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【トピック】
<スーダン>政府軍空爆?105人死亡 ダルフール地方

 【ヨハネスブルク白戸圭一】深刻な人道危機が続くスーダン・ダルフール地方で先週、政府軍が大規模な反政府勢力の掃討作戦を行い、女性と子供を中心に民間人少なくとも105人が死亡、9000人以上が新たな避難民となった。スーダンで活動する国連の報道官が26日、記者会見して明らかにした。政府軍機が村を空爆したとの情報もある。
 国連によると、政府軍が先週、同地方南部の村ハマダで反政府勢力の掃討作戦を行った。国連は戦闘の詳細を「不明」としているが、現地の人道援助機関によると、19日に村が空爆され、多数の民間人が死亡したという。政府は昨年11月の和平交渉で軍用機の飛行禁止に同意し、空爆の事実を否定しているが、同地方では軍用機の目撃が相次いでいる

スーダン共和国 アムネスティより
背景
上ナイル南青ナイル地域の油田の支配権をめぐって内戦が続いているスーダン人民解放軍(SPLA)が政府側の石油基地を攻撃する一方で、政府は油田地域から民間人を排除するために軍による空爆を増やし、政府側の民兵は住民を攻撃した。政府もSPLAもヌエルの民兵に武器を供与して支援し、党派間の紛争を助長し、民族間の緊張を高め、民間人への攻撃を増加させている。5月、ヌエルの主力武装勢力であるスーダン人民民主戦線の戦闘部門が、一部指揮官がSPLAとの協調覚書に署名したため、分裂した。
2001年、スーダンは国際舞台で、これまでより広く受け入れられた。欧州連合との話し合いを継続し、国連人権委員会のメンバー国に選出された。政府は9月11日の米国への同時多発攻撃を非難し、米国当局の要請に従ってスーダン国内の被疑者を逮捕したと伝えられる。9月28日,国連安全保障理事会はスーダンに対する制裁を解除した。米国政府は制裁解除に反対はしなかったが、1989年以来続く2国間制裁をさらに1年延長することにした。安保理は内戦各党派を和平交渉につかせる新しい動きを起こした。
政府側も反政府勢力側も民間人を殺害した。
紛争各党派は女性や子どもを誘拐し、強姦し、少年たちを兵士として強制徴用した。
当局は政府反対者、弁護士、ジャーナリスト、人権擁護活動家を1999年の国家治安法の2000年12月修正条項を適用して拘禁した。この修正条項は国家治安機関が「反国家謀議」被疑者を起訴も裁判もせずに最長で123日間まで延長して拘禁することを認めており、また被拘禁者は司法に訴えることを明確に否定されている。

ダルフール紛争 フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より
ダルフール紛争はスーダン西部のダルフール地方で2004年現在も進行中のスーダン政府に支援されたアラブ系民族によるジャンジャウィードと呼ばれる地域の黒人住民との間に起きている民族紛争である。
この紛争で2003年初めの衝突以降、2004年8月時点での概算で5万人 - 8万人以上が既に殺害され、120万人以上が家を追われており、現在進行中の民族浄化の事例として広く記述されている。(この30年での犠牲者は200万以上という説もある。)

2003年の初めにJemSLMの反乱軍が政府軍とその施設を攻撃した。不意を襲われたスーダン政府は、西部には少しの兵力しか置かず、スーダン軍の兵士の大半がダルフール出身であったためその部隊自体の多くを疑った。その反応は地域のアラビア系の民族から募集され政府の支援により武装した民兵・ジャンジャウィードによる地上攻撃を空爆によって支援するという作戦となり実行された。
2004年の春までに(ほとんど非アラブ系人口の)数千人が殺され、100万以上の人々が家を追われ、その結果地域に大きな人道上の危機が引き起こされた。10万人以上の難民がジャンジャウィードの民兵に追われ隣接するチャドに流れ込んだことでこの危機には国際的な要素も加わった。
9月18日、国連安保理はアメリカのダンフォース国連大使などの提案による、スーダン政府に対し紛争防止の履行がない場合のAU監視部隊の拡大AUによる虐殺の査察および石油の禁輸などによる制裁を警告する決議案を賛成11、棄権4(アルジェリア、中国、ロシア、パキスタン)、反対0で可決した。中国、パキスタンはスーダンに石油権益を持つため難色を示していた。

