東海村JCO事故被爆者、大内氏の闘病情報
JCO東海村事故リスト

1999/11/27 大内氏、重体
1999/11/28 呼吸機能、やや改善
1999/11/29 大内氏、肝不全に陥る
1999/12/19 大内久さん、危篤状態
1999/12/21 大内久さん、危篤状態続く



臨界事故で被ばくした大内久さん、危篤状態続く

茨城県東海村の臨界事故で被ばくし、危篤となっている核燃料加工会社「ジェー・シー・オー(JCO)」作業員大内久さん(35)の容体について、入院先の東大付属病院(東京都文京区)は21日午前、血圧を維持する昇圧剤の量を増やすなどして治療に当たっているが、危篤状態が続いていると発表した。
同病院によると、大内さんは多量の出血があるため、昇圧剤の投与量を増やし、最高血圧を120―130の値で維持させている。しかし、投与量が薬の効き目がなくなる限界に近づいているため、昇圧剤の増量で対処するのは難しくなってきているという。(時事)


臨界事故で大量被ばくした大内久さん、危篤状態

茨城県東海村の核燃料加工会社「ジェー・シー・オー(JCO)」東海事業所で起きた臨界事故で大量被ばくした同社員、大内久さん(35)の容体について、治療にあたっている東京大学病院(東京・本郷)は十九日、「さらに予断を許さない厳しい状況になった」と発表、危篤状態に陥っていることを明らかにした。
同病院によると、十八日午後九時ごろから容体が悪化。血圧を上げる昇圧薬を増量し、辛うじて血圧などを維持しているものの、血圧の最高値が100を切る状態となった。同病院では、人工呼吸管理や感染症対策などのきめ細かな全身管理を行いながら、救命治療に全力をあげている。
大内さんは九月三十日の臨界事故で、一般人の年間被ばく許容量の約一万八千倍に当たる推定十八シーベルトの放射線を浴びた。懸命の治療にもかかわらず、消化管からの出血、呼吸器障害などの放射線障害が続き、先月二十七日は一時的に心臓が停止するなど、容体が悪化している。(12月19日)

臨界被ばくの大内さん、肝不全に陥る

 茨城県東海村の臨界事故で被ばくした、核燃料加工会社「ジェー・シーオー(JCO)」社員、大内久さん(35)の容体について、入院先の東京大学病院(東京・本郷)は二十九日、「重篤な状態が続いているが、さらに肝不全が重なり、いっそう予断を許さない状態となった」と発表した。
 主治医の前川和彦・同病院救急部長らによると、二十七日朝に一時間以上心臓が停止し血流がとだえたため、肝臓に障害が起き、肝機能が極度に悪化し肝不全となった。医師団は、人工透析や新鮮凍結血漿(しょう)の投与を継続。さらに人工呼吸や感染症対策など、全身管理をきめ細かく行うという。前川教授は「(一時的な心停止で)肝臓にかなり大きなダメージがあったと推測され、今後肝機能が回復するのは厳しい状況だ」と語った。(11月29日20:18)


東海村臨界事故で被ばくした大内さんが重体

茨城県東海村のジェー・シー・オー(JCO)東海事業所で9月30日に起こった臨界事故で、大量の放射線に被ばくした同社員の大内久さん(35)が27日、重篤な状態に陥った。同日午前7時すぎにいったん心臓が止まったが、救命措置で五回の電気ショックが試みられ拍動が戻った。現在入院中の東京大学病院(東京都文京区)で治療が続けられている。大内さんは致死量を上回る、推定10―20シーベルトと大量の放射線を全身に浴び、やけど、臓器障害、腸の障害など全身状態の悪化が続いていた。
 大内さんは、とくに小腸、大腸に放射線によるただれがみられ、そこから一日1000ccほどの出血が続いている。1日10リットル前後の点滴を必要としている。血をつくる幹細胞が破壊されたため、造血幹細胞の移植など最先端の治療を受けた。しかし、影響は体の深い部分までおよんでいて、やけどで皮膚がはがれても再生しない状態となった。傷からは体液がしみだして時には2800ccの体液が流れることもあり、皮膚移植も行われた。大内さんはウラン精製の作業でウラン溶液を沈殿槽に大量に入れたため、核分裂反応が連続する臨界状態が起こり、その瞬間に発生した中性子線を中心とする放射線を大量に浴びた。一緒に作業していた同社員、篠原理人さん(40)も6―10シーベルト程度被ばくし、東京大学医科学研究所病院で10月9日に臍帯血移植を受け、造血機能は回復しつつあり、準無菌室にて闘病中。作業のリーダーだった横川豊さん(55)は、1.2―2.5シーベルトを浴び、千葉県の科技庁放射線医学総合研究所に入院している。

臨界事故で被ばくの大内さん、呼吸機能はやや改善
 茨城県東海村の「ジェー・シー・オー(JCO)」東海事業所の臨界事故で大量被ばくをして入院中のJCO社員大内久さん(35)について、治療にあたっている東京大学病院の前川和彦教授らは28日、記者会見し、「呼吸機能が改善し、容体はやや安定した。しかし、重篤な状態は続いている」と説明した。大内さんは27日に一時心停止して蘇生(そせい)したが、その影響が残っているという。
 同教授らによると、心停止の原因の1つとみられる肺水腫(肺の一部に水がたまる状態)による呼吸の悪化は、おなかにたまった水を抜いて胸部への圧迫を減らしたり、輸液の量を調整したりして少し改善した。ただ、心停止で一時的に臓器に血が通わなくなったため、肝臓の機能が低下した。尿が出ないために27日夜から始めた人工透析は今後も続ける。

医師団が証言「JCO被曝社員のDNAはズタズタだ」
東大病院無菌室の一ヶ月

東海村住民8人の「DNA損傷データ」