イラク開戦2003
03/03/27 (木)
<イラク戦争>「ルメイラ油田再開には3カ月必要」 英司令官

 英軍湾岸派遣部隊のバリッジ司令官は27日、アッサイリヤ基地で会見し、イラク南部のルメイラ油田から石油生産・輸出を再開するには3カ月の修理が必要と語った。また、イラク軍が撤退時に放火したとされる油井のうち、これまでに3カ所を鎮火させたが、まだ6カ所で炎上していることを明らかにした。(毎日新聞)
イラク戦で米兵24人が死亡、28人負傷=米国防総省

 [ワシントン 27日 ロイター] 米国防総省は、イラク戦で米兵の死亡者数が24人になった、と発表した。
 同省によると、米兵7人が戦争捕虜となり、10人が行方不明になっている。27日の遅い時間までに米国人28人が負傷した。
 死亡した24人のうち、19人が戦闘で、5人は事故など敵対的でない状況下で死亡した。
 英国は、22人の兵士が死亡あるいは行方不明、としている。(ロイター)
イラク戦開始以来、市民350人以上が死亡=ムバラク保健相
 [バグダッド 27日 ロイター] イラクのムバラク保健相は、米英軍がイラク戦を開始して以来、市民350人以上が死亡した、と発表した。
 同相は、当地で英語で記者会見し、「犠牲者の大半は、自らを守ることができない子供、女性、年寄りだ」と述べた。
 同相によると、今回の戦争の死傷者数は4000人を超えている。
 同相は、このうち36人が過去24時間にバグダッドに対する空爆で亡くなった、としている。(ロイター)
イラクのミサイルを迎撃=クウェート

 【クウェート市27日時事】クウェート国防省スポークスマンによると、イラクは27日、クウェートに向けミサイル1発を発射したが、迎撃ミサイル・パトリオットにより撃ち落とされた。
 クウェートの米軍当局者は飛来したミサイルについて、「スカッド・ミサイル」としているが、公式には確認されていない。 (時事通信)
北部戦線の攻防幕開けへ=米軍の準備加速、イラクも対抗の動き

 【シロピ(トルコ南東部)27日時事】イラク北部の都市キルクークやモスルを断続的に空爆してきた米軍は、大幅に遅れていた北部での地上戦に向けた準備を加速させている。これに対し、イラク軍も北部防衛に備えているもようで、イラク戦の行方を占う北部戦線の攻防が間もなく幕を開けるとみられる。 (時事通信)
3カ月後にイラク原油輸出再開へ=英軍

 【ドーハ27日時事】カタールのアッサイリヤ基地に駐留するペルシャ湾岸派遣英軍のバリッジ司令官は27日、記者会見し、ルメイラ油田などイラク南部からの原油輸出が3カ月後に再開されるとの見通しを明らかにした。
 バリッジ司令官は、油田の修復などには、およそ3カ月、約10億ドルが必要だと指摘した。 (時事通信)
劣化ウラン弾の使用認める=米軍

 【ドーハ27日時事】米中央軍のブルックス作戦副部長は26日にカタールのアッサイリヤ基地で行った記者会見で、対イラク戦で劣化ウラン弾を使用したことを認めた。劣化ウラン弾はがんや白血病との因果関係が疑われている。 (時事通信)
米が北部に空挺部隊、本格的な地上戦へ

 米軍はイラク北部の戦線構築のため、現地時間の26日夜から27日未明にかけ、約1000人の空挺(くうてい)部隊をクルド人自治区に投入、飛行場を確保した。米本土から増派される約3万人の部隊とともに、バグダッド包囲・攻略に向けた地上戦力増強の一環とみられる。

 首都を守るイラクの共和国防衛隊の南下の動きについては、米国防総省が「大規模な移動はない」と述べるなど、情報は錯綜(さくそう)している。米英軍の進撃を妨げていた砂嵐が収まってきたとの情報もあり、本格的な地上戦が始まる可能性が出てきた。

 ◆北からバグダッド進攻を目指す◆

 【ワシントン=伊藤俊行】米メディアによると、イラク北部のクルド人自治区で飛行場を確保したのは、米空軍の第173空挺旅団。これを受け、米陸軍第1歩兵師団は戦車や歩兵戦闘車をイラク北部に投入する準備に入った。米英軍は北部油田地帯の掌握や北方からのバグダッド進攻を目指す構えだ。

