04/04/01 (木)
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変節か、ロシア石油王 獄中手記でプーチン氏に「懺悔」

 ロシアの経済紙「ベドモスチ」は29日付で、昨年10月に脱税容疑などで逮捕され、収監中の石油大手ユコス社のホドルコフスキー社長(当時)の手記を掲載した。プーチン政権と対立し野党を支援していた同氏だが、手記では「大統領の正当性を疑うべきでない」と書きつづるなど、「ざんげ」とも受け取れる姿勢を示した。
 ホドルコフスキー氏は資産総額でロシア随一の大富豪で石油王と呼ばれた。昨年12月の下院選を前に、ユコス社の幹部2人と共に相次いで収監された。野党への資金供与を表明し「反プーチン」の最大の有力者と目され、財閥への世論の反感も強かったため、大統領側近の強権派が主導した「締め付け」ともみられていた。
 手記は、新聞1ページ分のスペースに掲載された。同氏は、「ロシア民族主義者に比べれば、プーチン氏はロシアで一番の自由主義者である」と礼賛。容疑を直接認めたわけではないが、「私たち(財閥)は、90年代の自由化の指導者と共に国民をだました。大企業は国民と富を分かち合わねばならない」と反省を表明した。
 逮捕されるまで民主改革勢力と密接に協力してきたが、民主的な新党「自由ロシア」の旗揚げを表明した日系政治家のハカマダ氏参考)に対し、「資金協力は無い」と関係を見直す考えを示した。
 ホドルコフスキー氏の勾留(こうりゅう)期限はこれまで2度延長され、5月30日までとされた。地元メディアの報道では、同氏が「政権の圧力に屈し志を曲げた」との見方がある。その一方で、プーチン政権側が「保釈する時期を見計らって、国民を納得させるため手記を偽装した」との推測も流されている。

【関連】
ロシア大統領府vs新興財閥マフィア(日誌2003/11/6)
ユスコの殺人疑惑(日誌2003/11/7)

参考
ロシア大統領選出馬の日系女性:ハカマダ女史(The New York Times 2004-2-14)
統一ロシア
<抜粋>ハカマダ女史は、母親がロシア人でモスクワ生まれ。日本語は話せない。異母兄が日本在住。子どもは、最初の結婚でできた25歳になる息子と、四度目の結婚でできた、彼女の泣き所である五歳になる娘がいる。ハカマダさんは、旧ソ連に亡命した元日本共産党員の故袴田陸奥男氏の娘で、同党副委員長だった袴田里見氏を伯父に持つ日系二世。ロシア研究者の袴田茂樹・青山学院大教授の母親違いの妹に当たる。

【視聴予定】
19時
30 クローズアップ現代 暗殺の衝撃・パレスチナ緊迫
3月22日、ハマスの精神的指導者ヤシン師がイスラエル軍に殺害され、中東情勢はこれまでにない泥沼の様相を見せ始めている。ヤシン師を失ったハマスが報復を強く叫ぶ背景には、「テロ組織の指導者」とイスラエル側から名指しされたヤシン師が、広くパレスチナ人から信頼を集める存在だったという事実がある。
一方、ヤシン師暗殺に踏み出したイスラエルは、今回の強行をパレスチナに対する「分離」政策の一貫と位置づけている。
番組では、ヤシン師の活動を撮影したNHK独自の映像などを織り交ぜ、暗殺の背景と思惑、そして今後の中東情勢の行方を占う。
(NO.1891)中継出演: 鴨志田 郷(NHK エルサレム駐在記者)



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