▲02/06/30 (日) ▼
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世紀の恋、その1
王冠を捨てた恋、影にナチス外相との恋―と英紙
【ロンドン29日=渡辺覚】「王冠を捨てた恋」にナチスの深い影――。29日付の英紙ガーディアンは、英国王エドワード8世が王位を退いてまで結婚した米国人シンプソン夫人は、ナチス・ドイツの高官と愛人関係にあり、結婚後も英国など連合国側の機密情報をナチスに漏らしていた疑いが強いと報じた。同紙が、227ページにおよぶ米連邦捜査局(FBI)の捜査資料をもとに伝えた。それによると、シンプソン夫人は、ナチス・ドイツのリッベントロップ外相が駐英大使だった1936年に外相と愛人関係にあり、エドワード8世との結婚前から密会を続けた。この事実は英政府も把握しており、当時の英首相がシンプソン夫人との結婚に反対したのは、ナチスとの関係を問題視したためだという。夫人の行動に神経をとがらせたルーズベルト米大統領は、41年に夫妻が訪米した際、FBIに特別監視を行う指令を出していたという。(読売新聞)
エドワード8世(Edward [ 1894-1972)とシンプソン(Wallis
Simpson 1896-1986)の結婚式は、彼女が船舶業者の夫アーネスト・シンプソンとの離婚が成立した1937年に行われた。その前年に彼女との結婚を望んでいたエドワード8世は国王を退位している。彼女とリッベントロップ(Joachim
von Ribbentrop 1893-1946)の密会はこの前年から始まったことになる。リッベントロップは第一次大戦のトルコ派遣軍幕僚を経て貿易商として成功、1932年にナチスに入党している。その前年1931年に皇太子だったエドワード8世とシンプソン夫人が出会っている。ヒトラーの信任を得たリッベントロップは外交政策顧問となり、1938年以降は外相として独ソ不可侵条約や日独伊三国同盟の成立にかかわっている。1945年のニュルンベルク裁判で死刑判決を受け、ゲーリングら11名と共に絞首刑となっている。
「世紀の恋」と騒がれたエドワード8世とシンプソン夫人だが、当初は世間の目をからロスチャイルド家が匿ってくれていた。ロスチャイルド家四代目ナサニエル(Nathaniel
Rothschild 1812-1870)はエドワード皇太子の祖父(Edward
Z 1841-1910)と親友であり、その後もロスチャイルド家と英王室の密接な関係は継続されていたのだ。二人の死後「世紀の恋」の遺産は「サザビーズ社」によってオークションにかけられたが、その会長はジュリアン・トンプソンだった。またエドワード7世は世界最大のダイヤ「アフリカの星」の持ち主だったが、これを継続するべきエドワード8世は退位し、次いでジョージ6世からエリザベス女王の戴冠式を飾った。【参照】英国「ウィンザー王家」系図 そして、それらのダイヤ市場を一手に操る「デビアス」会長の名前をジュリアン・オギルヴィー=トンプソン(Julian
Ogilvie-Thompson)と言った。これは偶然だろうか?今のところ、この意味ありげな二人のジュリアン・トンプソンが姻戚関係にあるかどうかは分からない。ただ「デビアス」会長の家系を遡ることで、彼がロスチャイルド家と遠戚になっていることは証明できる。「伝説の金融王」ネイサン(Nathan
Rothschild 1777-1836)の娘(Hannah Rothschild
1815-1864)がFitzroy家に嫁いだところから・・・Fitzroy家→Seymour家→Brand家・・・となり、ここでBrand家とThompson家が結ばれると「デビアス」会長Julian
Ogilvie-Thompsonが飛び出して来るのだ。
【視聴予定】
■17:30-18:24 TBSテレビ 報道特集
不審船騒動で対ゲリラ部隊▽河野さんの決着
■19:58-20:54 日本テレビ 特命リサーチ200X
II「安い年金でもできる夢の老後超豪華生活」
■23:00-23:30 テレビ朝日 地球号 地下水脈を求めて・東京
■24:25-25:20 日本テレビ ドキュメント'02
ドングリ大作戦
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▲02/06/29 (土) ▼
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メールでファイルを送ってくる人がいるが、問題ありとしてメールソフト自体に拒否される場合があるようだ。今朝も女性の名前でそんなメールが送られてきており、メッセージが全く書かれていないことからイタズラと思われても仕方がない。ウィルスのこともあって警戒せざるを得ないので、そのファイルが善意のものであるならメッセージだけは書いて欲しい。むろん重要なファイルはここで公表することも考慮している。
今日は明後日に納期が迫るベースの仕上げを予定している。いつものことながら仕上げの段階では極力神経を使う。完成したイメージを絶えず念頭に思い浮かべながら、常にプラス思考で取り組むことを心がけている。この不況下で苦労されている人も多いと思うが、仕事への情熱を失ってはならないと自戒したい。志賀直哉(1883-1971)いわく「仕事は目的である。仕事をはっきりした目的と思ってやっているやつにとって、結果は対した問題ではない」・・・そんなモノづくりにたずさわる人々にとって、今の日本の現状は冷酷なほどだが、たとえ今は社会的に報われることがなくても、自分の信念を確固としたものにすることでいつか必ず報われることを信じていきたい。
あれ以来、従弟の消息もつかめない。嘲笑だけが虚しく響いている。これが世間というものだ。そんな嘲笑を背にして浮遊している従弟にヘルマン・ヘッセ(Hermann
Hesse 1877-1962)の言葉を伝えたい。「神が我々に絶望を送るのは、我々を殺すためではなく、我々の中に新しい生命を呼び覚ますためである」・・・取り返しのつかないことをしたと、自分で思うほどには、世の中は取り返しの効くものだ。自分で自分を追い詰めるのでなければ、世界は常に「新しい生命を呼び覚ます」ために開かれている。オマエの地獄に向き合ったものの一人として、オレにはオマエを今の地獄から引き上げる資格がある。
昨夜のテレビ「あなたの知らない宇宙」は、物理学の最先端現場を観させてくれたが、私のような俗人には驚嘆すべき内容ばかりで刺激的でもあった。私などは知人の死を通じてしか「この世とあの世の境界」がどうなっているのか?考えることはなかったが、それは同時に「我々の生存を可能にしている世界」及び「世界=宇宙の仕組み」がどうなっているのか?にも密接に関係してくることも改めて認識させられた思いである。それを物理的な数値による方程式という科学のメスを入れることで、より仮定が現実味を帯びていく様子は実にエキサイティングである。数々のモデルが比較検討され、方程式の一致に統合されながら「宇宙モデルの輪郭」が浮かび上がってくるのだが、番組ではその結論として「この宇宙は、11次元を基盤とする、二重の膜で構成された無数の次元別宇宙に満ちている」として締めくくっていた。我々が生存するこの世界は3DCGのような三次元空間によって構成され、別の次元宇宙が介在してくることは有り得ない。しかしながら、人間が知覚できないまでもやはり別次元は矛盾なく存在しているのだという。それらは数々の厳密な物理方程式によって説明できるがゆえに、それは正しい(?)のだとする。仮にそれが覆されるようなことがあるとすれば、新たなモデルが数式によって説明できた場合に限り、その時点での「宇宙モデル」が認知されることになる。
番組では専門的な物理学用語も分かり易く説明していたが、ここでは長くなるので省く。知識に乏しい私などが多少疑問に思ったことは、三次元という限界世界に置かれている人間が、数値による方程式だけで宇宙システムを思考統合しようとする無理のことである。天才アインシュタインの方程式をもってしても矛盾してしまう宇宙への理解度における知的限界が、いずれ現時点での「11次元を基盤とする、二重の膜で構成された無数の次元別宇宙」という宇宙モデルにも適用されることがあってもおかしくはない。もっとも現代物理学もそれを否定していないわけで、これからさらなる宇宙モデルの思考探索が数式によって統合されていくのだろう。それでもなおかつ、それはあくまでも三次元下の人間による仮想宇宙にしか過ぎないのではないか、という疑問は残るのである。このへん専門的に研究している筋から素人考えだと一笑に付されてしまいかねないが・・・
それにしても今回視聴した「あなたの知らない宇宙」は、私にとってまさしくパンドラの箱を開けてしまったような衝撃であったことも確かである。父や母、そして先々月の従兄の死をもって「いったい人間とは何なのだろう?」といった漠然とした疑問に執り付かれていた私に、物理学者たちの宇宙モデルへの取り組みは一つの方向性を与えてくれたようだ。時間を超越できない人間社会あって、別次元の宇宙を示唆してくれたことだけでも参考になった。俗っぽい考えだが、死んでいく人は全く消滅したのではなく、別次元の移行と考えれば自分なりに納得させられる気になるというものだ。父と母の遺影を眺めながら、そう思う。
北朝鮮と韓国が一時交戦したとのニュースが流れている。急遽、地図とデータを同時表示できるようにした。例によってデータは阿修羅掲示板「戦争」にリンクしてある。題して「北朝鮮軍事動向」、新しい情報が入り次第、随時更新していきたい。 |
▲02/06/28 (金) ▼
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かつて仕事を請けたことのある土建会社が倒産したと聞く。地元では比較的大きな会社だった。社長は行方をくらまし、フィリピンあたりに逃げたらしい。そういえば某建設会社の社長も東南アジアに逃げたという噂があり、日本人の観光客相手に客引きまがいのことをしているという。その社長が時々日本に帰ってくるらしいが、知人によるとかなり羽振りが良さそうだったと言う。あまり感心の出来ないことをしているようだ。転んでもタダでは起きない、というところか。隣の建材問屋の社長も倒産後に行方をくらまし、韓国で暮しているとの噂だ。しばらく空家となっていた隣も自動車修理工場となり、今、改造の真っ最中である。我が社を中心として、半径100メートル内には少なくとも10件の自動車関連会社がある。元請けに切られることさえなかったら、今も自動車の仕事を続けていられたものを・・・そう思うとやりきれない。バタバタと会社が倒産していく中にあって、必死になって会社を維持しようとすればするほど苦しくなる・・・この悪循環に頭を抱え込んでいるのが現状だ。とりあえず法人という看板を取り外して規模を小さくすることを計画している。そろそろ去年見積もった建築の仕事も出てくる頃だが、大手の依頼とはいえ極端な仕事の減少はかなり痛いところだ。起死回生、どんでん返しの奇跡をイメージして耐え抜くしかない。一週間に一度ちょこっと顔を出すだけの太陽が、今もやっと顔を覗かせてきた。午後三時の太陽に、希望の光をイメージして、燦燦と降り注ぐ希望を浴びている自分を想像してみる。
映画「レッド」その4
「十月革命」に遭遇したリードとルイーズは、以下のように書いている。
「レーニンが思想家でトロツキーが行動ならジノビエフは煽動者だろう。レーニンは知性ゆえ人気の指導者、笑わす妥協もせず、トロツキーのような力強さはなく、演説もうまくないが、彼が設計者だ。ケレンスキーは冬宮を本拠地にしていた。冬宮はあまりに静かで、モスクワの窮状やら、交通麻痺、パン不足などが信じられぬほどだ。ケレンスキーは物腰が欧州風・・・臨時政府はつづく、とケレンスキーは言った」
ジノビエフ(Grigorii Evseevich Zinov`ev
1883-1936)は革命時においてレーニンの片腕となったボリシェビキの幹部。十月革命後にペトログラードのソビエト議長、1919年に第三インターナショナル(コミンテルン)議長を歴任、レーニン死後にカーメネフやスターリンらと党主流派を結成。1925年のネップ政策(レーニン下で一部資本主義経済システムを組み入れた新経済政策。やがて社会主義経済政策に取って代わられ、1928年からの第一次五ヵ年計画の基礎となる)に反対して勢力を失い、1939年に反党派としてカーメネフらと共に処刑されている。
ケレンスキー(Aleksandr Fyodorovich
Kerenskii
1881-1970)は、1917年の二月革命後、法相、陸海軍相を経て7月に首相となる。しかし、革命政府を弾圧し十月革命で打倒される。反革命軍の組織化に失敗して1918年に亡命、1940年からアメリカに住み30年後に死亡した。前述したように、ケレンスキーは反革命主義ながら結果的にボルシェビキ革命軍に道を開く役回りを演じている。【参照】映画「レッド」その2
【視聴予定】
■22:00-22:45 NHK教育 地球時間「あなたの知らない宇宙」
我々の宇宙だけではない?ビッグバンの謎
■23:00-23:30 フジテレビ メントレG
大物歌手借金(秘)裏話
■00:20-04:20 テレビ朝日 朝まで生テレビ
激論石原待望論は本物か? |
▲02/06/27 (木) ▼
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昨日はあれから従弟の家族が心配して電話をかけてきた。朝早く帰ったはずが、帰っていないのだと言う。午後になっても帰って来ないと騒いでいる。従弟はよほど家に帰りたくないらしい。子供ではあるまいし、再三の電話につい「いいかげんにしてほしいな」と声を荒げてしまった。帰りたくない理由も考えず、従弟を追い詰めていることに気付かないのだ。家庭が寛げる場になっていないから帰らないだけではないか。帰り際「また問い詰められる」と言った従弟の言葉を思い出していた。
その日の夕方、いきなり目眩の発作に襲われる。不思議なことに、同時刻、妹や弟も具合が悪くなって寝込んでいた。こういうこともあるのかと、血縁の神秘を考えていた。私の場合、その原因は分かっていた。前夜に従弟と痛飲していたからだ。目眩する中で急ぎ深い鼻呼吸を敢行、しばし軽い睡眠に入る。これで目眩は軽減、大事に至ることはなかったが、酒もしばらく控える必要がありそうだ。