 また、米本土からは陸軍第4歩兵師団を主力とする約3万人の部隊が増派される。マクリスタル統合参謀本部作戦副部長は「第4歩兵師団は強力な部隊だ。(北方からでも南方からでも)どこから突入しようと力を発揮する」と述べた。

 第4歩兵師団は1万6000人規模。トルコからイラク北部に入る計画だったが、トルコ国会が受け入れを拒否したため、米テキサス州の基地などで待機していた。ロイター通信によると、数日中に出発する予定だ。

 ◆南下のイラク機甲師団、海兵隊と衝突も◆

 一方、首都から南下を始めたと伝えられたのは、バグダッド東部を守る共和国防衛隊「ニダー機甲師団」の部隊。激戦が続くナジャフの戦線の援護に向かったとの見方がある一方、首都南東のクートを目指しているとの情報もある。この場合、チグリス川沿いに北上する米海兵隊第1遠征軍と衝突する可能性がある。

 ただ、米国防総省は共和国防衛隊の南下の動きについて、「限定的な移動はみられるが、大規模な移動の情報はない」としている。

 同省によると、開戦以降、米軍は巡航ミサイル「トマホーク」600発、精密誘導爆弾4300発を使った。一方、イラク軍が放ったのは短距離ミサイル10発で、うち7発はパトリオットで撃ち落としたという。

 空挺部隊 パラシュートなどを使い、空から展開できるよう編成・装備・訓練された地上部隊。空中挺進部隊の略。戦略上、重要な地点への奇襲・制圧や、孤立した部隊の救援などを任務とする精鋭部隊で、戦局を一気に切り開く機動力の高さが特徴。(読売新聞)
米軍、北部に本格展開開始 空挺部隊が1000人降下 

 【ワシントン26日共同】米国防総省当局者は26日、イラク北部のクルド人支配地域に米陸軍第173空挺(くうてい)旅団の約1000人が降下、飛行場を確保したことを確認した。北部には既に米特殊部隊が展開しているが、本格的な地上部隊の投入は初めて。南方から首都バグダッドを目指す米英軍部隊とともに、首都攻略を目指す。
 戦車や装甲兵員輸送車も運び込まれ、北部から首都への進撃準備が整った。米軍は当初、トルコから地上軍をイラク領内に入れる予定だったが、トルコ国会が受け入れを拒否したため、空挺部隊の展開に切り替えた。(共同通信)
市場誤爆の可能性を指摘 米統参本部副議長

 【ワシントン26日共同】ペース米統合参謀本部副議長は26日、CNNテレビのインタビューで、イラクのバグダッド北部にある市場で民間人15人が死亡したミサイル爆撃について、米軍の精密誘導爆弾の装置が働かなかった可能性があると述べ、誤爆の可能性を指摘した。
 副議長は「何が起きたかは分からない」とした上で(1)精密誘導爆弾の故障(2)イラク軍の地対地または地対空ミサイルが目標をそれた−などの可能性を指摘。その上で「市場は米軍の標的リストには入っていなかった」と強調した。
 米中央軍も同日、イラクのミサイル発射施設9カ所を爆撃した際、民間人の犠牲者が出たかもしれないと発表、誤爆の可能性を排除しなかった。
 中央軍は、ミサイル施設は民家から90メートル以内の場所にあったとしており、市場に着弾したミサイルが米軍が爆撃で撃ったものと同一かどうかなど関係を調べている(共同通信)
<イラク反戦>ノーベル平和賞受賞者ら逮捕 ホワイトハウス前で

 【ワシントン斗ケ沢秀俊】ホワイトハウス前で開かれたイラク戦争反対抗議集会でノーベル平和賞受賞者2人を含む市民ら65人が26日逮捕された。

 逮捕されたのは、北アイルランドの平和運動家で76年ノーベル平和賞受賞のメイリード・コリガンさん(59)、「地雷禁止国際キャンペーン」(ICBL)代表として97年に同賞を受けたジョディ・ウィリアムズさん(52)、71年にベトナム戦争に関する米国防総省秘密報告書を報道機関にリークしたダニエル・エルズバーグさん(71)ら。

 ロイター通信によれば、コリガンさんは逮捕前に「北アイルランド問題は対話で解決を図った。イラク問題でもそれを望む」と語っていた。また、ウィリアムズさんは拘束される際、「これが私たちの民主主義の実態です」と報道陣に訴えたという。(毎日新聞)

