同ドキュメンタリーによれば、米軍が使用したとみられる武器は、白リン弾(white phosphorus)とMK-77焼夷弾(ナパームの後継武器といわれる)。白リン弾は第二次大戦中、米軍の沖縄上陸戦において、日本軍の地下壕攻撃の際に使われている。
ところで、この二つの武器の使用に関して、疑惑が最初に伝えられた直後の2004年12月に、米国務省は公式発表で非常に巧妙に説明している。その主張を簡単にまとめると以下のとおり:
- ナパームやそれに類する武器を敵軍に対して使用することは国際法で禁止されていない。従って、2003年のイラク侵攻開始時に米軍がフセイン軍に対してMK-77焼夷弾を使用したが、違法ではない。(napalm or napalm-like incendiary weapons are not
outlawed. International law permits their use against military forces, which is
how they were used in 2003.)
- 米軍はファルージャ攻撃ではMK-77焼夷弾を使っていない。(no Mark-77 firebombs were used in Fallujah)
- 白リン弾は、通常照明弾として夜間の戦闘で使用され、それ自体違法ではない。ファルージャにおいて、米軍は非常に慎重に白リン弾を用いており、敵に直接浴びせてはいない。(Phosphorus shells are not outlawed. U.S. forces have
used them very sparingly in Fallujah, for illumination purposes. They were fired
into the air to illuminate enemy positions at night, not at enemy
fighters.)
おわかりだろうか?米政府によれば、MK-77焼夷弾も白リン弾も「
適切に使用された」というわけなのだ。「どうか安心して、違うチャンネルをお楽しみください」といわれて、アメリカでは
メディアも国民も納得してしまっているご様子なのである。
おそらく、今後の米国政府の対応は、アブグレイブ刑務所の虐待事件と同じように、「一部の現場兵士が暴走した」で片付けるつもりなのだろう。