★業者巡回で交差汚染、茨城鳥インフルエンザで可能性
茨城県で弱毒型の鳥インフルエンザが相次いだ問題で、感染が確認された複数の養鶏場では、同一の食肉処理業者が巡回したことで「交差汚染」が起き、感染を拡大させたとみられることが、農水省の感染経路究明チーム(寺門誠致座長)の中間報告案で新たにわかった。
一方、ウイルスの国内侵入ルートについては、渡り鳥や鳥類の輸入による可能性はほぼ否定され、人為的に持ち込まれた「違法ワクチン」の可能性が高く、同チームは31日の検討会後、中間報告を公表する。
今回の鳥インフルエンザは、茨城県内の養鶏場計30か所と、埼玉県内の養鶏場1か所の計31か所で見つかった。ウイルスを遺伝子解析したところ、中米のグアテマラで2000〜02年に確認されたものと97%合致、同チームは、茨城県内での検証とともに、中米の現地調査などを進めている。
中間報告案によると、感染が確認された複数の養鶏場には、鶏を引き取る同一の食肉処理業者が出入りしており、同じ日に鶏を出荷していたことが判明。この業者が、感染した鶏と接触した際にウイルスが衣服などに付着し、その後の巡回で別の養鶏場に感染を広げた「交差汚染」が起きた可能性があると指摘した。
一方、国内侵入ルートについては、日本の近隣諸国でも発生例のない中米由来のウイルスが、茨城県南部だけで多発しているのが「不自然」だとして、「ウイルスが人為的に持ち込まれた」との見方を示した。さらに、ウイルスの遺伝子の特徴が、海外の正規ワクチンとは合致しないため、「(違法な)未承認ワクチンが持ち込まれた可能性がある」としている。
昨年の京都府などのケースでは、渡り鳥がウイルスを運んだ可能性が強いが、今回のウイルスは野鳥間で感染を繰り返した形跡がなく、中米からは日本に直接飛来する渡り鳥もいないため、野鳥による侵入は考えにくいと説明。鶏や鶏肉の輸入が原因となった可能性もほぼ否定した。 |

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