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イラク開戦news
セルビア警察、前首相暗殺の実行犯を逮捕
 [ベオグラード 25日 ロイター] セルビア・モンテネグロのセルビア共和国警察は、12日に起きたジンジッチ前首相暗殺の実行犯として、警察特殊部隊のヨバノビッチ副司令官を逮捕した。政府が25日明らかにした。同部隊は、1990年代の旧ユーゴスラビア時代、当時のミロシェビッチ大統領の下で弾圧組織として活動していたもので、警察はこの部隊の解散も決めたという。同部隊は、北部に拠点があり、隊員は数百人とみられている。ヨバノビッチ容疑者については、ジブコビッチ首相が逮捕を確認している。(ロイター)

 これまで主犯格と目されていた逃亡中のルコヴィッチは秘密警察の幹部だったが、今回逮捕された警察特殊部隊のヨバノビッチ副司令官にしろ、いずれもミロシェヴィッチ政権下の警察幹部ということでは共通している。極めて政治色の濃い事件である。ということは、この暗殺事件の捜査の手はいずれ政治家にまで及ぶことを示唆してくれる。さらに警察とマフィアの深い関係、それに連なる麻薬密売「バルカン・ルート」から全世界に網羅された麻薬ルートの拠点へと・・・麻薬を取り締まるべき警察が、実は麻薬の密売に協力していた共犯者だったという構図は、単にセルビアに留まるものであるのか?どうか。考えたくないことだが、これらに政治が絡んでいるとすれば、国家的規模で麻薬の密売が行われている可能性だってあるわけだ。今後の捜査の段階で仮に支障をきたすとすれば、捜査の網の目を巧みに潜りぬけた残党の可能性すら想定される。つまり、取り締まるべき警察や政治家の内部に巣食っている残党のことだ。
【参考】セルビア首相、撃たれ死亡(3月13日の日誌)&犯罪組織の数人を逮捕(3月14日の日誌)

 連日報道されるイラク戦争のニュースに多少食傷気味になってきた。というのも、各局同じような説明、解説に終始しているからだ。少しは視点を変えた見方なり、解説を加えてもらいたいものである。さっき中東のCNNと呼ばれる「アルジャジーラ」の報道ぶりをまとめて放映していたが、これまでの欧米メディアにはない新鮮さを感じた。それも中東側からの視点ゆえのことだろう。アメリカ軍の記者会見ではアルジャジーラが槍玉にあがり、米軍捕虜の映像を流したことでアメリカはその抑制禁止を要請している。ニューヨーク証券取引所では取材資格を剥奪されるなど、アルジャジーラは何かと圧力を受けている。近代かつ民主的であるはずの西側諸国のマスコミが国家政府の抑圧に自粛する傾向にあるのに対し、アルジャジーラはマスコミ本来の独立した権力主体を堅持しているかのようでもある。アメリカ政府の自国マスコミへの報道規制は今に始まったことではないが、それも国益優先という錦の御旗にマスコミが平伏したにすぎない。はるか中東の他国テレビ局に国益云々は通用しないのは当たり前だが、その点、アルジャジーラはイラク政権にも米英軍にも偏らない公平な報道を宣言している。事実を事実として報道するという、その姿勢を貫く限りにおいては大国アメリカといえども口を挟む権利はない。


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