★ファルージャ攻撃、武装勢力側の死者は1600人=イラク政府
[バグダッド 16日 ロイター] イラク暫定政府のダウド国務担当相(国家安全保障担当)は16日、ロイター通信に対し、米軍主導のファルージャ総攻撃による武装勢力側の死者は少なくとも1600人で、拘束者数は1000人を超えることを明らかにした。
武装勢力側はほとんど、身分を証明するものを携行していなかったため、遺体の写真撮影や指紋の採取を行っているという。
ファルージャ市長と会談した同相は、「死者数は1600人を超える。拘束者数は昨夜時点で1052人で、国籍もさまざまだ」と述べた。
ファルージャの住民は食料不足に見舞われ、停電で冷凍支援物資も傷んでいるほか、水道も止まり、戦闘のために負傷者は手当てを受けらない状態にある、と訴えている。
ただ、政府側は、食料不足や建物の破壊で市民生活が脅かされているとの報道を否定し、市内の総建物1700棟のうち損傷を受けたのは200棟にすぎない、としている。
同相は、市民の9割以上が総攻撃開始前にファルージャを脱出しており、一部は近在の村に移動した、と述べた。 |
その1600人全てが武装勢力のメンバーである、と云えないところに戦争本来の矛盾、悲惨、大儀の無意味と偽善があるんだ。偽りの平和の中で自己葛藤なしに、狂人にもならずに暮らせる順応性が呪わしくなるほどだ。
「夕暮れ時になれば、村人たちは家に帰ってくる。種は納屋の中に戻される。平和な時期には何が何処にあるのか、いつも分かる。夜、何処に行って寝るかも知っている。しかし・・・こういう基盤が崩れる時、世界の中に自分の居場所がなくなる時、何処に行けば愛するものと会えるか分からなくなる時・・・平和は死ぬ」
サン・デグジュペリ
★「人道問題はない」 ファルージャの現状にイラク首相
イラク暫定政府のアラウィ首相は16日、ファルージャの現状について「市民はほとんど残っておらず、人道問題はない」との声明を出した。その一方、市民の窮状を訴えるファルージャ在住のイラク人記者の報告を英BBCが報道するなど、人々の状態をめぐって大きな落差が生まれている。
ロイター通信が伝えたアラウィ首相の声明によると、保健省の代表団がファルージャを視察。「市民がほとんど残っていないのは明白で、水や食料の不足は起きていない」とし、医薬品不足も否定している。
米軍も、イスラム圏の赤十字社にあたるイラク赤新月社がファルージャに送った緊急援助団の受け入れを拒否。援助団は15日、活動を断念した。米軍幹部は「市民はほとんどおらず、米軍も物資を持っているので、援助活動の必要はない」とロイターに説明したという。
しかしBBCには、現地にいるイラク人記者ファディル・バドラニ氏の報告が電話で届いている。16日の報告は、遺体が道に放置された様子を描写。「食料や水はほとんど尽きた。米軍が掌握した病院に援助物資が届いたという話を聞いたが、人々は怖がって出向こうともしない」と述べている。
ロイター通信は14日、水と食料の不足に苦しみ、砲弾でけがをした子どもを抱える父親の話を伝えた。AFP通信は同日、米海兵隊大尉が「ジョラン地区から12人の市民が市外に出ることを許可した」と報じている。
市民の犠牲について、米軍もイラク政府も具体的な人数を明らかにしていない。 |
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9日間の爆撃の後、Fallujaの瓦礫の中を捜索する米軍 |
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ブラック・ウォッチ大隊から選抜された特殊部隊デルタがバクダッド南部で待機する |
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イラクに向かうブルガリアの兵士。ブルガリアはすでに7人の犠牲者を出している。 |
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