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【トピック】
レバノン全軍、前首相暗殺で警戒態勢 ベイルート

 レバノンの首都ベイルートで14日起きたハリリ前首相の暗殺事件を受けて、レバノン軍は同日、警戒態勢に入った。カタールの衛星放送アルジャジーラは「シャームの支援と聖戦」を名乗るグループの犯行声明を放映する一方、レバノン野党勢力は「シリアが背後にいる」と糾弾している。各宗派や周辺諸国との微妙なバランスの上に成り立ってきたレバノン情勢を反映して、さまざまな関係国・グループによる非難合戦の様相をみせている。

 アルジャジーラが流したビデオ声明では、犯行グループは「サウジアラビア当局との緊密な関係が暗殺の理由で、これは背教者と異教徒への殉教作戦の始まりだ」としている。だが、犯行場面の映像など具体的な証拠は示していない。AFP通信によると、レバノン治安当局は14日、ビデオに登場する男を「パレスチナ人イスラム過激派アハマド・アブ・アデス」と特定し、ベイルートの自宅を捜索したが不在だったという。

 レバノンで親シリアの立場をとるラフード大統領と対立する野党議員らは「レバノン、シリア両政府が事件の背後にいる」と非難した。シリアのアサド大統領は事件発生間もなく、暗殺を非難する声明を発表している。
---asahi.com

ベイルートで爆弾テロ 前首相を含む9人死亡

 【カイロ小倉孝保】レバノンからの報道では、首都ベイルート中心街で14日午後(日本時間同日夜)、自動車に積んだ爆弾によるとみられる大規模な爆破が起き、ハリリ前首相を含む少なくとも9人が死亡、約100人が負傷した。前首相を狙った爆弾テロとみられる。衛星テレビ・アルジャジーラによると、「勝利と聖戦」を名乗るグループが犯行を認めたが、詳しい背景などは不明だ。
 現場はホテルや大規模ショッピングセンターなどが建ち並ぶベイルートの中心地で、英国系銀行「HSBC」支店も被害を受けた。ハリリ前首相の車列が通りかかったとき爆発が発生したとの目撃情報もある。現地からのテレビ映像では、爆心地近くでは大きな穴が開き、極めて強力な爆薬が使われたとみられる。
 前首相はラフード大統領とは長年の政治的ライバル。昨年9月、ラフード大統領の任期延長をめぐる問題で、シリアの圧力を受けて延長を認めたものの翌10月、首相を辞任していた。シリア政府は「前首相とシリアの関係に全く問題はなかった」と語り、事件との関係を否定した。
 ハリリ前首相はアラブ有数の資産家。フランスのシラク大統領など欧州の政治家とも交流が深い。レバノンは複雑な民族、宗教構成の国で、キリスト教マロン派、イスラム教スンニ派、同シーア派がそれぞれ大統領、首相、国会議長のポストを分け合っている。75〜90年にかけて民族対立に起因する内戦が続いた。
(毎日新聞)

★対イスラエル強硬派のシリア、和平交渉再開を模索

 【カイロ=長谷川由紀】イスラエルとパレスチナの停戦合意を受けて、中東和平プロセス再生への期待が高まる中、アラブ強硬派シリアのアサド政権が、対イスラエル交渉再開を模索する動きを見せている。

 シリアのシャラ外相は10日、8日のイスラエル・パレスチナ首脳会談について「パレスチナ独立国家樹立と、(中東)地域の恒久的な平和実現のための努力を歓迎する」と評価。近くエジプト、ヨルダン、レバノン、パレスチナの各代表をダマスカスに招いて5者会談を行うと表明、和平プロセス参加に意欲を示した。

 ゴラン高原返還などをめぐるシリアとイスラエルの和平交渉は2000年1月以降中断しているが、アサド大統領は昨年末、無条件交渉再開の用意があると述べた。今回の首脳会談前にも、仲介役のムバラク・エジプト大統領と協議し、AP通信によると、ムバラク大統領は会談の際、交渉再開を希望するアサド大統領の意図をシャロン・イスラエル首相に伝えたという。

