マカオの有名カジノホテルで富豪殺される
19日の香港各紙によると、カジノで有名なマカオのリスボアホテルのスイートルームで18日、タイ華僑の豪商、陳世賢(チャンサイイン)氏(70)が首を絞められて死んでいるのが見つかった。同行の秘書も暴行を受け、いすに縛られていた。秘書によると、現金5万香港ドル(約75万円)と1000万香港ドル(約1億5000万円)分のカジノ用の賭け札がなくなっており、マカオ警察は強盗殺人事件として調べている。カジノのトラブルをめぐる殺人、強盗事件は99年12月、ポルトガルからマカオが中国に返還されて以後はほとんど起こっていない。香港の英字紙サウスチャイナ・モーニングポストによると、覆面をした不審な男が朝7時ごろ、部屋に入るのがモニターカメラに写っていたという。陳氏はタイでは新聞や不動産で財をなし、マカオでリスボアホテルやカジノを経営するスタンレー・ホー氏とも親しく、華僑組織の指導者、慈善事業家でもあった。江沢民・中国前国家主席にも接見したことがある。
【スタンレー・ホー関連=マカオのカジノ王、資金流用で訴えられる 03/02/25→26→27】
【江沢民関連=江沢民主席は在タイの華人・華僑とその他の民族との親密な関係がモデルであると賞賛&タイの世論、江主席の来訪を高く評価】
陳世賢(チャンサイイン)別名ソフォンパニアは1992年時点で1950億円の資産をもつタイの銀行家である。タイ最大の財閥はチイラワノン一族の資産2200億円で、同じくタイ華僑の不動産屋カンヤパナ(中国名、妖莫)は1760億円の資産をもつ。
今度の大富豪殺人事件は単なる強盗目的の殺人に思えるが、陳氏が宿泊したとされるリスボアホテルが親交の深かったスタンレー・ホーの持ち物であったことが引っかかる。モニターカメラまで設置してある厳重警備の有名ホテルで、覆面をした不審人物が浸入できるものなのかどうか?どうも強盗だけが目的の殺人事件には思えない。陳氏が消えることで闇経済の勢力バランスがどう変わるか?その辺から事件の突破口を開けば何か見えてくるような気がするが、それゆえこの事件は解決が困難になるだろう。これまでのスタンレー・ホーの影響力からして、かつてパートナーのイップ・ホン絡みで警察の犯罪ファイルを隠蔽したように、である。
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