虐殺の証言(BBC) ダルフールのある町での虐殺の証言です。
Tue Nov 16 10:52:11 JST 2004
BBCの報道チームが訪れたある町では80名の大人に加え、少なくとも同数の子どもが殺されている。ジャンジャウィード民兵と政府軍はここ1年キディニャール(Kidinyir)への攻撃を続け、多数を殺戮している。現在70000名以上がダルフールで殺されたと概算され、虐殺はなおも続いている。
ハワ(Hawa)という名のある女性の話。「5人に囲まれました。麻痺したように動くこともできませんでした。そして彼らに次々とレイプされたんです」
別の女性、カリマは攻撃のさいに行われた蛮行について話してくれた。「私の息子はドレスにしがみついていました。軍の記章がついた制服をきたアラブ系らしい男が車を私の隣に止めました。そうしてから息子を掴みあげると火の中に投げこんだんです」
ダルフール一帯における部族間の混乱が原因で殺戮が発生したとスーダン政府は主張している。しかしダルフールに滞在中のアフリカ連合の監視団によれば、スーダン政府がジャンジャウィードの武装と命令を与えているという。BBCは主要なジャンジャウィードの基地を訪れ、彼らが政府軍のIDカードを持っていることを発見した。
その民族を対象とした性質から、アメリカはスーダンでの殺戮をジェノサイドと呼んでいる。イギリスやその他多数の国が詳細にわたる国連の調査結果を待ち受けている。

スーダン・ダルフール州の民族浄化 2004.04.10
国連は、スーダン北西部ダルフール州におけるイスラム教徒の民族浄化(大量虐殺・レイプ・略奪)を、現在世界における最大の人道上の問題の一つとみなしているようだ。
 さらに、ワシントンポストは、この問題が報道されないのは、イラク問題やパレスチナ問題のような利益代表がいないからだと皮肉っている。
 同記事では、死者を数万人と推定しているが、事態としては、ワシントンポストが言うように、早急な介入が必要になっている。被害者は非アラブ系のアフリカ住民である。

 日本語の情報としては、やはり「国境なき医師団日本」のニュースリリースが読みやすいだろう。3月16日から
 スーダン側からの越境攻撃は増加し、今ではほぼ毎日発生している。家畜を盗むためだと思われる攻撃もあるが、多くは難民を脅すために行われていることが徐々に明らかになってきている。3月7日には、アドレの周辺だけでも難民1人が殺害され、3人が銃弾を受けて負傷した。こういった攻撃の後には、大量の不発弾が残されるという問題もある。同じ週末、国境なき医師団(MSF)は、ある父子が不発弾によって負傷したことを確認している。
--極東ブログより

【日々雑感ログ】
<スーダン>和平の一方で激戦 背景に石油利権と権力闘争 04/05/15
ダルフール、引き続き1万人の難民が食糧不足に 04/09/30
ダルフールの戦闘再発は反政府勢力に原因 04/11/29
  イスラエル、スーダン、リビアと秘密会談
  ダルフール紛争激化の背後にイスラエル



スーダン大統領
Omer Hassan Ahmed El-Bashir
南スーダン反政府指導者
Daniel Deng Mondyit
スーダン人民解放軍(SPLA)指導者
John Garang
John Garang
近況


【私的めもらんだむ】
7時
戦争を道具として目論む政治家達は自分の無能を自認し、党派の闘争の計算者として戦争を利用する政党政治家たちは罪人である。
ウィリアム=サムナー(William Graham Sumner 1840-1910)
アメリカの社会学者、経済学者。1873年以後母校イェール大学で初の社会講座担当。スペンサー(イギリス哲学者-進化論的社会思想家)影響下に規範や制度の起源、発展を探求。サムナーは、人の集団を「内集団」、「外集団」にわけた。これは日本での「ウチ」と「ソト」の分け方に似ている。
「(本当に徳のある)忘れられた人とは誰か。清廉な静かな徳のある家庭的な人間だ」(ウィリアム・サムナー「忘れられた人」)

 この日本において、サムナーのいう罪人でない政治家は何人いるだろうか?彼の流儀に沿えば、我らが首相は大罪人ということになる。その犯罪を弾劾せぬ罪というのも当然あるだろう。終戦においては被害者としての国民も、戦前戦中では加害加担に属するというこの大いなる欺瞞、矛盾、個々の自己葛藤をもって国民総体意識としての再認識も必要なのではないか。
 スーダンでは政府反政府双方が国民を虐殺し、あげくはその国民に武器を持たせ、新たな殺戮者に育てている。報復が報復を、憎しみがさらなる憎しみを呼ぶ、敵も味方もないこの地獄のパターンもまた人間普遍の構図なのだろう。人間に生まれただけで罪であるかのような自虐に陥りそうだ。