チロは三匹の子猫を産んでいた。これで我が家の猫族たちは九匹になった。予想通りだ。チロの母性本能は凄まじく、チロの母親であるところのクロが産んだ子猫までも咥えてきて抱いている。これら六匹の子猫たちにどんな名前を付けるか、ちと面倒くさくなっている。
人の世は慌しく、今朝、従弟が行方不明になったとの電話を受ける。いつも所持金を持たない従弟に「コンビニでオニギリでも買って食べろ」と渡した僅かなカネだったが・・・今日の電話では、給料を持ったままの逃避行らしい。子供が大きくなるまで我慢しろ、といった私の忠告も無駄になった。親戚中を巻き込んでの今度の騒動も、唯一の理解者たらんとした私の徒労をもって幕を降ろさざるを得なくなった。もう従弟は帰らないだろう予感を覚えながら、一方でいつしかひょっこり現れては驚かせてくれる場面も想定している。こんなときに思い出されるのが、故父の弟子であるところの同業先輩Sのことである。Sは学童の登校時に交通整理をかって出るような模範的な父親でもあった。そのSがある日、家族を捨て別の女性と連れ立って逃避行をしたのだった。十年以上も前のことだが、私の母が生存中に一度だけ連絡があった。横浜に居るとのことだった。それ以来、連絡は途絶えたまま、何処でどうしているやら分からない。
社会的秩序を取り繕う多くの一般常識人には、今回の従弟の逃避行は恰好の嘲笑の的となるだろう。すでに心ない親戚によっても、彼は罵倒嘲笑されている。従弟の逃亡に至るまでの追い詰められていく心理を理解しようともせず、他者を侮ることで優越感を共有する常識人たちの偽善に祝福あれ。従弟が泊まった一昨日の夜に見た悪夢は、従弟の決意の現れだったのかと・・・曖昧にして潜在意識の片鱗を覗かせてくれた夢の示唆を考えている。
映画「レッド」その3
ウォーレン・ビューティの映画「レッド」を再生、機知に富んだ場面を抜粋して観ている。グリニチ・ビレッジに集うジョン・リードたちの仲間たちは、そのまま時代の最先端を驀進して行った才能の集まりでもあった。リードの交遊者を調べて列記してみる。
エマ・ゴールドマン(Emma Goldman
1869-1940)リトアニア生まれのアナーキスト、24歳でニューヨークに渡り女性解放運動に没頭する。幾度か逮捕されたのち、1919年にアメリカ国外追放となってロシアに送還される。1921年、ロシア革命に失望して脱出。映画「レッド」でもロシアに渡ったリード夫妻を陰で支える役として登場している。
W・リップマン(Walter Lippmann 1889-1974)米政治評論家、「ニューヨーク・ヘラルド・トリビューン」の特別寄稿者として活躍、著書に「冷たい戦争」。ピューリッツァー賞受賞者。
I・ダンカン(Isadora Duncan 1878-1927)モダン・ダンスの創始者、ロシア革命後にモスクワで舞踏学校設立。首に巻いたショールが自動車の車輪に巻き込まれて事故死している。
E・S・V・ミレー(Edna St. Vincent
Millay
1892-1950)米国女流詩人、1912年作「再生」が脚光を浴びる。ほか戯曲「アリア・ダ・カポ」。
スティーグリッツ(Alfred Stieglitz
1864-1946)米国写真家、近代写真の父として有名。
M・サンガー(Margaret Sanger 1883-1966)米国女性社会運動家、1921年、育児制限の合法化獲得。
ユージン・オニール(Eugene O`Neill
1888-1953)米国劇作家、1920年「地平のかなた」がブロードウェイで上演。ほか「皇帝ジョーンズ」などあり、1936年にノーベル文学賞受賞。1924年作「楡(にれ)の木陰の欲情」は、私の推測だがリードの愛人ルイーズとの不倫が色濃く反映していると思われる。
後にジョン・リードと結婚するルイーズ・ブライアントは、リードと出合った当時は歯科医ポール・トラリンジャーの妻だった。性的にも急進的な自由を謳歌していたビレッジの住民たちにあって、若きジャーナリストのリードとトラリンジャー夫人ルイーズも急接近していった。やがて二人は同棲生活することになるのだが、アメリカ共産党結成に多忙な日々を送るリードにルイーズの心に隙間が広がっていく。その隙間にリードの親友ユージン・オニールが割り込むようにして不倫が始まるのだ。これに気付いたリードは、自分もまた自由恋愛主義者の手前、ルイーズを詰問することなく結婚というかたちで解決を試みる。その後二人は共にロシア革命を間近に目撃することとなり、再度ロシアに渡ったリードが行方不明となった時も、ルイーズは後を追いかけるようにしてロシア中を探し回っている。やっとルイーズがリードと再会した時には、リードの体はボロボロになっていた。こうしてみると映画「レッド」はロシア革命を背景とした恋愛物語ともいえるかも知れない。ウォーレン・ビューティの才能は、これを単なる恋愛物語とせず、背景の時代考証を丹念に再現したところで発揮されている、と私は個人的に思っている。
【視聴予定】
■19:10-19:30 NHK教育 健康 脳卒中・脳を守る新薬
■22:54-23:50 TBSテレビ 筑紫哲也NEWS23
日米密約ほか
■23:50-24:00 NHK総合 読む 中東情勢と石油 |
▲02/06/26 (水) ▼
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昨夜、悩みを抱えて従弟がやってきた。「オレはアドバイスぐらいは出来るが、結局のところ決断を下すのはオマエ自身だ」・・・疲れきった従弟を目前に突き放すように言ったが・・・オレは間違っているだろうか?・・・従弟の優柔不断に業を煮やして、叱りつける。潔さがまるで感じられない・・・悶々と同じ悩みを繰り返す従弟が、それでも私は可愛くて仕方がないのだ。独り暮らしの私を羨ましがっている奴に、その孤独を説いてやる。下の子供がもう中二なのだと・・・親の責任まであと一年間は我慢しろ・・・そうしたら何処にでも自由に行け・・・家族であれ、夫婦であれ、誰もオマエの自由意志を阻止することは出来ない。その権限もない。たかだか70年ぐらいの寿命に、自分の人生が悔いばかりだったと嘆くよりは、自由奔放に生きるほうがマシというものだ。それも出来ない臆病者は死んでしまえ。死んでいく人間を羨やむほど、生きることの地獄に耐えられないというなら・・・自殺するしかないだろう。それもオマエの自由意志だ。だがな・・・こうしてオマエの地獄に向き合っているオレの存在も忘れるな。手前勝手な自由はエゴに過ぎん。そうしたエゴが他人の心を踏みにじっていくんだ。ここはオマエの駆け込み寺であっていい。いつでも逃げ出して来い。オレが生きている限り、いつでもオマエの地獄と向き合ってやる。だが忘れるな・・・オレの命も有限であることを・・・だから忠告しておく。心の支えを他に求めるな。心の支えは他でもない、自分の心中にしか築けないことを・・・
夢をみた・・・抜き身の短刀を手にした自分が、これから何をしようとしているのか?自害しようというのか、誰かを殺そうというのか・・・それとも単なる決意の現われなのか・・・わからない。何処かで覚悟を迫る声がする。生死の境で決断を迫られているようだ。何を決断すればいいのか?それすら分からないで不気味に光る短刀を手にしている、その意味は何なんだ。捨てようとする短刀が手から離れない・・・手元を見て唖然とする。手が短刀と同化している。オレの手が、その心が凶器になってしまったかのようだ。誰かを、自分を、何かを傷つけずにはいられない心の現われか・・・
朝、従弟が帰って行った。チロの腹が萎んでいた。どうやら子猫を産んだらしい。猫族大家族の出現だ。どうするの?妹の心配顔・・・知るもんか!聖書にもあるだろう、産めよ増やせよ地に満ちよ・・・神様に逆らうことは出来ない。
映画「レッド」その2
ロシア「二月革命」で退位したニコライ2世だったが、その後の臨時政府にはルヴォフ皇太子が据え付けられた。その位を奪ったアレクサンダー・ケレンスキー(Aleksandr
Fyodorovich Kerenskii 1881-1970)がボルシェビキへ反旗を掲げると、どういうわけか意に反してボルシェビキ革命の道が開かれるのである。この時、後のボルシェビキ革命の旗頭となるレーニン(Vladimir
Il`ich Lenin 1870-1924)とトロツキー(Lev
Davidovich Trotskii 1879-1940)はロシアにはいなかった。レーニンはロスチャイルド(Rothschild)家保護の元スイスに、トロツキーはロックフェラー(Rockfeller)家のお膝元ニューヨークに、それぞれ滞在している。具体的に言えば、トロツキーはアメリカのパール・ワールブルク(Paul
Warburg)から、レーニンはドイツのマックス・ワールブルク(Max
Warburg)から資金提供を受けていた。ワールブルク家とロックフェラー家の密接な関係上、その資金はロックフェラー家からのものと推定されよう。ロシア革命はかくして計画、かつ用意されていた。そして・・・トロツキーがカナダ経由でロシアに帰ると、レーニンは金塊を満載したドイツ経由の封印列車でチューリッヒを発ち、ペトログラードへと向かう。つまりは世界の大富豪たちによって二人のボルシェビキ指導者が育成用意されたのであり、決してロシア民衆が彼らを呼び寄せたのではなかったのである。飢えに苦しむロシア民衆には革命に必要な金塊など用意できるはずもなかった。このことの真意はいずれ後世において明らかにされるものと信じたい。そして9年後、その効果が現れ始める。
1926年、ロックフェラー家からソ連共産党に貸し付けられた7500万ドルの資金は、ヨーロッパ市場へのソ連産石油輸出の締結といった形で使われると、ロックフェラー家のスタンダード石油(Standard
Oil Co.)とバキューム石油が独占契約を結ぶ。
1927年、ロックフェラー家のスタンダード石油はロシアに石油精製施設を建設。これをスタンフォード大学フーバー研究所のアントニー・サットン教授は次のように皮肉っている。
「我々は、その後この施設が共産主義者に没収されたことを聞いていない。ということは、ロックフェラー家が鉄のカーテンの向こう側で今も施設を所有し、スイスの秘密口座を通じて莫大な利益を得ていることを意味していないだろうか。もしそうだとすれば、ロックフェラー家は彼らの得た利益を株主配当や税金の形で減らさなくても済むわけだ」
革命の父ウラジミール・レーニンの本名はウラジミール・ウリヤノフ(Vladimir
Uliyanov)といい、その先祖は女帝エカテリーナの専属宝石商Ivan
Groschopfという成り上がり貴族であった。彼の兄アレクサンドル・ウリヤノフ(Aleksandr
Uliyanov)は皇帝暗殺の容疑で処刑され、それでも生き残ったレーニンの一族は、その最大の理由に姉アンナ(Anna
Uliyanova)の結婚相手がロマノフ家大貴族マルク・エリザロフ(Mark
Elizarov)だったことがあげられよう。
一方レフ・トロツキーの本名はブロンシュタイン(Leid
Bronshtein)といい、裕福な地主農家ダヴィッド・ブロンシュタイン(Davyd
Bronshtein)を父とする。母方のスペンゼル(Spentzer)家からは南ロシア最大の出版社を牛耳るモイセイ・スペンゼル(Moisei
Spentzer)と国立ユダヤ人学校の校長ファニィ(Fanny
Solomonovna)が輩出されている。トロツキーにとってはイトコになる。ソ連共産党指導者カーメネフ(Lev
Kamenev本名Rosenfeld)は彼の義兄にあたる。
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▲02/06/25 (火) ▼
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昨日は陰鬱な天気が心に反映したかのように訳もなく苛立っていたようだ。しばし反省。鼻歌まじりに庭木を眺め、子猫三銃士たちの無邪気に戯れる様子に心を傾けよう。そろそろチロのお産も間近のようで、腹に触ると羊水の中で何か動いているのが感じられる。
映画「レッド」その1
一昨日テレビで観た映画「レッド」(1981年)は主演&監督ウォーレン・ビューティの才能を堪能させてくれた。インターネットで関連サイトを検索すると、「世界をゆるがした七日間」著者ジョン・ジャック・リードの実話映画化との解説があった。正確には「世界をゆるがした十日間」であろう。この本は1917年11月6日のロシア「十月革命」に遭遇した米国ジャーナリストのジョン・リード(John
Read 1887-1920)が執筆したもので、ロシア暦では10月24日にあたることから「十月革命」とされている。その八ヶ月前にはペトログラードで飢えに苦しむ労働者たちのデモが勃発、これに賛同した兵士が加担して反乱となり、皇帝ニコライ2世(Nikolai
RomanovU1868-1918)の帝政は崩壊する。これが世に言う「二月革命」であった。これ以来、ロシアはソビエトと臨時政府の二重政権状態がつづき、そして11月7日、レーニン(Vladimir
Il`ich Lenin 1870-1924)の率いるボリシェビキが民衆の支持を獲得して臨時政府を打倒する。これより12年前の1905年、オデッサ湾で戦艦ポチョムキン(Potyomkin)の反乱が勃発しており、ロシア革命の火蓋を切った重要な事件となっている。【参照】今年5月23日の日誌
ジョン・リードは社会主義的雑誌「ザ・マッセズ」の編集に携わる関係からロシアに向かい「十月革命」を目撃することになる。彼は帰国後、アメリカ共産党の結成に奔走し、やがて再びロシアに渡って客死している。映画「レッド」はリードの生涯を忠実に再現しながら、誇張することのない巧みな演出効果で観る人を引きずり込んでいく。
1937年にバージニア州リッチモンドに生まれたウォーレン・ビューティ(Warren Beatty 1937/3/30-)は本名で、ハリウッド女優シャーリー・マクレーン(Shirley
MacLaine 本名Shirley MacLean Beatty 1934-)の弟にあたる。ウディー・アレン(Woody
Allen 1935/12/1-)1965年作「何かいいことないか子猫ちゃん」は彼のために書き下ろしたもので、ビューティは恋人を「子猫ちゃん」(プッシーキャット)と呼ぶ癖があった。しかし、プロデューサーが恋人レスリー・キャロン(Leslie
Caron 本名Leslie Claire M. Caron 1931-)を相手役に起用しなかったためにビューティーは降板、代わりにイギリス人俳優ピーター・オトゥール(Peter