 シリアは、レバノンのシーア派組織「ヒズボラ」への支援や、イラクの武装勢力を放置しているなどとして国連や米国などから非難されてきた。アサド大統領は、経済発展などを目指して国内改革を推進してきたが、頓挫状態にある対イスラエル交渉が重荷となってきた。ダマスカスの外交筋は、シリアの和平積極姿勢について、「国際的な圧力をかわす狙いもあるが、世界の経済発展から取り残されるという懸念もある」と説明する。

 イスラエルは「テロ組織への支援をやめない限り、交渉再開は困難」としているが、エジプトなどアラブ穏健派諸国はシリアの動きを歓迎。3月にアルジェで開くアラブ首脳会議で、アラブとしての和平イニシアチブを再構築したい考えだ。
(読売新聞)

★レバノンのヒズボラ・ゲリラ、国境地帯でイスラエル部隊を攻撃

 [KFAR SHOUBA(レバノン)/エルサレム 17日 ロイター] レバノンのイスラム教シーア派民兵組織ヒズボラは17日、国境地帯でイスラエル軍のブルドーザーを爆破、イスラエルと交戦していることを明らかにした。
ヒズボラ系アラブTV放送、アル・マナルTVは、負傷者が出て、イスラエルの救急車が駆けつけたと伝えた。 
一方、イスラエルの軍当局者は、1部隊がロケット攻撃を受けたが、負傷者は出なかったと語った。
KFAR SHOUBA地区の目撃者は、イスラエル軍が機銃掃射で応酬、上空にはヘリコプターが飛んでいると語った。

治安関係筋によると、イスラエル軍戦闘機はヒズボラの陣地と疑われる場所を2発のロケット砲で攻撃したという。アル・マナルTVは、イスラエル軍が、国境地帯のレバノン側地区を、5分足らずの間に、30発のロケット砲で攻撃したと伝えた。
イスラエル空軍は、ヒズボラによる国境地帯での攻撃を受けて、レバノン南部の3地点を空爆したことを明らかにした。

レバノンの前首相の暗殺の黒幕は誰か? シリア攻撃は近づく 
[ML アラブの声]

 ベイルートで起きた暗殺事件は、シオニストと米国による一連の計画の一幕である。プロの手口で爆殺されたハリーリー氏は、この地域のシリアの有力な同盟者で、レバノンのキリスト教マロン派やドルーズ派がシリアの軍隊と諜報機関にレバノンから撤退を求め、ヨハネ・パウロ、ローマ法王がそれを支持した時に苦境に立たされたシリアに救いの手を差し伸べたものだ。
 レバノン内戦後に何期も首相を務めた億万長者のハリーリー氏は、内戦で破壊された爪跡の復興に貢献したが、レバノンの予算を債権者である悪辣で情け容赦の無い多国籍大銀行の手に委ねた。彼はサウジアラビアのファハド国王とも親しかった。それはレバノン国籍の他にサウジ国籍を有していたからだけではなく、サウジの経済、建設プロジェクトに国王のパートナーであったからだ。シラク・フランス大統領やクリントン前大統領とも親しく、戦争犯罪人のジョージ・ブッシュやトニー・ブレア、他のアラブの反動腐敗元首らとも親交があった。
 半年前にハリーリー氏は対シリア政策を変更し、シリア軍のレバノン駐留に反対する勢力を支持するようになり、(サウジアラビアの)ターイフ協定の決議に則り、レバノンの治安を維持するためにシリア軍がレバノンに駐留し続けるシリアの政策を支持するルフード大統領と対立した。
 ハリーリー氏は、レバノンからのシリア軍撤兵を求める国連決議1559号の発布に際して仏、米に協力した。国連に加盟している独立国の内政に干渉する権限を安保理は有していないにも拘わらずこのような決議がなされたことは重大であると受け止められている。
 ルフード大統領と対立したことでハリーリー氏は去年9月に首相を辞し、シリア軍をレバノンから撤退させるために議会で、マロン派やドルーズ派(ワリード・ジュンブラートのグループ)と公然と同一歩調をとるようになった。またレバノンを破壊しパレスチナ人を殺戮した犯罪人シャロン(現イスラエル首相)と以前に同盟していたイスラエルの手先でマロン派の裏切り者オーン将軍とも関係があった。
 シリアは事件発生直後に関与否定声明を出してはいるが、かつての同盟者であるハリーリー氏と対立していたため、現在非難の矛先はシリアに向けられている。緻密な計画に基づく大胆な手口を見れば、下手人と企画者がプロで豊富な経験と実行手段を有している国家や専門組織であることが分かる。
 我々の考えでは、現在このような暴力的手段に訴えることはシリアの利益にはならない。理由はシリアは弱小国家で敵に取り囲まれており、多くの内憂を抱えているからだ。そのため米国とイスラエルに屈辱的な譲歩をしてきたのだ(故に嫌疑を招くような行動を敢えてとる理由が無い)。
 以下の理由で非難の矛先はイスラエルと米国、イラン、及びマロン派とドルーズ派同盟に向けられる。

