★自民献金「応じないと受注不利」 熊谷組前社長が証言
経営が極度に悪化しているのに自民党側に巨額の政治献金をしたのは違法だとして、大阪の市民団体「株主オンブズマン」のメンバーが準大手ゼネコン「熊谷組」(本店・福井市)の元社長と前社長の2人に在任中の献金額に相当する計約9900万円を会社に賠償するよう求めた株主代表訴訟の控訴審の口頭弁論が15日、名古屋高裁金沢支部であった。一審で敗訴した松本良夫・前社長(62)が初めて出廷し、「献金要請に応じなければ、財務に問題があるのではないかという信用不安を顧客や納入業者に引き起こし、厳しい受注競争で不利になると感じた」と献金の理由を明かした。
ゼネコンの元トップが政治献金について法廷で説明するのは異例だ。
松本前社長によると、建設業界では、業界団体「日本建設業団体連合会」(日建連)の会員会社で作る「十日会」が、自民党の政治資金団体「国民政治協会」から献金の要請を受け、経営規模などに応じて各社の献金額の目安を決めていた。
熊谷組は十日会で大手5社とともに第1グループに属しており、ほぼ最高額を献金。年間2000〜3000万円を予算化していた。十日会には総務部長が出席し、副社長に禀議(りんぎ)書が回され、最終的に社長が決裁していたという。
松本前社長はオンブズマン側から「政策の買収という批判もあるが」とただされると、「自由主義経済の維持、発展のためだった」「献金による地位、信用の維持の方が大事」と繰り返した。
しかし、「日建連として公共事業費の増額などを自民党に要望している。献金はその実現のためだったのでは」と詰め寄られ、黙り込む場面もあった。
★熊谷組と飛島建設、合併を白紙に 統合に予想超す費用
準大手ゼネコンの熊谷組と飛島建設は15日、05年4月に予定していた合併を白紙に戻すと発表した。情報システムの統合に大きな費用がかかり、統合効果が得られるまでに時間がかかることがわかったためという。03年春、管理部門の効率化や営業力の強化を狙って経営統合を打ち出したが、今後はそれぞれ業績向上を個別に目指す。
両社はバブル期の不動産投資で巨額の有利子負債を抱えたうえ、公共事業の発注減で業績が悪化した。このため熊谷組は2度、飛島建設は3度にわたり、債務免除や債務の株式化などでそれぞれ7500億円規模の金融支援を受けている。
受注工事の絞り込みや、人件費の圧縮などで経営再建を進めているが、抜本的な経営改善策として、統合を選んだ。不良債権処理を急ぐ銀行の意向もあったとされる。
ただ両社によると、これまでの準備の中で、予算や原価管理のシステム統合に予想以上の費用がかかることがわかった、という。金額は明らかにしていない。
ただ、共同研究や保有技術の相互利用などの協力は続けていくという。
熊谷組の主力取引銀行である三井住友銀行と、飛島建設の主力行のみずほコーポレート銀行は15日、「これまで通り支援を続けていく」とのコメントを発表し、統合の撤回を容認する姿勢を示した。 |
何のことはない、熊谷と飛島は親戚ゆえ創業当時から結託統合している。熊谷組の二代目、熊谷太三郎は飛島組取締役であり敦賀セメントの会長でもあったが、同じく敦賀セメント会長の前田又兵衛は熊谷組社長だった。前田建設工業の創業一族の前田家は同時に飛島建設をも支配し、熊谷組に結びつく同族である。熊谷組三代目、熊谷太一郎は飛島建設創業者・前田又兵衛(前田正治)の娘・前田松美と結婚している。
ホームページ
熊谷組
飛島建設
前田建設工業
|

 |
熊谷組社長
鳥飼一俊 |
 |
飛島建設社長
富松義晴 |
 |
熊谷太三郎 |
 |
前田建設工業
会長
前田又兵衛 |
|