米政府が鳥インフルエンザ対策に巨費を投じると発表したことで米新興医薬メーカーの株価が急騰し、このメーカーの元会長で株主でもあるラムズフェルド国防長官が資産を膨らませている。国防長官は「関連する一切の政策決定に関与しない」としたうえで、当面売却しない意向も示しているが、米ウォール街では「政治銘柄だ」と話題を呼んでいる。
株価が上昇しているのは、鳥インフルエンザに有効とされる抗ウイルス薬「タミフル」を96年に開発したギリアド・サイエンシズ(本社・カリフォルニア州)。製造権はスイスの医薬大手ロシュに供与したが、特許収入を得ている。国防長官は97年から長官就任の01年1月まで会長を務め、米メディアによると、年初時点で500万〜2500万ドル(約6億〜30億円)相当の株式を保有しているという。
米政府が1日、治療薬の備蓄強化などに71億ドル(約8300億円)を投じると発表した後、3日までの2日間で株価は約8%上昇。年初からは5割近い高騰で、国防長官の資産は日本円にして少なくとも数億円規模で膨らんだ計算だ。
(Asahi.com) |