●1998年3月19日の日誌から
ラナリット前第一首相の恩赦申請、姉の王女が提出
カンボジアのラナリット前第一首相の帰国問題で、ラナリット氏の姉のボパ・デビ王女は19日、北京滞在中のシアヌーク国王に、ラナリット氏に対する恩赦を申請した。カンボジア司法当局から起訴されていた武器密輸罪などラナリット氏の2つの裁判が18日に終わったことを受け、一括して申請した。バンコクのラナリット事務局によると、王女はファクスで恩赦申請を国王に送った。国王はウン・フオト第1、フン・セン第2両首相の公式文書による同意があれば恩赦を与える考えを表明している。
仏保守党、前ナンバー2を除名、極右政党接近を問題視
フランスの保守政党で、シラク大統領の出身母体である共和国連合(RPR)の前ナンバー2が18日、党から除名された。地方選挙で極右政党、国民戦線と選挙協力に積極的なことが問題とされた。15日の地方選挙でRPRなど保守は大幅に議席を失い、20日に予定されている地域議会での議長選や22日の県議会選決選投票の多くで、自力だけでは左翼勢力を抑えられない情勢だ。RPRの本部は、国民戦線への接近を禁じたが、地方レベルはそれに従わない動きが目立っている。
カンボジアとフランスの深い関係はシアヌーク国王の妃がフランス人との混血ということからも分かるが、妃のモニク女史については今もって殆ど資料がなく、その謎が解き明かされれば新たな真実がみえてくるだろうと言われている。上の何の脈絡もないような二つの記事にも、少し調べればカンボジアとフランスの関係が見えてくる。シラク大統領は93年7月のフランスとカンボジアの軍事協定後、カンボジアに攻撃用ヘリコプターを提供した張本人である。そのヘリコプターを自在に操ったのはイギリスの特殊工作部隊SASで、過去にはポル・ポト派に地雷施設を指導している。イギリスのイアン・シャープ監督作品「ファイナル・オプション」(82年制作)の映画では、要人幹部複数を拉致したテロリスト集団をSAS
がものの見事に殺害して救出するという活躍が演出されている。そのSASにはテロリストと疑われる者は射殺してもかもわない、という殺人許可が与えられている。イギリス国内でも無実の人々が誤って射殺される事件が相次いでいるが、それはテロリストと疑われるような振る舞いをした被害者が一方的に悪いとして、SASは何の処分も受けないというのが常識にすらなっているようである。インタビューに応じたあるSAS隊員は「我々は目標が現れるまで土の中に何週間も、それこそ糞尿を垂れ流しながら潜んでいなければならない。通常の人間なら誰だって耐えられるものではない。それを支えているのはイギリス国民をテロリストから守るという愛国心があればこそだ」と語っていたことが印象的だった。しかしそうした愛国心がかえってイギリスを窮地に追いやることだってあるはずだ。SAS隊員の忠誠心がどうあれ、SASの育ての親デヴィト・スターリングこそ世界的な大財閥ロスチャイルド一族のために働いているとなれば、ことは重大である。彼の遠戚にはカンボジアの自治を提唱したジョルジュ・マンデル植民省がいる。一見平和貢献とすら勘違いしそうなカンボジアの自治だが、彼らの意図するところはポル・ポト派に武器援助してきたことからも分かるように内紛を促すことである。何より「カンボジア独立を訴えながら、その敵対する勢力に武器を与える」ということが如実にそれを物語っている。その偽善自治を訴えたマンデルの本名ルイ=ジョルジュ・ロスチャイルド(Louis-Georges Rothschild)を知れば、SASを生んだスターリングの正体もおのずと暴露されていく。
シアヌーク国王をはじめラナリットら皇室一族が何かトラブルが生じるたびにフランスに逃げ帰るというのも、そこにロスチャイルド財閥の庇護があるからであろう。いやロスチャイルド一族にとっては庇護しているのではなく、カンボジア王室は単なるアジアに於ける駒でしかないかも知れない。用が済めばいつかは捨てられるはずだ。そういう意味でも我々はカンボジアの動向を注意深く監視すべきであろう。近い将来、アジアの火薬庫の何処かが必ずや爆発する時が来る。カンボジア王室もその火種として燻り続けさせるために利用されているにすぎない。武器密輸で窮地に立っているラナリットを救えるのは国王に嘆願しているボパ・デビ(デヴィ)王女ではなく、その背後に控えるロスチャイルド一族にほかならない。国王はひたすらロスチャイルド財閥の指示を仰ぎ、ために複雑な苦悩を味わっていることだろう。六番目の妃モニクにとってラナリットは実の息子ではないだけに失脚すら願っても不思議はない。その鍵となるのが実の息子シアモニとナリンドラポンという二人の殿下であろう。それが実現すればカンボジアは更に混迷の度合いを増しながら、ロスチャイルド一派が願っていた深刻な内紛となっていく。それも敵味方入り交じった複雑な様相を示すはずである。何となればナリンドラポン殿下がポル・ポト派であるからだ。ための殺戮兵器は彼らがたっぷりと準備している。あくまでも推測としておくが、これらの経緯を辿ればモニク妃のフランスの(ロスチャイルド家)エージェントとしての役割が自然に浮かび上がってくる。
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シハモニの異母兄
ラナリット
Ranariddh |
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ラナリットの姉
ボパ・デビ
Bopha Devi |
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シハモニの弟
ナリンドラポン
Narindrapong |
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