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【トピック】
オランダ富豪の娘を誘拐 禁輸品輸出と関係か

 【ベルリン14日共同】オランダからの報道によると、同国有数の富豪の一人ハンス・マルチェルス(Hans Melchers)さんの娘クラウディアさん(Claudia Melchers 37)のアムステルダムの自宅に十三日夕、武器を持った男が押し入り、クラウディアさんを連れ去ったことが十四日分かった。警察は誘拐事件として捜査している。
 ハンスさんは化学薬品販売で財をなした。一九八〇年代、イラクの有毒ガス製造に使用される可能性があり禁輸対象だった化学物質を輸出したとして非難された。会社側は、途中で輸送を取りやめイラクには化学物質は届いていないと主張している。警察は、これが今回の誘拐と関係あるかどうか不明としている。

追記
○ハンス・マルチェルス(Hans Melchers)氏はオランダ随一の大手化学会社「Melchemie chemicals company」を所有、1984年にはイラクに化学物質供給していた疑惑がかけられている。今度のクラウディア嬢誘拐にはそのことが原因とする向きがある。武装した犯人と目される男たちは突然自宅に侵入してクラウディアを連れ去った。自宅に彼女と一緒にいた二人の子供(女児)は無傷のまま置き去りにされた。Melchemieは2002年度には7600万ドルの販売実績があり、ハンス・マルチェルス個人は5億ドルの財産を所有する。Melchemieのウェブサイトでは「イラクへの輸出では収入の5万5000ドル以上の罰金を払った、一回だけの過失であり、1989年当時は国際的にも禁止されていない化学物質だった」と苦しい言い逃れをしている。
 Willem Woelders警察本部長は「現在、彼女が何処にいるかは不明ながら捜索中であり、彼女らしき人物を目撃した人がいれば警察に通報してほしい」と言う。
 オランダでの身代金目的の誘拐事件は稀で、1983年にはビール大手のフレディ・ハイネケン(Freddie Heineken)が誘拐され1000万ドルが支払われている。のちに誘拐犯2人は逮捕され長い服役後に釈放、うち1人は昨年マフィアの抗争で射殺された。1998年には当時のロイヤルフィリップス・エレクトロニクス社(Royal Philips Electronics Co)チーフエグゼクティブ62歳の社交界名士の妻Hansje Boonstra-Raatjesが誘拐されている。

○「Melchemie Holland BV 」ホームページ
実際にイラクへ化学物質を輸出したのは、やはりマルチェルスの会社「Melchemie Holland BV 」らしい。


Claudia Melchers

Hans Melchers
【視聴予定】
22時
00 NHKスペシャル「タクシードライバーは眠れない」 規制緩和から3年、年収3百万過酷な競争---NHK総合

 「規制緩和」が思わぬ混乱を生み出したタクシー業界。2002年の改正道路運送法の施行で、「新規参入」「増車」「価格」の3つの自由化が図られ、多様なサービスが生まれるはずだった。しかし現実には、激しい安売り戦争と供給過剰が起き、運転手の給与が激減。暮らせなくなった運転手のなかには、繁華街で客引きをする者、家に帰らず空港や駅に寝泊まりする「タクシー・ホームレス」まで現れた。
 こうした混乱が特に目立つ「規制緩和の実験場」と呼ばれる大阪。運転手の平均年収は300万円を下回り、少しでも収入を上げようと必死だ。一方近畿運輸局は、運転手たちの長時間労働は何より乗客の安全を脅かす、として監査や是正を求める動きに出ている。
 番組では運転手、タクシー会社・当局、3者3様の動きと思惑を追い、
規制緩和をもたらした厳しい現実を見ていく。


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