03/01/29 (水)
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 25日のジョバンニ・アニェリ(Giovanni Agnelli)氏の死亡報道から今日まで関連して書いてきたが、昨夜インターネットで弟ウンベルトとフィリップ・サッスーンの写真を拾ったので参考にされたい。Umberto Agnelliの写真Philip sassoonの写真 死亡したジョバンニが気難しいのに比べ、弟のウンベルトの方が活動的で陽気な性格であろうことが写真からも感じ取れる。前述したように、兄ジョバンニが特殊会社「IFI」の会長としてイタリア自動車業界を支配すれば、弟ウンベルトは産業復興公社「IRI」の副総裁としてそれを支援かつ補佐するという図式が見えてくる。昨日はイラクの査察に絡んで、フセイン大統領がアメリカ軍を迎え撃つ計画を準備しているとの報道が流れた。堪忍袋の緒が切れたというところか。まんまとブッシュの挑発に引っかかった感がする。ここではバンカ・ナツィエナーレ・デル・ラヴォロ(国立労働銀行)が、イラクに莫大な融資をしていたことを思い出す。この国立労働銀行の重役がSilvio Berlusconiという人物で、彼はフィアット社の重役をも兼務していた。自動車大手のフィアット社とイラクという何の脈絡もないような線も、戦時中から兵器を扱ってきたメーカーであることを考えるときには合点がいくのである。軍需産業としてのフィアット社は1968年、ヨーロッパの戦闘機製造計画MRCAに参画、支配下フィンノーラ社が戦闘機の殆どの製品をつくると、その親会社ホワイトヘッド・モトファイズ社がせっせと地雷をつくっては紛争国の兵士や子供たちの足を吹き飛ばしてきた。同じ一族のスザンナ・アニェリの夫ウーニョ・ラタジは、自分の小さな会社コエ・エ・クレリチ社を、アニェリ兄弟の後ろ盾を得てソ連との取り引き額を76万ドルから1億5000万ドルに引き上げた。これはアニェリ兄弟が以前からイタリア共産党を支援してきた賜物のほんの一例である。
 フィアット帝国の統帥ジョバンニ・アニェリの死去に、マスコミは御多分に漏れず彼の死を悼むだけの報道に甘んじている。何故彼らはフィアット社が地雷をつくってきた(もしくは、つくっている)と書けないのか?そこには権力に跪く御用マスコミがあるだけだ。

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