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【トピック】
ザルカウィ幹部「聖戦」呼びかけ ファルージャ攻撃受け

 米軍のファルージャ攻撃を受け、武装集団「イラク・アルカイダ機構」を率いるとされるザルカウィ幹部による「聖戦」を呼びかける声明が8日、インターネットのイスラム系ウェブサイトに載った。声明の真偽は確認されていないが、ロイター通信によると、「聖戦への呼びかけが始まった」「勝利の日が来るのは近い」としている。戦闘に参加していないイスラム法学者に対し、「神はイスラム教徒を守るよう求めている」とも非難した。

 米軍はこれまで、同幹部の潜伏をファルージャ攻撃の理由の一つとしてきた。住民側は潜伏を否定している。

ファルージャ攻防、武装勢力38人死亡か 米軍2人も

 米軍とイラク軍が8日未明に突入したファルージャの総合病院をめぐる戦闘で「武装勢力側の38人を殺害した」とイラク暫定政府のアラウィ首相が同日、記者会見で述べた。さらに、モロッコ人2人を含む外国人4人を拘束したという。

 一方、AP通信は米海兵隊員2人を含む30人が死亡したと伝えた。また、アラウィ首相が殺害したと述べた38人について、AP通信はイラク駐留米軍が「拘束した」としていると報じた。

 米軍はユーフラテス川西岸地域から東岸の市中心部に向けた渡河作戦を行っている模様。ロイター通信によると、米軍は水陸両用車で川を渡ろうとして武装勢力から激しい反撃を受けた。米海兵隊の2人はブルドーザーに乗っていて、川に転落したという。

 米軍は攻撃機AC130を投入し、市域への空爆を続けている。各地で黒煙が上がっているという。AFP通信によると、市中心部のモスクが爆撃され、10人が死亡したという。

 AFPによると、米軍は8日午前、ファルージャ近郊で車両からアラビア語で「15歳から50歳までの男性の出入りを禁止する」と警告を流した。女性や子ども、老人は市街地から出ることはできるが、治安が回復するまで戻ることは許されないと伝えていたという。

ファルージャ総攻撃承認 イラク首相、バグダッド空港閉鎖

 イラク暫定政府のアラウィ首相は8日、米軍とイラク軍のファルージャへの総攻撃を承認し、同時に、7日に出した非常事態宣言に基づき、ファルージャなどに夜間外出禁止令を出した。さらにバグダッド国際空港の48時間閉鎖などを命じ、国境管理を大幅に強化した。6月末の主権移譲後、最優先課題に掲げてきた治安が、むしろ悪化し、国民議会選挙まで3カ月を切るなかで、反米武装勢力の最大拠点を軍事力で攻略する決断をした。

 バグダッドでの記者会見でアラウィ首相が表明した措置は、イラク中部にあるファルージャと、その西にあるラマディで8日午後6時(日本時間9日午前0時)から夜間の外出を禁止▽バグダッド国際空港での民間機発着を48時間禁止▽外国人テロリストの入国を防ぐためヨルダンやシリアとの国境を閉鎖し、生活必需品を運ぶトラック以外の出入りを認めない――などだ。

 首相は「平和的解決の時間は過ぎた」「私は多国籍軍とイラク軍に(軍事作戦の)権限を与えた。ファルージャをテロリストから取り戻す」と決意を語った。しかし、市中心部への大規模攻撃の時期については明言を避けた。

 ファルージャはイスラム教スンニ派地域にあり、武装勢力が米軍やイラク警察をたびたび攻撃する「スンニ派三角地帯」の一角。人口は包囲前まで約30万人。多くは市外に逃れ、米CNNテレビは約5万人が残っているとの見方を伝えた。米軍は人口の1、2割が残っているとみている。

 スンニ派に影響力をもつ「イスラム宗教者委員会」は8日、イラク軍やイラク治安部隊に対し、米軍との共闘をやめるよう呼びかける声明を発表した。

米軍がファルージャ突入、病院と橋を占拠
 イラク中部のファルージャを包囲していた米軍とイラク軍は8日未明(日本時間同日朝)、同市域西側に突入し、総合病院と、市中心部につながる二つの橋を占拠した。AP通信やAFP通信が伝えた。約1万人の米軍が市を包囲し、7日夕には市内への道路を封鎖して「攻撃の最終準備完了」と発表していた。
---阿修羅掲示板【全文
イラク
アメリカ合衆国
イラクのIyad Allawi首相はファルージャに戒厳令を宣言
米軍はユーフラテス上流に二ヶ所の橋を確保、ファルージャ西部の病院に潜入した
米軍の空爆によって死亡した犠牲者たちの墓を準備するイラク民間人
米軍のファルージャ空爆によって破壊された建物
反政府武装勢力がバグダッド137マイル北西のHadithaおよびHaqlaniyahの近隣、三ヶ所の警察署を襲う

