03/02/26 (水)
今日のTV番組選別
 昨日からマカオのカジノ王スタンレー・ホーについて書き始めたが、彼については裏の顔が殆ど知られていない。「知られていない」というより「知られないようにしている」のだ。1988年2月、アメリカ司法省が『アジアの犯罪組織』という報告書を発行しようとした。そこにはホーと彼のビジネス・パートナーのイップ・ホンに関する項目があったが、どういうわけか印刷直前になってホーに関する項目が完全に抜かれていた。イップ・ホンはフー・ファミリーの賭博元締めとして働いていたこともあった。1980年、サンフランシスコの麻薬捜査官はイップが秘密結社「ルエン・クン・ロック」の幹部で、ニューヨーク中華街のヘロイン供給源である疑惑を抱いていた。これらを含め、イップへの数々の犯罪疑惑は告発や起訴にも至らぬまま立ち消えとなっている。これにカジノ王ホーが関与していることは彼の背景から容易に推測できた。そんな中での報告書『アジアの犯罪組織』の発刊だったのである。これまでホーの犯罪歴はその証拠記録すら全く残っていないが、商売柄それはかえって不自然と云うものだろう。犯罪記録のないことが、ホーの品行方正(?)を証明することにはならないのだ。20年間に及ぶイップ・ホンとホーの密接な関係も、ホーがイップの権限を買い取って追放することで終わりを告げる。フィリピンで賭博が合法化されるとスタンレー・ホーは逸早く営業権を獲得、マルコス大統領の夫人イメルダのカジノ船では彼のスタッフが賭博のテーブルを管理した。そして1977年、マルコスは賭博の開帳権を統括するためフィリピン娯楽遊戯協会(PAGCOR)創設するのである。今回の事件「シンガポールで手がけたレジャー施設の事業で不当資金流用」は、ホーのカジノ王としての威光に翳りが見えてきたとも考えられよう。
【参照、マカオのカジノ王、資金流用で訴えられる シンガポール(昨日の日誌)】

 カジノ王スタンレー・ホーがフィリピンにまで手を伸ばすあたりから、マルコス大統領とヤマシタ将軍の金塊、そして日本の黒幕も登場するようになる。ヤマシタ将軍の金塊については以前にも書いているので参照されたい。
【参照、黄金伝説めにゅー
「じねん」TOP