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【トピック】
★海賊はマレーシアから来た=日本船襲撃事件−インドネシア国軍

 【ジャカルタ16日時事】マラッカ海峡で日本船籍のタグボートが海賊に襲撃された事件で、インドネシアのエンドリアルトノ国軍司令官は16日、国会で記者団に対し、「犯行グループがマレーシアからやって来たのは確かだ」とした上で、「現時点で犯人の国籍などは判明していない」と述べた。
 マレーシア治安当局は犯行グループについて、インドネシア・アチェ州の独立派ゲリラの可能性が高いとしている。 

★海賊対策で巡視艇無償供与へ=インドネシアに−政府

 政府は16日、マラッカ海峡の海賊対策としてインドネシア政府に対し、巡視艇を最大で数十隻提供する方針を決めた。早ければ今年前半に調査団を同国に派遣し、2006年度以降、政府開発援助(ODA)により無償供与する。同海峡では14日に日本船が襲撃されるなど海賊事件が頻発しており、中東へのシーレーン(海上交通路)の安全確保を図ることは、日本の国益につながると判断した。 



★「日本軍事情報センター」神浦元彰氏の見解

[コメント]なんとも素早い政府のODA関連の動きだが、今回の海賊事件をきっかけに「ODAビジネス」を狙った利権がらみの臭いがプンプンする。というのは今年はインドネシア向けの2〜3隻だが、これで突破口を開けば、あとはマレーシア、インドネシア、フィリピン、シンガポールと、新型警備艇をめぐるODA事業は一気に拡大する。つい10年前までは、中古で廃船同様の警備艇であっても、武器輸出3原則に觝触するとして、日本は東南アジアに輸出することを控えていた時期があった。ところがわずか2日間で、政府はそのような過去のしがらみを断ち切った。

 そこで、ここで問題になるのは、今回の海賊がアチェの分離運動を行っている反政府組織であればどうするのかという点である。ODA大綱との関係をどのようにクリアーさせるのだろうか。政府の今までのやり方なら、CL級が良ければ次はもっと大型というように動くのは必然である。今後はODA大綱も踏みにじる姿勢なのだろうか。

 私は日本が軍事的な野心がないので、マラッカ海峡の海賊取り締まりにリーダーシップを取るべきと書いた。しかし日本のODA援助が地域の紛争支援型になれば、ODA援助はより「きな臭い」体質を好むようになる。それは結果的に軍事的な野心があることと同列である。すなわち「死の商人」的な体質であるからだ。

 もし日本が本気でマラッカ海峡の海賊問題に取り組むなら、新型で高価なCL級が2〜3隻でなくとも、中古のCL級でいいから10隻〜20隻を提供すべきだった。これではせっかくの日本のODA援助も、日本の政治家と官僚が組んだ、利権あさりのODAビジネスに利用されたと考えられてもしかたない。まあ、外務省がやることといえば、このようなODA利権あさり直結型が常であった。

※ 誘拐された3人に対して、身代金の連絡をしてこないというのは、中間にたって交渉を仲介するリスク・コントロール社(誘拐保険請負会社)などが、そのような「身代金情報」を公開しないように求める場合が多い。今回の誘拐事件では、海賊は船舶関係の書類を持ち去っている。これは身代金目的の誘拐事件と見るべき新しい特徴である。

【私的めもらんだむ】
 私の「アジアハイウエー北上説」は深読みし過ぎだったようだ。これで日本のODAに弾みがついた、という神浦氏の指摘は的を得たものであろう。それに自衛隊派遣の口実というオマケまで付いた。東南アジア諸国には世界中の兵器が集中している。いかに日本に軍事的野心がないとはいえ、いったん戦火の渦に巻き込まれればそうもいかなくなる。この辺はCIAなど世界中の諜報員が暗躍していることでも知られている。むしろ今度のような事件には、彼らの関与を否定するのが難しいほどだ。単なるカネ目当ての誘拐事件にしては犯行が組織だった点でまだ疑問が残る。大胆な仮説を許してもらえれば、それは組織ぐるみを超えた国ぐるみの事件だったのではないか、と。


 昨夜、久しぶりに夜の街に出て驚いた。馴染みの店の殆どが店じまいしていた。エビ天が美味い食堂も、元大物フィクサーおやっさんの店もシャッターが下りていた。予想はしていたが・・・なんかとても寂しくなった。不況の風はみんな思い出に変えていく。いつか私の存在も思い出だけになるのだろう。戦争体験だけは思い出にしたくないものである。
12時
「韋駄天」襲撃、アチェ武装組織幹部が関与否定 (読売新聞)
---阿修羅掲示板より

 そして、拉致された三人は北スマトラに連行されたとの報道・・・
マラッカ海峡の日本船襲撃事件で、国営ベルナマ通信は16日、マレーシア海上警察幹部の話として、拉致されたタグボート「韋駄天」の井上信男船長(56)ら3人が、「インドネシア・スマトラ島北部の小島に連れ去られた可能性が高い」と伝えた。具体的な地名などは明らかにしていない。同海峡では現在、マレーシア、インドネシアの海上警察が連携を強化している。
一方、インドネシア海軍のマリク報道官は16日、NNAに対し、「3人を拉致した海賊のものとみられる漁船3隻が、ペナン島で発見された」と語った。具体的な根拠、場所などは明らかにしていない。

 私はてっきり三人は漁船でスマトラ島に運ばれたものと思っていたが、漁船をマレーシア側のペナン島に乗り捨てたとすれば、彼らはどのようにしてスマトラ島まで行ったのか?別の船に乗り換えたのだろうか?これは周到に準備された緻密な計画的犯行だ。また、犯人と目された武装勢力が関与を否定していることから、これらの背景には大掛かりな仕掛けが隠されているようでもある。だとすれば三人の解放はスンナリいかない公算のほうが大きいだろう。ただ、彼らの目的が神浦氏のいうODA再開にあるとすれば、目的は達成したのだから解放は意外に早まるのではないか。同時にそれはそれこそ国がらみという疑惑が強くなる。


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