【私的めもらんだむ】
9時
 テレビで、「イラク内戦は終息に向かう」との予測が外れたことに対して、一般ゲストから指摘された政府与党や某大学教授が口篭もる場面があった。現場を把握していない俄か軍事アナリストが、頭の中だけで自己解釈しては「アンタたちは知らないだろうから教えてやる」ふうの解説をたれる。その間違いを指摘されると言い訳に必死になるのだが、問題は予測が外れたことにあるのではなく、前言に固執してなお正当化しようとすることにある。そのことが問題なのだ。むしろ有害ですらある。「仕方のない戦争」を容認しては戦争を肯定化し、その戦争に巻き込まれていく一般犠牲者たちを度外視しながら「止むを得なかった戦争」をあくまで主張する。かと思えば、これら俄かアナリストを継続して登用するテレビ局がいる。戦争そのものの危険以上に、戦争への道を切り開いていくような知識人たちの詭弁のほうにより危険を感じる。

【視聴予定】
21時
15-00 プロジェクトX「日本技術陣・1億の地雷に挑む」 会社消滅復活のレーダー▽50歳の決意 --NHK総合テレビ
 世界各地に頻発する戦争や紛争。その復興に大きな足かせとなっている「悪魔」がある。「残留地雷」である。 現在、地球上に埋まる地雷の数、実に1億個。毎月2000人が命を亡くす。
 しかし、地雷は進化を続け、従来の金属探知器では発見出来ないものが増加している。

 地雷除去を担当する国連関係者や世界のNGOが熱い期待を寄せる日本製の地雷探知機がある。
「マイン・アイ」。土を掘り起こさなくとも、レーダーで地雷の形状や位置を正確に割り出す。より早く安全に、除去が可能になった。
開発にあたったのは大田区・蒲田にある小さなベンチャー企業。開発は数々の挫折を味わった一人の技術者の疑問から始まった。「会社は何のために社会に存在するのか」。

 昭和52年、世界の油田を渡り歩いていた冨田洋。石油採掘機械メーカー・三井海洋開発の技術者だった。
冨田は特命を受けていた。「新規事業を開拓せよ」。会社は危機に立っていた。
オイルショックの反動から石油がダブつき、中東の産油国は減産を続けていた。

 冨田は「不況でも建造物の保守点検の仕事は需要を伸ばしている」ことを発見。最先端のレーダー技術を組み合わせ、コンクリート内部の穴を発見する検査機器を設計。日本国内の電力ダムの水路トンネルを点検する新規事業を立ち上げた。しかし、会社は解散。平成元年、新たな会社をおこした。
 連日、深夜まで社員たちを叱咤(しった)し続けた。 順調に業績を伸ばす会社。しかし、「収益最優先」の冨田の経営方針は、社内に深刻な亀裂を生んだ。創業以来、苦楽を共にしてきた部下たちが次々に会社を去っていった。

 その時、米国から一人の男が会社を訪ねてきた。国連の地雷除去担当部門の責任者。 「レーダー技術を地雷探査に生かせないか」。その申し出に冨田は奮い立った。
「自分たちの技術で社会に貢献したい」。もうけの出ないボランティア。社員の多くが反対した。しかし、冨田は「本業に迷惑はかけない」と皆を説得。自ら工場にこもり研究を始めた。
資金にも技術力にも限界がある町工場。冨田は研究のかたわら、自ら大企業の門をたたき続けた。
冨田のねばり強い説得はやがて大企業を巻き込む大きなうねりを生んだ。
 試作機を手に、最悪の地雷埋没地帯「タイ=カンボジア」の国境に乗り込んでいく。

 番組では数々の困難を乗り越え、企業の社会貢献の在り方を模索した一人の技術者とそれを支えた人々のドラマ を描く。


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