前日 04/09/08 (水) 翌日
25〜28℃、南よりの風、一時やや強風
再掲:プーチン対オリガルヒ(AKAZUKIN)

 ロシア石油大手のユコスは7月5日までに脱税追徴額34億ドルの支払いを命じられていて、直前の2日には裁判所から資産を凍結された。前社長ホドルコフスキーは、90年代後半にエリツィンと組んで巨大な利権を手にした7人のオリガルヒ(新興財閥)の一人で、ユダヤ人だ。ホドルコフスキーは元々コムソモール(共産主義青年同盟)のエリートだったが、エリツィンを応援することで国有企業の民営化に関して便宜を図ってもらい、次々と旧経営者が所有する株式を買い叩いて巨額の財を成したと言われている。

 オリガルヒ7人衆の内5人がユダヤ系と言われているが、代表格はベレゾフスキー国営放送「ORT」民放「TV6」をコントロールして世論を操り、96年にエリツィンを再選させ、2000年にはプーチンを大統領の地位に押し上げた功績者だ。しかし、オリガルヒに対し反攻に転じたプーチンとの争いに負け、現在はロンドンに自称「政治亡命中」。

 もう一人のメディア王グシンスキー独立TV(NTV)を擁して反クレムリンの立場で報道し、欧米から「ロシアの言論の自由の象徴」と賞賛された。しかし、99年の下院選でプリマコフ元首相が率いる「祖国・ロシア」を支持するものの、ベレゾフスキーが立ち上げた親クレムリン政党「統一」に敗れてツキが落ちた。大統領になったプーチンはグシンスキーを横領容疑で逮捕。やはり国外に脱出する破目に陥った。NTVは2001年4月、天然ガス最大手で元国営企業のガスプロムに買収され、事実上クレムリンの軍門に下った。

 NTVを追い出された当時の社長キセリョフはベレゾフスキーが所有するTV6に移ったが、そのTV6も2002年1月に裁判所決定により閉鎖される。キセリョフはプリマコフの支援を得て新たに民放「TVS」を立ち上げたが、視聴率不振で経営危機に陥り、03年6月ロシア新聞省から放送停止を命じられ、結局TV界での居場所を失い、現在は週刊誌モスクワニュースの編集長となっている。国家に忠実となったNTVは着々と「改革」を実施した。今年6月にはチェチェン報道を理由に人気報道番組「ナメードニ」を打ち切った。7月には人気討論番組「言論の自由」と、ユコス寄りの番組「個人出資」も放送中止。これで支持率70%というプーチン人気を批判的な立場から検証するTV番組は消滅した。

 ベレゾフスキーが所有していた国営TV「ORT」の株式49%は現在 ロマン・アブラモビッチ (チュコチ自治管区知事、元下院議員)が所有している。最近プレミアリーグの名門チェルシーの買収で有名になったアブラモビッチは、元々エリツィンと親しく、ビジネスではベレゾフスキーに師事していたが、現在は政治介入しない立場を取っており、それ故に第二世代オリガルヒとして生き残ったようだ。アブラモビッチはORTのみならず、石油大手シブネフチの株式もベレゾフスキーから引き継いだ。

 ホドルコフスキーは、ユコスとシブネフチを合併して、メジャーに対抗し得る巨大石油資本とするべく計画していたが、今やユコス自体が風前の灯火。今日のFinancialTimesは、ユコスのCFOの話として、あと数日で破産を申請する可能性を示唆している。
情報元-阿修羅戦争掲示板】

【関連-「日々雑感」から】
★2003/11/6-ロシア「ユスコ」社長ホドルコフスキー逮捕と辞任の推移
ロシア大統領府vs新興財閥マフィア-下図参照
ユスコの殺人疑惑
★2004/4/1-ロシア石油王 獄中手記でプーチン氏に「懺悔」

ボリス・ベレゾフスキー
Boris Berezovsky
ホドルコフスキー
Khodorkovsky
グシンスキー
Gusinksy
ロマン・アブラモビッチ
Roman Abramovich


【私的めもらんだむ】
▼8時
 ロシア学校占拠事件から新興財閥オリガルヒへと、世界を覆うテロ・ネットワークの実際を探る展開に入っている。一連のテロ事件はその都度規模が大きくなってきており、背後に莫大な資金提供の源泉を仮定することなしには考えられなくなる。欧米諸国の情報機関は、それらの実態をおよそ把握しているのだろうが、国家機密の類いだけに我々庶民には知るすべもない。しかし、執拗に情報を漁り検証を繰り返すことによって、何らかの糸口を見つけ出すことも不可能ではないだろう。今回犠牲になった何百人という子供たちのためにも、その慰霊を慰めるためにも、ことの真相を解き明かす必要があるのだと・・・使命と言い換えても良いと・・・

