★ポリネシアで放射能汚染か フランス核実験の環礁近く
【シドニー30日共同】ニュージーランド紙ドミニオン・ポストは30日までに、1990年代半ばまでフランスが核実験を行っていた南太平洋のムルロア環礁(フランス領ポリネシア)近くの島で、高レベルの放射能汚染が報告され、住民が相次いで治療などを受けていると伝えた。
同紙によると、放射能汚染が報告されたのは、ムルロア環礁の北北東約115キロのトゥレイア環礁。約100人が住み、有人の島としてはムルロア環礁に最も近い。多い時には一日に5人の住民が「放射能に関係したとみられる病気」のため、ニュージーランド北部の病院で診断、治療を受けているという。
ポリネシアのテマル行政長官は同紙に対し、フランス政府が核実験による健康や環境上の影響を隠ぺいしていると非難。
◎ポリネシア解放戦線--エティエンヌ・テパリイ
独立をめざす政党タヴィニ・フヒラーティラ・FLP(民族の奉仕者―ポリネシア解放戦線)の党首オスカー・テマルに代わり、また20年前からすすめられている核兵器と核実験に反対するたたかいで、彼に続くポリネシア有権者の35%を代表して、私は日本のみなさん、広島と長崎のみなさん、とくに原爆の犠牲となった被爆者のみなさんにあいさつを申し上げます。
1945年当時、私はまだ7歳の子どもでしたが、祖父母が日本という世界のどこかにある場所で、何か恐ろしいことが起こったと話していたのを聞きました。私は日本が何だか分かりませんでしたが、でもそれはきっと恐ろしいことにちがいないと思ったのを覚えています。
人類は原子力を操作しようと思ったときから、キリスト教の聖書に記されている人間の「原罪」にも似た「新しい原罪」ともいうべき行為を犯しているのです。それは傲慢の罪であり、人類を自滅へと導くでしょう。
タヴィニ・フイラーティラ・FLPは、このような理由から、軍事目的であれ民需用であれ、いかなる形態でも、核の使用はすべて、そして、実際のものであれ、シミュレーションであれいかなる核実験も、糾弾し、拒否しています。私たちはこれらすべて断固として拒否します。
連合国が太平洋の人民に対してとっている行動も、非難される余地があります。私はここで、住民の合意なしに核実験に利用された島や環礁や列島の名を全て列挙するつもりはありません。
イギリスが核実験をおこなったオーストラリアでは、アボリジニーの土地がまだ放射能に汚染されたままです。
アメリカが核実験をおこなったマーシャル諸島でも、島々は依然として強く汚染されています。
フランスが核実験をおこなったムルロアとファンガタウファも汚染されています。私が住んでいるタヒチ島はセシウム137に汚染されています。
しかも、これらの核実験は広島と長崎の後におこななわれたのです。だからこそ、日本とともに、広島・長崎の被爆を祈念し、核兵器廃絶のためにたたかうことが、太平洋のすべての先住民と世界が果たさなければならない義務となっているのです。
---世界の被ばく者の証言・資料より抜粋
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