遡ること2004年4月20日、合衆国大統領ジョージ・W・ブッシュは、政府のテロ対策に関して以下のように国民に説明している:
「合衆国政府が盗聴する際には、常に裁判所の令状が必要です。それは変わりありません。テロリストを追い詰める場合、あらかじめ裁判所の令状が必要なのです。国民の皆さんに理解していただきたいのですが、愛国法を考慮に入れても、国家防衛に必要な行為であっても、憲法上の保障がなければいけません。なぜなら、我々は憲法を尊重しているからです。」
---ジョージ・W・ブッシュ、2004年4月20日の発言
つまり、ジョージ・W・ブッシュは単に法を無視しただけでなく、無視したことについてウソをついていたわけだ。しかもこの独裁志願大統領は、「国民の命を護るため」今後も国民の盗聴を続けると堂々宣言している。「死にたくなかったら盗聴させろ!」というわけだ。
シドロモドロのライス国務長官大統領が堂々と憲法違反を自白したことで慌てまくった最初の閣僚は、国務長官コンドリーザ・ライスだ。国務長官就任以来、ホワイトハウスのCIA工作員名漏洩スキャンダルから逃げるために、たいした用件もないのに長期外遊に繰り出した彼女は、CIAの秘密収容所について聞かれるのが嫌でヨーロッパから逃げ帰ったばかりだが、今や彼女のキャリアにとってお荷物でしかないブッシュ大統領の、致命的なスキャンダルに再び巻き込まれてしまった。(2008年度大統領選出馬への影響を心配しているにちがいない)
大統領の「自白会見」直後の12月18日NBC放送「ミート・ザ・プレス」に出演したコンディは「私は弁護士じゃないから」と繰り返し、元国家安全保障担当大統領補佐官としての責任問題から逃げている。おまけに次の日のインタビューでは、思わぬ失言をしている。CNN放送のインタビューで、ライス国務長官は言った:
「(国内盗聴について)大統領は早い時期から、合衆国法の最高権威である司法長官に相談しています。」
「中学で公民科を学習した人なら、合衆国法の最高権威が連邦最高裁であることくらい知ってますよね?」というイジワルな批判はさておき、「司法長官に相談済み」というライス国務長官の発言は、盗聴論争の火に油を注ぐものだ。なにしろ、ブッシュが令状なし盗聴を相談したという当時の司法省長官は、全米の産婦人科カルテから女性の個人情報を覗くことに全力を注いだジョン『♪タカよ飛べ空高く♪』アッシュクロフト氏である。 |