▼15時

 ロシア学校占拠事件での正確な犠牲者数が今だに出せないようだが、始業式に集っていたのが1270人と分かっているだけに、実に歯がゆい思いがする。共同通信では「338人の死亡を確認した」とあるから、1270人からその死亡者数を引いても932人、そこから逃げ出した人数を差し引けば行方不明者数が出る。最初の1270人という数字は、女性校長リディヤ・ツァリーエワさん(72歳)が把握していたもので、これはほぼ間違いあるまい。解せないのは、体育館の爆破炎上の消火作業が殆ど行われなかったことだ。燃えるに任せていたことで、犠牲者の遺体は炭化し、遺族による死体確認も困難だったと云われている。消火が迅速に行われていれば遺体確認はもとより、犠牲者の実数も早めに把握できたであろう。突然の爆発に出口を求めて殺到する状況からして、ややもすれば出席者数から遺体確認数を引いた932人、そこから逃亡者数をおよそ100人ぐらいとすれば700〜800人ぐらいの行方不明者数が弾き出されてしまう。すれば総じて1000人規模の犠牲者となる。むろん、これは最悪の場合だが、1270人もの頭上に吊り下げられた複数の爆弾と、体育館の屋根が一瞬にして吹き飛んだことを考え合わせれば、その最悪の結果になってもおかしくはない。

突入「偶発説」強まる ロシア、死者500人超も

 【ベスラン(ロシア北オセチア共和国)6日共同】児童ら多数が死亡したロシアの学校人質事件で、特殊部隊の突入時に現場にいた治安当局者の証言などから、強行突入のきっかけとなった体育館での爆発は偶発的に起きたとの見方が6日までに強まった。
 地元行政当局者は5日夜、犠牲者の遺体を埋葬するために480体分の墓地を用意したことを明らかにした。現地対策本部は338人の死亡を確認、約160人が依然行方不明のままで、事件の死者数は500人を超える可能性もある。
 ロシア公共テレビは5日夜、事件に加わって拘束されたとする男の映像を放映。フリジンスキー最高検次席検事は、男が「襲撃に直接加わった」と語った。
 ロシアは6日から服喪の2日間を迎え、モスクワのクレムリンをはじめ全土で犠牲者を悼む半旗が掲げられた。テレビの娯楽番組は自粛された。



女性校長
リディヤ・ツァリーエワ
▼17時
 午後4時前、突然監督が仕事を持ってくる。ロータップ鉄枠架台、初めて手がける部品だ。パテ付け、部分のみ、殆どパテ付けの必要なし。引き続き、ベース3台入荷予定と監督。うち大型1台含む、らしい。久しぶりに忙しくなりそうだ。材料殆ど底を尽き、仕事をやる以に出費を覚悟しなければならない。それをどう工面するか?悩みは尽きぬが、仕事に没頭できるだけ幸せというものだ。油面拭き取り、錆止めにサーフェサーを吹き付け、終わる。明日中には仕上がるだろう。


【視聴予定】
19時
30-00 クローズアップ現代 9・11テロは米をどう変えた NHK総合
ニューヨークとワシントンを狙った同時多発テロが世界を震撼させてから3年がたった。
"テロとの戦い"を掲げアフガニスタンやイラクへの武力行使に踏み切ったアメリカ。 ブッシュ政権は「アメリカは安全になった」と繰り返す一方で、「テロ攻撃される危険性が高い」とし、「テロとの戦い」の継続を国民に訴える。この三年、人口が集積するニューヨークではテロ攻撃の危険性が高いとされ、5段階の政府のテロ警戒レベルの内、二番目に高い「オレンジ色」(HIGH=テロ攻撃の危険性が高い)が点灯され続けている。テロの危険性と隣り合わせの中に生きる人々は何を思うのか…。
一方、外国からの出入国を厳しく監視しようとするアメリカ政府の一連の施策は、アメリカの特徴である「自由」や「寛容さ」といったものを失わせていないのか。外国人の技術者が入国ビザを取得できないことから深刻な影響を受けつつある経済の現場からの報告をも交え。アメリカの今をルポする。
(NO.1963)

中継出演(ニューヨーク): ピート ハミルさん
  (ジャーナリスト・作家)


新じねん」TOP