11時
気になる最新情報
中国の勃興をアメリカの衰退に間に合わせる
 中国の上層部が経済成長にこだわらねばならないのは、成長が止まったら人々の不満が共産党の方に向いて政権が崩壊し、混乱と分裂状態に陥る懸念があるからだが、もともと中国の大国化を誘発したアメリカの側も、早く中国に大きくなってほしいと考えている可能性がある。中国より先にアメリカが崩壊するかもしれないからである。
 中国人と欧米の多極主義者が結託して中国を覇権国の一つにしようとしていることに対し、日本人はどうすべきなのか。ドルとイラクという「双子の自滅が強まっていることを考えると、アメリカが衰退して多極主義者の考えたとおりの展開になる可能性が大きく、タカ派に賭けることは危険である。中国政府は、本音としては、アジア地域の安定策について、日本に協力してもらいたいはずである。日本側から見ると、日中合作の大東亜共栄圏である。
 ドルの下落とアメリカの衰退が起こりうる可能性は、日に日に高まっている。日本の内部では、アメリカの衰退後に日本がどうすべきかを真剣に考えておかないと、日本はアメリカと心中する結果となり、無意味に衰退してしまうのではないかと懸念される。

田中宇の国際ニュース解説「600年ぶりの中国の世界覇権」より

 中国バブル崩壊以前の、中国勃興期にアメリカ衰退が用意されている。ということは、これからアメリカはイラク介入の泥沼化から抜けられず、さらにドル下落が致命的となって衰退を余儀なくされる、といった演出が世界に展開する・・・ということか。アメリカ追従に固執するコイズミ主導のニッポン国危うし。

18時
 中国バブル勃興とアメリカ衰退の相関構造を考えながら、一般常識では解けようもない検証に嵌っている。これは国レベルの相関関係で推し量れるようなものではない、ことに気付かされる。国境を超えた巨大勢力・・・近代超大国に隠然たる支配基盤を保ちながらも、その国に位置しながら依存しない、グローバルな視点で飽くなき富の収奪から支配力を希求する闇の世界政府・・・を、想定する時、はじめて中国勃興とアメリカ衰退の図式が成立する。彼らは散々食い散らしたアメリカを見限って、今度は中国を太らせ、それを食うための準備をしているのだと・・・そうして考えれば、かの世界的大富豪ジェームズ・ワールブルクの言葉が真実味を帯びてくるのだ。彼は何と言ったか、彼は傲慢にもかくのたまわったのだ。

「我々は、諸君が好むとに好まざるとにかかわらず、世界政府をつくるであろう。諸君の同意が得られればそれで良し。さもなくば征服あるのみだ」

 1945年にロックフェラー・インサイダー・グループが設立した国際連合は、ご承知のように「参加することの意義」を訴えながら、その実「大国以外の国の意思は反映されない」という大きな矛盾を露呈してきている。この国連設立こそ世界政府樹立の布石だったことを、我々は改めて再認識すべきではないか、と思うのだ。今からおよそ65年も前に著された「大連合の時代」では、各大陸に創設された広域政治経済圏を、やがてひとつのヨーロッパ世界帝国にまとめあげることを主張している。それが今のEUに酷似しているのはもとより、著者クラレンスキー・ストレイトの前身はローズ奨学生だった。この母体ローズ財団は英国帝国主義者セシル・ローズによって設立され、彼の悲願「世界政府」樹立はローズ財団の秘密教義として奨学生に伝えられている。ちなみにストレイトはフリーメイソン教義の信奉者でもあった。

【視聴予定】
21時
00-53 NHKスペシャル「陸上自衛隊・イラク派遣の一年」 治安緊迫現場に密着▽組織変ぼうの記録  --NHK総合テレビ
 「イラクでは、”復興支援”と”部隊防護”が車の両輪だ。どちらが欠けても我々の活動は破綻する」。陸上自衛隊幹部が語った言葉である。
 2005年1月、陸上自衛隊はイラクに派遣されて1年を迎える。日本は初めて、自衛隊という“実力部隊”を、テロの危険もある外国に送り出し、自らを防護しつつ、復興支援を進めるという二つの命題を課した。しかし、現場の実態は極めて見えにくい状況だ。治安が安定せず、外務省からはイラク在留邦人の退避勧告が出されている。
 派遣から1年、復興支援活動の現場では何が起きているのか。また、東京の陸自中枢部は、初めての任務をどのようにコントロールしてきたのか。今回、NHKはそれらを知るための重要な手がかりを得た。派遣部隊の活動を密着取材してきた地元TV局の独自映像を入手。また、派遣を陰で支えていた研究機関などにスポットを当て、派遣の裏側で何が進行していたのかを探った。そこから浮かび上がってくるのは、イラク派遣をきっかけに、組織全体の強化を目指す陸上自衛隊の姿だ。
 番組では、国内で派遣準備を進める部隊にも密着しつつ、イラク派遣が自衛隊に何をもたらしたのか、その変質を徹底検証する。




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