<イラク戦争>ハイテク師団が米本土を出発へ

 最新のハイテク装備を誇る米陸軍第4歩兵師団が30日、米本土を出発し、ペルシャ湾岸地域へ向かう。ロイター通信が26日伝えた。同師団はクウェート経由でイラク南部に侵攻し、米英軍を支援するものとみられる。同師団のほかにも約1万4千人の米地上部隊がほぼ同時に派遣され、これだけでも増援兵力は3万人にのぼる。(毎日新聞)
バグダッドで何度となく爆発音、対空砲火も
 [バグダッド 27日 ロイター] 1週間前の開戦から空爆にさらされているイラクの首都バグダッドで27日早朝、10回の爆発があった。また対空砲火の音もバグダッド上空で聞かれた。
 現地のロイター通信記者は、「爆発が10回あり、うちいくつかは、明らかに市中心部の近く。その他は外部だった」とし、「対空砲火もあったが、戦闘機の音は聞き取れなかった」と述べた。
 記者によると、最近の砂嵐は収まり、天候は良好という。
 また、27日未明にもバグダッド郊外で、10分間に8回の爆発があり、戦闘機の音が聞こえた。(ロイター)
米空てい旅団、イラク北部の飛行場を確保
 [ワシントン 26日 ロイター] 複数の米国防当局者によると、米陸軍の兵士約1000人が26日、イラク北部のクルド人支配地域にパラシュートで降下し、重要な飛行場1カ所を確保した。
 複数の国防当局者が、匿名を条件に明らかにしたところによると、パラシュート降下したのは、イタリアを拠点とする米陸軍第173空てい旅団。イラク側の抵抗はなかったという。
 ある当局者は、ロイター通信に、「これが北部前線の起点となる」と述べた。
 飛行場の正確な場所は、明らかにされていない。
 イラク北部への大規模な米軍部隊の投入は、これが初めて。
 ある国防当局者によると、今回の作戦に先立ち、イラク北部には数百人の特殊部隊が潜入していた。(ロイター)
精密誘導弾4300発を投下=イラク開戦以来、巡航ミサイルは600発−米英軍

 【ワシントン26日時事】米統合参謀本部のマクリスタル作戦副部長は26日の記者会見で、イラク攻撃開始以来、巡航ミサイル・トマホーク600発以上を撃ち込み、精密誘導弾4300発以上を投下したことを明らかにした。 (時事通信)

<イラク戦争>バスラからイラク軍戦車部隊南下 英空軍が攻撃

 英BBC放送などによると、イラク南部にある同国第2の都市バスラからイラク軍戦車部隊が26日午後、南東のファオ半島方面に隊列を組んで進撃を始めた。ファオ半島を占領した英軍部隊の陣地に向かっているとみられ、英空軍のトーネード戦闘機やハリアー垂直離着陸戦闘機などが出撃して大規模な空爆を加えている。(毎日新聞)

<イラク戦争>ナジャフで戦車部隊激突か 共和国防衛隊が南下

 米CNNテレビは26日、首都バグダッドから南下したイラクの共和国防衛隊とみられる軍用車両約1000台が同日、中部ナジャフに向かい、北進中の米陸軍第3歩兵師団と近く本格的な地上戦に突入する可能性があると報じた。双方の主力戦車部隊が首都攻防の前哨戦となる激しい地上戦を繰り広げる可能性が強まっている。(毎日新聞)
<イラク戦争>バグダッドの市場にミサイル 住民多数が死傷

 米英軍は26日、首都バグダッドや北部モスルなどを空爆し、バグダッドでは2発のミサイルが住宅地の市場などに着弾、住民多数が死傷した。誤爆の可能性が強く、国際社会の米英批判が高まるのは必至だ。一方、米英の地上部隊はバグダッド南方80キロのカラバラ近郊で、激しい砂嵐のため攻撃ヘリコプターが出撃できない状態が続いており、バグダッド攻略作戦に遅れが出る可能性が高い。開戦1週間となった26日、ブッシュ米大統領はフロリダ州の中東軍司令部で演説し、軍事作戦の進展を強調しながら「戦争終結は遠い」と楽観論を戒めた。

 【アッサイリヤ基地(カタール)福島良典、アンマン竹之内満】米英軍は26日朝、バグダッド中心部にあるイラク国営テレビと衛星放送・通信施設などを精密誘導爆弾とトマホーク巡航ミサイルで攻撃した。また、英BBCなどによると、同日午後のバグダッドへの空爆で、北部の住宅地にある市場などが被弾。15人前後の死者と約30人の負傷者が出た。カタールの衛星テレビ「アルジャジーラ」は市場と住宅地が被害を受け、29人が死亡したと報じたが、確認されていない。

