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【トピック】
レバノン前首相爆殺に使われた爆発物は劣化ウラン 欧州の専門家会議の結論
 [ML アラブの声]

18日付のイスラム・メモがシリアのシャーム・プレスから引いて伝えた。
 報道筋は18日、ベルリンに本部を置く「欧州平和報道委員会」は、レバノンのハリーリー前首相爆殺事件に関する初期情報を検討するため、退役した将軍や爆発物専門家による非公開ゼミを開いた。
 同委員会での趨勢は、爆発の写真やその形態、規模、火災の様子に基づき、爆発に使われた物質は非常に進歩したもので、米国にしか十分に存在しないというものであった。
 意見を交換した結果、爆発に使用された物質は強力な爆発力を有し、国際的に使用が禁止されている劣化ウランであることが確認された。
 同委員会の一部の軍人は、劣化ウランは爆発地点を汚染し長期間影響が残留するので、直ちに事件現場の放射能測定を実施する必要性を指摘した。

 レバノン司法相:ハリーリー爆殺直後に荷物を持たずオーストラリアに高飛びした12人(イスラム原理主義と関係)をインターポールと捜査 【自爆攻撃説が説得力を失ったためか?】

イスラム・メモの読者アンケート結果 3題

1)シナイ半島のシャルム・シェクでのイスラエルとパレスチナ首脳会談がパレスチナ問題へ与える影響は?
良い方向 : 5%
悪い方向 : 69%
影響無し :26%
参加人数: 2769人   実施期間:2/8から14日
2)レバノン前首相ハリーリーを爆殺した黒幕は誰と予想するか
イスラエルのモサド :55%
CIA          :26%
シリア          :6%
ヒズブッラー      :5%
キリスト教マロン派  :4%
イスラムのグループ  :4%
4511人    2/14
3)ハリーリー爆殺で、レバノンは暴力と暗殺の暗いトンネルに入るか?
イエス:59%
ノー  :41% 
2603人  2/14

*モサドのスパイ2人のニュージーランド追放後、イスラエルが両国関係修復に努める 「AP」
*アルジャジーラがイラク駐留米兵の交通事故死の多さに疑問、米軍声明の一例:先週だけで8人以上 何故か抵抗運動の活発な地域で発生
*リカービの子分、アラー・ラーミーが土曜休日化+朝と午後2勤務制を後者のみ反対(土曜休日化には反対せず) 【402号参照】
*米国3年以内にシリア、イラン、ロシアとの軍事衝突を予想 NATOが米国核兵器撤去を廻り分裂
*レバノンのシーア派権威、ハリーリーの爆殺にモサドを免責せず 「ロイター」

*シリア大統領、最強機関の軍諜報機関の長官に義理の兄弟を任命
*イスラエル、治安上の理由との口実で西岸のカファル・カドーム村(人口4千)を閉鎖、巨大な牢獄と化す 通院も通学も不能 
*欧州人道援助団体会長:パレスチナ人の半数が困窮線以下の状態
*インドが最大のイスラエル製兵器の輸入国
*アラウィ:政府が私を保護しなければアラブの国に移住する 【護衛が居なくなれば明日にでも殺されるだろう】

