★スマトラ島沖でM8.9 死者5900人、邦人も不明か
インドネシア西部のスマトラ島沖で26日午前8時(日本時間同10時)ごろ、強い地震が発生し、大規模な津波がスリランカやインド、タイ、マレーシアなどインド洋沿岸諸国を襲った。各地の死者総数は少なくとも5900人を超え、さらに多数が行方不明になっている。バンコクの日本大使館は、タイ南部の観光地プーケット島、カオラック、ピピ島の3カ所で約20人の日本人と連絡が取れず、うち十数人は波にのまれたとの情報があるといい、確認を急いでいる。
また、旅行会社エイチ・アイ・エスによると、同社ツアー客の日本人男女2人がプーケット沖でけがをした。
ロイター通信によると、米地質調査所は地震の規模をマグニチュード(M)8.9と推定した。1900年以降で5番目、65年以降では最も強い地震という。
インドネシアの国営アンタラ通信によると、震源に近いスマトラ島北部ナングロアチェ州の州都バンダアチェやロクスマウェでは、建物や橋、道路などが崩壊、大勢の死傷者が出ている。
ロイター通信は死者数が1873人に上ると伝えた。同島の在メダン日本総領事館は、ナングロアチェ州に滞在する日本人2人の無事を確認。同島北中部に滞在する日本人約440人についても、けがなどの情報はない。
地震による津波は、プーケット島などタイ南部のリゾート海岸を襲った。プーケットでの津波の高さは5メートルに達し、市街地まで冠水、タイ当局は同島の空港を一時閉鎖した。タイ政府当局者によると、南部一帯で少なくとも196人が死亡、2008人以上が負傷した。
タイ南部はダイビングスポットとしても人気が高く、ロイター通信によると100人以上のダイバーが行方不明になっている。観光船や漁船が転覆したとの情報もあり、死者・行方不明者数は今後増える恐れがある。
AP通信によると、プーケット島を訪れたドイツ人観光客の夫婦が26日、同島パトン海岸沿いで「3人の日本人が波にのまれたのを見た」と語った。夫婦は海岸沿いの喫茶店でコーヒーを飲んでいて、津波から逃げる直前に目撃したとしている。
マレーシア西部のリゾート、ペナン島のバトゥ・フェリンギなどでも、津波に巻き込まれたとみられる32人が死亡、32人が負傷した。
一方、ロイター通信によるとスリランカ北東部の都市トリンコマリーやムトゥールなどカディヤル湾周辺では、約2200人が津波に流されるなどして死亡、行方不明者も多数出ている。沿岸の多くの漁村が軒並み津波に直撃され、家が倒壊したり流されたりしている模様だ。
インドPTI通信などによると、インド南部アンドラプラデシュ州とタミルナド州、ケララ州などの沿岸部で約1200人の死者を確認した。アンダマン海の島嶼(とうしょ)部でも漁業関係者が被害にあった模様で、ロイター通信はインドの死者が計1625人に上る可能性があるとしている。
インド洋の島国モルディブでは、津波で首都マレの広い地域が水につかり、当局はマレの国際空港を閉鎖した。被害状況は分かっていない。
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各国の地震・津波による被害状況(見込みも含む。ロイター通信などによる)
【インドネシア】ナングロアチェ州などで死者1873人。
【スリランカ】北東部ムトゥールなどで死者2498人。
【インド】南部アンドラプラデシュ、タミルナド両州などで死者1625人。
【タイ】プーケット島など南部各地で観光客ら257人死亡。5414人以上が負傷。
【マレーシア】西部ペナン島で死者32人、負傷者32人。
【モルディブ】首都が浸水、15人死亡か。空港閉鎖。
【ミャンマー】アンダマン海沿いの町で10人死亡。
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