1)イラクの富を分け合うためにイランと米国、イスラエルの同盟の利益のため。特に、茶番選挙が終わり、事前にに明らかであった結果が発表されたので、シリアに国内問題を引き起こすことは、肥沃な三日月地帯(イラク)と連結させるためにシリアに戦争を仕掛け占領することは共通の利益となる。前述したように、イランはシリアの戦略的同盟国ではなく、良く知られているような分派主義・拡張主義的理由で、レバノンのシーア派同盟勢力(ヒズブッラー)を育てるためにシリアを利用してきたのだ。
2)マロン派とドルーズ派の同盟は、シオニストと米国の古くからの計画の一環である。故にこれらの政治勢力配下の熟練した一味が暗殺を実行し、シリアとその軍隊を永遠に片付けるために、彼らの宿敵であるシリアに罪を擦り付け窮地に追い込んだとしても驚くにはあたらない。
3)練り上げられた戦略目標を実現するために、親友をも犠牲にすることを厭わない米国とシオニストが採るやり口は目新しいものでは無い。カリスマ的人気を博していた政治家のハリーリー氏が、シオニストと米国の悪魔的政策の犠牲になっても不思議ではない。
---「阿修羅掲示板」より 投稿者 white

レバノン:戦争とは巨大な地上げなり
98年4月22日  田中 宇

再開発プロジェクトを私物化する首相
 再開発が進む旧市街を見ながら、「ここに再び、かつてのように繁栄するベイルートがよみがえるというわけだ」と筆者が言うと、知人は「いや、かつてと同じ繁栄など、よみがえらない。カネはハリリ首相とその周辺のふところに流れ込むだけで、国民のほとんどは豊かになどなれない」と言い放った。
 ハリリ首相は1992年から首相の座についている、レバノンの最高権力者である。(シリアのいうことには逆らえないが) 旧市街の再開発を一手に引き受けているのは、半公営の「都心開発再建会社で、ハリリ首相とその周辺が経営権を持っている。(ハリリ氏は首相になる前には実業家だった)
 再建会社は、廃虚となった旧市街に土地を所有している地権者のところを回り、土地を売るよう働きかけた。「どうせ廃虚なのだから価値はない」といって安く買い取った。売却を拒否する人々からも強制的に買い取れる法律を作り、旧市街はそっくり再建会社のものになった。
 ハリリ首相が、このプロジェクトを私物化している、という批判は、レバノンの多くの人が心に抱いている。国家的なプロジェクトが、所有者から強制的に土地を買い上げること自体は、悪いことではないが、そのプロジェクトで権力者が利益を上げているとなれば話は別だ。
 レバノンで17年間も続いた戦争は結局のところ、「巨大な地上げ」だったのである。

