昨日に引き続きバンカ・ナツィエナーレ・デル・ラヴォロ(国立労働銀行)から書き始めたい。この会社がカルヴィ頭取のアンブロシアーノ銀行に莫大な不正融資をしていたことは前述した。そのカルヴィ頭取とバチカン財政顧問の銀行家ミケーレ・シンドナが食い物にしたのが「ウニオーネ銀行」であり、この辺の詳しい事情は日誌2002年5月18日-19日-20日-21日と連日に渡って書いている。「聖霊銀行」(バチカン銀行の投資先)の最大の株主がIRI(産業復興公社)であれば、シンドナの銀行に融資した「ローマ銀行」の最大株主も共にIRIである。そしていずれもフィアット社のアニェリ兄弟の弟ウンベルトがIRIの副社長をつとめている。シンドナは1986年3月20日朝、ミラノ裁判で終身刑を言い渡された後、ミラノ近郊のボゲラ刑務所内において青酸カリで中毒死した。その二日前、彼は国営テレビのインタビューで、終身刑に不服を訴え「こうなれば上級審で全てを暴露する」と激昂している。限りなく毒殺の可能性が高い出来事ではあろう。
昨夜のNHKスペシャル「富の攻防-1・巨大年金マネーが世界を駆け巡る」はのっけから衝撃的であった。中東を巡回中のヘッジファンドのデビッド・ダリ氏は云う。「戦争はここ数ヶ月のうちに起こるはずだ。いま中東でもうける算段をしている。カタール、エジプト、イスラエル、トルコ・・・中東全体を売るためにここに来ている」また投資会社マネージャーのビル・グロス氏も「すでに戦争を睨んだ投資をしている。アメリカやドイツの国債を大量購入した。安全な国債にマネーが逃げ込めば、値上がりで利益が上がる」と云う。かくしてヘッジファンドは世界中に破綻先を探しては、空売りという更なる追い打ちで破綻を促し、莫大な利益を手にしている。彼らにとって戦争は富を手にするビジネスでしかない。人が殺されようが、空売りする国の子供たちが飢えようが、一向に意に介することはない。老後の生活を約束するはずの年金基金もそのために投資されている。戦争を待望して自己の利益を図る、そうしたギャンブル経済基盤の上に我々は立たされている。この救いようのない人間原罪・・・我々人類の価値観そのものが神に試されているかのようだ。
試作だが、簡単なテポドン地下発射基地のCGをつくってみた。資料に基いてはいるが、細部は想像である。随時CGを追加する予定。
|