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★記者殺害指示?ウクライナ元内相が死亡、拳銃自殺か
【モスクワ=五十嵐弘一】インターファクス通信などによると、ウクライナのユーリー・クラフチェンコ元内相が4日、キエフ近くの別荘で死亡しているのが発見された。
捜査当局によると、短銃による自殺と見られる。元内相は、クチマ前大統領の汚職疑惑を追及していたゲオルギー・ゴンガゼ記者が2000年9月、行方不明となり、同年11月、首のない遺体で見つかった事件で同日、検察当局の事情聴取を受ける予定だった。
ユシチェンコ政権は3月1日、同事件で、治安機関将校ら3人を実行犯などとして逮捕しており、事件当時、内相だった同氏が同記者殺害を指示した疑いが浮上していた。
同記者殺害については、クチマ前大統領の元護衛が、クチマ氏が指示したと主張。同氏は疑惑を否定してきたが、国会はすでに同氏の不逮捕特権をはく奪済み。捜査の進展によっては、前大統領まで刑事追及が及ぶ可能性もある。
★記者殺害で3人を逮捕=前大統領訴追に発展も−ウクライナ
【モスクワ1日時事】ウクライナのユーシェンコ大統領は1日、クチマ前大統領の汚職疑惑を追及していたゲオルギー・ゴンガゼ記者が2000年9月に首なし死体で見つかった事件で、捜査当局が容疑者3人を逮捕したと発表した。
同大統領はクチマ氏が事件を隠ぺいしようとしたと非難し、徹底捜査を指示した。議会は先に同氏の不逮捕特権をはく奪しており、捜査の進展によっては刑事訴追や逮捕につながる可能性がある。インタファクス通信によれば、逮捕されたのは治安機関の将校3人とされる。
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ユーリー・クラフチェンコ
元内相
Yuri Kravchenko
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★記者殺害、ウクライナ前大統領に疑惑
大統領選挙中に毒を盛られたと訴えたウクライナのユーシェンコ大統領。この国で新たなスキャンダルが起きています。今度はジャーナリストが首なし遺体で見つかった事件。殺害を指示をしたのは、前の大統領だったのではないかとの見方が強まっています。
事件は、4年前の11月に起きました。ウクライナの首都キエフの郊外で男性の遺体が見つかったのです。林の中に置かれていた遺体には首から上がありませんでした。遺体は誰なのか、警察がDNA鑑定を行ったところある人物とほぼ断定されました。
家族と一緒に写真に写る男性。ウクライナでインターネット新聞を発行していたゲオルギー・ゴンガゼ記者です。ゴンガゼ記者は、当時のクチマ政権の腐敗追及キャンペーンを展開するなど、大統領批判を繰り返していました。テレビ番組で直接、大統領に厳しい質問をぶつけたこともあります。
ゴンガゼ記者が突然失踪し、遺体で発見されたのは、このテレビ番組の1年後のことでした。ゴンガゼ記者は、誰に、そしてなぜ殺されたのか。捜査が遅々として進まない中、意外なものがメディアに公開されました。男の声が収録された1本の録音テープ。実は、クチマ前大統領のボディーガードが前大統領と側近との会話をひそかに録音していたというのです。
「ゴンガゼをグルジアに追放して向こうで始末しろ。チェチェン人が必要だ。ゴンガゼを誘拐させて始末させろ」(録音されたテープより)
「ゴンガゼを始末させろ」と記者殺害を指示するその声は、クチマ前大統領に極めて似ていました。
「人を殺す命令なんで絶対にできません。聖書や憲法に誓ってもいい」(クチマ前大統領)
ゴンガゼ記者の殺害を指示したのは当時の大統領だったのか、国内で大スキャンダルとなったこの事件で1日、大きな進展がありました。
「ゴンガセ氏の事件について、殺人の実行犯を拘束し、証拠を抑えました」(ユーシェンコ大統領)
逮捕されたのは、情報機関の将校3人。やはり、当時の政権の秘密機関が関与していたのです。犯人逮捕を自ら発表したユーシェンコ大統領。去年の大統領選挙直前に顔が劇的に変化。何者かに毒を盛られたと訴えたあの大統領です。
反体制記者の殺害事件、そして大統領候補殺人未遂疑惑。果たして、ウクライナ前政権の深い闇を晴らすことができるのか、捜査は前大統領にも及びそうな雲行きとなってきました。(2日
16:52)
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ゲオルギー・ゴンガゼ記者
Georgy Gongadze |
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★ウクライナ新政権 クチマ氏特権剥奪も 終身年金、別荘…退陣前決定
【モスクワ=内藤泰朗】ウクライナでは、クチマ前大統領の汚職糾弾の急先鋒に立つ初の女性首相、ティモシェンコ氏が就任したことで、ロシアとの強いパイプを背景に国内を牛耳ってきたクチマ氏に対する今後の処遇に注目が集まっている。権力の温存を図るクチマ前政権は、大統領に権限を集中させた現憲法から首相に大きな権限を与えた新憲法の導入で生き残りを画策してきたが、間に合わなかった。
クチマ氏は退陣直前の先月、政府決定で数々の退任後の特権を手にした。平均給与の十倍以上に当たる月額約八千三百フリブナ(約十六万七千円)の終身年金のほか、補佐官三人、料理人、使用人、警備付き国有別荘、運転手付き車二台などだ。
非公式情報では、同氏はこれ以外にも、海外資産のほか、数十億円する英国製大型ヨットを保有しているとされる。
これに対し、ティモシェンコ新首相は五日、これらの特権が「法的な基盤の上に立ったものであるかは疑問だ」と述べ、再検討する必要性に言及したほか、ユシチェンコ大統領も、クチマ氏の処遇について「いかなる約束もしていない」と言明。同氏の「特権剥奪(はくだつ)の可能性」を示唆した。
しかし、前大統領は五日、「大統領経験者の一人として社会と国のために働きたい」と述べ、慈善活動や外国訪問などを予定していることを明らかにした。
西側消息筋は「クチマ氏は確かに汚職まみれの人物だが、大統領任期をまっとうし政権を移譲しており、同じような革命が起きて権力の座を途中で追われたグルジアのシェワルナゼ氏と立場は異なる。特権の見直しはあっても、逮捕にまでは至らないのではないか」と指摘している。
(産経新聞)
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レオニード・クチマ
元大統領
Leonid Kuchma |
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【関連-日々雑感から】
2/09-ウクライナでイラン・中国にミサイル密輸疑惑
-レオニード・クチマ
2/10-首相にティモシェンコ氏 ウクライナ国会が承認
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