内戦後のレバノン
 15年に及ぶ断続的な戦争は、基幹産業の観光・金融を衰退させ、国土は荒廃した。1990年代はサウジアラビアに巨大な建設企業を保有するハリリ元首相による経済復興が最優先され、ベイルートを中心に一時は復興の光が見えたが、2001年の同時多発テロ後は国内に駐留するシリア・イラン、ヒズボラの存在などによってアメリカから軍事援助を中心とする支援が凍結された。
 2004年9月、国連安全保障理事会はレバノン情勢に関する決議を採択した。これは駐留を続けるシリアへの撤退勧告及びヒズボラ等、武装を続ける民兵組織の解体を促す内容のものであった。ただし、シリア及びレバノン政府はこの決議を「不適切」としており、特にレバノン政府はヒズボラを「不当に占領を続けるイスラエルへの正当な抵抗」集団としている姿勢を崩していない。
---フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

レバノンに飛び火したシリア問題  03/04/17
イラク北西部から米軍はシリア領内へ侵攻の形跡

 米軍筋に依れば、イラク旧体制高官の海外逃亡を予防するためにイラク北西部に展開中の米軍が作戦上、一時的にシリア領内へはいった可能性がある、と言う(15日付けSTRATFOR)。
 「シリアを制裁する」とパウエル国務長官が発言したが、米国にはネオコンを中心として強硬姿勢が目立つ。
 米国のシリア批判は日々オクターブをあげつつあり、ブッシュ大統領は閣内でシリア問題を討議することを辞めるよう指示した。

せっかく安寧をえてきたレバノンだったが。。。
 飛び火したのはレバノンである。
 事実上、レバノンを支配するのはシリア。正規軍2万を常駐させ、さらにシリア情報部の駐在事務所をベイルートにおいて、レバノンを恰も自国領の如く扱い、政治に深く介入してきた。
 レバノンにはスンニ派とシーア派に加え、ドルーズ派、マロン派が群雄割拠というややこしさ。これらはシリア軍の駐留の前に静かにしてきただけである。
 米軍の介入があるとすれば、アサド大統領が軍隊にどれほどの力を保持しているかを測る試金石にもなる。
 シリアでアサド体制が不安定化すれば、ただちにレバノンの政治安定と各セクトのバランスが崩壊し、そこにはイラクの無政府状況による略奪横行の擾乱と同様な力の真空が招来されるだろう。暗殺、内乱、社会不安。テロ。

ハリリ首相は実業家
 レバノンのハリリ首相スンニ派でサウジアラビアと親しいビジネスマン出身。過激派のヒズボラはシリアとイランが胴元でイスラエルへ侵攻してテロ行為をよく行う。マロン派はキリスト教カソリックでフランスの後ろ盾がある。
 このマロン派へシリアは支援をはじめ、従来のドルーズ派への支援を切り捨てた。
 もしシリアが米軍の圧力でパワーを低下させればレバノンをこれまで沈静化させてきたシリア軍による力と恐怖の均衡ががらがらと音立てて崩れ、再び流血の内戦になる懼れがある。そこまで計算してネオコンはシリア批判を強めているのか、先のことを考えないでポピュリズム的な強硬路線を示唆しているだけなのか。いずれ結論は間もなく出る。
宮崎正弘の国際ニュース・早読み
---平成15年(2003)4月17日B(木曜日、増刊号)
           通巻552号

爆殺されたハリリ前首相
Rafik al-Hariri
爆発直後の現場
【私的めもらんだむ】
「ハマスの起こりはイラン政府公認の秘密活動を通じてであり、シリアのダマスカスで外交の陰に隠れて活動していた。1987年3月、シリアとイランのメンバーが参加する会議が開かれ、インティファーダの反乱が決定された。参加者にはシリア情報部長官アリ・デューバ将軍もいた。
 1992年10月21日の会議の後の最終合意は、イランが資金、物資、軍事面での人員供給し、スーダンのキャンプで原理主義者らを訓練することだった。その訓練はイギリスのMI6方式で行われた。MI6方式はかつてイラン国王を倒したが、現在ではハマスで活用されその優秀さを証明しようとしている」
Dr.John Coleman『Diplomacy by Deception』 p214

