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ウズベキスタン反政府暴動050517
難民ルート推定

 ウズベキスタン難民が流れ込んでいるオシ(Osh)州といえば、奇しくも今年3月末にキルギス暴動で州政府庁舎が反政府勢力によって占拠された所だ。ジャラルアバド州では難民キャンプが設営されたそうだが、今後日を追って増えるであろう難民にキルギス政府は対処しきれるのかどうか、難しいところだろう。この混乱に乗じてまたキルギスの反政府勢力が息を吹き返し、あげくはアカエフ政権そのものが転覆しかねないことも考えられる。仮に黒幕がいるとすれば、むしろ始めからそれを狙ってウズベキスタン暴動を仕掛けたのかも知れない。ウズベキスタンの隣国カザフスタンにはテンギス油田がある。アメリカの援助を受けているこの巨大油田には200億ドルもの資金を投入した「テンギスシェブロイル」開発プロジェクトによって、ブッシュ一族を筆頭とする強欲なアメリカの石油利権屋が群がっている。テンギスの原油はロシアのパイプラインを使わなければ西欧に輸送できない。ロシア嫌いのナザルバエフ・アビシェヴィッチ大統領はアメリカに頼って新たな開発プロジェクトに踏み切ったのだが、それを妨害してきたのがロシアだった。今回の暴動もそうした背景を加味することで、おぼろげながらも真相の輪郭ぐらいは浮かんでくるだろう。

【トピック】
収監者釈放求め人質 ウズベク国境、無法地帯に

 【タシケント17日共同】ウズベキスタン東部の反政府暴動でキルギス国境地帯のカラスに逃れた避難民が、地元行政幹部を人質に取り、ウズベクの刑務所にいる親族らの釈放を求めていることが分かった。16日夕、キルギス側から現地を訪れた記者が共同通信に語った。
 カラスに足止めされていた2000人以上避難民は自力で国境の川に橋を架け、大半がキルギスに越境した。キルギスの国境警備隊も、ウズベクの治安部隊も暴徒化した難民と衝突を避けて往来を規制せず、国境周辺は無法地帯と化している。
 カラスでは当初、治安部隊が避難民を包囲、武力行使の危険が指摘された。しかし、大量越境の容認に追い込まれたことは、カリモフ政権の鉄の統制が国境地帯に及ばなくなった実態を示す。
(共同通信)

★2カ所の暴動死者745人以上=野党が独自調査−当局は否定・ウズベク

 【モスクワ17日時事】ウズベキスタンの野党、自由農民党のヒドヤトラ党首は17日付のロシア紙・イズベスチヤに対し、東部のアンディジャンと近郊のパフタアバドで起きた大規模暴動の死者が、少なくとも745人に上ることが同党の戸別調査で判明したと語った。16日までの調査の結果、アンディジャンで542人、パフタアバドでは203人の死者が確認され、さらに増える可能性があるという。
 13日のアンディジャンでの騒乱鎮圧の後、パフタアバドでも14日に治安部隊と群衆が衝突、200人前後の死者が出たとの情報が伝えられたが、戸別調査により新たな大規模弾圧の発生が確認されたことになる。キルギス国境に近いテシクタシからも、衝突で13人の死者が出たと伝えられた。
 ウズベク治安当局者はインタファクス通信に対し、「軍は発砲していない」と述べ、バフタアバドなど2カ所での鎮圧を否定した。 
(時事通信)


【私的めもらんだむ】
 ウズベキスタンの情報が錯綜している。特に死者数の報道に開きがあり、最悪の場合を想定すれば約2000人規模の死者になる。ウズベク政府はその殆どを否定しているが、すでに現場の悲惨な遺体の報道写真も公開されている。よって否定のしようがない。ただ、その指示を出したのが全てウズベク政府なのか、軍の独走なのか、見極める必要がある。攪乱を目的とする第三勢力の可能性も考えられる。ミャンマーでは爆破事件の背後にCIAの支援があったと報道されたばかりだ。邪魔者は大統領であれ消去するといった問答無用の彼らの、その背後には歴然とした大国の意志及び利権支配構造があるということを、再認識すべきだろう。この異常事態をそうは思わせない慣れの心理が恐い。人間の死体が転がっていても気にも留めなくなる戦時心理、心が麻痺することの危険。ウズベキスタンとキルギスの国境沿いに逃れる難民は、そっくりそのまま明日の自分であっても不思議はないのだと・・・その悲痛な心を、同じ人間として受けとめることの必要がありはしないか。

【視聴予定】
19時
30 クローズアップ現代 科学の光で野菜を作れ


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