★<ロシア>武装グループが同時攻撃 住民含め70人死亡
【モスクワ町田幸彦】ロシア南部カバルジノ・バルカル共和国の首都ナルチクで13日、武装グループが一斉に市内各所の治安機関施設を襲撃した。インタファクス通信などによると、連邦軍部隊が出動したが、市内の内務省分署などで交戦が続いており、警察官らが人質になっているとの情報もある。武装集団約50人の死亡が確認されたほか、住民が銃撃戦の巻き添えになり、連邦軍兵士を含む計20人が死亡、約70人が負傷した。治安当局は犯人グループが約150人に上るとみている。
この襲撃事件で、隣接するチェチェン共和国の独立派武装勢力のインターネット通信社「カフカス・センター」は同日、「チェチェン共和国軍の1部隊、カフカス前線軍が町に突入した」との声明を発表、チェチェン武装勢力の犯行を認めた。カバルジノ・バルカル共和国のカノコフ大統領は「イスラム過激派集団の『ジャーマト』が攻撃した。チェチェンを含む外部の者も犯行に加わった」と述べた。
攻撃されたのはナルチク市内の共和国内務省、連邦保安局、国境警備隊の施設ビル、空港など。銃撃に加え砲弾も使った攻撃で、火災も発生した。
独立派武装勢力とロシア連邦軍が衝突するチェチェン紛争は11年間続いており、ここ数年、武装勢力側はチェチェン周辺の他の共和国にもテロ攻撃の範囲を広げている。昨年9月には北オセチア共和国ベスランの学校占拠事件で、多数の子供を含む約330人が特殊部隊突入の際に死亡した。
(毎日新聞)
★ロシア南部の襲撃、武装勢力排除し人質救出…終息へ
【モスクワ=五十嵐弘一】ロシア南部カバルジノ・バルカル共和国の首都ナリチクで13日起きた、チェチェン武装勢力による一斉襲撃事件で、露治安当局は14日、人質とともに、同共和国内務省ビルとみやげ物店に立てこもっていた武装勢力メンバー計11人を殺害、人質計7人を救出した。これにより、同市内から武装勢力は排除され、事件はほぼ終息した。
露最高検察庁のコレスニコフ次長検事が同日、記者団に対し明らかにした。
インターファクス通信によると、同共和国のゲンナジー・グビン首相は同日、市民の死者が最大24人に上ると語った。タス通信によると、負傷者は計120人となった。当局は武装勢力要員72人を殺害、約31人を拘束した。警察官の死者は24人となった。
13日の襲撃は、約150人もの兵力を動員した組織的なもの。これだけの作戦能力を持つのは、北オセチヤ・ベスランで学校占拠事件を起こした、シャミル・バサエフ野戦司令官以外にありえない、と考えられている。同司令官は今回の戦闘中に死亡したとの未確認情報が一時流れたが、露当局は14日、この情報を否定した。
(読売新聞)
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ナルチク(Nalchik)での銃撃戦で死亡したチェチェン武装勢力の兵士。警察官がその遺体を囲んでいる。 |
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ナルチクの町を警戒、パトロールするロシア軍兵士 |
○カバルジノ・バルカル共和国は非常に分かりにくい場所でした。以下。
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カバルジノ・
バルカル共和国
Kabardino-Balkarskaja Respublika
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ナルチク上空に立ち上る火災の煙 |
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ナルチク市街地のロシア連邦軍兵士 |
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チェチェン武装勢力を迎え撃つ警察とロシア軍兵士 |
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ナルチク警察署前に置かれたチェチェン武装勢力の銃器 |
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