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【トピック】
サルバドル方式/スコット・リッター [イラク情勢ニュース]
(スコット・リッターは、1991年から1998年までイラクに派遣された上級国連兵器査察官だった。現在は独立したコンサルタント)---以下、阿修羅掲示板より要約

 イラクの戦士に攻勢をかけようと懸命になっているアメリカ合衆国の姿は、まるで、過去のイラクでの間違いのうえに新たな作戦を重ねる準備をしているかのようにみえる。新たな作戦とは、アメリカ近代史において最も腹黒く最も厄介な時期から導き出したものである。

 サルバドル方式と呼ばれるものは、米国の後押しを受けて、1980年代にエルサルバドルでテロをおこなった暗殺部隊に関連する。画策されている計画は、実際にベトナム戦争時に実行されたフェニックス暗殺計画を起源とするもので、この作戦ではアメリカ軍の指揮する暗殺部隊が、ベトコン協力者として知られていた者、あるいは疑われた者を、何千人も殺害した。

【フェニックス暗殺計画関連】
●書籍「特殊部隊 ーフェニックス作戦ー」 
●X-FILES 「CIA」 秘められた真実・暗殺作戦より
ベトナムでは「フェニックス作戦」が始まろうとしていた。
アメリカが敵とみなすベトナム民族解放戦線ベトコンを支援する民間人を暗殺をする作戦だ。
CIAに実行命令が下った。

暗殺現場にメッセージが残された。
遺体の傍らに置かれた「スペードのA」だ。
犠牲者のほとんどは拷問を受けていた。
フェニックス作戦責任者で、CIAを率いたウィリアム・コルビーは、その数年後、CIA長官に就任した。
ウィリアム・ブラム「フェニックス作戦はベトナムの基盤を破壊するための作戦でした。彼等はベトコンと関係のある、すべての人々を抹殺しようとしました。」
ジェームズ・シュレジンガー「コルビーは私に単純明快な作戦だと断言しました。」
ウィリアム・ブラム「彼等はベトコンと関係ありそうな人々を片っ端から殺しました。兵士ではなく、民間人をですよ。血に塗れた大量虐殺でした。」
ミルトン・バーデン「戦略村、平和村。そんなものは大抵失敗に終わります。そんなもので戦争は終わりません。そしてジョンソンはベトナム戦争の波に完全に飲み込まれました。」
ベトナムで展開するアメリカ軍地上部隊の数は、4年間で2万人から54万人に増強された。
ニューヨークタイムズが発表した内容には、ジョンソン政権が発表したものとは違う事実が載せられた。
ロバート・スティール「アメリカ軍はベトナムの補給路を絶つ為に、カンボジアを爆撃しました。国防総省はそれをベトナム国内だったとウソの発表をしたのです。」
ジョゼフ・トレント「アメリカはベトナムの内戦を共産主義との戦いと間違えたのです。その結果、100万以上の命が奪われたのです。」
ロバート・スティール「アメリカはジュネーブ協定に違反し、戦争犯罪を犯しました。アメリカの人々はその事実に気がついていませんでした。」
ウィリアム・ブラム「CIAが犯した最悪の行為の数々はほんの一部の人しか知りません。」

 以下、B・フリーマントル著「CIA」 P193-195
ベトコン「フェニックス」計画を逆用--より
 「フェニックス」は民間工作・都市開発支援CORDS計画のもとに運営され、米軍が管理する平定計画とみなされていた。CORDSの初代長官はロバート・W・コマーで、CIA国家評価局の元分析官だった。コマーが後任に選んだのがウィリアム・コルビーで、当時はCIAソ連部長になったばかり、後年のCIA長官である。CORDSサイゴン本部に属するフェニックス計画の最高責任者は全てCIAマンだった。
1967年から69年までがエバン・パーカー・ジュニア、
69年から70年までがジョン・メイソン、
71年から72年までがジョン・ティルトン
といった顔ぶれで、72年以降は表向き南ベトナム側の担当になる。--中略--
 創始者コマーは南ベトナムの44省全てに、またサイゴンの4軍管区にそれぞれ、そして首都には三ヶ所も尋問センターを開設した。南ベトナム政府の地方探検隊には達成すべきノルマを課した。コルビーは後年フェニックス計画では2万587人の処刑が記録されたとしているが、南ベトナム政府側は4万人となっている。--中略--
 CIA分析官サム・アダムズは云う「結局ものをいうのは数字、つまり首狩りだ。フェニックス計画にまんまと潜り込んだベトコンや共産分子は、サイゴンかアメリカに忠実な南ベトナム政府の役人を狙い撃ちにしさえすればよかった。あとはアメリカ支援のフェニックスが始末してくれた。やつらはフェニックスをうまく利用した。つまり、フェニックスはアメリカの為になったように、ベトコンの役にもたったんだ」


