滝俊則警務部長(38)を減給処分とした。また警察庁も同県警の本部長経験者3人を処分するなど警察全体では99人に上った。不透明な会計処理で警察幹部がこれだけ処分を受けるのは異例。一方、県は1839人、県教委は173人の処分をそれぞれ発表した。処分者は3者合わせて2111人に上る。

 県は同日、私的に公金を流用した疑いのある元職員1人を含む3人を詐欺容疑などで県警に刑事告発した。

 処分内容は、植松本部長が1カ月間減給100分の20、大滝警務部長が同100分の10。本部長経験者は書類上調査が可能な96年度以降の3人で、吉田英法・警察庁生活環境課長(49)と玉井篤雄・東北管区警察局長(52)が同100分の20、鎌原俊二・長官官房審議官(52)は長官訓戒だった。

 このほか、同県警の警務部長経験者2人も同100分の10の減給処分を受けた。

 一方、県の処分を受けたのは、有岡宏総務部長(42)らで、このうち減給処分は部長、次長級を中心にした91人、戒告は課長級の所属長ら127人、残りは書面訓告、口頭厳重注意。県は「裏金のほとんどは文房具など職務上必要なものに使っていた」としている。また、現職の職員(30)ら2人とすでに辞職している職員(58)は数十万〜数百万円を私的に流用した疑いがあるり、現職の2人は懲戒免職とした。

 県教委では折原守県教育長(46)らが処分を受けた。真鍋武紀知事はすでに、任期満了の今年9月まで給料を全額返還する意向を表明している。


 これまでの調査で明らかになった裏金の使用総額は、資料が残っている96年度以降だけで、県警が5383万円、県が6億6066万円、県教委が3563万円。いずれも架空の請求書を作成するなどの手口で、県庁生協や民間業者の口座に裏金を作っていた。(21:55)

久遠寺宿坊の前別当を脱税で告発 3億円の所得隠す

 日蓮宗の総本山である身延山久遠寺(山梨県身延町)の著名な宿坊「敬慎院」の中里悠光・前別当(58)が00年までの3年間に3億3000万円の所得を隠し、約1億2000万円の所得税を免れたとして、東京国税局は28日、この前別当を所得税法違反(脱税)の疑いで甲府地検に告発した。信教の自由の下、優遇税制で保護されてきた宗教法人やその関係者に警鐘を鳴らす摘発となった。

 関係者によると、敬慎院の収入は久遠寺に毎年6000万円を「献上」し、残りは別当の裁量で建物の維持管理や改修などに充てる取り決めになっている。別当には、久遠寺傘下の寺院の住職が持ち回りで就く。

 中里住職は98年4月から01年3月まで別当職を務めた。この間、敬慎院には布施や回向料、開帳料などで年に約5億円の収入があったが、中里前別当はその一部を自分や家族名義の銀行口座に移して隠し、所得として申告しなかった疑いがもたれている。

 別当は久遠寺に対して毎年の収支を報告する義務があるが、中里前別当は収入は年間約4億円だったことにして、差額をごまかしていたという。

 敬慎院は身延山の西、日蓮宗の聖地とされる七面山の山頂近くにあり、毎年数万人の参拝・宿泊客がいる。中里前別当は87年から身延町議も務め、現在4期目。


日銀と中国人民銀行がスワップ協定結ぶ

 日本銀行と中国人民銀行は28日、必要時に外貨を融通し合う日中間の通貨交換(スワップ)協定を締結した。速水優日銀総裁と戴相竜中国人民銀行総裁が、東京・日本橋の日銀本店で協定書に署名、調印した。

 一時的に外貨不足になった際、30億ドル相当を上限に、日中間で円と元を交換することが可能になる。協定は為替相場の安定をはかるため、日中韓と東南アジア諸国連合(ASEAN)10カ国が00年に合意した「チェンマイ・イニシアチブ」に基づくもの。

 日本はすでに韓国やタイなど4カ国とスワップ協定を結んでいるが、いずれも供給通貨はドルで、円を対象にした協定は今回が初めて。


 戴総裁は調印後、都内で講演。為替制度について「国際通貨基金(IMF)からはドル単独でなく複数の通貨に連動させるバスケット制の導入を提案されており、真剣に検討している」と述べた。元の水準が低すぎるのではとの問いには「中国は為替管理制なので外貨が供給過剰気味になっている」とし、元安の要因は制度的なものであると指摘。「今後、外貨に対する規制を緩和していけば、元レートの過度な上昇は起きないだろう」と述べた。(20:36)

サイバーテロ対策チームが1日に始動 内閣官房15人

 政府は28日、電子政府へのサイバーテロ対策などに取り組む緊急対応支援チーム(NIRT)を4月1日に発足させることを決めた。

 NIRTは内閣官房に設置し産学官の専門家15人で構成。リーダー役は通信総合研究所非常時通信研究室の大野浩之室長。政府のホームページや電力、ガス、通信など民間インフラ企業の情報システムなどを対象に、不正侵入や破壊行為が起きた場合、被害の実態調査や対応策の助言などを行う。

 NIRTは昨年10月に政府がまとめたアクションプランで、電子政府の実現に合わせて来年3月までの設置が盛り込まれていた。しかし、4月前半の有事法制の関連法案提出に合わせた緊急事態対策の一つとして、前倒しで発足させることにした

住民訴訟の被告が個人から自治体に 地方自治法改正成立

 違法な公金支出などをめぐり住民訴訟が起こされるとき、従来は首長、職員など「個人」が被告になっていたのを、「地方自治体」が被告になるよう変更する地方自治法の改正が、28日の衆院本会議で与党、自由党などの賛成多数で可決、成立した。

 これまでは、住民訴訟を起こす場合は、住民が首長や職員を直接訴える仕組みになっていた。しかし、今後は(1)住民が自治体を相手に、首長や職員に対する責任追及を求める裁判を起こす(2)住民側勝訴の場合、判決に従って自治体が首長や職員に賠償などを求める−−という流れになる。住民訴訟が増える中で、首長らの負担軽減を狙ったものだ。

 今回の改正ではこのほか、市町村合併を促進するために、合併に関するあらゆる事項を協議する機関である合併協議会を設置するかどうかを住民投票によって決める制度が新設された。

 市町村議会が合併協議会の設置を否決した場合、首長の請求または住民の6分の1以上の署名による直接請求があれば、合併協議会設置の是非をめぐる住民投票を行う。これで過半数の賛成があれば、議会で設置を可決したものと見なされる。


 改正案は前国会で衆院通過後、継続審議となり、20日の参院本会議で可決され、衆院に送付されていた。(18:14)