O`Toole 1932-)が主演したというエピソードがある。ちなみにビューティーのプッシーキャットとしてはナタリー・ウッド(Natalie
Wood 本名Natasha Gurdin 1938-1981)が有名。
ナタリー・ウッドはロシア移民の舞台美術家ナタリー・グルディン(Natalie
Gurdin)とバレリーナ(Mariya Kuleva)の間に生まれている。彼女の結婚相手は俳優ロバート・ワグナー(Robert
Wagner)であったが、彼女が事故死した後には007ボンドガール役ジル・セント=ジョン(Jill
St.John)と結ばれた。1992年11月3日のアメリカ大統領選挙で若きビル・クリントンが大勝利を収めると、ハリウッドのプロデューサーのハリー・トマソンはクリントン夫妻を西部に招き、豪華なパーティで歓待している。その宴席で注目を浴びたのがロバート・ワグナーとジル・セント=ジョンのカップルだった。ロバート・ワグナーは裕福な鉄鋼業者の息子であったが、一方のジル・セント=ジョンは本名をジル・オッペンハイム(Jill
Oppenheim)といい、デンマークの億万長者Curt
Reventlowの御曹子Lance Reventlowと結婚していたこともあり、かつてはキッシンジャー国務長官のパーティ同伴者としてゴシップの種にもなった。彼女にとっては役柄のボンドガール以上に刺激的な人生を満喫しているようである。彼女の前夫Lance
Reventlowはデンマーク大富豪Curt Reventlowとバーバラ・ハットン(Barbara
Hutton)の間に生まれたが、そのバーバラ・ハットンの祖父フランク・ウールワース(Frank
Woolworth)が、かつての世界最大小売店「ウール・ワース」の創業者だった。そして、その重役椅子に座っていたのがヒラリー・クリントンという女性で、1992年に夫クリントンをアメリカ大統領にまで押し上げるのである。
【視聴予定】
■19:30-20:00 NHK総合 クローズアップ現代
不審船・暴かれた武装の実態
■21:15-22:00 NHK総合 プロジェクトX「黒四ダム断がい絶壁の難工事」 大まむしの決断▽大発破さく裂・再び
■21:54-23:10 テレビ朝日 ニュースステーション
首都ソウル熱気最高潮ドイツ VS 韓国準決勝は▽復興アフガン新たな資源戦争?大国の思惑カルザイ大統領の隠された経歴… |
▲02/06/24 (月) ▼
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曇り空の陰鬱な日が続いている。引渡し日の今日、やるべきところと、やってはならない部分の二箇所にクレームがついた。また引き取りに来るのは面倒だということで、その場で急遽修復することになる。ここで私の精神的持病であるところの短気が噴出しそうになる。内心『クレームをつけるほど妥当な単価を出しているのか!』と思いつつ、同時に『ここでキレたら最後だ』という思いが交差していた。自分のミスを指摘されて短気を起こすほど、オレはプロ意識が欠如していたのか?との自問自答が短気を踏み止まらせている。一時間の猶予はほしい修復作業を、30分以内に完了させたい監督の意向・・・この無理を臨機応変で何とかクリアする。このへんは長年培ってきた建築現場での体験がものをいう。高所作業での監督の無謀ともいえる指示は、一歩誤れば命を落とすことになる。今やっている仕事は建築とは畑違いの金属分野だが、それに賭ける心は建築と同様に命がけであることに変わりはない。この真剣勝負に待ったは効かない。零細な町工場での孤独な作業の中にも、仕事に対する真摯な取り組みがあるのだ。自分の昂ぶる心を静める必要もあって、ひと区切りついたところで監督にコーヒーをすすめる。談笑しながら、それとなく我が社の苦しい台所事情などを説明する。今の仕事が続いているのも、完成度の高さを求めながらも安価にしてほしい親会社の要望を受け入れているからだ。今の三倍の単価でなければ採算が取れない、というのが業界の一般認識である。こうした雑談も監督の口から社長へと伝わっていくだろうことを推察し、運命共同体としての親会社へ探りを入れる。いつ切って捨てられるか知れない下請けとしては、それこそ親会社の意向が命運を分けることになる。これまで幾度となく裏切られてきた体験が、自分をして疑い深い性格に変えてしまってきたことも否めない。それでも、自分が疑心暗鬼に陥ったときには「信用する」方を選ぶことにしている。それでないと、人間なんかやってられない。完成品の引渡しと同時に、次の仕事の対象物であるベースも工場内に置かれている。納期は来週の月曜、たった一人の孤独な戦争が待っている。
【視聴予定】
■19:30-20:00 NHK総合 クローズアップ現代
食品に違法香料・回収の背景
■20:00-22:18 テレビ朝日 インド洋6000キロ!謎と冒険とロマンを求めて
▽驚異・イエメン砂漠が濁流?▽世界最古の天空摩天楼都市に潜入▽神秘の島マダガスカルの不思議世界と秘儀▽インドネシアとアフリカを結ぶ奇跡の風▽人間って…すごいなあ……小林薫
■23:50-24:00 NHK総合 読む 中東情勢と石油 |
▲02/06/23 (日) ▼
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昨日から俄かに火山性地震が頻発している浅間山だが、急遽「火山動向・浅間山」を作成した。左に地図、右に関連データを表示するスタイルを定着させていきたい。中東情勢紛争地図などでは、変化が起きるたびに地図画面の中に写真やデータを貼り付けていたが、それだと手間がかかり過ぎて変化に対応できない。それなら読者が自分でデータを元に地図を参照したほうが良いと思った。まだまだ改良の余地はあるが、読者の役に立ててもらえば嬉しい。願わくばアイデアなどメールして頂ければ幸いである。
今日は仕上げという時に、初歩的なミスに気付く。使用機器の手入れを忘れていたのだ。仕上げには硬化剤を使うのだが、機器の洗浄を忘れると材料が中で硬化してしまう。冬においては一日放置しても硬化しなかった材料が、夏は乾燥が早く硬化してしまうのだ。このことを考慮しなかったために、材料が機器の内部で硬化してしまい、部品を分解しての洗浄をしなければならなくなった。かくして機器内部を洗浄し、何とか仕上げは完了した。明日の納期を控えて、これ以上の補修は出来ない。道具の手入れは仕事以前の問題だ。この教訓を肝に命じるべし。
途中、友人Kより「体は大丈夫か?」との気遣いの電話を受ける。鼻呼吸で乗り切ったことを説明、病気がちなK自身も興味を持ったらしく詳しい説明を求められる。完治とはいかないまでも、以前よりはだいぶ楽になったことも確かだ。過信を戒めながらも、効果の程度を推し測りかつ実践していこうと思う。機械は修理すれば直るが、人間の体は一旦故障すれば元に戻すことは困難になる。生きものとしての自分の体を考える。この世に生を受けて授かった肉体を神様に返すその時まで、健康を維持していく責任が人間にはあるのだ。返却納期までの寿命があといかほど残されているかは知らないが・・・
【視聴予定】
■17:30-18:24 TBSテレビ 報道特集
議員逮捕で永田町は▽消える薬草▽女形復活
■21:00-21:50 NHK総合 スペシャル「アジア古都物語」
(06)京都の地下に眠る巨大水がめ▽水の都・平安京CG復元
■23:00-23:30 テレビ朝日 地球号「夜明けの町」
▽南インド
■23:30-24:00 TBSテレビ 世界遺産
アンデスの黄金都市 |
▲02/06/22 (土) ▼
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昨夜のテレビ番組「銀幕の伝説グレタ・ガルボ」で興味深かったのは、日本軍による真珠湾攻撃(1941年12月8日)に際してハリウッド内でも外国人追放が起こっていたことである。映画会社がスパイを恐れてのことだったが、グレタ・ガルボ(Greta
Garbo 1905-1990 本名Greta Lovisa Gustafsson)も例外ではなく、MGM創業者ルイス・B・メイヤー(Louis
Burt Mayer 1885-1957)によって故郷のスウェーデンに帰されている。皮肉なことに、当時はグレタ・ガルボもスパイとは何ら関係はなかったが、のちに彼女の北欧生まれという経歴がアメリカ情報部の興味を引くことになる。ナチスの原爆開発に従事させられていたデンマーク物理学者ニールス・ボーア教授の救出作戦に、彼女はその脱出ルートをつくるために利用されたのである。利用されたというより、彼女のヒトラー嫌いからすれば進んで協力したことになるだろう。つまり、ハリウッドの大女優グレタ・ガルボは同盟国のスパイとなったわけである。彼女はナチスの占領下にあったノルウェーとデンマークの地下に極秘の連絡ルートをつくるよう指示されていた。やがてボーア教授はストックホルムのガルボの協力者によって保護され、スコットランドに脱出すると、「スクリーン以外ではとても遭えないと思っていた」大女優グレタ・ガルボの祝杯を受けている。その後、ボーア教授はアメリカの原爆開発マンハッタン計画に参画、その原爆が日本に落とされることになる。これらの事実も昨夜の番組では一切触れてはいなかったが、彼女自身がMGMによって追放された後、オナシスやロスチャイルドといった世界的な大富豪と交遊していた事実は、その関連性を暗に示唆しているようで興味深いものがある。
仕事も最終段階に入り、神経がピリピリしている。修復つもりが、新たなトラブルを生んでしまうことも多い。これで完璧だと納得せぬかぎり、手直しが延々と続くことになる。どこかで見切りを付けなければならないのだが、さっきも手直し中に新たなトラブルが生じてしまった。完全乾燥しないうちは修復もできず、結局は明日に持ち越すこととなった。こんなときに限って白猫チロが工場内を素通りして、交通量の激しい旧国道に飛び出したりする。それを追いかけては家の中に帰したりしているのだが、これでは仕事に集中できるはずもない。家に入れば子猫三銃士たち合わせて九匹の猫族たちが擦り寄ってくる。時に安らぎを覚えることも確かだが、今日のように仕事の邪魔になると煩わしくなる。納期まで時間的な余裕はある。新品のオービタルサンダーも届いた。仕事は順調に進んでいる、と自分で自分を納得させて今夜はビールを飲んでしまおう。採算ペースで言うなら約一日で仕上げなければならないところだが、技術のレベルを上げるのが先決だ。それまで会社を持ちこたえることが出来るかどうか?日本国内の景気の動向が気になるが、調べても壊滅的な経済状況しか見えてこない。特にNECと富士通の連結余剰金は今期も各1000億円のマイナスとなることが予想されており、これからさらに深刻な事態を招くことは避けられないだろう。去年初頭あたりで第三セクターの負債総額も13兆5,000億円にのぼっている。大変な事態が迫ってきている。ワールドカップで熱狂した若者が「ニッポンは負けたけど僕達に希望を与えてくれた。ニッポンに生まれて良かった」と涙を流していたのをテレビで見たが・・・そのニッポン国の現状を考えると、私は別の意味で涙を禁じえなくなる。膨大な国の借金を先送りにしたまま、その負の遺産を若者たちに平気で託せる大人たち・・・この国のかたちは消滅してしまった。
【視聴予定】
■18:30-20:24 テレビ朝日 北野武の色彩大紀行 真実の色を求めて…▽人類と色の美しい物語に世界の北野が迫る▽色彩は■ことばを超えるアフリカ奥地で出会った色の民▽よみがえる古代ローマ至高の紫▽池脇千鶴が時空超えた色彩の冒険
■21:00-21:50 NHK総合 スペシャル「エンロン破たん・アメリカがおかしくなっている」 繁栄の裏のぎまんの数々
■21:50-22:30 NHK総合 地球に乾杯「三国志街道をつくれ」
中国・歴史ビジネス最前線の泣き笑い
■23:00-23:30 NHK教育 ビジネス塾 |
▲02/06/21 (金) ▼
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早朝深夜にかけてどしゃ降りの雨音をしていたが、夜明け頃には雨も止んで太陽が昇ってきた。庭木の枝葉の隙間から射し込む朝日が縁側の廊下を照らし、その日溜りに白猫チロが横たわっている。チロの真っ白い毛並みが朝の太陽に映えて、そこのところだけが別世界のように眩しく浮き上がっている。何気ない朝の光景が、今日は何故か新鮮に心に染みてくる。そんな中、いつものように妹が出勤してきて、我が社の苦しい会計報告といういつもの洗礼を受けている。人間社会の現実という地獄の洗礼だ。そこから逃れるように工場に向かう。一心不乱に仕事に打ち込むことでしか今の私には自分を維持できないのだ。利益の限界まで単価を叩かれ、それでも仕事があるだけマシだと自分を納得させている。薬師寺再現のために千年釘を打ち込む白鷹老人のように、自分が今手がけている仕事が時代を超えて残っていくという信念を沸き立たせている。単調な作業の繰り返しに「千年釘、千年釘・・・」と呪文のように呟きながら。【参照】千年釘(2000/7/13の日誌)
夕方までに仕上げの段階に入る。最終的な仕上げは明日やることにして、今日は普通に仕事を終えることにした。途中、購入したばかりのオービタルサンダーが故障、販売元に修理を依頼したら「すぐ替わりのサンダーを送る」という。対応の早さに感心する。これからは優先的にこの会社のものを購入することにした。仕事を終えて持病の足の痛みが軽減したことに気付く。いつもなら立てないくらいに痛むのだが、今は多少痛むものの平気で歩いている。これも鼻呼吸にしたことで血行が良くなったためかも知れない。体調も心なしか良くなったようで、何事にも積極的に取り組めるようになった。やる気が出てきたというか、数日前の疲労感が嘘のように無くなっている。そこで思い出したのが東京医科歯科大学の堀口申作名誉教授で、彼は「人間の鼻から喉の奥の部分(鼻咽腔)に諸病の原因があって、そこを治療すれば多くの病気が治る」という研究をしていたことであった。鮭が故郷の川に戻ってくるというメカニズムも、私には鮭の鼻の奥にその秘密が隠されているように思えるのだ。これらの謎が解明されれば多くの難病解決の糸口となるかも知れない。また、そうあってほしい。
【視聴予定】
■22:00-22:45 NHK教育 地球時間「銀幕の伝説グレタ・ガルボ」
謎に包まれた大女優・真実の姿は
■23:00-24:10 NHK教育 金曜フォーラム