13時
ヤンキー先生、母校を去る? 義家弘介ホームページ
告白 
2005年02月14日
 今朝,全校集会で,何よりも大切に思ってきた生徒たちに,今年度限りで北星余市高校を去るということを告げた。頭の中を様々な思い出が走馬灯のように蘇った。
「学校は義家に何もいえなくなってしまっている」「北星余市は義家におんぶにだっこだ」「義家は学校を休んで講演ばかりして金儲けをしている」などといった事実とはまったく反する声が去年の秋ぐらいから一部の寮やPTAのOBたちからあがるようになった。そして,子どもを遠くから見守っている親たちは,そんな声に敏感に反応した。同時に教師集団の中からも「講演会や執筆活動は全てやめろ。そうでなければ教師集団の一人としてはやっていけない」「相当額の印税が義家の元に入っているはず。それは副業だ!」などの厳しい意見が出されるようになった。聞きながら…泣きそうになった。母校存続のために全てを犠牲にして行ってきたことは,危機が回避された途端,負の感情となって私に降りかかってきた。何よりも大切なはずの北星余市高校教育の根幹は,私を中心に大きく揺れてしまった。
 北星余市高校の教師集団を,私は今でも信頼しているし,尊敬している。私などいなくとも,教師集団が同じ理念を共有しながら存在する限り,生徒たちが取り残されることはないだろう。昔,私がそうであったように…。
 母校に出会ったのが十七歳の春。そして,その日から十七年。私は三十四歳の誕生日を節目として母校を巣立つ決意を固めた。
 北星余市高校は私にとって全てだった。そんな私が北星余市を去るということは,再び全てを失うということになるだろう。でも,私は決して歩みを止めない。日本中に震えている人々がいる限り・・・・。これからのことはまったく白紙だが,私は生涯,『教育現場』にこだわりながら,自分を救ってくれた教育という営みに,恩返しをしていこうと思っている。
---義家弘介の教育コラム

 義家、辞めるな。逃げるな・・・とは云っても決意は固そうだ。世間様の常識とやらに押し潰された気がするけど、そんな世間体とは無縁なとこで頑張ってきたんじゃないか。でも、なまみの人間だもの、仕方のないところもあるよな。とりあえずはゆっくり休んで欲しい。また立ち上がるために・・・なぜかオレと同じ匂いがする義家に、自分で自分の傷口を舐める孤高の狼を感じている。安逸はおまえに似合わない。

【視聴予定】
21時
15-00 その時歴史が動いた 秘話・史上初の国際軍縮を成功させた日本人平和への苦闘▽日米攻防90日 --NHK総合テレビ
その時:大正11年(1922)2月6日
出来事:ワシントン会議において史上初の国際海軍軍縮条約が調印される

 第一次大戦直後、アメリカでワシントン国際軍縮会議が開かれた。会議の焦点は、太平洋をはさんで緊張関係にある日米両国が、合意できるか否かにあった。しかし日本を牽制し大幅な軍縮を迫る米と、これに反発し戦争も辞さないとする日本海軍強硬派の対立により、交渉は決裂の危機を迎える。その時、日本全権・加藤友三郎は、日米対決回避のため意外な外交戦術を繰り出した!防衛庁の秘蔵資料をもとに、緊迫する日米外交の裏側を描く。会議は初日から荒れ模様だった。主催国のアメリカは、日本の建造中の戦艦の廃棄を含む大幅な軍縮案を突きつけた。国際平和の名のもとに日本を牽制する意図が透けて見えるこの提案に、日本海軍強硬派は、全権・加藤に交渉断絶を迫る。もしこの会議が失敗すれば日本は国際的に孤立し、将来は日米戦争の可能性も出てくる。会議を成功させ、日米の緊張を緩和する方法はないのか?そもそも国防とはなぜ必要なのか?加藤は訴える。「国防は、軍人の専有物にあらず。」国際平和の原点に立ち返った交渉によって、日米緊張緩和への道を開こうとする加藤友三郎の、その外交・政治理念とはどのようなものだったのか。



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