 現場周辺は住宅と商店が混在する人口密集地で、最も近い軍事施設でも数百メートル離れているという。現場のテレビ映像は、破壊された建物から煙が噴き出し、周辺では車両が炎上、慌ただしく遺体を搬送する市民の姿などを伝えている。AP通信は、イラク国防省の情報として、住宅地を直撃したのは2基の巡航ミサイルだと伝えた。

 一方、米軍地上部隊は26日現在、カルバラに達しているが、激しい砂嵐のため、約270機の攻撃ヘリの発着に支障が出ている。

 AFP通信はバグダッド南方約160キロのナジャフ近郊で25日から26日にかけた戦闘でイラク側の死者数が約650人に達したと報じた。

 また、アルジャジーラは26日、イラク南部バスラ近郊の戦闘で死亡したとされる英兵2人の遺体と、捕虜になった英兵2人の映像を放映した。

 米中東軍のブルックス作戦副部長は26日、記者会見し、米英軍がイラク軍攻撃で劣化ウラン弾を使用していることを認めた。貫通力が強い劣化ウラン弾は、91年の湾岸戦争、99年のユーゴスラビア空爆でも使用され、イラク保健省などは白血病などのがん多発との因果関係を指摘している。

 同作戦副部長は「我々の武器・弾薬の中で劣化ウランを使っているものは極めて少ない」と明言した。劣化ウラン弾がイラクの民間人の人体に与える悪影響については「これまでの研究によれば人体に害を及ぼす可能性があるのは攻撃対象の極めて近くにいる場合だけだ」と述べた。

 一方、ブレア英首相は26日、南部バスラで発生したと伝えられたフセイン政権に対する住民蜂起について「小規模の蜂起があった」と確認した。ロックウッド英軍主任報道官も同日、南部バスラで25日夕、住民が蜂起し、バース党の治安部隊が迫撃砲で鎮圧しようとしたことを確認、英軍が砲撃拠点とバース党本部を攻撃したと明らかにした。(毎日新聞)
第4師団派遣で地上軍増強 3万人以上派遣

 【ワシントン26日共同】ロイター通信によると、米軍当局者は26日、イラク戦争の地上軍を増強するため、米陸軍第4歩兵師団など3万人以上の兵力を湾岸地域へ派遣することを明らかにした。数日中にクウェートに到着するとみられる。
 第4歩兵師団は陸軍のハイテク部隊で兵員約1万6000人。ほかに関連部隊が同行する。当初はトルコ経由でイラクに進攻する計画だったが、トルコが米軍の駐留を拒否したため、テキサス州の基地などで待機していた。(共同通信)
北部への空爆強化、戦線構築へ

 米英軍はイラク時間で25日から26日にかけ、イラク全土を空爆し、特に北部の要衝モスルに、過去最大級の空爆を行った。北部への空爆強化は、米英軍が北部戦線構築に着手したもので、南部からバグダッドを2方向で挟撃するのに加え、北部でフセイン政権中枢の退路を断つ戦略と見られる。

 バグダッド空爆では、26日、住宅地に被弾し多数の民間人死者が出たとの報道がある。バグダッドに向けた進軍は、26日、現地の猛烈な砂嵐で停滞を余儀なくされている。

 【アッサイリヤ米軍基地(カタール)=加藤賢治】米英軍の空爆は、25日から26日にかけて、バグダッドのほか、北部モスル、クルド人自治区の主要都市チャムチャマルなどにも、イラク軍部隊を主標的に行われた。

 米CBSテレビは、バグダッド市内の国営テレビ局空爆では、米空軍が「E爆弾」と呼ばれる電磁波利用の最新兵器を使ったと伝えた。この爆弾は強力な電磁波を発生させることで通信機器をまひさせるもので、同テレビ局は数時間にわたり放送不能になった後、微弱電波による放送を再開したという。

 一方北部の空爆は、開戦以来最大規模と伝えられた。北部戦線に関しては、トルコが自国領土内からの米軍のイラク進攻を認めていないため、当初構想より大幅に構築が遅れていた。米軍はすでに、北部のクルド人自治区に特殊部隊を潜伏させている。

 イラクでは、26日も砂嵐が吹き荒れ、バグダッドの視界はかなり悪くなった。米軍の一部部隊は、砂嵐で出撃を見合わせている。

 南部から北上する地上軍部隊も停滞の情勢だが、米英軍は25日までに当初構想以上に早く進軍しており、空軍力の支援で補給部隊の大挙北上に努め、首都攻略に向け増強を続ける。(読売新聞)