ベネトンと語る・地方都市活性化の道
■24:30-24:40 NHK総合 読む 構造改革再点検 |
▲02/06/20 (木) ▼
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昨日はさっそく仕事に取りかかったものの、急に目眩に襲われ、そのまま休むことになってしまった。数日前から目眩の徴候があり、眠りも浅い日が続いていたのだ。仕事をしようにも真っ直ぐに歩くことが出来ない。休みながらも少しずつ作業を続行していたが、仕事に集中できない焦りで精神的にも参ってしまった。そんなところに友人Kから電話、事情を説明すると「すぐ病院に行け」と叱られた。しかし私が仮に入院するようなことになったら誰が今の仕事をやってくれるのか?借金で生活している今、入院費を払えるわけもない・・・などなど、最悪な考えばかりに囚われる。体を休ませながらも、一向に目眩が治まらぬ原因を探っていたが・・・ふと、思いあたることがあってインターネットで対処法を検索した。私の父がよくイビキをかいていたことを思い出したのである。私の眠りが浅い原因もそこにあり、目眩の元凶ともなっているのではないか?自分ではイビキをかいている自覚はなかったが、睡眠中とあって気が付かなかっただけではないか・・・かくしてイビキは口呼吸で起こり、鼻呼吸をすることで治ることも知った。入眠時に口をテープで塞ぎ鼻呼吸を誘導する方法を実践してみた。そして深い眠りから目覚めた今、あれほど私を苦しめた目眩も治っている。しばらくテープで口を塞ぐ睡眠法を実行していこうと思う。昨日注文した材料もそろそろ届く頃である。仕切りなおしの戦闘開始だ。【参照】
鼻と口では大違い! 口呼吸の恐ろしさ
目眩で休んでいる間ぼんやり庭を眺めていたが、庭の緑が心に染み入るような感覚に癒されていた。お釈迦様が涅槃に入られたとき傍らにあったと伝えられている紗羅双樹(さらそうじゅ)、その蕾から次々と白い絹のような可憐な花が咲いては散っていく。橙色に熟したビワの実、日増しに大きくなっていく何百というキュウイの卵状の実の羅列、真っ直ぐに天に昇っていくようなカリンの木のその枝には、半ば赤くなったカリンの実が大空を背景に見え隠れしている。地面にはドクダミが生い茂り、花と間違えられる白い総苞片が満開だ。紗羅双樹の根本には、小さな青紫色のタツナミソウも鈴なりの顔を覗かせている。「コンニチワ、今年モ咲イタヨ」・・・そんな囁きが聴こえるようだ。みんな生きている命だ、友だちだ・・・昨夜、友人Kが「俺たち人間にもっとも適している職業は何だと思う?」との問いに私は、即座に「農業しかないだろう」と答えたが・・・友人も「同感だ」と嬉しそうに言いながら、田舎の山奥で畑を耕す夢を語ってくれた。自然の中で生きていくということは、その自然の中で死んでいくということでもある。冬の眠りから覚める春の芽生えと、夏に咲き誇り秋に結実する植物たちの季節の営みに、人間の生涯を重ね合わせるようにして生きるということ・・・時空を超えた季節の繰り返しにあっては、死んだ父や母も蘇えってきてもおかしくはない夢想に浸っている。
【視聴予定】
■21:15-22:00 NHK総合 にんげんドキュメント「人生のお願いききます」
老人病院の試み▽小さな希望が生きる支えに
■22:00-22:45 NHK教育 ETV2002「マスード敗れざる魂」
長倉洋海が見つめたアフガンの20年間
■23:50-24:00 NHK総合 読む 銀行統合の死角 |
▲02/06/19 (水) ▼
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そろそろ次の仕事が入ってきてもいい頃だが、今のところ仕事なしカネなし、暇だけがたっぷりある膠着状態になっている。暇があるとは言っても、人間の寿命のことを考えると時間の無駄遣いになってしまう。さらに仕事がなくても生活はしていかなくてはならないわけで、蓄えも底を尽いたら借金して生活するしかない。政府は今年3月の時点で完全失業率を5.2%と発表し、去年11月から比較して0.3%減少したとしている。しかし、我が地元でも職安には人が列をなし、減少どころか増加しているとしか思えない。これには政府が実際の統計に架空の数字を用いる「季節調整」という手法がとられているからだと言われている。こうして政府は失業者の数を誤魔化してまで「景気の底入れ」を演出しているのである。完全失業率が5.7%379万人(2002年3月時点)として、これを政府は季節調整して5.2%353万人としているわけだから26万人を消したことになる。こんな小細工をしたところで失業が減るわけないのは当たり前だが、実際には公式発表されている失業者数の三倍が本当のところではないか、とされている。参照、恐怖の失業率、1日1万人が失業している!
今、次の仕事が入った。納期は来週の月曜日、しばし監督と話をする。壊滅的な日本経済の状況をウラ資料を元に説明、ことの深刻さに監督も唖然としていた。監督が部分的な追加作業を指示してきたが、単価据え置きのままでは余計な負担になるだけだ。出来ない相談は丁寧にお断りすることにしている。何はともあれ、仕事が入った以上戦闘開始だ。
【視聴予定】
■21:15-22:00 NHK総合 その時歴史が動いた
日本の改革をめざした総理大臣原敬・暗殺の悲劇▽謎の脅迫状▽妻の言葉
■22:00-22:45 NHK教育 ETV2002「型破り技術者の新産業論」
大企業をやめた冒険者たち実力で立つ |
▲02/06/18 (火) ▼
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時々このページを読み直していて誤字脱字のみならず、勘違いしたまま書いてある箇所もあって、その都度訂正しているものの赤面の至りである。出来るだけ事実に基づいて書くことを心がけているが、それらをベースに推測する場合も多々ある。その推測が後に的を得たものでなかったにしろ、その時はそう推測したのだから、そのまま訂正することなく残したいと思っている。特に私の場合、思春期に学業をエスケープした者として、基本的な学力そのものが欠落している。それを補うための辞書引きという習慣が今でも続いている。誤りは訂正していきたいと自分を戒めてもいる。事実認識という点でも、何をもってそれを事実と断定できるのか?といった問題もあろうが、とりあえず根拠となる情報源だけはいつでも提示できるようにしてある。反面、事実にそれほど囚われない創作も多用していくつもりである。つまりは型に嵌らない、自由意志の発露みたいなところで、ときに理解不能な散文詩的な曖昧さも必要だと・・・捕らえどころのないフワフワした心のようなもの・・・虚々実々、好奇心の旺盛さで酔いしれながら夢想の世界に浸ってみたくなる。
昨日の朝、突然訪れた元従業員が、子猫三銃士を見て「ありゃ、ついに産まれたんだ!」と驚いていた。「驚くのはまだ早いぞ」と、腹の大きくなったチロを指さすと、「猫の動物園でもやるつもりなの?」と目を丸くして呆れていた。妹も「何だか恐くなった」と真顔で心配している。ここは猫の楽園なんだ。生きものの楽園と言っていい。台所にはゴキブリもいるぞ、虫も殺せない人間とはオレのことを言うんだ。オレが死んだら土の中に埋めてくれ。そうすれば虫たちがきれいに掃除してくれるはずだ。そんな虫を殺せるか?最近の奴らは虫とみれば毛嫌いして殺虫剤で平気で殺してしまうが、この地球上から虫がいなくなったら人類は間違いなく絶滅する。本当の害虫とは人間のことを指すんだ。戦争は起こすし、地球は汚れる一方だ・・・こうなると感情が昂ぶって止まらない・・・逃げるように退散する元従業員を見て、やっぱりオレは「変人に思われている」のかな?と思うのであった。ここで肝要なのは「変人なのかな?」という自己懐疑ではなく「そう思われているのかな」という他者への問いかけである。自然人の私としては、自然とは反する生き方をしている大多数こそが変人なのであり、非常識なのだから・・・オレとって自分は至ってノーマルな人間なのだ。
先月末だったか、例の同業者から電話がきた際「馬券当たって喜んでいる小泉のニュース見たか?俺たちが今日の食事にも事欠いている最中に、総理大臣が馬券的中して大喜びしてるんだぜ・・・おかしいと思わないか?俺、この国が情けなくなっちゃったよ」と言っていたことを思い出した。小泉総理が観戦したのは先月26日の69回日本ダービーのことであろう。この頃、米英仏の首脳たちは印パでの緊迫した核ミサイル対峙に緊急会議に入っていた。以下、印パ紛争でのニュースタイトルだけを抜粋する。
5/27-印パ、数カ所で衝突、7人死亡
5/27-インド軍のシナリオは限定攻撃 現地有力誌報道
5/27-パキスタン大統領が27日夜演説、国内結束訴えへ
5/27-印パ緊張で豪が退避勧告
5/27-パキスタン:核実戦配備か 兵器用ウランの生産を加速
5/26-カシミールで砲撃、印パ双方の住民に死者
5/26-英が印パ両国に武器禁輸
5/26-パキスタンが再び発射実験 短距離ミサイル
5/25-パキスタン大使がインド出国
5/25-ミサイル発射実験:「戦争準備出来ている」 パキスタン大統領
5/25-パキスタンがミサイル実験
5/25-印パ「非常に危険」と米国務長官
5/25-核先制使用はパキスタン 生存窮地の選択肢
5/24-「印パに核戦争の可能性」 英軍が対応策検討
特に小泉がダービー観戦する前日25日は、核戦争も起こりかねない非常に緊迫した状況だったことが分かる。世界で唯一の被爆国ニッポンを預かる指導者が、この時、馬券的中に小躍りして喜んでいたのだ。この小泉という人間の脳細胞はどうなっているのだろうか?遅々として進まない彼の「構造改革」も、彼の三年前の次のような言葉を思い出すとき、背筋が寒くなってくる。「日本人は、後は滅びるしかないところまで転落しないと分からない国民だ。
改革なんて出来る訳がない」・・・こういう男が国民の熱狂的支持率90%で総理大臣となり、いまや30%の支持率に転落したとはいえ、まだ今も総理の椅子に座っているのだ。このことの意味を、私は彼のタカ派的発言と共に最も危惧するものである。彼の言葉を借りて言わせてもらう「滅んで欲しいのはアンタの内閣そのものだ」と・・・それでないと日本国民が滅んでしまうことになる。全ての主権は国民の側にあり、その国民を蔑ろにするような指導者は去ってもらおう。真の主権者たる国民が総理への支持を放棄した今、このへんで野党一致団結して国民の意向を実行に移すべき時ではないのか。それも早急に・・・取り返しのつかないことになる前に・・・ |
▲02/06/17 (月) ▼
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ハワード・ヒューズの誘拐監禁事件について、その大物黒幕の実名も囁かれてきている。それが奇しくもJFK暗殺事件にも間接的に関連した人物であり、これらが真実とするなら、我々は世界が途方もない特権的な闇の勢力によって支配されていることを自覚すべきあろう。まさか?と思われる向きには、JFK暗殺の直後に国防省の電話網が全面不通に陥ったことや大統領専用機の暗号コードが無くなっていたことを想起されたい。権力の魔性は、それを行使するために手段を選ばないことで見抜くことができる。日本が世界でも類をみない最大負債国に転落した今、それらの背景にある世界金融システムの仕組みもまた彼らによって助長していったことを、再検討する必要がある。連邦準備銀行法案が1913年12月22日に可決された時、チャールズ・A・リンドバーグ議員は何と言ったか?彼はこう言って特権的勢力『見えざる政府』の台頭を警告したのだ。
「この法案は史上最大のトラスト(国際金融資本連合)によるアメリカ支配を確立するものだ。大統領がこの法案を承認すれば、『見えざる政府』の巨大な資金操作が、法律で合法と認められることになる。これは形を変えたオルドリッチ法案である。こうした新しい法律が承認されれば、国際的な銀行家たちは、いつでも彼らの望むときにインフレを演出し、彼らの利益も思うが侭に作り出せることになってしまう」
民主主義の勝利とも言われた連邦準備銀行法とは、実際にはそれによって富める者にさらに利益を集中させ、民主主義の恩恵を受けるべき大多数の人々の財布を空っぽにさせる悪法であったことを・・・89年も前にリンドバーグ議員は予告していたのである。連邦準備銀行法とはまさにオルドリッチ法案そのものであった。表面上はモルガンやロックフェラー財閥など大富豪の不正を批判するよう装いながら、実は大統領の権限をも凌ぐ強力な権力を手にすることで、結局のところ彼ら大富豪配下の銀行家たちが君臨することになるのだから。こうした偽装戦略も、提案者オルドリッチの背後の国際資本家たちの影を見てとった民主党によって阻まれる。そこで予てから「連邦準備制度」という名称を唱えてきた富豪パウル・ワールブルクの案が再浮上し、「ウォール街の権力を民衆の手に取り戻す」といったさらに強力な偽装戦略でもって騙しにかかるのである。この時、彼らは1912年の大統領選挙にウッドロー・ウィルソンを立て、民主党懐柔戦略の旗頭として偽装したオルドリッチ法案「連邦準備銀行法案」を打ち出していく。それも当の銀行家たちがこの法案に反対するといった手の込んだ偽装ぶりで、ウッドローが晴れて大統領になった1913年、連邦準備銀行法案は可決され、それによって今日までFRB(連邦準備制度理事会)が国際金融市場に君臨してきたことは衆知のとおりである。
ウッドロー・ウィルソン大統領(1913/3/4〜1921/3/4在任)
1916年の大統領選挙でロックフェラー家から資金を得てPR映画『シヴィライゼーション』を制作する。モルガンと盟友のデュポンと組んで「メキシコ反革命」を工作、第一次大戦中に兵器輸出と融資を、大戦後に欧州融資をモルガン商会に託す。国務長官のベインブリッジ・コルビー(モルガン家の弁護士)と法律事務所を経営。ウィルソンが大統領に就任して以来、アメリカ国家債務は10億ドルから1兆ドルに急増した。この膨大な累積赤字の利息は毎年500億ドルを超え、彼らのFRBの資金操作によってドルの乱発とインフレを招いた。
そして14年後、アメリカ国民の気持ちを高揚させるための演出がモルガン家によって画策され、それは1927年5月20日に実行に移される。この一大偽装戦略構想に最も効果的なのは国民的英雄を創作することだった。ひとりの若者が大西洋横断飛行に挑戦すると、USスチール協会の夕食会ではその会長が「リンドバーグために祈りを捧げよう」と叫び、集っていた全員が黙祷していた。翌日に無事大西洋を横断したリンドバーグ(Charles
