【北京=東武雄】民主党の前原代表は12日午前、北京市内の中国外交学院で講演した。
前原氏は中国の軍事力について、「17年連続して毎年10%以上国防予算を増やし、増強・近代化を進めている。実際には、中国政府が公表している2倍から3倍の軍事費が使われているのではないかとの指摘もある。特に空軍力、海軍力、ミサイル能力を中心として飛躍的に向上していることに対し、率直に(軍事的な)脅威を感じている」と述べ、懸念を示した。
日本政府は、中国の軍事力増強について「注目していく必要がある」としているが、「脅威」という表現は使っておらず、前原代表の発言は、これよりも踏み込んだものだ。
その上で、日本に食糧やエネルギー資源を運ぶシーレーンの防衛について、「日中双方が中東の石油に多くを依存している。共通の利益であるシーレーン防衛を他の沿岸国や関係国と共同で行うことを考えるべきだ」と述べ、中国も加えた多国間での枠組み作りが必要だと訴えた。
(2005年12月12日14時13分
読売新聞)
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