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★「六日町断層」動く? 地震の原因との見方、有力に

 新潟県中越地震は、震源の南側にある六日町断層が動いて起きたとする見方が、研究者の間で有力となってきた。余震活動や地殻変動の観測などと矛盾が少ないことが理由。同断層は、政府の地震調査研究推進本部がマグニチュード7級の地震が起きる恐れがあるとして、8月に他の10断層とともに地震発生確率などを評価する断層の候補に加えたばかりだった。

 この地震で、地下にある断層の位置を示すと考えられる余震域は、魚沼丘陵に沿って北北東−南南西に延びている。
 断層の面が東西どちら側に傾いているかをめぐっては見方が分かれていたが、国土地理院による地殻変動の観測で、断層面が西側に落ちるように傾いているとの見方が有力となった。そのため、断層面を延長すると、六日町断層の地表での位置に重なると多くの研究者が考えるようになった。小千谷市など、地震の揺れの強い地域の分布とも矛盾しないという。
 地震予知連絡会大竹政和会長は「震源域と少し離れているように見えるが、六日町断層は、知られている位置より北側に延びていると考えられる」と話す。
 産業技術総合研究所活断層研究センター佐竹健治・副センター長によると、六日町断層は地形の変形から活動度が高いとして最近注目が高まっていた。長さは20〜30キロあると考えられるが、南北にどこまで延びているかなどが不明で、詳しい調査が必要だという。

 地震後、信濃川左岸で長さ数百メートルの直線的な段差が見つかったが、六日町断層とは余震域を挟んで反対側になる。地震を起こした断層面が東側へ下がっているなら、その延長は信濃川沿いにつながる。こちら側にも、十日町断層や長岡平野西縁断層帯などの活断層の存在が知られている。

●信濃川左岸に段差、地震の断層か 現地調査の教授が発見

 新潟県中越地震で、同県小千谷市と越路町の境界付近の信濃川左岸で、段差などのある直線的な地形を、現地調査に入った陶野(とうの)郁雄・山形大教授(災害科学)が見つけた。段差は北北東―南南西方向へ数百メートルにわたる。余震分布と方向が一致しており、陶野さんは地震を起こした断層の可能性があるとみている。

 断層に見える地割れや段差のある地形は、水田やあぜ道に数百メートルにわたり直線状に続いている。あぜ道を十数センチの段差が横切っているほか、延長線上の舗装道路も亀裂が横断している。
 陶野さんは「ここに走っていた活断層が、圃場(ほじょう)整備などで見えなくなっていたのかも知れない。延長線上の岩盤のような所でも同様の跡があれば、活断層の可能性が高まるだろう。詳しく調べる必要があると思う」という。
 付近を見た卜部厚志・新潟大助教授(地質学)も「断層かどうかまだはっきりしないが、軟弱地盤でこれほどくっきり出るのは珍しい」という。
 一方、現地の写真を見た松田時彦・東京大名誉教授は「(断層だと)写真だけでは断定はできない」としながらも、「道路を横切り、長く続いているので断層の可能性は大いにある。詳しく調べるべきだ」としている。
 また、東京大地震研究所阿部勝征教授も断定は避けながら、「大規模な地割れか断層の可能性がある。ただ断層なら、推定される位置より西側にずれている。地盤の悪い信濃川沿いなので、地下の液状化による地割れが広域に発生した可能性がある」と話している。




【私的めもらんだむ】
9時
 今度の新潟中越地震では三島と守門の間でGPS観測調査で地震前後の地殻移動が確認されている。三島から東南東に5cm、守門から西北西に20cm、地殻が圧縮され、東側が西側の地殻に覆い被さるように1〜2メートルの段差が発生している。これは逆断層の特徴であり、こうした活断層は全国におよそ2000近くあって、うち調査したのは98にしか過ぎない。専門家に云わせれば「地震が起きなければ活断層は分からない」のだそうだ。本当にそうなのだろうか?電磁波や地面に衝撃を加えて計測する方法も伝えられている中「やらないだけではないか?」との疑問も拭えない。今回の地震では信濃川左岸に活断層と思われる亀裂も発見されており、すでに確認されていた六日町断層がさらに東北方面に延びていたとの新たな発見もあった。
 連日報道されるニュース映像を見ても、震源地周辺の道路がズタズタに切断されている様子が分かる。2000はあるという活断層も実際にはもっと多いだろうし、地震の波及で普通の断層が即座に活断層と変化することも考えられる。こうした地震予備軍としての断層が無数に日本列島に存在することは「新潟中越地震規模の大地震は何処でも起こり得る」とした専門家の言葉を裏付けてしまう。明日は我が身のこととして、今から個人レベルでの地震防災対策をする必要がありそうだ。



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