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【トピック】 ★平和維持活動部隊のコンゴ民兵殺害、「任務の範囲内」
中央アフリカのコンゴ(旧ザイール)で、国連の平和維持活動(PKO)部隊が攻撃してきた民兵約50人を殺害した事件で、国連当局は2日、PKOの「任務の範囲内」(報道官)という認識を示した。同日の安全保障理事会非公式協議でも、PKO部隊の反撃を支持する意見が大勢を占めたという。PKO部隊が一度に50人を殺害するのは異例の事態だが、これを追認する空気はPKOが武力を行使する基準の変化をうかがわせる。
事件は複数の武装組織が対立する北東部イトゥリ地方で、1日朝に起きた。国連当局が安保理に説明したところによると、ネパール、パキスタンなどのPKO部隊約240人が民兵の武装解除のため装甲車で移動中、突然攻撃を受けた。このため攻撃用ヘリ3機も動員して反撃し、少なくとも民兵50人以上を殺害した。PKO部隊側は数人がけがをした。
2日の国連本部定例記者会見では「このPKOに付与された権限が変わったのか」といった質問が相次いだ。報道官は「権限に変わりはない。地域を平静に戻すための断固とした取り組みの一環である」。コンゴのPKOは武力行使も認めた国連憲章7章に基づく安保理決議で設立されている。
安保理ではこの事件の協議のほかに、2月25日にコンゴPKO部隊のバングラデシュ兵9人が民兵に殺害された事件で議長声明を採択し、民兵組織を非難するとともにコンゴ暫定政権への支持を表明した。
国連PKOの武力行使を巡っては、ソマリアで93年にパキスタン兵24人が殺害されたり、ルワンダで94年に80万〜100万人の大虐殺を看過したりした事例への反省から、基準を緩和する方向に動いている。こうした変化を受けて今回、国連当局、安保理とも「問題なし」という判断を示したが、PKO部隊が今後、こうした大規模な交戦に巻き込まれる可能性が強まることになり、PKOの役割論議再燃につながりそうだ。
★コンゴで国連部隊と武装組織が交戦、50―60人死亡
[キンシャサ 2日 ロイター] アフリカ中部コンゴ民主共和国(旧ザイール)北東部イツリで1日、国連平和維持部隊として展開中のパキスタン軍部隊と現地武装組織「愛国統一戦線」(FNI)が交戦し、少なくともFNI側の50―60人が死亡した。
国連関係筋が2日明らかにしたところによると、ヘリコプターからの攻撃も行われたことから、死者の数は増える可能性があるという。
現場はイツリ地域の町ブニアから30キロの地点。
FNI指導者は、先週起きた国連平和維持部隊のバングラデシュ兵殺害事件に関与した疑いで逮捕されている。
★コンゴ当局、国連部隊9人殺害で武装組織指導者を拘束
【ヨハネスブルク=加藤賢治】アフリカ中部コンゴ民主共和国(旧ザイール)の北東部イツリで、2月25日に国連コンゴ監視団(MONUC)の平和維持部隊として展開中のバングラデシュ兵9人が殺害された事件で、同国政府報道官は1日、ロイター通信に、イツリ周辺を根城にする武装組織「愛国統一戦線」(FNI)の指導者を事件に関与した疑いで拘束したことを明らかにした。
別の幹部2人も尋問しているという。バングラデシュ兵は、FNI支配地域で襲撃された。
イツリ一帯では、鉱物資源の利権などを巡る部族間抗争が続いており、1999年以降、住民約5万人が死亡したとされる。
(読売新聞)
★<コンゴ>国連平和維持部隊に攻撃 兵士9人死亡
【ヨハネスブルク支局】AFP通信によると、アフリカ中部コンゴ民主共和国(旧ザイール)東部のイツリ地方で25日、国連平和維持部隊が攻撃され、兵士9人が死亡し、4人が行方不明となった。ロイター通信によると、現地の国連当局者は死亡したのは、バングラデシュ軍兵士だと話している。
同国東部に展開する国連コンゴ監視団(MONUC)には、約50カ国から約1万4000人の兵員が参加している。
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先月25日に殺害された国連平和維持部隊兵士9人の葬儀 民主コンゴ共和国
防御大臣
Adolphe Onusumba
★第7章 平和に対する脅威、平和の破壊及び侵略行為に関する行動
第39条〔安全保障理事会の一般的権能〕
安全保障理事会は、平和に対する脅威、平和の破壊又は侵略行為の存在を決定し、並びに、国際の平和及び安全を維持し又は回復するために、勧告をし、又は第41条及び第42条に従っていかなる措置をとるかを決定する。
第40条〔暫定措置〕
事態の悪化を防ぐため、第39条の規定により勧告をし、又は措置を決定する前に、安全保障理事会は、必要又は望ましいと認める暫定措置に従うように関係当事者に要請することができる。この暫定措置は、関係当事者の権利、請求権又は地位を害するものではない。安全保障理事会は、関係当事者がこの暫定措置に従わなかったときは、そのことに妥当な考慮を払をなければならない。
第41条〔非軍事的措置〕
安全保障理事会は、その決定を実施するために、兵力の使用を伴わないいかなる措置を使用すべきかを決定することができ、且つ、この措置を適用するように国際連合加盟国に要請することができる。この措置は、経済関係及び鉄道、航海、航空、郵便、電信、無線通信その他の運輸通信の手段の全部又は一部の中断並びに外交関係の断絶を含むことができる。
第42条〔軍事的措置〕
安全保障理事会は、第41条に定める措置では不十分であろうと認め、又は不十分なことが判明したと認めるときは、国際の平和及び安全の維持又は回復に必要な空軍、海軍又は陸軍の行動をとることができる。この行動は、国際連合加盟国の空軍、海軍又は陸軍による示威、封鎖その他の行動を含むことができる。