Augustus Lindbergh 1902-1974)という青年に待っていたのは、熱狂的なアメリカ国民の歓迎であり、ここにモルガン家の演出は大成功を収める。マスコミはリンドバーグのフィアンセ「アンヌ」とのロマンスを大々的に書きたて、そのアンヌの父親ドワイト・ホイットニー・モローが「J・P・モルガン商会」の共同出費者であることなどには露ほども触れなかった。モルガンが株売却に特権を与え利用してきた協力者リスト「モルガン商会特権者名簿」にはリンドバーグの名が連なっていることも・・・アメリカ国民の英雄を称える熱狂に掻き消されていった。
我々はここでもう一度「連邦準備銀行法案」が始めて可決された14年前に遡る必要がある。なぜならその悪しき法案を痛烈に批判していた人物と14年後の国民的英雄が同姓同名であるからだ。これは偶然だろうか?調べてみれば、彼らは親子であるという。真偽のほどは分からないが、仮に親子となれば、後の国民的英雄であるところの息子リンドバーグは「彼ら」の懐柔戦術のターゲットになった可能性が出てくる。父親への復讐を、その息子を懐柔して味方にしてしまうことで果たしたのではないか。ちなみに英雄リンドバーグも四年後にはまだ幼い長男の誘拐殺人事件という不幸に見舞われる。やがて容疑者は死刑となり、これが後に子女誘拐犯に死刑を科す「リンドバーグ法制定」となっていくのだが・・・この事件には謎が多く、冤罪の可能性が濃厚である。いずれ機会があればまとめてみたい。
かくして連邦準備銀行法案が承認されてから16年後、1929年10月24日、あの忌まわしい運命の日「暗黒の木曜日」が起こる。大恐慌である。当初はロックフェラーやモルガンも大被害を受けたはずだったが、それもまた彼らの得意な偽装戦術の一環にしか過ぎなかった。暗黒の木曜日以後、彼らは奇跡的な復興(?)を成し遂げ、現代の価値に換算しておよそ450兆円の総資産が集中していた。ロックフェラーが280社を支配すれば、モルガンは444社を支配するといった具合に・・・形を変えたオルドリッチ法案がここにきて最大の効力を発揮したのである。
【視聴予定】
■19:30-20:00 NHK総合 クローズアップ現代
なぜ起きたW杯チケット問題
■21:00-21:54 テレビ朝日 たけしのTVタックル
男に政治は任せられぬ女性国会議員が総決起田嶋&女傑軍団に逆襲ハマコー喝
■22:00-22:45 NHK教育 ETV2002 ベストセラー・100人の地球村▽池沢夏樹が読みとくメッセージ |
▲02/06/16 (日) ▼
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キャサリンが若き大富豪ハワード・ヒューズ(Howard
Robards Hughes 1905-1976)と出会ったのは、1935年作「男装」の撮影中のことであった。ヒューズはキャサリンに会うため自家用飛行機でやってきては、やがて意気投合し同棲生活に入っていく。しかしハリウッドでのキャサリンの出演作は悉く失敗「客を呼べない女優」とまで中傷される。そして彼女が31歳の時、ヒューズとのロマンスに終止符を打つ。それから六ヵ月後、キャサリンは1939年3月ニューヨーク初公演「フィラデルフィア物語」で大成功を収め、今度はその映画化に奔走するがうまく事が運ばず、そこにヒューズが再び現れ彼女のために映画化権を購入してプレゼントする。こうしてキャサリンは再びハリウッドの大女優として返り咲く。
ハワード・ヒューズについては私も以前から興味を抱いていたが、晩年においては麻薬中毒者として爪を伸ばしたままの幽閉生活という異様な結末に、どうも納得のいかないところがあった。18歳にして父の遺した莫大な財産を裁判で勝ち取り、若き経営者として手腕をふるってきたヒューズが、その晩年において麻薬中毒患者として最期を迎えること自体奇妙なことだった。彼のミステリアスな晩年の謎に、少しずつではあるが、その信じがたい真相(?)が漏れ始めてきている。1976年に死亡したとされるヒューズは、実際の死亡日は五年前の1971年4月18日だったという奇怪な話があるのだ。彼はある組織に誘拐され、二人の替え玉が重要な役割を演じていたと言うのだ。替え玉についてはヒューズ自身、マスコミの追及を逃れるために彼とソックリなハリウッド俳優ブルックス・ランドールを影武者に使っていた。前述のキャサリンとの同棲生活でもヒューズはしつこくマスコミに付きまとわれていた。この影武者ランドールに加えてもう一人、L・ウェイン・レクターという替え玉も用意され、かくして本物のヒューズは監禁されたという。これらの証拠については公文書、上院記録94-465「外国首脳を含む殺人計画嫌疑1975年11月20日」74頁が参考になるらしい。すでにこれらの情報には黒幕の実名も記されているが、奇妙なことにJFK暗殺事件と同じようにマスコミ関係者は殆ど関心を示していないようだ。たった一度だけ、1971年1月28日付け「ロサンゼルス・タイムズ」が、「ヒューズの署名を真似るための複製プログラム」の存在を暴露したことがあった。この点を突破口に調査していけばヒューズ誘拐事件の是非も分かるはずなのだ。仮にヒューズが健在とするなら、どうして署名を複製する必要があるというのだろうか?替え玉がヒューズに成りすますためには必要だということは理解できるが・・・いずれにせよ、我々凡人には気色悪いSF伝奇小説のような話だが、これらが決して妄想の所産だと言い切れない断片的な証拠があるところに、想像を絶する現代社会の暗黒もまたあるのだろう。
ハワード・ヒューズの写真を集めてみた。替え玉という仮説を想定して見るとき、どれが本物か見分けることは困難だが、微妙な違いも表情から読み取ることが出来るかも知れない。撮影された年代も不明。 |
▲02/06/15 (土) ▼
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昨夜のNHK教育テレビ「地球時間」ではキャサリン・ヘップバーン(Katharine
Houghton Hepburn 1907-)が登場していたが、私は映画「旅情」で晩年にさしかかった彼女を見たのが始めてであった。この時の第一印象で彼女強情で気の強い性格を見てとったものだが、実生活でもそのようであったらしい。「強情、独立心、自信」という三つが彼女の育ったヘップバーン家の美徳だそうだが、そうした尊大さはスクリーンに映し出された女優としての彼女からも伝わってくる。私個人は謙虚さが感じられないこうした女性はあまり好まないほうだ。
彼女が13歳の復活祭の日、兄トム(トーマス)と共にニューヨークの知人に招かれる。ブロードウェイ見物をした夜のこと、トムは彼女に「きみはボクの恋人だ。世界中で一番大切な女の子だよ」と言い、翌朝には屋根裏部屋で首を吊ったトムの姿が発見される。別の資料によれば、この日の二人は、芸人が縄で首を巻くというトリック・シーンの芝居を観ていたという。これらを考え合わせると、芝居を見た余韻から首を吊るという真似をしていての事故だったのではないか?との仮説も成り立つ。思春期の二人が興味本位で自殺の真似事をして事故に至った、と想像するほうが自然だ。思春期での死への好奇心は誰にでも思いあたるだろう。彼女自身の回顧では「この時のショックは大変なもので、兄を絶望から救えなかったことを後悔しつつ、自分が兄の代わりに妹や弟の面倒をみた」ことになっている。1907年11月9日にコネチカット州ハートフォードの裕福なヘップバーン家の長女として生まれた彼女キャサリンにとって、その後の人生にも経済的な困窮に苦しんだ形跡はみられない。
その彼女の最初の夫となるのがフィラデルフィアの名士ラディで、彼が舞台女優を目指すキャサリンを経済的にも支えている。ラディはキャサリンの演技を盲目的に褒め称え、キャサリンはそれをいいことに浪費の限りを尽くしている。1932年、最初のチャンスが25歳の彼女に巡ってくる。ニューヨーク公演「モリアーズ・ハズバンド」でボーイッシュな美人役を得たキャサリンは、ハリウッドのジョージ・キューカー監督の抜擢で次々と映画に出演し、憧れのハリウッド・スターの道を歩み始める。そして1934年、映画「勝利の朝」(MORNING
GLORY)でキャサリンは27歳にしてアカデミー主演女優賞を獲得する。その後、彼女は三つのアカデミー主演女優賞を得ているが、そのいずれの授賞式にも出席することはなかった。これも番組では単に「人前に出ることを嫌う」キャサリンの性癖で済ませているが、これが何度も度重なると頑なにさせている本当の理由が知りたくなる。ために授賞式に出ることで「賞を逃がすんじゃないか?という恐怖心」が出るため、といった憶測も乱れ飛ぶことになる。映画では「勝気だが実際にはやさしさを兼ね備えた健気な女性」を演じながら、キャサリン自ら言う「やさしさなど微塵もない素顔」を知られたくないためであったかも知れない。私にはこうしたマスコミ嫌いの根底には、兄トムの謎の死が潜在意識としてあるような気がする。
やがてキャサリンとラディの結婚生活は終わりを告げ、彼女が29歳の時には後に有名な大監督となるジョン・フォード(John
Ford 1895-1973)に惹かれている。これまでの男性遍歴の中では唯一「自分の思い通りにならない男」として、キャサリンはフォードの存在感に圧倒されたのである。彼女とフォード監督の愛人関係について、彼女はあくまでプラトニックなものとしている。ジョン・フォードが西部劇映画の大御所ならば、東にはサムライを世界に浸透させた我がニッポンの黒澤明監督がいる。そのジョン・フォード監督が来日して、黒澤監督の撮影所を極秘に訪れたことがあった。この時、黒澤監督は「虎の尾を踏む男たち」の撮影中で、通行人の流れを指示していた。あとでフォードが再来日した折り、この二人の監督は小用トイレで並んで談笑したというが、葉巻を咥えながら呵呵大笑するフォード監督の様子が目に浮かぶようである。ちなみにフォード監督の本名はSean
Aloysius O`Feeneyで、娘のバーバラ(Barbara
Nugent Ford)がヒッチコック監督映画「見知らぬ乗客」での殺人依頼者役ロバート・ウォーカー(Robert
Walker 1919-1951)と結婚した。そのロバートの前妻がウィリアム・ホールデンの「慕情」やモンゴメリー・クリフトの「終着駅」で共演した大女優ジェニファー・ジョーンズ(Jennifer Jones 1919- 本名Phyllis Isley)であった。そしてそのジェニファー・ジョーンズの再婚相手がハリウッド大物プロデューサーにしてMGM大御所デヴィッド・O・セルズニック(David
Oliver Selznick 1902-1965)なのである。セルズニックについては先月5月27日の日誌で詳しく書いているように、MGM創業者ルイス・B・メイヤー(Louis
Burt Mayer 1885-1957)の娘婿だった男だ。
キャサリン・ヘップバーンについてはまだ書きたいことがあるが、長くなるので次回に譲ることにする。特に彼女と大富豪ハワード・ヒューズの関係では、ヒューズのミステリアスな最後にも触れようと思う。
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▲02/06/14 (金) ▼
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昨夜からペロが帰ってこない。車に轢かれたのではないか?と何度も懐中電灯を持って旧国道沿いを探し、今朝も近所周辺を探し回ったが見当たらない。何処をほっつき歩いているのか?腹をすかして帰ってくるペロを待っている。死んだなどとは考えたくない希望が、いつものように私に餌を用意させている。昨日は妹に「たまには食事をつくってくれ」と頼んだら「冷蔵庫に何も入っていない」と断られた。卵と納豆ぐらいは入っているのだが、それでは料理が出来ないらしい。猫族たちにはいつも魚の缶詰とキャットフードを与えながら、自分は即席ラーメンを食べる日が続いている。彼らが無心に餌を食べている様子を見ると、それだけで嬉しくなってくる。一匹でも欠けると心配で仕方がないのだ。ペロが心配だ。
子猫三銃士たちが出てくるようになって、姉さんチロに変化が起きたようだ。最初は戸惑って子猫を避けていたチロだったが、子猫が擦り寄ってくるようになると母性本能に目覚めたのか、子猫を引き寄せては抱くようになった。母親になったつもりでいるのだろう。今は実の母親クロとその娘チロが、互いに三銃士たちを抱いて寝ている。ちと気になっているのは、クロの尻尾に深い傷があることだ。消毒しておいたが、人間によるイタズラでなければ良いがと思う。最近、こうした猫への虐待事件が続発しているのも気になる。昨夜から帰って来ないペロも、正午前に帰って来た。ペロはオスとあってかなり遠くまで徘徊しているようだ。自宅と工場含めて300坪ある縄張りだけでは満足できないらしい。メスを求めての徘徊だと思うが、いつも私に「男はつらいね」と慰められるペロであった。慰めている私にしても同感同胞の極みではあるが・・・
午前中、元請け社長が最後の二台を引き取りにきた。床と接触する台座(ベース)の底を研磨するよう指示され、以後、別の精密機械本体(ロータップ)とベースの二台の入荷予定を告げられる。すでに材料は準備してあり、いつでも作業にかかれるようになっている。速乾と標準の使い分けも肝要で、また新たな材料を注文するつもりでいる。これまでの速乾性材料でも出来ないことはないが、夏場は乾燥が速すぎて、仕上げが斑になったりザラついたりする欠点もあるのだ。特に仕上げの段階では標準型の材料に替えたほうが表面が均一になる。凸凹だらけの鋳物をパテで肉付けをし、サンダーで研磨し、かつペーパーで磨くといった作業の繰り返しである。その都度ペーパーも180番から400番と、荒いものから細かいものへと替えていくことになる。とりあえず仕事がひと区切りついたので、しばし足を休ませておこうと思っている。それから徐々に下半身の筋トレで慣らしていくつもりだ。
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▲02/06/13 (木) ▼