ハリーリー爆殺にCIA関与?---神浦 元彰

 イラクに駐留する米軍にとって、シリアは喉から手が出るほど欲しい国(地域)である。いつも言うように、地中海とイラクを陸路で結ぶことができるからだ。そのシリアの最大の弱点はシリア軍のレバノン駐留である。これは激しい内戦の続いたレバノンで、隣国のシリア軍が駐留して治安を安定させるという効果があった。しかし治安が安定してくれば、外国軍の強引なレバノン駐留というイメージが高まってくる。これが逆にシリアの弱点となるのである。
 このような場合、暗躍するのはCIAである。爆弾テロ事件は、直接、CIAが手を下さなくとも、レバノンの反シリア勢力を利用することもできる。そして米政府はシリアの米大使を召還して、爆弾テロの背後にシリアがいると印象づける。米政府の素早い大使召還が気になるところだ。まあ、CIAの手口としては古典的な謀略術である。特にベイルートはレバノンやシリアだけでなく中東の橋頭堡として、以前からCIAが活動の重要拠点としている都市である。
 私は産経新聞の記者が書いた「単純に爆弾テロの陰にシリアがいるという見方は疑問」という説に近い。これは米軍に頼らないシリア占領を目指し、まずは橋頭堡のレバノンを押さえる米政府(CIA)の動きと考えている。おそらくフランス政府(仏情報機関)も同じように考えているだろう。このテロ事件はアメリカのシリア征服の初動作戦という見方である。だからシラク大統領をハリリ氏の葬儀に派遣し、アメリカの暗躍をけん制しているのである。
 シリア政府と暗殺されたハリリ前首相の関係だが、私はシリアが大規模な爆弾テロで暗殺するほど、関係が悪化していたとは思わない。内戦で建物が破壊されたレバノンに、シリア軍を駐留させて治安を回復するというのは、建設業で大儲けしたいと考えるハリリ氏にとって正常な思考である。警備員をタダで雇うようなものである。しかし米軍のイラク駐留でレバノン駐留は高く売れるようになった。そのような状況の変化をCIAは利用したのではないか。また、アメリカに狙われているシリアは、ハリリ氏暗殺が行えるほど余裕がない。あまりにリスクが高すぎる。やっても毒殺か、狙撃ぐらいだろう。ベイルート市民を震い上がらせる大規模な爆弾テロは政治的なリスクが高すぎる。逆に反シリア感情を高めるのに大規模な爆弾テロは政治性の高い方法である。
 ともあれ、この爆弾テロをシリアがやっという見方は、あまりにも単純で危険だと指摘しておきたい。しかしこの事件を受けて、レバノンで反シリア熱が高まるのは間違いない。また、これからレバノンでアメリカのCIAと、フランスのDGSE(対外保安総局)の戦いが激化するだろう。イラクの石油をめぐる戦いである。

【私的めもらんだむ】
 ハリーリ爆殺に使用された爆発物に劣化ウランが確認されたこと、これは重要だ。アメリカにしか存在しない、製造できない劣化ウランの検出は、否応なくこの暗殺事件にアメリカ政府の関与を証明する物的証拠となるものだ。しかしながら、またもや欧米メディアはこれらの事実を無視し、かつアメリカ主導のシリア関与という捏造情報を垂れ流すのだろうね。今回の爆殺事件にCIAが関与している以上に、イスラエルのモサド暗躍の可能性は否定できまい。ベイルートがCIAの活動拠点であるように、モサドにとってもそうなのだから・・・

イスラエルはレバノン・キリスト教民兵軍を支援した

 モサド長官が「知力の源」と絶賛する紳士スパイにディビット・キムシュがいる。キムシュがレバノン担当を任された当時、レバノンでのキリスト教民兵は劣勢だった。1975年9月リスト教民兵の密使がイスラエルに武器の供与を頼み込んできた。キムシュはこれをレバノンに食い込むチャンスと判断、レバノンに武器を運び始める。イスラエルはキリスト民兵軍に「イスラム教徒を制圧するには充分で、イスラエルを脅かすには不充分の量」の武器を与えたのだ。しかし、1976年、軍指導者が親イラン組織ヒズボラに対抗すべく、シリア軍にも支援を求めたことでキリスト民兵軍とモサドの関係は頓挫した。ヒズボラはシリアにとっても脅威だった。数日のうちに何千人ものシリア兵がレバノン入りし、イスラエル国境近くまで迫った。
 ふたたびキリスト教民兵がイスラエルに助けを求めてきた。全面支援の必要性を感じたキムシュは、国防軍の戦車、対戦車ミサイルなど大量の兵器をキリスト教民兵の元に送り込んだ。ためにレバノン内戦は激化し、それを隠れ蓑にキムシュはイスラエル仇敵PLOにゲリラ戦を仕掛けた。それがレバノンのシーア派との戦いに発展する。レバノンはモサドにとって、暗殺だけではなく心理戦争の面でも、戦術の実験場となった
---GIDEON'S SPIES by Gordon Thomas 222-223p

【視聴予定】
 「新じねん掲示板」が閑散としているので、「視聴予定」はそこに移しました。
http://otd13.jbbs.livedoor.jp/sinzinen/bbs_thread

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