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【トピック】
改正独禁法が施行、談合・違反の自主申告で課徴金減免

 改正独占禁止法が4日施行された。公正取引委員会は入札談合やカルテルの違反を自ら情報提供した企業の処分を軽くする課徴金減免制度(リーニエンシー)の申請を同日から受け付ける。減免されるのは各事件につき先着3社まで。同着を防ぐためファクスのみの受け付けで、受信の時間で順位が決まる。

 減免制度は最初に申告した企業は立ち入り検査の前ならば課徴金が全額免除される。2番目は50%、3番目は30%が減額される。秘密裏に談合・カルテルを続けている企業間の連携を崩し、談合行為を解明する狙いがある。

 複数の企業による同時申請は適用されないほか、個人での告発や他社の違反行為だけの密告も認められない。まず簡単な違反の概要を記載し、社名や会社印を押印した報告書を送信。その後詳細な報告書や資料を送付する仕組みだ。

 これまでに納付された課徴金の最高額はセメント製造業者による違法カルテルで、12社が総額約112億円の支払い命令を受けた。改正法では課徴金が製造業の大企業の場合、原則売上高の10%(現在は6%)に引き上げられることもあり、申告企業にとって順番が重要な意味を持つことになる。公取委は指定したファクス(03・3581・5599)に限定して受け付ける。

 減免制度は欧米やカナダ、韓国などで採用されており、国際間の企業による価格カルテルなどの摘発に効果をあげているという。日本の場合、役人が入札談合を仕切る官製談合がいまだに残り、談合から離脱しにくい事情もあるため、新制度に対する企業の対応が注目される。


○日本の場合、やはり官製談合という悪しき習慣が大きなネックになると思う。これまでの談合摘発でもその黒幕たる官界中核まで捜査が及ぶことは殆どなかった。私も初めて入札の権利を得て参画した際に、その事実を目の当たりにして権利を放棄したくらいだ。あのときは蔑称まじりに「勿体無い」と周囲から散々云われた。チャンスを自ら放棄したバカ、というわけだ。彼らにとって談合が悪いとはさらさら思っちゃいない証拠でもある。官界との癒着をそのままに課徴金減免制度(リーニエンシー)を導入しても効果はあるまいと思うのだ。「個人の密告は認められない」という会社経営陣に有利なこの制度の限界を知る思いだ。企業側と役所側の利害が繋がっている限りにおいては、結局のところ泥棒が泥棒を裁くようなものではないか。




【私的めもらんだむ】
○深夜放送の映画「キューブ」を見るとはなしに見た。いつしか思わず引き込まれるように観ていた。面白い。驚きでもあった。その中の台詞「頭脳は見えない」云々・・・「黒幕などいない、これは何の展望もなく行われている計画だ。これは終わりのない忘れられた公共事業だ。無用の長物だ」と・・・映画では無意味なゲームに翻弄される人々、閉ざされた世界の中での人間の葛藤だけが展開される。しかもその部屋(箱)は絶えず動いている。小さな運命共同体としての箱、そして人々の葛藤はやがて殺人へ・・・救いようのない人間模様が露呈していく。

ある日突然理由もなく、男女6人が鋼鉄の立方体の部屋に閉じ込められた。そこには同じ部屋が多くあり、その集合体で作られた巨大な立方体(キューブ)となっている。各部屋に6つあるハッチから、さあ出口を探せ!
ゲーム感覚あふれる斬新なアイデアと、スタイリッシュな映像センスで、トロント映画祭やサンダンス映画祭をわかせた作品である。6つのハッチから出口を探すしか脱出方法はないが、部屋にはさまざまな殺人トラップが仕掛けられている。無駄なエピソードはいっさい排し、ただひたすら脱出サスペンスと心理ドラマに集中している。監督はデビッド・クローネンバーグ以来の衝撃と賞賛される、カナダの異才ヴィンチェンゾ・ナタリ。映画作りの常識を根底から覆した、画期的な映画である。(アルジオン北村)



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