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あと一台仕上げればゆっくり休める・・・と思っている気の緩みを戒めて、最後の段階で念には念を入れて作業を繰り返している。「これで完璧だ」ということは永遠に有り得ない。トラブルの多くは地球の重力だ。完璧な仕事をしようと望めば、宇宙空間に飛び出して無重力の環境下でやるしかない。NASAに電話してスペースシャトルをチャーターし、工場の機材を積み込んで「ちょっくら宇宙に行ってくらあ」の大仕事となる。そうなると単価一万の仕事が、総計何十億にも膨れ上がる。悲しいかな現実は、地球の重力からは一歩も抜け出せない環境下で、「この程度で良いだろう」までの完璧を求めての作業の繰り返しが続くというわけだ。
昨日はまた幼なじみの友人がやってきた。彼を今後「F」と呼ぶことにする。彼Fは休日を利用して自分の仕事を開拓しているようだ。そのために私がいろいろとアドバイスをし、使わなくなった材料を提供している。つまり、Fは私と同業の建築の仕事を目指しているようなのだ。積極的なFのこと、すでに近所から仕事を請け負っては生活費の足しにしている。以前から私の手伝いをしていたこともあり、大概のことはこなせるようになっている。かつてはFが仕事を取ってきては、私が見積もって仕事をするということもあった。百万近くの仕事をすればけっこう利益も出る。Fの営業手当として約一割から二割程度を加味し、その都度Fも手伝うのでその工賃を含めると二ヵ月分くらいの生活費は捻出できてしまう。最近は不景気でそうもいかなくなったが、「いつクビを切られるか分からない」とハラハラしているFを見ていて、再びこの方式でコンビを組んでみたくなった。私も今は金属の分野で何とかやっているが、このままでは殆ど利益が出ない。それなら昔取った杵柄で、もう一度建築部門でFと一緒に挑戦するのもいいのではないか・・・問題は私の持病という障害だが・・・悩むところである。
夕刻まで何とか仕上げたが満足せず、ただこれ以上手を加えると修復不可能なことにも成りかねない。んで断念、一応完成ということにした。あとは監督のチェック次第だが、単価的にはこれが精一杯である。終わってから自宅にてビール500ミリリットルを飲み干す。妹が事務を終えての帰り際、亭主サイドの財産分与の話をする。裁判沙汰の話も出ているが、どうやら弁護士が躊躇しているらしい。つまりは強欲な長男が独り占めを図っての裁判沙汰、その本人が裁判に応じないという。問題の長男は、妹の亭主の実兄にあたるのだが、こいつの強欲は今に始まったことではない。結婚式当日に祝い金全部持っていってしまうほど、カネとみれば眼の色が変わる見境のない拝金主義者である。泥棒と言っていいだろう。私の妹の結婚式とあって、この時は完全にキレてしまいカネは返してもらったもののわだかまりは今も消えない。今度の事といい、どうやら腐った根性は治っていないようだ。私が出れば大騒ぎになるのは目に見えているので、ここは傍観者を決め込んでいるが・・・どうも面白くない。法律ではどうなっているかは知らないが、私ならとっくにその長男を殴りつけているだろう。そうすれば否が応でも裁判になる。もっとも訴えられるのは逆に私のほうになるだろうが、それくらいは覚悟の上だ。癪に障って仕方がない。いかんせん私には関係のないこと「酒がまずくなるからそんな話はするな」と妹を追い出すように帰す。
今夜は外で飲みたくなった。財産の話など聞かねばよかった。人間のエゴの醜悪さには耐えられない性分なのだ。
そろそろ今年生まれた子猫たちが出てまいりました。名付けて「子猫三銃士」・・・これで我が家の猫族は六匹になりました。
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▲02/06/12 (水) ▼
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今朝早く、台座一台を仕上げる。予定では昨夜のうちに完成させるつもりだったが、急に友人が来訪して断念、酒盛りとなった。仲違いも一週間と続かなかった幼なじみの友であった。互いに短所長所を知り尽くしたゆえの本音で、心を開いて話し合える友のこと・・・いつもながらの痛飲で笑い声が部屋に響いていた。愉快な夜であった。そして今朝、目覚める間もなく台座を完成させたというわけだ。その直後に東京の弟より電話あり、妻方の祖母が95歳で亡くなったとの連絡を受ける。大往生である。かつて教師をしていたその祖母は、片時も本を離さない読書家であったと聞き及んでいる。ためにボケることなく理解力も衰えることはなかったらしい。英国作家サモセット・モーム(William
Somerset Maugham 1874-1965)の「老年の最大の報酬は精神の自由だ」という言葉の意味は、肉体から解放される心の自由そのものを指しているようだ。ちなみにモームは第一次大戦においては軍医として、かつ諜報部員でもあったらしい。人生は無意味なものとする彼の傍観的表現は、彼自身の戦争体験によるものが大きいと思われる。その無意味な人生を離脱するように老いることを望んでいたモームは、果たして本来の自由意志を得たであろうか?甚だ疑問である。孤児でもあったモームの心の闇を通して、彼の人生始動が人間不信に満ちたものであったことは想像に難くない。いずれにせよ人間は生まれ出た瞬間から、死出の旅路に一歩を踏み出すことにもなる。誕生において親を狂喜させ、その死においては家族を悲しませる人生とは・・・本来逆なのかも知れない。「今日は死ぬには良い日だ」といったある部族の挨拶は、実はもっとも的を得た挨拶の仕方なのではないかと・・・
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▲02/06/11 (火) ▼
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昨日手がけた仕事は深夜0時を待たずに一気に仕上げた。あとは夜明けを待って、明るい中での最終チェック、それで完了だ。むろん駄目直しをしてからの完了だが、監督の了解があればそのまま完成品は元請け会社へ運ばれ、そこでパーツを装着、ラベルを取り付けて海外へと船出することになる。工場にはあと一台あり、明日の納期まで仕上げなくてはならない。その納期の日に、ひとまわり大きい台座が入荷することになっている。それを完成させたら今度の一連の仕事は終わる。全て完了するのは今週の木曜日あたりか・・・台風が通過するようなことがあれば・・・おそらく延期しなくてはならないだろう。工場がオンボロなので、まともに風雨が入ってくるのだ。それに看板も外れかかっている。外に出たとたん、外れた看板の直撃を受ければ大怪我をする。仕事どころではない。そのままポックリ逝くようなことがあれば、これは本望かも知れない。いや、もう少しだけ時間が欲しい。パソコンの前まで這って行き、この「日々雑感」にお別れの言葉を書かねばならない。何処かで猫の鳴き声がして『ああ、猫に餌をやるの忘れた』と思いながら、徐々に目の前が真っ暗になっていく。そして首がガクンとキーボードの上に垂れ下がる。実に孤独な死である。それでもこの「日々雑感」は永遠に残りつづける・・・かも知れない。死んだらプロバイダ会社にカネを払えないのだから、きっと止められてしまうだろう。そういえば今年に入ってからカネを払っていないのだが、この前、心配になって催促の電話を入れた。「インターネットの接続代を払いたいのだが、何の請求もないのはどういうわけか?」と言ったら、「すぐ請求に伺います」というので待っているのだが・・・まだ請求に来ていない。でもこうして接続できるのだから別にこっちは困らない。困るのは半年分いっぺんに支払いを請求されることだ。そのまえに私がポックリ逝ってしまえば、私的にはどうでもよいことになる。死んでまで心配していられない。猫だけが心配だ。私が餌をやらずに誰がやるのか・・・特に産まれたばかりの子猫の運命やいかに・・・というわけで、まだ私は死ねないね。死ねません、ハイ。そこんとこ神様よろしく!ちと疲れて変になってるようだ・・・すこし眠るか・・・あ、猫に餌やらなくちゃ。
チロがスズメを咥えてきた。スズメを助けようとした時には息も絶え絶えだった。「チュン吉」と名付けたこのスズメを、包帯で巻いて介護した。呼ぶと眼を開けたりしていたが、やがて大きく身震いをすると死んでしまった。工場前の狭い空き地に埋めてやった。ここには車に轢かれた猫も葬ってある。誰に飼われた猫かは知らないが、隣の奥さんに片付けるよう言われた猫であった。その傍らにチュン吉が葬られている。この忙しい時に、スコップで穴を掘ってスズメを埋葬する自分は何なのだろう?チロに向かって「おまえは罪の意識がないのか?」と責めてみたが、チュン吉をいたぶって殺した犯人であるところのチロはアクビをしていた。
台座二台は社長自ら引き取りに来た。納期が14日の、それより一回り大きな台座を置いていった。台風4号はかなり弱まっているようだが、それでも通過時には突風も避けられないだろう。材料も足りなくなったので、注文した。建築とは違って金属の材料はやたら高価だ。これまで使う分だけ少量ずつ注文していたが、後々を考えて大容量の缶を購入したほうが得策であることに気付く。何とか採算が取れるようしなければならぬ。それまでは未熟な自分を叱咤しながら、技能に磨きをかけていくことだ。 |
▲02/06/10 (月) ▼
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気圧975ヘクトパスカル、風速30メートルの台風4号が北北東毎時25キロで近づいている。今日は一台目を納期する日だが、継続して台座二台を仕上げなければならない。台風の影響が出るのは明後日以降か・・・まずは強風対策だな・・・今日の予報では東から南よりの微風。仕事に合わせた生活習慣に、何時に寝て起きたのか?分からなくなっている。昨夜は元従業員と、仲違いしていた元友人と話しこんでいた。修復不可能と思われた友人とのわだかまりも何処吹く風、不景気な世の中を笑い飛ばして友情は復活した。スッキリした。これで私が心を許せる三人の友がまた揃ったというわけだ。大宮から有機米を送ってくれる友、「元気か?」が口癖の友、そして昨夜の幼なじみの友と・・・友情は何事にも換えられない宝だ。この日誌を読んでいるだろう大宮の友人に「有機米ありがとう」、これで三度目の「ありがとう」だね。無理すんなよ、多少の無理は仕方ないとして、無茶はいかんぞ・・・と自戒を含めて友人への伝言・・・そして、これから次の仕事に突入だ。
現在正午過ぎ、一台目納期完了・・・しばし元従業員と話し込む。職安ではいつもより人が溢れ、列をなして並んでいるという。実際問題、これほどの国民へのダメージは前代未聞のことではなかろうか。今度もまた政府は弱者へのしわ寄せ納税増額を打ち出してきている。今度の仕事がひと区切りついたら総点検してまとめてみたい。
夜、トラブル続出・・・足の激痛耐え難し、痛みを抑える為ワインを飲む。最後の仕上げに虫が舞い付着する・・・監督がOKを出しても、自分が納得しないかぎり、オレは自分を許さないでいる。馬鹿げたことだと思いながら、完璧な仕事を目指し、挑んでいる。これではいつになっても終わらない。作業場に猫がやってくる。猫の毛も付着して、もはや仕上げることは不可能に思われ・・・何のためにオレはこんな苦労をしているのか?つい愚痴が出る。何処かで区切りをつけないことには終わらない。というわけで、虫たちが静まる深夜0時過ぎを最後に、仕上げを敢行することにした。やるだけはやったと、自分を納得させるための孤独な戦争だ。 |
▲02/06/09 (日) ▼
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日の出と共に作業を再開し、午後から仕上げに入る。ここで急に強風が吹き始める。予想外のことであった。インターネットで天気予報を調べると、やはり今日は午後から風が強くなるという予報であった。埃を嫌う仕事なのでこれはまずい。とはいえ中止するわけにいかず、そのまま仕上げの段階に入る。最終的には深夜までかかるだろう。ところが日が暮れるにつれ今度は灯りに誘われた虫たちが工場内に入ってくる。とにかく完成するまで気が抜けない。神経がピリピリするのもこうした仕上げの段階である。こまめに休憩を取らないと神経衰弱になりかねない。それでも納期の迫っている機械をやっと一台だけ仕上げているに過ぎない。工場にはそれより小さい台座が三つ並んでいる。うち二台はその翌日が納期となっている。仕事中には絶えず予想外のトラブルが発生する。昨日購入した電動工具も、それに合う規格の研磨紙がなく、他種のものを接着剤で張り合わせて使っている。臨機応変に対処すれば何とかなるものである。これまでは手作業で進めていたものを、私が新たな電動工具を使うアイデアを実行したのだ。今ではこの電動工具が必需品となった。この分野では全くの素人だった私も、去年の夏からの作業を通じて徐々に仕事を覚えてきたように思う。一応、他では真似の出来ない特殊技能ということになろうか。手間がかかるわりには単価が安いので、他ではやりたがらないせいもある。それを採算ベースに乗せるにはどうすればいいか?そんな手探りの悪戦苦闘がおよそ一年間続いたことになる。監督とのトラブルもあった。社長が慌てて駆けつけ、頭を下げられた時から、私は自分の命をこの社長に預ける決意をした。大袈裟のようだが、いつ倒産してもおかしくはないギリギリの状況にあっては、それぐらいの覚悟も必要だと考えた。あとは黙々と誠意ある仕事をしていくだけだ。 |
▲02/06/08 (土) ▼
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夜明け前、何とかなりそうな段階まで仕事を進めた。昼間は電動工具を用いての作業になる。これだけは音が煩いので夜間には出来ない。風呂に入りそびれた。ラーメンを食いたいが、即席を切らしている。これからコンビニで買ってこようと思う。最近クロが産んだ子猫たちが這い出してきている。小さな小さな命・・・可愛い。チロのお腹も心なしか大きくなってきているように思う。チロがさらに三匹産むとして、全部で9匹になる・・・うむ、こりゃ大変だ。産まれ立ての子猫のためにミルクも買ってこよう。
昨夜電話してきた友人は老人介護の仕事に従事しているのだが、その彼から足の痛みへの対処法を教わっている。出来るだけ足を上になるようにして寝てみろ、と言われていたので早速試した。これで少し痛みは軽減したように思う。立ちっぱなし、もしくは座りっぱなしでいると足の血流が悪くなるらしい。重力で血が足のほうに引き下げられているところに、それをまた引き上げるのだから心臓の負担もかなりあり、高血圧の原因にもなろうというものである。適度の運動によって血の流れを良くすることも肝要だ。私は時々仰向けになったまま足を上げて動かしている。さてと、太陽も昇ったことだし、これから電動工具を使った作業に入る。
