11時
完璧を求むあまりまたミスをしてしまった。今日が納期という最終段階でのチェックで、僅かな表面の曇りを修復するためコンパウンドで磨いたのだ。それがまずかった。曇りはさらに拡散し、かえって目立ってしまったのだった。それをまた修復しようとして全面吹き直したのだが・・・今度は材料内に混入していたほんの僅かな塗料カスが出てしまう。弱り目に祟り目である。正午過ぎに監督が引き取りに来るというのに、何ということをしてしまったのかと自分の不注意を呪っている。1時間での完全乾燥は望むべくもなく『なるようになれ』と自暴自棄になっている。ここにきて監督に「納期を遅らせてくれ」とは云えない。せめて「生乾きだから注意してほしい」と云うに留めるしかない。猫に八つ当たりしながら悔しがっている自分もまた情けなく、険悪な鬼のような形相をしているだろう自分を嫌悪している。歌でも歌うか・・・
18時
ベースの納期は無事済んだ。というか、監督が荷積みするときに正面をベルトで擦るというアクシデント発生、急いでコンパウンドで補修する一幕もあった。でかいベースだけに神経を使う。クレーンで持ち上げて荷台に積むのだが、頭に落下すれば間違いなく即死する重さだ。次の仕事もベースだが、小さく、かつ納期に余裕があり、またもや暇を持て余すことになる。急げば明日までに仕上がってしまう仕事なのに、納期まで一週間もあるのだ。たまらん。
「れいんぼう」でリンクしてある奥山君の「32歳ガン漂流、エヴォリューション」において、奥山君が小説を書き上げたとの報告があった。「誰よりも先に読者の皆さんにご報告」に、思わず涙が溢れ止まらなくなった。明日をも知らない命の、その彼の生き様に心を打たれる。死なしたくない・・・死ぬにはまだ若過ぎる。どうしようもないことでも、どうにかしてほしいと・・・12月26日には奥山君がテレビに出演するらしい。
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