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イラク首相、ジャアファリ氏が候補に

 【カイロ=柳沢亨之】先月30日のイラク国民議会選で勝利したイスラム教シーア派政党連合「統一イラク同盟」は22日、主要シーア派勢力「ダアワ党」党首のイブラヒム・ジャアファリ副大統領(57)を、首相候補にすると決めた。

 全275議席の国民議会の中で140議席を占める「同盟」は、クルド人勢力など他派との連立によって3分の2以上の議席を確保する見通しで、ジャアファリ氏の首相就任は確実な情勢となった。
 イラクの基本法(暫定憲法)によると、国民議会が3分の2以上の支持で選出する「大統領評議会」(大統領と副大統領2人で構成)が首相を指名する。
 ジャアファリ氏は、米占領下のイラク人統治機関「統治評議会」メンバーを経て、昨年の暫定政府発足後、副大統領1980年イランに亡命、その後、英国で反フセイン運動を続けてきた。最近は、米軍駐留の当面の継続、スンニ派との融和を主張している。
(読売新聞)

★イブラヒム・アル・ジャアファリ氏
 シーア派。カルバラ生まれ。モスル大学医学部卒。イラク最古の政党であるダーワ党スポークスマン。1966年に同党入党。1970〜1979年は同党でカルバラ勤務。その後ラク諜報機関に追われたためにイランへ逃亡。1989年にロンドンに移るまでイランに滞在していた。ちなみに、同党は1970年代後半に反フセイン闘争を展開し、7万7000人もの犠牲者を出したとしている。同党は1982年に潰される。
---エネルギー・環境室より
イラクの統治評議会の各評議員の横顔(2003年7月16日更新)

結局、選挙はバース党のいたスンニ派を追い出しただけだった ---X-FILES 2005より

ジャファリは、国民投票の翌日、1/31、 占領軍撤退の日程を現時点で決めるのは危険過ぎるとして、撤退日程の明示を、アメリカ側に求めることに消極的な考えを示している。
そして結局、多くのイラク人の意思に反し、テロや破壊・混乱の根源であるアメリカはイラクに居座ることになる。
アメリカ得意の『差別政策』の一貫として、結局、選挙はバース党のいたスンニ派を追い出しただけだった。
アフガニスタンでは『(CIAの)ビンラディンを客人にしたという微罪』を口実にタリバンを徹底的に差別・迫害イラクでは、サダムの下で優遇されたというだけで、スンニ派のバース党員を徹底的に差別・迫害など、多くの人権侵害。
陰険で暗く執念深いアメリカは国策としていつまでもジクジクとバース党(スンニ)とタリバンを人権侵害をし続ける。
<シスタニの命の恩人イブラヒム・ジャファリ>
2004/8/5 アメリカがアル・マフディ市民軍との激戦を行ってナジャフが破壊されていた真っ最中、シスタニは命の危険を感じ、信者を見捨ててロンドンにトンズラした。
イスラム教シーア派の最高権威(大アヤトラ)アリ・アル・シスタニ師の報道官は、シスタニが数日前に心臓疾患に陥り、8/6 治療のためベイルート経由でロンドンへ行った。シスタニ師はロンドンについた日は病院に入院し精密検査を受けたが、即日退院(仮病と判明)。あるイラク人の所有する自宅で生活している。シスタニ師にはこの家の一角にある専用のアパートがあがわれ、他に従者・同行者にも専用の2つのアパートがあてられた。
そのシスタニのロンドンでの治療とやらの手配を行ったのはイラク暫定政府のイブラヒム・ジャファリ副大統領だった。
同時に、イスラム民主連合のアルワーン書記長は「ナジャフにいた4人の宗教権威イスファーク・ファヤード師動向不明。他の3人、バシール・ナジャーフィ師はイランに。ムハンマド・サイード・ハキーム師はドイツに。そして、このたび、アリ・アル・シスタニ師はロンドンに。これは単なる偶然でしょうか?それとも根回しされたことでしょうか?確信はありませんが、非常に怪しいと言わざるを得ません」と述べていた。
シスタニはアメリカ軍とアル・マフディ市民軍との激戦地になったナジャフのモスクを拠点に活動する。シスタニの前に大アヤトラだったサドル師の父は、最後までイラクに残りサダムに1999年に暗殺された。そして、サドル師は最後までイラクの独立のため、イスラム信教を犯す占領国アメリカに向けジハードをしていた。
<アシュラでの自爆テロを最大の口実に、アメリカ軍はラマディなど周囲の都市ででスンニ派イタブリ作戦>
2/20 アシュラ祭(2/18・19)の翌日、イラク占領アメリカ軍は、サダム政権時にバース党員の多かったラマディなどユーフラテス川沿いの都市で、武装勢力に対する新たな作戦を開始した。
夜間外出禁止令や検問所の設置などによる治安確保が中心になるというが、要するに、他のイラク人に対する見せしめとしての、『少数の反抗はスンニ派全体の連帯責任』とする締め付け差別作戦だ。この作戦に備え、(アメリカらによって洗脳され仕組まれた可能性の高い)アシュラの祭りを狙った市民標的のテロが起きているのがミソだ。イラク当局が、アメリカ軍に治安の強化を要請したという。アメリカ軍は車両の検問などを実施するが、イラク内務省当局者は特定の地域を封鎖する予定は無いという。