作業中に電動工具から煙が立ち昇り、動かなくなった。急遽、街までMTBに乗って新品を買いに行く。これが何と半値「助かったぁ」、帰社後、汗だくで作業続行・・・仕事をするというより持病の痛みとの格闘・・・一段落したところでダウン、足が動かない。椅子に座りながら、夕方まで何とか手を動かし続ける。明日の仕上げまで間に合わせなくてはならない。見切りのついたところで工場を抜け、裏の自宅まで体を引きずるようにして向かい、そして再びダウン・・・今日も深夜0時から作業を再開することにして、風呂に飛び込み、ビールを一気飲み・・・今夜は動かない体を休ませての酒盛りだ、やるだけやった後は野となれ山となれ。
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▲02/06/07 (金) ▼
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先月の従兄と今月初頭の同業先輩の相次ぐ訃報に、生きる意味を自問自答する日が続いている。結局のところ、人間には考えても分からない智慧の限界があることを知っただけだ。分からなければ分からないままに、ただ淡々と生きていくしかないではないか・・・少なくとも人間には死ぬまで生きることだけは許されているようだ。寿命という制限附きで・・・悲しいかな、それでも人は生きる意味を知りたがり、生き延びることに執着するあまりに死を恐れる。天下びとは世界中に長寿の薬を探し求め、永遠の覇権を持続しようとするが・・・それでも誰一人例外なく、いずれ人間は死ぬ。死なない人間は誰一人いない。富める者も貧しき者もそのことでは例外はない、唯一平等である。悶々として眠れない夜も、今朝には太陽が眩しく照り付け、現実という厳しさが否応なく脳天を覚醒させていく。そろそろ仕事にかからねばならない。納期は来週月曜、材料は間に合っているか?土日は仕入先も休みなので、今日中にチェックして準備しておかねばならない。あとはこれまでどおり、黙々と仕事をこなすだけだ。ワールドカップの喧騒をよそに、昼夜を問わぬ孤独な闘いが待っている。そこにはサッカー試合のような応援歌もなければ、完成したあとの拍手喝采もない。自分で自分を励ます叱咤激励と、完成後の満足感を噛みしめる静かな日があるだけだ。
工場での作業中、また急な仕事が入る。五月に滞っていた分なのだという。つまり、今月は二カ月分の仕事をやらなくてはならないことになる。引き受けたものの、やはり持病の足の痛みが出る。つくづく無理の出来ない体であることを身をもって知る。こんな時にはトラブルも続くようで、仕入先がまたミスをやらかした。別口で注文したはずの材料が手に入らないのだ。どうなってんだよ?・・・訊いてみれば、何と「忘れた」のだと言う。あれほど念を押していたのに・・・呆れて言葉にならない。「すみません」を連発する従業員だが、それでは済まないこっちの事情がある。とにかく急いで用意してもらうことにした。この不景気に鷹揚な仕事をしていればそれだけで淘汰される厳しい世の中である。殿様商売が通用するはずもない。利益の少ない仕事でも、誠意をもってやればいつかは必ず報われる時が来る。それを信じたいがための仕事ではなかったか・・・少なくとも私はそれを信じてやっているつもりだ。監督の話では、また来週にも次の仕事が入る予定だと言う。今入っている4台を完成させる間もなく、引き続いてもう1台を手がけるという忙しい日が続くこととなった。昼夜を問わぬ孤独な戦争である。敵は自分自身の慢心だ。持病を宥めての持久戦・・・久々の仕事に闘志を燃やしている。
夜間作業中に友人より電話あり、「仕事中だ」と言ったら「おう、良かったな」との返事・・・ちょうど持病が酷くなってきたので仕事を中断して話し込む。職場でのストレスが溜まって逃げ出したくなった、と言う。そういえば急死した従兄も先輩もストレスが原因ではないか、と思える節があった。この底なし不況に仕事も激減し、どうやって生活していけばいいのかと悩んでいたからである。先輩は言っていた。「オレ、いま何を食ってると思う?味噌をオカズにしてるんだ」・・・今度の不景気はひどいよね・・・これが先輩との最後の会話となった。そのことを友人に話したら、言葉に詰まっていた。職人にとって仕事がないということは手足をもぎ取られるように辛いものなんだ。つまり、先輩もそんなストレスが溜まって命を縮めたんじゃないか、って思うんだ。友人も同調したように「オレの糖尿病も、内心ストレスのせいだと思っていた。そうとしか考えようがない」と言う。お互いストレスを溜め込まないよう注意を促しあって電話を切った。今夜は痛みが治まるのを待って、深夜0時から再び作業にかかる予定だ。それでないと間に合わない。また痛んだら休めばいいさ・・・今回は足の痛みのほかに手首にも激痛が走っている。転落事故での後遺症だ。満身創痍というところか・・・障害があればあるだけ闘志が燃えるというものだ。テレビで外形標準課税云々のニュースが流れている。これが適用されれば私の会社などひとたまりもない。利益がなくても見かけ上の売上げ高そのものに税金がかかるのだから、これは無謀というほかはない。政府は何を考えているのか?零細は死ねと言うのと変わりがないではないか・・・大塩平八郎の檄文を読みたくなった。 |
▲02/06/06 (木) ▼
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オレの言ってること分かんだろ?これからどうして生きていけばいいか、教えてくれよ・・・また酔っ払って電話をかけてきた同業仲間・・・こっちもそれが知りたい・・・やりきれない気持ちのまま昨夜は通夜の会場に向かう。豪華な花に囲まれた先輩の遺影に手を合わせ、遺族に一礼して夜の街へとさすらう・・・何もかもが虚しい・・・誰にも看取られず、孤独のうちに放置された遺体は腐食し、ために最期の顔を拝むことも出来なかった。腐ってゆく肉体の過程は「色即是空、空即是色」そのものだ。全ては「空」、有って無いもの、無くて有るもの・・・それを悟ることの出来ない人間の限界。
仕事が入った。立て続けに別口の仕事も舞い込む。安くしてくれ、だと・・・安くしようにも限度がある。安かろう悪かろうの仕事はしたくない。淡々と・・・ひたすら生きることだけに生きていきたい。媚びへつらうことなく、自分という全存在を賭けた人生に、たとえこの世が冷酷無惨な地獄であっても・・・
JFK暗殺のCMをつくった。299KB、効果音入り。
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▲02/06/05 (水) ▼
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早朝、同業の先輩が亡くなったとの電話連絡あり、眠気吹っ飛ぶ。故父の一番弟子でもあった。晩年は一人暮らしの、孤独な死であった。どうやら自宅で死んでいたのを、近所の人も気付かなかったらしい。死亡推定日は今月1日、遺体が三日間放置されたあとの発見であった。朝刊でそのことを知った知人が、急遽私に知らせてくれたというわけだ。名前を聞けば殆どの人が思いあたる、某大手建設会社のスキャンダルを知っていた男でもあった。彼はその秘密を抱えたまま墓場まで持っていってしまったことになる。初めてそのことを私に打ち明けた時のことを、私は今でも鮮明に思い出すことが出来る。あの時、彼は「この話が漏れればオレは殺される」と怯えていた。当時は大袈裟に思っていたものだったが、今にして、彼の立場から考えれば決して大袈裟ではないことも分かる。私もずっとそのことが気がかりで、いずれ再度のインタビューでメモを取っておこうと思っていた矢先の訃報である。これで全てが闇に消えた。新聞記者なら飛びつくようなネタだが、今さら私がうろ覚えの証言したところで効力はない。証拠がないからだ。数十年前、某大手建設会社の下請けをしていた会社社長が割腹自殺をして果てた。話はそこから始まる。内部告発した当人が、逆に追い詰められての自殺であった。何もかもが腐りきっていた・・・それを憂いた正義の志が結果的に弾圧され、そして日本刀で自らの命を絶つ・・・さぞ悔しかったであろう。その社長の元で彼は働いていた。だから誰が不正をしていたか、も熟知していた。今回、その彼が死んで証拠も無くなったという訳である。歳月が全てを風化させるのではなく、この日誌冒頭のラスキがいうように「不正の存在を前にして黙する人は、実は不在の共犯者にほかならない」ことが風化させていくのである。ちなみにラスキ(Herold
Laski 1893-1950)はロンドン大学の教授であった。英国労働党全国執行委員の委員長を歴任、多次元国家論者としてプロレタリアートの独裁を批判した。著書に「現代国家における権威」「政治学入門」「国家、その理論と現実」「信仰、理性、文明」などがある。見ざる言わざる聞かざる「三猿」が結果的に巨悪をのさばらせることになるのだ・・・通夜の席で最期の彼に面会してこようと思う。
【視聴予定】
■19:30-20:00 NHK総合 クローズアップ現代
▽人権・個人情報保護とメディア
■22:00-22:45 NHK教育 ETV2002「自然エネルギーへの挑戦」
軽油に替わる新燃料▽菜の花で走る車
■24:30-24:40 NHK総合 読む 添加物の安全性
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▲02/06/04 (火) ▼
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我が地元ではテレビ朝日系列の「ザ・スクープ」が観られない。その時間帯は地元の番組を放映しているのだった。特に今月1日の『三井被告「口封じ逮捕」疑惑』は是非視聴したい番組でもあった。「ザ・スクープ」のホームページには、当の三井環被告が番組で「調活」こと調査活動費の裏金について告発する予定であったことなどから、法務省が口封じのためにでっち上げた冤罪ではないか?との疑惑が書かれてある。。三井被告の逮捕に至る過程を辿ってみても、これらの疑惑には信憑性があると思う。「ハメられたな」というのが正直な感想である。阿修羅掲示板「日本の事件1」から拾い読みしてみたい。
○検察庁に言うと脅された 三井容疑者が弁護人に説明
○告発状の筆者は三井容疑者 調活費で検察幹部相手
○検察庁の裏金づくり、公表を準備中 逮捕の三井検事
私は個人的にも警察の捏造を体験しているので、三井氏の置かれた心理が皮膚感覚で分かる。贈収賄などの容疑で取調べ中の容疑者が自殺するというニュースがよく報道されるが、壁で囲まれた狭い取調室の雰囲気は圧迫感があり、のっぴきならぬ強迫観念に襲われてしまう。犯罪免疫のない人間なら、それだけで心理的にも相当なダメージを受けるだろう。三井容疑者の告発相手が検察幹部という重大問題ゆえ、よけいに今度の逮捕が法務省がらみの口封じに思えてくる。森山法務大臣が事実無根とする調査活動費の裏金も、それらを調査するにあたっては、法の番人たる法務省や検察庁が疑われているのだから始末に終えない。泥棒を泥棒が裁くようなものだ。それにしても法務省の慌てぶりは白々しい森山法務大臣の答弁でも窺い知れるが、相次ぐ幹部の内部告発をもってしても法務省ならびに検察庁の腐敗は隠し通せるものではなかろう。果たして司法機関の最高峰「最高裁判所」にして、これら身内の犯罪を裁くことができるのかどうか?法務大臣の答弁に虚偽の疑いありとすれば、これは国民への重大な背信行為となりはしないか・・・わが日本国憲法においては国民が主権を有するものと定めたる「主権在民」によって、国家権力のいかなる統治圧制も国民人権の前には効力を発揮し得ないはずである。統治権そのものが国家権力にあるのではなく、基本的人権に根ざした国民の側にあるからだ。国民の預金から成る銀行が自分のカネと錯覚して勝手に不正融資をしてしまうように、国民の基本的人権を擁護すべき司法機関が、その国民の血税を裏金として着服している言語道断・・・もっとも、それらを法務大臣は事実無根として否定しているわけだが・・・その真意を確めるための調査活動費が司法幹部によって着服されているとなれば笑えない漫画のような話になる。
人間がカネの魔力に汚染されていく様をみるたびにイギリスの劇作家ベン・ジョンソン(Ben
Jonson 1572-1637)の喜劇「ヴォルポウニー」(1606年)の一節を思い出す。『明るい朝におはよう、つぎには私の黄金にもおはよう。私の聖者がよく見えるように、聖堂を開き。世界中の魂とわが魂を祝おう』・・・シェイクスピアと同時代に活躍した彼は他の作品「錬金術師」(1610年)と同様、人間の拝金主義を一貫して皮肉っている。奇しくもやはり同時代の詩人ジョージ・ハーバート(George
Herbert 1593-1633)もまた人間の飽くなき欲望の所産であるところのカネの魔力をこきおろす。「カネよ、汝、至福の破壊者にして、災厄の因よ。出自はいずこ、かくも新しく素晴らしき汝の。我は知る汝の血筋の低くて卑しきを。人が廃坑の中にて貧しく汚れいたる汝を見出したるを」・・・彼は牧師でもあり、その宗教生活の体験を元にした「聖堂」(1633年)を発表している。弟エドワード(Edward,
lst Baron Herbert of Cherbury 1583-1648)も信仰に厚い人物で、軍人という変り種ながら外交官、歴史家、哲学者としても多くの著作を残している。軍人ゆえか現実的な合理性を信仰に求めた「理神論」の先駆者としても有名。 |
▲02/06/03 (月) ▼
