---03/04/18 (金) ---
隠し口座で巨額の資金管理=80年代からイラク大統領−英日曜紙 [時事通信]
 【ロンドン13日時事】13日付の英日曜紙サンデー・タイムズは、フセイン・イラク大統領が20年以上にわたり、バハマやパナマ、スイス・ジュネーブの隠し口座などを利用し、1996年以降の国連管理下での「石油・食料交換計画」や、80年代の武器取引で不正に得たリベートなど巨額の資金を管理していたと報じた。

 昨日は逮捕されたワトバン・イブラヒムがフセインの海外資産を管理していたことを書いたが、上記の隠し口座にワトバンが関与していたことは疑いようがないだろう。そのイラクへBNLことイタリアのバンカ・ナツィエナーレ・デル・ラヴォロ(国立労働銀行)が不正融資をしてきたことを想起されたい。【参照=日々雑感01/25-26-27-29-30】 問題はこれらBNLのイラクへの不正融資をアメリカ政府は知りながら黙認していたということだ。アメリカ政府は黙認するばかりか、むしろゴーサインを出した張本人ではなかったか。ここで彼ら(親ブッシュ&国家安全保障局NSA)は予想外のトラブルに見舞われている。不正融資の隠れ蓑としての農務省に対し、財務省がその貿易推進に待ったをかけたのである。慌てたNSAは「これをキャンセルすればイラクとの外交関係が悪化する」として財務省を説き伏せている。こうしてアメリカ政府は、イラクを武装させれば敵国になる、ことを想定しながらイラクに不正な貸し付けを行う。イラクはこれをもってクウェート侵攻にもアメリカがゴーサインを出したと受け取り、ローザンヌ会議以来80年来の悲願であるところのルマニア油田奪還作戦を敢行する。【参照=日々雑感04/15】 あれから8年後、親ブッシュの後継者として小ブッシュは、父親の計画を完成すべく2003年度イラク戦争戦後の利権配分に手をつけ始めている。米軍によって誘導された掠奪の最中にあっても、イラク石油省だけは厳重な警備に守られていることは、そのことを如実に示しているとは云えまいか。【参照=「バグダッドの今」(森住卓氏)

 小ブッシュがフセイン大統領をならず者と名指し、そのならず者からイラクを解放したと勝利宣言するとき、我々は小ブッシュの持ち物「サパタ石油」がクウェートで石油を採掘してきた会社であることも同時に思い出すべきだ。イラク戦闘機が格納されている頑丈な格納庫はイギリスが設計し、イラクのミサイル発射台がアメリカ製であったことも含めて、ならず者フセインを育ててきた米英両国をどう呼べばいいのだろう。ならず者サダム・フセインの父か、母か?とんだ茶番である。イブラヒム三兄弟の1人、空爆で死亡したとされるバルザン・イブラヒム国連大使が設立した金融帝国「モンタナ・マネージメント」は、巨大メディア「アシェット」の筆頭株主であった。その会長の名はRobert Meunier といい、家系を三世代ほど遡るとMargaetha Rothschild という夫人の名前が忽然と出てくる。ひょっとするとロスチャイルド家と所縁の女性ではないか?と思われるだろうが、その通りであった。彼女の祖父はCarl Rothschild というロスチャイルド伝説の五人兄弟の1人である。これは何を意味しているのだろうか? 前述したように国連大使バルザン・イブラヒムはフセイン大統領にとって異父弟であり、その娘はフセインの長男ウダイの妻でもあった。それがロスチャイルド家と結びつくなどとは考えも及ばないのだ。しかし「モンタナ・マネージメント」と「アシェット」という連なりは厳然とそれらの関連性を示している。ここはフセインの隠し口座があるというバハマ、パナマ、スイスの金脈洗い出しから何か見えてくるかも知れない。バグダッドが陥落してみればフセイン一族はもぬけの殻、バース党とCIAの非公式な取り引きがあったとされている中、フセイン一族の巨額資金の流れを追うことでも見えてくるものがあるはずだ。
 
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