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【トピック】
東シナ海のパイプライン、中国の事業に旧輸銀が融資

 東シナ海で中国が天然ガスのパイプラインを敷設した事業に、政府系金融機関の旧日本輸出入銀行(現在の国際協力銀行)が1億2000万ドル(約125億円)を融資したことが、23日の衆院経済産業委員会で明らかになった。
 経済産業省が日中の排他的経済水域(EEZ)の中間線をまたいで日本側とつながっている可能性を指摘したガス田「春暁」と、このパイプラインを中国が接続する計画もあり、中川経済産業相は遺憾を表明した。
 このパイプラインは、上海と東シナ海上の「平湖」の約420キロ・メートルを結んでおり、旧輸銀が96年8月に事業費を融資した。すでに完成している。平湖は、日中中間線から約70キロ・メートル離れており、直接日本の資源を侵害する可能性は低い。
 ただ、中国側は別のパイプラインで春暁と平湖をつなぐことを計画しているといい、春暁で吸い取られた日本の資源がこのパイプラインを通って中国本土に運ばれる恐れはある。中川経産相は「当時(政府内や旧輸銀の間で)状況を把握していたかは別として、こういうことがあったということは誠に遺憾だ」と陳謝し、引き続き、中国側に中間線付近での開発中止を要求する方針を示した。
(読売新聞)

★<東シナ海ガス田>データ提供には否定的見解 中国
 中国外務省の孔泉報道局長は22日の定例会見で、東シナ海のガス田開発問題で、日本が今月18日、中国に対して改めて開発の中止と詳しいデータの提供を要求する考えを示したことについて「完全に中国近海の油田であり、日本側の要求は受け入れられないし、要求には道理がない」と述べ、否定的な見解を改めて示した。
(毎日新聞)

★日本の開発中止要求を拒否=東シナ海ガス田開発で中国
 【北京22日時事】中国外務省の孔泉報道局長は22日の定例会見で、日本政府が中国に対して東シナ海のガス田開発の中止を求めている問題について「日本の要求は完全に中国側範囲内の権益に対するものであり、受け入れることはできない」と述べ、日本の要求を拒否した。日本側のデータ提供要求に関しても「完全に道理がない」と反論した。 




両軍が始動?(東シナ海ガス田問題)2005年01月26日

 結構重要な動きなので取り上げて見ます。重要というのは、「両軍が動いている」ということです。
 まず日本の動き。昨年からノルウェーの民間調査船を借りて海洋調査を行ってきましたが、あくまで民間船でした。しかしながら今回は戦闘艦ではないものの、軍艦であり「海自が関与している」という意味は大きいと思われます。今回の問題に自衛隊が関与したのは始めてのはずです(P3Cの活動は通常の哨戒の範囲であり、東シナ海問題の為の特別活動はまだないはずです)
 一方、中国海軍も軍艦を出してきました。こちらは最新鋭の戦闘艦ということで、明らかに強硬姿勢に出ている日本への「牽制」の意味があると思われます。私は昨年日本の調査船が東シナ海で調査をしているときに中国海軍の妨害があるのではと懸念していましたが、実際にはありませんでしたので、中国海軍がこの問題に介入してくるのもこれが初めてと言えるかもしれません。
 お互い本気の姿勢になってきたと言えると思います。(中国は前から本気だったので日本もやっとと言うのが正しいかもしれません)
 また、そういう状況の中で外相会談での解決の道も探られています。昨年の内閣改造前までの川口外務大臣はこの問題について売国会談かと思われるような内容の会談を中国とやってのけ、国民を驚かせたものでしたが、町村外務大臣には期待しています。
---アジアの真実より

始まった東シナ海・春暁石油ガス田の開発---以下抜粋
平 松 茂 雄  杏林大学総合政策学部 教授
「ストローのように吸い上げられる」
東シナ海の排他的経済水域・大陸棚を日本と中国で二等分する「日中中間線」にわずか数キロメートルの中国側海域で、中国が2004年5月から春暁石油ガス田採掘施設の建設に着手した(図1)。日本側海域には4社の日本企業が先願権を得て鉱区を設定しているが、それから30年以上を経ているのに日本政府が鉱業権を与えないため、そこに埋蔵されている石油資源が中国側から吸い取られる恐れが出てきた。中国側海域で遠からず開発が始まることをこれまで筆者は何回も、機会あるたびに指摘してきたが、政府もマスコミも一部を除いて関心を示さなかった。開発が現実となった時点で、ある新聞の現地取材に同行した筆者が使った「ストローのように吸い上げられる」という表現が強い刺激を与え、世間の関心がにわかに高まり、日本政府はようやく関心を示すようになった。
最初に「日中中間線」について、説明しておく必要があるであろう。東シナ海の海底は中国大陸から緩やかに傾斜して、わが国の南西諸島の西約100キロメートルの地点で、深く窪んでいる。このくぼみは沖縄舟状海盆あるいは沖縄トラフと呼ばれ、南西諸島とほぼ平行にそって存在する。長さ1,000キロメートル、幅150キロメートル、深さ1,000〜2,000メートルである。
中国側海域に林立する採掘施設
春暁の工事は遅れるとはいえ、いずれ完成する。続いて第2期工事残雪と断橋の採掘施設の建設である。他方計画では2005年から平湖の拡張工事(第2期工事)が始まる。平湖より7,000メートル離れた海域に八角亭という採掘プラットフォームが建設される。日産80万立方メートル。ここから平湖まで海底パイプで連結され、平湖から上海に輸送される。さらに同様に2005年から平湖の北百数十キロメートルに位置する「紹興61」で採掘が始まる(図1)。2000年代の後半から、東シナ海の真ん中の中国側海域に、石油施設が林立することになりそうである。
他方わが国では、2004年7月から開始された春暁に隣接する日本側海域の地質調査が完了する。次は石油資源の有望な大陸棚のボーリングである。ボーリングを行い、さらに採掘に進まなければ、日本は中国に押しまくられるだけである。境界画定は政治交渉でと日本側がいくら望んだところで、自国の大陸棚の地質構造、資源状況を掌握していなければ、政治交渉は初めから成り立たない。だが日本がボーリングを行い、採掘に着手すれば、中国はたんに非難するだけでなく、実力阻止に訴える可能性がある。日本はそれに備える必要がある。これには高度の政治判断が必要となろう。



資料・東シナ海ガス田開発 East Asia News Watch

【私的めもらんだむ】
「庇を貸して母屋を盗られる」状態ですな。んで「盗人猛々しい」中国と、憤懣やるかたない日本、互いに軍艦まで対峙させての東シナ海ガス田争奪戦・・・
 華僑は他国の隅に貧弱な居をかまえ、その無類な生活力をしていつしかその国の金融権を握ってしまう。主客顛倒・・・秘本兵法30計「反客為主」いわく
「人の駆使するところとなる者は奴たり、人の尊敬するところとなる者は客たり、よく足を立てざる者は暫客たり、よく足を立つる者は久客たり。客久しくして而もよく事を主らざる者は賤客たり、よく事を主らば漸く機要を握りて、主たるべし。
 故に客を反して主となるの局、第一歩にて客位を争うべし、第二歩にて隙に乗ずべし、第三歩にて足を挿すべし、第四歩にて機を握るべし、第五歩にてすなわち主たるを成す。主たらば人の軍を并す。これ漸進の陰謀なり」
 これを打開するには「進んで庇を貸し母屋を盗る」逆の発想しかないだろうね。

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