第43条〔特別協定〕
1 国際の平和及び安全の維持に貢献するため、すべての国際連合加盟国は、安全保障理事会の要請に基き且つ一つ又は二つ以上の特別協定に従って、国際の平和及び安全の維持に必要な兵力、援助及び便益を安全保障理事会に利用させることを約束する。この便益には、通過の権利が含まれる。
2 前記の協定は、兵力の数及び種類、その出動準備程度及び一般的配置並びに提供されるべき便益及び援助の性質を規定する。
3 前記の協定は、安全保障理事会の発議によって、なるべくすみやかに交渉する。この協定は、安全保障理事会と加盟国群との間に締結され、且つ、署名国によって各自の憲法上の手続に従って批准されなければならない。
第44条〔非理事国の参加〕
安全保障理事会は、兵力を用いることに決定したときは、理事会に代表されていない加盟国に対して第43条に基いて負った義務の履行として兵力を提供するように要請する前に、その加盟国が希望すれば、その加盟国の兵力中の割当部隊の使用に関する安全保障理事会の決定に参加するようにその加盟国を勧誘しなければならない。
第45条〔空軍割当部隊〕
国際連合が緊急の軍事措置をとることができるようにするために、加盟国は、合同の国際的強制行動のため国内空軍割当部隊を直ちに利用に供することができるように保持しなければならない。これらの割当部隊の数量及び出動準備程度並びにその合同行動の計画は、第43条に掲げる一又は二以上の特別協定の定める範囲内で、軍事参謀委員会の援助を得て安全保障理事会が決定する。
第46条〔兵力の使用計画〕
兵力の使用計画は、軍事参謀委員会の援助を得て安全保障理事会が作成する。
第47条〔軍事参謀委員会〕
1 国際の平和及び安全の維持のための安全保障理事会の軍事的要求、理事会の自由に任された兵力の使用及び指揮、軍備規制並びに可能な軍備縮小に関するすべての問題について理事会に助言及び援助を与えるために、軍事参謀委員会を設ける。
2 軍事参謀委員会は、安全保障理事会の常任理事国の参謀総長又はその代表者で構成する。この委員会に常任委員として代表されていない国際連合加盟国は、委員会の責任の有効な遂行のため委員会の事業へのその国の参加が必要であるときは、委員会によってこれと提携するように勧誘されなければならない。
3 軍事参謀委員会は、安全保障理事会の下で、理事会の自由に任された兵力の戦略的指導について責任を負う。この兵力の指揮に関する問題は、後に解決する。
4 軍事参謀委員会は、安全保障理事会の許可を得て、且つ、適当な地域的機関と協議した後に、地域的小委員会を設けることができる。
第48条〔決定の履行〕
1 国際の平和及び安全の維持のための安全保障理事会の決定を履行するのに必要な行動は、安全保障理事会が定めるところに従って国際連合加盟国の全部又は一部によってとられる。
2 前記の決定は、国際連合加盟国によって直接に、また、国際連合加盟国が参加している適当な国際機関におけるこの加盟国の行動によって履行される。
第49条〔相互的援助〕
国際連合加盟国は、安全保障理事会が決定した措置を履行するに当って、共同して相互援助を与えなければならない。
第50条〔経済的困難についての協議〕
安全保障理事会がある国に対して防止措置又は強制措置をとったときは、他の国でこの措置の履行から生ずる特別の経済問題に自国が当面したと認めるものは、国際連合加盟国であるかどうかを問わず、この問題の解決について安全保障理事会と協議する権利を有する。
第51条〔自衛権〕
この憲章のいかなる規定も、国際連合加盟国に対して武力攻撃が発生した場合には、安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持に必要な措置をとるまでの間、個別的又は集団的自衛の固有の権利を害するものではない。この自衛権の行使に当って加盟国がとった措置は、直ちに安全保障理事会に報告しなければならない。また、この措置は、安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持又は回復のために必要と認める行動をいつでもとるこの憲章に基く権能及び責任に対しては、いかなる影響も及ぼすものではない。
---国際連合憲章より
【私的めもらんだむ】 コンゴでのPKO国連派遣部隊の正式名は「国連コンゴ民主共和国派遣団」MONUC=Mission de I'Organisation des Nations Unies en Re'publique de' mocratique du Congo・・・というのだそうだ。えらく長ったらしい名称だが、その国連コンゴ民主共和国派遣団MONUCがコンゴ民兵に武力行使を行った今回の事件は、上記の国連憲章第7章のみならず、PKO=平和維持活動の枠を踏み越えた平和執行(強制)部隊Peace Enforcement Units の感がある。この重装備を許される武力強制部隊は平和維持活動や国連憲章第7章には囚われない、自衛範疇を超えた武力行使が容認される。過去にソマリアと旧ユーゴの2例しか適用されなかったが、それもそのはずで際限のない武力行使が報復が報復を呼ぶ戦争拡大に繋がるのは自明の理であろう。今回のコンゴ民兵殺害事件は、一週間前のイツリでの民兵によるPKO攻撃犠牲者9名を出したことによる報復ではなかったかと・・・平和維持活動の限界を思い知らされるような事件だ。いずれ日本も例外なく同じ矛盾を現場で味わうはずである。
【視聴予定】 22時
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