イブラヒム・ジャアファリ
Ibrahim al-Jaafari

イラク・バース党、米国との秘密接触を否定 イラク革命評議会副議長は健在

 イラク抵抗勢力の中心的存在とされるイラク・バース党は21日米タイム誌などが伝えたイラク抵抗勢力と米国との秘密接触を真っ向から否定する声明を発表した。22日付のバスラ・ネットが掲載した。
 米占領軍こそが深いジレンマに陥っており、やがて全面的な崩壊に至るであろう。バース党と武装抵抗勢力が選択した決して後退することがない路線は、如何なる機関とも交渉も協議も話し合いも拒否することだ。
 これから年末にかけて、シスターニ派とテヘラン間に使者が往復して米国とイランとは休戦(緊張緩和)となる。また分派主義者の影響力が増加し、バース党の根絶政策を求める。
 何故この時期に米国の報道媒体がこのニュース(秘密接触)を広めているのか? 任期の切れる米国大使のネグロポンテが何か業績を上げる為にでっち上げのだ。
http://www.albasrah.net/maqalat/ba3th_bayan2_2005.htm
  22日付のバスラ・ネットは、イラク革命評議会ッザト・イブラヒーム・ドーリー副議長が統合作戦室でイラク抵抗勢力の指揮を取っていると特報で伝えた。
 最近ヨルダンの首都アンマンに到着したイラク人たちは、副議長の動静を語り合っている。彼は(地下組織の)イラク軍や共和国防衛隊、サダム挺身隊の幹部連、及びイラク全土での再選挙で選ばれたバース党支部長と途切れなく会談している。
 彼らイラク人たちは、「同副議長は健康良好だ」と語り、米国情報機関が以前から流している重病説を全面的に否定した。「彼はイラク全土、特にニノイ、ターミーム・サラーフッディーン、バグダード、ディヤーリー、バビロンなどの各州を歩き回っている。アラウィ傀儡首相が数ヶ月前に発表した副議長拘束情報は、占領軍とその傀儡が陥っている隘路の一部を示すものだと副議長が語った」
 「副議長は統合作戦室でイラク抵抗勢力の政治・軍事作戦を練っている。イスラム、ナショナリスト、左翼の諸集団が副議長の指揮下で幅広く同盟している。副議長はイラク全土にあるバース党各支部に命じて、金銭的、軍事的(兵器)の支援、訓練、情報を必要とするイラク抵抗勢力に参集しているほかのグループに提供している。イラクの全州に戦闘集団が編成された」
副議長の写真(侵略前) → http://www.albasrah.net/images/articles/aldori.jpg
【見出し】
*米国はイラク復興資金184億ドルのうち29億ドルしか支出していない
*サウジアラビアと新首長就任後のUAEで国境紛争が再燃 
*イスラエルのシャロン現首相とバラク前首相がテレビで罵り合い
*イラクの反米武装組織「アンナーセル・サラーフッディーン」が、「イラク民間人を標的とするテロ活動は占領軍に奉仕するだけ」と非難 【ザルカーウィ派を刺していると思われる】
*CIA、テロリスト尋問にボーイング737を使用 「NW誌」
*HRW(ヒューマン・ライツ・ウォッチ)、エジプト政府がシナイ半島のリゾートホテル爆破事件でイスラム主義者など2400人を拘束と非難 「ロイター」
(ムバーラク大統領の治世は)「もう沢山だ」の標語を掲げてカイロ大学前でデモ 写真5枚
http://www.iraqpatrol.com/php/index.php?showtopic=7955
---アラブの声、2/23
イッザト・イブラヒム・ドーリー
イラク革命評議会・副議長
【私的めもらんだむ】
 シーア派系列の党首でありながら、スンニ派内部にも支持者がいる首相候補ジャアファリ氏とは中々のものである。それもこれも反フセイン運動を一貫して貫き通してきた信念が、対立する双方に支持を得たものと推測する。ましてジャアファリ氏は亡命先のロンドンにおいて、後に亡命してきたシスタニ師の面倒までみるあたり、イラク国民及びスンニ派にも温情ある人格者との印象を与えたことは否めまい。こうして敵対するスンニ派と融和をはかる一方では、当面の米軍駐留も認めるといった機略に富んだ政治力もある。彼のバランス感覚をすればイラクの未来を託して安心していられるだろうが、問題はアメリカにとっては甚だ厄介な存在になる可能性を含むことだ。アメリカがバース党に圧力をかけ続けるには、そのバース党の母体スンニ派と友好関係をはかるジャアファリ氏が邪魔になる。ジャアファリ氏が首相となった後の政治手腕が見物である。

【視聴予定】
22時
25-50 ビジネス塾 答えます経営の悩み---NHK教育テレビ
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