★インドとパキスタン、和平推進の方針で一致
[ニューデリー 23日 ロイター] インドとパキスタンは23日、和平を推進していく方針で一致した。
23日からインドを訪問しているパキスタンのアジズ首相は、インドの指導者らと相次いで会談。インド外務省の報道官は、アジズ首相とシン・インド首相の会談後、記者団に、「両国とも、前進には複合的な協議が必要との印象をもった」と語った。
パキスタン首相のインド訪問は、13年ぶり。
★カシミール問題、積極姿勢 インド首相現地初訪問/パキスタン首相と協議へ
【バンコク=岩田智雄】インドのマンモハン・シン首相は十七日、パキスタンとの間で領有権問題が解決していないカシミール地方のインド支配地域を初訪問する。二十三日にはニューデリーを訪れるパキスタンのアジズ首相とカシミール問題について協議する。シン首相は最近、同地方での兵力削減も表明しており、五月の政権発足後、カシミール問題解決へ向けた取り組みに前向きな姿勢を示している。
シン首相は十四日の記者会見で、「印パはカシミールを含めたすべての問題について、ともに受け入れ可能な解決策の策定に取り組んでいる」と述べ、対話進展に積極的な姿勢を示した。
インドはバジパイ前政権下の今年二月から、パキスタン側と、カシミール問題を含めた課題について協議を進めてきたが、協議の仕上げとなった九月の外相会談では成果は得られなかった。両国は来月にも信頼醸成へ向けた対話を再開させる予定で、今回の首相会談は協議仕切り直しのために意見交換する狙いがあるとみられる。
これに先立ち、パキスタンのムシャラフ大統領は先月二十五日、住民投票で帰属を決めるとの方針を転換し、カシミール地方で
(1)独立
(2)両国の共同管理
(3)国連による委任統治−などの方法を取る考えがあることを表明した。
パキスタンが住民投票にこだわってきたのは、カシミール地方ではイスラム教徒が多数派を占めるためだが、同地方の三分の二を実効支配するインド側にとっては、住民投票やこれらの新提案を受け入れることは、現在の立場から後退することを意味する。
このため、インドはムシャラフ提案を「メディアを通じたものであり、正式なものとは受け取っていない」として無視する立場を取ってきたが、ナトワル・シン外相は十三日、「正式に提案されれば検討する」と前向きな対応を示唆。また、シン首相が提案したカシミールでの兵力削減は、テロが活発化した一九八九年から初めてのことで、パキスタンが和平の前提としている両国軍の撤退の要求にインド側が部分的に応じたものと受け止められている。
米大統領選後、対テロの主戦場であるパキスタンとアフガニスタンを訪問したアーミテージ米国務副長官は、ムシャラフ大統領のカシミール問題についての提案を称賛した。インドには米中枢同時テロ後、南アジアでの米国の軸足がインドからパキスタンに移りつつあるとの危機感があり、シン首相の“前向き姿勢”の背景には、カシミール問題でパキスタンが主導権を握ることへの警戒感があるためとの見方も強い。(産経新聞)
★インド、カシミール兵力を削減へ
[ニューデリー 11日 ロイター] インドのシン首相は11日、パキスタンと領有権を争っている北部カシミール地方の和平プロセスを新たに推進するため、駐留軍の兵力を削減すると発表した。
来週同地方を初訪問する首相は、政府が現地情勢の改善を受けて、この冬展開予定の兵力削減を決めたと発表した。
削減の規模や実施地区は、具体的に明らかにされていない。
パキスタン政府は、兵力削減が和平達成につながるとして、インド側の決定を歓迎する意向を表明した。 |
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インドのManmohan Singh 首相(右)と
パキスタンのShaukat Aziz 首相 |
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北部カシミールから撤退するインド軍兵士 |
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インド分離独立グループが油田爆破を引き起こす |
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