★北朝鮮、現れるか後継者 労働党60周年で息子3人の名
北朝鮮の朝鮮労働党は10日、党創建60周年を迎える。これに合わせ、最高指導者、金正日(キム・ジョンイル)総書記の後継者が姿を現すのではないかとの観測が流れている。経済苦境が続く現状では困難との見方も強いが、権力内部がまったく見えないだけにくすぶり続けている。
ロシアのイタル・タス通信は4日、平壌の外交筋の話として、近く後継者が発表される可能性があると伝えた。
北朝鮮では金総書記の「還暦」が近づいた01年から公式メディアで「金一家による継承の正統性」を示唆する言及が登場した。02年には「(革命を)孫の代になっても遂行するようにしなければならない」とする故金日成(キム・イルソン)主席の言葉が労働新聞に紹介され、再び「世襲」との見方が強まる。
金総書記の息子の後継者候補としては長男正男(ジョンナム)、次男正哲(ジョンチョル)、三男正雲(ジョンウン)の3人の名前が挙げられる。
中でも有力視されているのは正哲氏だ。元々、長男正男氏を推す声が高かったとされるが、その正男氏と見られる人物が01年5月、偽造旅券で日本に不法入国しようとした容疑で拘束されたため、次男が急浮上した。だが、正哲氏も20代前半と若く、消息筋の間でも実力を疑問視する声は絶えない。
注目の一つは、党大会が開かれるかどうかだ。労働党の規約で5年ごとに開くとされた党大会は、金総書記が正式に故金日成主席の後継者として「公式デビュー」した80年を最後に開かれていない。すでに70年代に金主席から後継指名を受けていたとされる金総書記はこの党大会で、ひな壇の最前列に座り、てきぱきと仕事をこなす姿が海外にも伝えられた。
ただ、韓国政府の見方は否定的だ。党大会の開催へ向けた動きは伝えられていないといい、政府筋は「北が経済苦境を抱える中、現時点で後継者を指名しても、国民生活の向上につながるのか。後継者選出に向けた明確な兆候はない」と話す。
一方、日本の植民地支配からの解放60周年でもある今年は、かなり盛大に祝賀行事を組んでいる。平壌のメーデースタジアムで8月から開かれているマスゲーム・芸術公演「アリラン」には、人文字や集団舞踊のため連日10万人が出演しているとされる。
韓国統一省や最近の訪朝者らによると、中心部の主要ビルは改装、補修され、10日は大規模パレードや閲兵式も予定されるという。
統一省関係者は、北朝鮮が国内体制を引き締めた上で、6者協議など今後、本格化する核交渉や日本との政府間協議といった外交課題に取り組もうとしている、と分析する。
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○どうやら朝鮮労働党60周年大会の席上では、次期後継者の発表はなかったようだ。その様子は「新じねん追記」にて写真を転載した。

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長男正男
ジョンナム |
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正男の母
成恵琳ソンヘリム |
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次男正哲
ジョンチョル |
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正哲の母
高英姫コウヨンヒ |
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