昨日← 04/11/19 (金) →翌日
13−15℃、北よりの微風一時やや強風
【トピック】
ウソ上塗り頂点…めぐみさん写真、夫削除!?合成
人物と樹木の影、右肩のふち、道路の境め…

 第3回日朝実務者協議で日本政府が持ち帰った横田めぐみさん=失跡当時(13)=の写真は、北朝鮮側の合成だったことが判明した。本当の夫を削除した疑いが強く、日本側と面談した「夫」はやはり、ニセ者だった疑いが濃厚になった。ウソの上塗りも頂点に達し、拉致問題の真相を隠蔽(いんぺい)する北。日本で経済制裁の機運が高まり、テロ国家の存続で唯一の生き残りカードの6カ国協議も不調…。そんな外憂のなか、反体制ビラがまかれ、肖像画の撤去も進むなど、内患による金王朝崩壊の兆候も伝わる。社会主義国家での世襲による独裁者、金正日(キム・ジョンイル)総書記(62)に確実な危機が迫る。

  【プロが指摘】

 被害者家族の支援団体「救う会」は昨17日夜、めぐみさんの写真について、「合成写真の疑いがある」と緊急発表した。

 合成の疑いがあるのは、成人後とみられる白っぽいコートを来ためぐみさんのカラー写真だ。
 プロの写真家が「めぐみさんの影と背景の樹木の影の向きがまったく違う。右肩のコートの襟も直線に切られている」との指摘を救う会に寄せた。さらに、樹木と道路の境も不自然な直線になっているという。
 平田隆太郎事務局長は「一緒に写っていた人物を見せないよう、めぐみさんだけを切り取り、別の背景の上に重ねた際、影の向きを1カ所だけミスしたのでは。北朝鮮はしばしば写真を偽造する」としている。
 削除された人物について、日朝関係筋や公安当局は「北が隠すめぐみさんの本当の夫である可能性が高い」と前置きして、北の意図を解説する。
 「拉致問題の象徴であるめぐみさんを入院=自殺で押し通し、拉致問題の幕引きを狙っているからだ。そのためには本当の夫に真実を語られては困るのが理由だ」

  【不自然な面談時の「夫」】
 確かに、今回の日朝協議の北側の動きは不自然さを極め、夫とされる40歳代前半のキム・チョルジュン氏の「姿」をとらえようとする日本側を拒み続けた。
 外務省の藪中(やぶなか)三十二アジア大洋州局長と12日に平壌のホテルで初めて面談した際、めぐみさんの遺骨の提出を求めると、キム氏は「両親に直接渡したい」と拒絶した。
 そして、代表団が帰国する前日の14日、キム氏は突然、火葬された「めぐみさんの遺骨」を持ってホテルに現れた。
 キム氏は「工作機関に携わっている」と身分を明かしたが、一工作員に遺骨引き渡しの判断ができるかどうか疑わしい。当然、訴追されるわけもなく、引き渡しを拒む合理的理由がない。
 そこで、ニセの夫である疑いが出るわけだが、「遺骨」の出し惜しみで誠意を示そうとする北の意図も見え隠れする。
 長女キム・ヘギョンさん(17)との親子確認をするため、血液と毛髪の提出を求めると、「微妙な立場」と言い張り、自分の「姿」をさらすことに難色を示した。
 写真撮影も拒否し、わざわざ持ってきた家族3人と夫婦の写真計2枚の複写も許さなかった。

  【何が写っていたのか】
 北にとってはお手の物の合成写真。「元の写真」には、めぐみさんの本当の夫が写っている可能性が高いが、日朝関係筋は「別の拉致被害者や工作員など、北側が公開したくない人物が写っている可能性もある」と説明する。
 特にめぐみさんの夫の場合、拉致被害者の蓮池薫さん(47)が平壌で同じ職場に勤めて顔見知りだったことから、元の写真を見ればウソが見破られてしまう。
 むろん、平壌のホテルに現れたキム氏も、蓮池さんに写真で確認されれば「ニセ者」であることがばれてしまうのだ。

  【なぜ、ウソを】
 約2年前の日朝首脳会談で拉致を認め、「反動」のせいにしながらも謝罪した金総書記。この期に及んで、なぜ、ウソの上塗りを続けるのか。
 日朝実務者協議で拉致問題が一向に進展しないなか、日本国内では経済制裁を求める声が急速に高まっている。人道支援として援助を約束された25万トンのコメのうち、半分はいまだに金総書記の手元に届いていない。
 今回の協議では代表団をベンツで送り迎えし、一応の再調査結果を出してはみたものの、北への反発は高まるばかり。
 だが、事実をすべて公表すれば、非道が明らかになり、コメ支援さえも、ついえてしまう可能性が高い。金総書記はいずれを選択してもドロ沼に陥るのは必至である。
---ZAKZAK 2004/11/18より

 またマスコミが勇み足をやらかした。北朝鮮ならやりそうなことだ、という先入観が邪魔して、私もうっかり合成写真だと信じそうになった。事実確認のため、私なりに写真分析をしてみた結果・・・疑惑の根拠となった木の影、コートと地面の直線などの合成は無いと結論した。影の不自然さは道路と背景となった木立の段差のせいであり、その境目は緩やかな坂になっている。ために影が突然途切れて映っているのだと、仮定すれば納得できるのだ。まして一緒に映っていたらしい「夫キム・チョルジュン氏の映像だけを切り抜いた」とする捏造疑惑には無理がある。
 それよりも、今回の横田めぐみさんとされる写真そのものに疑惑を感じている。やはり二年前に北朝鮮がめぐみさん本人だとして提出した写真とは違うような気がするのだ。あの当時は、国立科学博物館・人類研究部の馬場悠男氏と滋賀県県警で元似顔絵を担当していた坂本啓一氏の両氏が「明らかに横田めぐみさん本人とは別人である」証拠を提示していた。【参考、02/10/03の日誌】 今回の写真も本当にめぐみさん本人のものであるのかどうか?調べる必要があるだろう。
 そして今、拉致の総指揮者であるところの金王朝に異変の兆しが・・・

総書記崇拝、北朝鮮指導部が制限? 肖像画撤去で報道

 平壌発のイタル・タス通信は17日、北朝鮮の最高指導者である金正日総書記の肖像画が撤去されていることについて、最高指導部の指示に基づくとの見方を報じた。平壌駐在のロシア外交官の話として伝えた。

 この外交官によれば、主要な建築物に金総書記の肖像画が掲げてあることで、外国からの訪朝団や賓客らに、極端な個人崇拝の国家という「不適切な反応」を起こされるのを、指導部が懸念したからだという。

 同通信は先に、「秘密指令」により人民文化宮殿や万寿台議事堂(国会議事堂)など外国人が訪れる機会の多い市内のいくつかの建物から、金総書記の肖像画が取り払われ、故金日成主席の肖像画だけになっているとする目撃者の話を報じた。モスクワの北朝鮮大使館はこの情報を否定した。

 平壌市内の一般の施設には、肖像画がこれまで通り掲げられている模様だ。


合成写真とされる横田めぐみさんらしい写真

【私的めもらんだむ】
8時
 北朝鮮で金正日への批判ビラが撒かれているらしい。参考---北朝鮮で体制批判ビラ 総書記の家庭背景も 高度な内容政権中枢に人脈 [産経新聞] これら一連の報道から「金王朝崩壊の兆し」が容易に見て取れる。軍内部によるクーデターの予兆か、定かではないが必然性は予測できていた。やはり北朝鮮と親交のあったルーマニアのチャウシスク政権崩壊を想起している。


新じねん」TOP