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今月2日の日誌では薬害肝炎汚染に関連してフィブリン糊について書いたが、旧ミドリ十字は同時に「フィブリン網」も販売しようとしてしている。旧ミドリ十字の社内報「拡売ニュース」でも、止血剤フィブリノゲンに代わって「フィブリン網」の販売を促進するよう、社員に促していた。どうやらこれは失敗したようだが、「フィブリン糊」のほうは「救急医学2000年10月号」でも紹介されているように売上げを伸ばしている。止血剤「フィブリノゲン」は米食品医薬品局(FDA)での勧告から、なんと8年後の1985年に厚生省はやっと重い腰をあげた。それも販売中止ということではなく、「再検討」の段階だったというから呆れる。参照「フィブリノゲン、米製造禁止から2年後やっと制限内示」←このニュースも正確ではない。FDAのフィブリノゲン製造承認取り消し勧告が出たのが1977年だから、前述したように正確には8年後のことだろう。1977年の時点で旧ミドリ十字はフィブリノゲンの危険性を十分承知し、すでに緊急対策会議で検討をしていた節がある。ここで彼らは販売を中止するどころか、在庫を一気に売りさばこうとしていた。アメリカでの製造取り消し勧告を境に、翌年には4割増しの販売実績を達成しているのだ。日本国内での販売制限が1998年3月だから、危険性が判明してからおよそ20年間に渡ってフィブリノゲンが売られていたことになる。「フィブリン糊」に至ってはそれ以後も売られているのだが・・・これは犯罪としか言いようがないだろう。
「一切の病にみだりに薬を服すべからず。病の災より薬の災が多し」とは江戸前期の儒学者にして本草(ほんそう)学者の貝原益軒(1630-1714)の言葉だが、300年も昔の先達者の先見の明には敬服すら覚えるというものではないか。同じ頃、フランスの思想家ヴォルテール(Voltaire
1694-1778)も次のように医師への苦言を呈している。「医者というものは、ほとんど判っていない未知の病気を治療するために、自分でもわかっていない薬を処方するものである」
参考、肝炎薬害資料2002/05〜
【視聴予定】
■19:30-20:00 NHK総合 クローズアップ現代
介護・子育て住民がビジネス
■22:00-22:45 NHK教育 ETV2002「中朝国境知られざる素顔」
亡命劇の舞台裏▽密入国者たちの実態 |
▲02/06/02 (日) ▼
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先月5月は最悪で仕事が一本もなかった。普段は呑気を装っている私もさすがに心配になり、昨日支払いに訪れた監督に訊ねてみた。すると「5月はいつも暇で、6月にはまとめて入るから忙しくなる」と言う。ちょっと安心した。かく言う監督を見て、その激痩せに気付く。表情からも神経が病んでいるのが見てとれる。「生きるに大変な世の中になった」と呟く監督、心身共に疲れきっているようだ。こういう時代、責任感の強い人ほどダメージを受けやすい。一旦壊れると修復は叶わない生身の人間のこと、仕事より監督のことが心配になる。
「国民を生活の困窮に怯えさせてはならない」それが一国を預かる指導者としての最たる課題であるはずだ。しかるに我がニッポン国の代表たる小泉総理はどうか?いたずらに有事の危機を煽り、起こってもいない戦争の準備のために生活苦に喘ぐ国民から血税を搾り取る・・・まずは弱い者から搾取し切り捨てていくという冷酷な権力の行使に、独裁政治への傾斜すら垣間見えてくる。無慈悲な権力者ほど危険なことは言うまでもあるまい。
19世紀のスパイ冤罪疑獄ドレフェス事件を扱った小説「ジャン・バロア」、その作者マルタン=デュ=ガール(Roger
Martin du Gard 1881-1958)は言った。「平時にあっては人を殺すのを罰し、戦時にあってはこれを命じる、といったような間違った道徳律のあり得ぬことを考えたら、動員を拒絶すべきなんだ!戦争を拒絶するんだ!」まさに今、我々国民はそれと同じ問題を突きつけられている。有事法制が戦争法に他ならないという認識に至ったのならば、我々はその戦争を容認するか否かの選択に決着をつけなければならない。マルタン=デュ=ガールの言葉はさらに熱を帯び、それは叫びとなる。「戦争は人間の生活問題を何一つ解決することはない!何一つ!それは働くものの惨めな状態をさらに惨めにするだけだ」・・・叫びが平和への切実な祈りとなって、人間が互いに殺しあうことのない世の中を希求するならば・・・そうした心が世界中に溢れるならば・・・その夢想はきっと・・・夢想ではいられない現実のものとなるはずだ。
【視聴予定】
■17:30-18:24 TBSテレビ 報道特集 引き揚げへ不審船の謎▽児童殺傷遺族の1年
■21:00-21:54 フジテレビ 発掘!あるある大事典「世界が注目・キウイ健康パワー検証」
酵素で腸内環境を劇的改善&免疫UP
■21:00-23:19 テレビ朝日 日曜洋画劇場「鉄道員(ぽっぽや)」
(1999年日本アカデミー賞9部門受賞作品)(1999年”鉄道員”製作委員会) 浅田次郎原作
■23:25-23:55 テレビ朝日 地球号
■23:40-24:10 TBSテレビ 世界遺産「幻の巨大仏教寺院」
■24:25-24:55 日本テレビ ドキュメント'02
安楽死したママ
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▲02/06/01 (土) ▼
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昨日は午後11時頃までHP及びFTPサーバが停止していた。どうやら二ヶ月に一回くらいの割でトラプルが発生しているようだ。HP提供側には「サーバ稼動状況」というコーナーも設けてあるのだが、チェックしても「正常に動いている」との表示しかされない。だから自分の設定にミスがあると勘違いして、設定をいろいろ変えているうちにかえって悪くする場合もある。こうした場合は修復されるまで傍観するしかない。
昨日の日誌で書いた「低髄液圧症候群」なるものを検索してみた。一般には髄液漏(ずいえきろう)と言うらしい。気になる症例が引っかかった。
頭部外傷後の髄液漏
1)側頭骨の骨折によって髄液が外耳道に流れ出ることがある。
2)漿液性で、頭の位置によってはポタポタ落ちるほど多量にでることがある。
3)髄液であることを確かめるためには、耳漏内の糖反応を検査し、陽性にでれば髄液漏の可能性が強い。
これがピッタリ私に当てはまるのだ。頭部骨折とまではならなかったが、若い頃に頭を鈍器で殴られている。その時には裂傷を負い大量に出血している。警察沙汰になるのが面倒なので、縫合した翌日には病院を抜け出してしまった。それ以後、上記のような症状に悩まされてきた。私の医者嫌いが災いしての自業自得ではあるが、最近の目眩もおそらく関係しているだろう。若い頃とはいえ無茶をしてきたものである。「ドン・キホーテ」作者セルバンテス(Wiguel
de Cervantes Saavedra 1547-1616)曰く「真の勇気というものは、極端な臆病と無鉄砲との中間にある」・・・まさに、然りである。私の場合はその臆病と無鉄砲の両極端に揺れ動いていた。それが元で寿命が縮まっても仕方あるまい。従兄も先月亡くなったことだし、そろそろ死神が迎えに来る頃なのかも知れない。
ところで、検索の過程で「救急医学2000年10月号」が引っかかったのだが、ここにC型肝炎汚染の一因ともなった「フィブリン糊」が出てきて驚いた。(「II 中枢神経系の損傷」の項目に記述されている)
1977年、FDA(アメリカ食品薬品局)がフィブリノゲン製造取り消し処分をしてから、旧ミドリ十字はその危険性を知りながらも売り続け、さらに「フィブリン網」と「フィブリン糊」という混入商品にして売りさばいていた。単品フィブリノゲン5000円も、トロンピンとフィブリノゲンを混入した神経を繋ぐ製剤「フィブリン糊」にすると約6倍の3万円で売れるのである。検索で出てきた医学専門誌「救急医学」は約二年前のものだが、医療関係者がこの頃までフィブリン糊の危険性を知らないでいたとは信じられないことである。カネにさえなれば人の命はどうでもいいとでも思っているとしか考えられない。背筋が寒くなる。C型肝炎汚染については継続して調べる必要がありそうだ。
リビアがパンナム機撃墜事件で補償金提示 条件つき
88年に英スコットランド上空で起きたパンナム機爆破事件で、リビア政府が犠牲者270人の遺族に1遺族1000万ドル(約12億5000万円)、総額で27億ドルという巨額の補償金を提示していることが5月29日、わかった。一部遺族の弁護士事務所が複数の米メディアなどに明かした。しかし、国連、米国の制裁解除と米国が「テロ支援国家」指定を外すことが条件で、一つ満たされるごとに段階的に支払うとしており、遺族側がこれを受け入れるかは定かでない。
この事件ではリビア人の容疑者2人が国連などの仲介でスコットランド当局に引き渡され、事件当時情報部員だった男性に昨年、有罪判決が出ている。遺族は96年にリビア政府に補償を求める訴訟を起こしていた。
今回リビア政府がつけた条件は、(1)99年に被告2人の身柄が引き渡されてから停止されている国連制裁が全面的に解除されれば4割(2)米国の経済制裁解除で4割(3)「テロ支援国家」指定解除で2割−−を支払うというもの。29日付ニューヨーク・タイムズ紙がホワイトハウス当局者の話として伝えたところによると、リビア政府は補償金は支払うものの政府の関与は認めない姿勢だという。
リビアとしては国際社会への完全復帰を目指しての「奇策」のようだが、遺族には戸惑いや不快感もあると米メディアは伝えている。この事件では日本人1人を含む乗客・乗員259人と地上の11人が犠牲になった。
先月30日の日誌で気になっていたニュースである。リビアが唯一犯行を認めた稀有な例であるが、実際にはそう単純な事件ではない。1988年12月、ロンドン発ニューヨーク行きのパンアメリカン航空(Pan
American World Airways,Inc. 1991年倒産)103便がスコットランドのロッカビー上空で爆発した。奇妙なことに、その数時間後にはアメリカのLAP(心理戦争局)が「この事件はリビアの情報機関<ジャマヒリア>が仕組んだものだ」として、各マスコミに同様の記事を書くように促している。LAPはさらにシリアとイランをこの爆破事件の共謀者として糾弾した。特にイランへの糾弾は筋が通っているかに思えた。何故なら、その五ヶ月前の7月3日、ペルシャ湾で米艦<ヴィンセンズ>がイラン航空旅客機を誤爆していたからであった。つまり、心理戦に長けたLAPは「イランはその報復のために103便を爆破した」ことにしたかったのである。さらにLAPはこれにパレスチナ解放人民戦線が連座しているという、ちょっと考えれば首を傾げたくなるようなアイデアも盛り込んだ。
爆破されたパンナム103便にはアメリカの情報機関員8人が乗っていた。マシュー・ガノン率いるCIA工作員4名とチャールズ・マッキー少佐率いる人質救出隊チームらは、ベイルートに囚われた西側捕虜の解放策を練っていた。現場からはマッキー少佐のスーツケースが無傷のまま発見されたが、後にスーツケースの中は空だったことが報告された。捕虜救出という重大任務に、書類ひとつない空のスーツケースを持ち歩いていたとは考えにくいことだった。それでもマスコミは誰一人疑問を呈することなく、鵜呑みにできたとは・・・実に奇怪なことではないか。
ことの真相は意外なところから漏れてきた。103便墜落事故がテロ行為によるものと証明できれば、その保険金を支払わなくても済む保険業者によって調査会社に依頼され、その結果、それは皮肉にも予想を裏切る報告書となって彼らを唖然とさせた。その報告書には以下のように書かれていた。
CIAの別働隊はドイツに拠点を置き、中東からフランクフルト経由で密輸される麻薬取引のガードをしていた。CIAはその見返りにイランに武器を送るために麻薬商人たちのルートと支援を借りていた。空港でスーツケースを預けると、荷物取扱所の仲間が麻薬の入った外見上は同じスーツケースと取り替えるのである。この仕組みを熟知したシリアのテロリストが、さらに爆弾入りのスーツケースとすりかえ、CIA工作員の殺害を図った。
1994年、イスラエルの出版業者ヨエル・バイネルマンの手記はさらに事件の真相を展開させていく。
離陸の24時間前、モサドはドイツのBKAに『103便に爆弾が仕掛けられている恐れがある』と忠告した。この忠告はCOREAというCIAチームに伝えられ『必ず手は打つ』との返答を受けた。
このことは103便爆破計画の全貌を予めモサドが知っていたことを示唆してくれる。そして、その全貌のすべてをモサドが公表しているわけではない。関係筋によれば「モサドのスパイ活動にアメリカの圧力がかかった場合のための切り札」として、このことは伏せられているのだという。いずれもゴードン・トーマス著『憂国のスパイ』459-465頁からの引用要約であるが、本書にはさらに詳しい内容が述べられている。
CIAが麻薬商人たちと組んでいたとする事実は、私が先に日誌で書いてきたバチカン絡みの記述と符合する。先月20日の日誌に私は以下のように書いている。
1968年11月、国際警察ワシントン支部はローマの国際本部に一本のテレックスを送っている。それは「ミケーレ・シンドナ含む四名がイタリアとアメリカ間、それにヨーロッパ諸国間において覚せい剤及び幻覚剤の密輸を行っているとの未確認情報を得た。至急報告されたし」といった指示だったが、イタリア当局の返電は「容疑の事実は確認されない」であった。このテレックスは数日のうちにシンドナの手元に届くていたらくだった。本来なら国際警察はローマのアメリカ大使館及びミラノ領事館に滞在するCIAに照会し、それにCIAがシンドナたちについての調査資料を送れば済むことであった。そうすればシンドナたちの悪事は中断させられ、しいてはマフィアらの密輸ルートも一網打尽に出来たことだろう。しかし、CIAはオメルタよろしく沈黙を守り続けるのである。
リビアがパンナム103便爆破事件での犠牲者に補償金を提示する、といったニュースだけを鵜呑みにしていては決して見えてこないものがある。もはや世界中のマスコミは国家権力の傀儡となってしまった感が拭えない。そしてこれからも、パナマ侵攻や湾岸戦争、アフガンでのテロ報復戦争という一連の国家による報道規制に甘んじてきているマスコミには「大衆に事実を伝える」といった基本すら叶わないだろう。してみれば、このようなインターネットで我々大衆の側から発信していく必要性が求められているとは言えまいか。
【視聴予定】
■20:00-20:45 NHK教育 未来への教室・選集
探検家ヘイエルダール▽フィヨルドを帆船で行く▽無人島でサバイバルに挑戦
■21:00-21:54 TBSテレビ 世界・ふしぎ発見!「天皇が2人?後醍醐天皇650年のウラミ」 吉野に謎三角地帯▽ヒトダマ目撃
■23:00-23:30 NHK教育 ビジネス塾
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