★ファルージャ壊滅、街に数百の遺体 電気・水道も止まる
米軍とイラク暫定政府が攻撃を続けているイラク中部ファルージャに、イラク赤新月(赤十字)社は13日、医師らでつくる緊急援助団をファルージャに派遣した。援助団は、水や食料などを積んだトラック5台と救急車3台で市内に入ったが、米軍は「危険すぎる」と市街地での活動を拒否した。このため、ユーフラテス川をはさんで市街地の対岸にある米軍占領地域の総合病院で待機し、市街地入りを求めて米軍と交渉を続けている。
援助団によると、市街地の様子は病院からも見えるという。バグダッドの本部に入った連絡では、市街地では銃声が続き、家屋はほとんどが破壊されている。路上のあちこちに遺体が放置されている。野犬が遺体を食べる姿も目撃された。電気、水道の供給は止まっているという。
ファルージャ在住のアリ・アッバス医師は12日、「何百もの遺体が街に横たわっているが、だれも手を出せない。水も食料も電気もなく治療もできない。助けを求めたい」とカタールの衛星テレビ局アルジャジーラの電話取材に叫んだ。
赤新月社のアハマド・ナセル災害対策部長は14日、朝日新聞の電話取材に「状況は破滅的だ。援助活動に入れるよう、戦闘を1時間でも止めてほしい。そして、国際社会の助けを強く求めたい」と話した。
★モスルでの戦闘激化 ファルージャは近く戦闘終了
ファルージャ総攻撃をきっかけに武装蜂起が起きたイラク北部の主要都市、モスルで14日、武装勢力が警察署2カ所を襲い、少なくともイラク国家警備隊員ら6人が死亡した。AP通信が伝えた。北部バイジでも米軍との戦闘があり、武装勢力側に死者が出た。
モスルは人口約170万。武装蜂起は10日、同時多発的に発生し、警察署で武器が強奪され、放火された。だが警察の一部は鎮圧に動かず、警察本部長は解任された。
武装勢力は警察関連9施設を攻撃し、行政庁舎の一部も占拠した。米軍は空爆のほか、ファルージャ作戦から約500人の部隊をモスルに派遣。イラク暫定政府も14日までに300人以上の国家警備隊員などを首都から増派した。
バイジには石油精製施設がある。米軍報道官は、ヘリコプターや戦車による攻撃で武装勢力を数人殺害したとしている。
一方、アラウィ首相はファルージャについて13日午後(日本時間14日未明)、「戦闘は今日か明日終わる。明白な勝利だ」と述べた。ロイター通信などが伝えた。8日に公表されたヨルダン、シリアとの国境閉鎖は14日解除された。バグダッド国際空港の封鎖は続いている。
武装勢力は14日もファルージャ市南部で激しく抵抗。米軍はこれまでに武装勢力の1200人以上を殺害したとしている。米兵31人、イラク兵6人も死亡した。
カタールの衛星テレビ局アルジャジーラは、抵抗組織側の話として「我々は複数の地区を確保している。米軍はうそをついている」と伝えた。 |
「明白な勝利」だって?いったい誰が何に勝ったというんだ!自国の民が何百人と路上で死んでいるというのに、勝利を宣言して喜ぶアラウィという男はそれだけで信用がおけない偽善者だ。少なくとも首相の器ではない、人格的にも問題だ。彼はファルージャ攻撃に向けて参戦する2000人のイラク人兵士を前に「犯罪者たちを攻撃せよ。そして奴らを地獄に落とせ」と激を飛ばしている。自国民を戦争に投入する指導者ほど危険なことはない。我が国も例外はない。「地獄に落ちる」のは戦争を肯定して止まぬ側にこそある。
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ヘリに運ばれる米軍負傷兵、彼は間もなく死んだ |
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治療を受けるレジスタンス捕虜 |
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増え続けるモスク墓地の墓 |
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