 2003年6月にポール・ブレマー合同軍暫定当局(CPAを引き継いだあとの数ヶ月、バグダッドの大通りは暗殺部隊が暗躍した痕跡がいくつもあった。
 この部隊による効果的かつ残忍な手口として、イラク・イスラム革命最高評議会(SCIRIというシーア派政党の武装民兵組織であるバドル旅団からの引き抜きがある。サダム前政権の支配政党だったバース党の残った勢力に対抗するために、反サダムのさまざまな民兵の演じた役割は脱バース党に関する米国の秘密政策に垣間見られ、それはイラク人を汚い仕事に就かせた。サダム・フセインに忠実なバース党員や、SCIRIまたはその同調者に対立する「罪」を犯したと告発された者を抹殺するSCIRIの仕業(しわざ)は、CPAが指揮する脱バース党政策の「ヤミ」の側面として注目を引いた。それは合衆国軍隊の特殊作戦部隊およびCIAによって組織された秘密作戦であった。CPAの秘密工作員から内部情報を入手し、バドル旅団の暗殺部隊がバグダッド市内および周辺で何十人ものバース党員を殺害した。
 アメリカのイラク占領に対する現在のレジスタンスは、バース党の公式の組織に創設されたのではなく、むしろ部族的および宗教的な動機が複雑に入り混じっていた。それは1995年以降、バース党の秘密の細胞組織に取り入れられた。レジスタンスが成果を上げているのは、一つには、CPAの命令した脱バース党政策が失敗だったことによる。

 その流れを変えようとして、ブレマー脱バース党計画を撤回し、バドル暗殺部隊の降板を指示した。 バドル暗殺部隊から標的にされてきたスンニ派のレジスタンスは、激しい反撃に出た。自動車爆弾と待ち伏せによる暗殺を狙った作戦では、レジスタンスはアメリカ人占領者への協力者と見られるシーア(訳註:バドル旅団のことか)に対する作戦を遂行した。直接的な暗殺ではなく離れたところからの待ち伏せ攻撃は、つねに、圧倒的に優位な軍事力を持つ外国占領者に対して、自由の戦士が採用する作戦であることを歴史が教えている。
 サルバドル方式は受け入れられずに、あっさり失敗するだろう。スンニ派を基盤とするレジスタンスに対抗するために、ペンタゴンは特別殺人部隊をクルドとシーアの「忠臣」のなかから募集すると提案している。 サダムが統治した30年間、バース党政府とその治安組織は、クルドとシーアの反対運動の内部にひじょうにうまく浸透していた。他方、シーアとクルドは、スンニのなかに浸透することができた歴史を持っていないのである。




ポール・ブレマー
【関連情報】
「十分な兵力派遣しなかった」…ブレマー氏、米戦術を批判

★米報告書、ブレマーのCPAがイラクの復興資金10億ドルを着服

 イラク占領軍当局者による、腐敗、汚職は広く報じられていたが、それを認めた米国の公式報告書が現れた。30日付けのイスラム通信が報じた。
 イラクの米占領当局の元総監査官は、「バグダードの連合軍暫定当局(CPA)は、イラク復興資金のうち10億ドルにものぼる支出を立証できなかった」と発表した。
 総監査官の公式報告書は、「ポール・ブレマーが行政官をしていたCPAが支出した金額に相当する役務を受け、備品を入手した証拠を提示できなかった」と断じている。
 占領下での契約の実態を扱った初のこの報告書は、サダム・フセイン元大統領の写真入の旧紙幣を廃止し新紙幣と交換2470万ドルの無駄遣いの例も挙げている。
 さらに報告書は、CPAが20万ドルで購入した15台の警察用トラックは、(実物を)発見できなかったし、受け取った証拠も無かったと追求している。横領された金は旧政権の基金と、占領後のイラクの原油売上である。
 6月末に解散したイラク暫定統治評議会の元メンバーのバハルルウルーム氏は、7月15日付のロンドンで発行するアルクドクス・アルアラビー紙に、「ブレマーは、アメリカの窃盗行為を取り仕切り、イラク人の金品を組織的に、秘密裏に、不法に略奪した。この略奪行為は、イラクに駐留する米高官たちの手で実行された。ブレマー自身は、イラクの資産を2億5千万ドル(現金と多量の水銀など)以上を盗んだ」と非難した。

 「ブレマーはイラクを離れる前に、ある国に送金していた。彼はサダム大統領以上の独裁者だった。ブレマーは、他人が水を飲むことを禁じさせられるものなら、そうしたであろう」

 一方、7月14日付のバハレンのアハバール・アルハリージ紙は、イラクの省庁のアメリカ人顧問の腐敗振りを伝えている
 労働・社会問題省の総監査官で判事のザキーヤ・ハッキー女史は、「アメリカ人のロバート・クロス元同省顧問は、アメリカとイラク当局からの通達に従わず、無法の限りを尽くしていた」と弾劾した。
 総女史は「例えば、自己の身辺警備のためにアメリカの会社と4400万ディナールで契約して、同省の金庫から払わせた。この金は、身体障害児学校や孤児院、養老院の再建費に充てられていたが、『お前たちは占領下にあることを忘れるな』と凄み、抗議する職員を解雇すると脅迫した」といくつかの例を挙げている。

米軍との戦闘でシーアがスンニに合流
ストレイツ・タイムズ 2004年5月1日
 シーア派のサドル・シティ出身で失業中の市場運搬員アブ・アリ氏は、イラクのアメリカ人行政官ポール・ブレマーについて、「ブレマーは、最初だけは兄弟だった」と言った。
 新しい親シーア的なイラクの行政機関で働いてみたいと、一度は彼も望みを持った。「しかし今では、彼はサダムより悪いダムは私たちを下層民だと言った。そしてブレマーも同じようなことを言った犯罪者だとさ」。

★「占領下イラクの今日(いま)」    
−イラク民衆を助けるために何ができるか−
ムニール・チャラビさん(IDAO:占領に反対するイラク民主主義者同盟
 ポール・ブレマーはイラクを支配する最新の独裁者です。イラク人であった前任の独裁者たちと違って、彼は反アラブ、反イスラム、そして確信的なシオニストなのです。このような言い方は感情的で極端に聞こえるかもしれません。しかし、不幸なことに、現在ブレマーの手中に完全に支配されている土地であるイラクの本当の状況を理解しなければならないとしたら、それは現実を述べているのです。

【私的めもらんだむ】
8時
 手が悴んでキーボードを打てないほど今朝は冷え込んでいる。私は毛布の真中に穴をあけて、そこから頭を出して着ている。メキシコのポンチョだ。これでソンブレロでも被れば表面上はメキシコ人に成り切れる。

19時
 阿修羅掲示板に転載されたサルバドル方式は、実は私もずっと以前から関心があった事項のひとつだ。これには日本も関係する微妙な問題になる。よって多分にモザイクのかかったことしか書けないのが残念だ。
 サルバドル方式の具体例はエルサルバドル軍情報部元責任者にしてANSESAL(国家治安局)最後の長官ロベルト・エウラリオ・サンティバニエス大佐の証言記録が少しは参考になると思う。彼は亡命先で次のように証言している。
「この問題は暗殺部隊の構造から理解しなければならない。トップにはブレーン、軍幹部関係者や実業家がいる。底辺にいるのが(ガン)、つまり実際に殺戮を行うものたち。その中間にペロス、つまりがいる。その犬が命令を受け、作戦を監視する。犠牲者を最初に尋問し、拷問するのもこの犬たちだ」
 今世紀においても、これらの実態が全て明らかになることはまず無いだろう。しかしながら、サルバドル方式という言葉がネット上で囁かれるようになったことは、一歩前進したというか、再び私の関心を引いたことは正直嬉しい。スコット・リッター氏の勇気に敬意を・・・そして、いつの日か全ての闇が白日の元に暴かれることを祈り、信じて。

【視聴予定】
23時
30-00 世界遺産 謎に挑むピラミッド ---TBSテレビ

 エジプトには、およそ三十ものピラミッドが建設された。始まりは階段ピラミッドで、設計者イムヘテプはファラオを神格化するために建造。石材を内側に傾ける建築法により、巨大な建造物を実現する。その後、スネフェル王の時代にはさらに巨大なピラミッドが建造された。しかし、石材を内側に傾ける方法は地盤沈下を起こしてしまい、設計変更を余儀なくされる。

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